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【すぐに使える】採用通知メールの書き方<例示付き>

採用通知メールの書き方のコツ

メールは応募者とのコミュニケーションで頻繁に使用するツールのひとつです。面接日程の連絡や選考結果の通知など、用途によって内容はさまざまです。
今回はそのなかでも、作成頻度が高いと考えられる採用時と不採用時の通知メールについて、書き方のコツや送付時の注意点などを確認しましょう。

採用通知メールの場合

採用通知メールを送付する時期は、面接終了時からできるだけ早く、遅くとも一週間以内に送ることが望ましいといえます。これは応募者が他社と併願している際に、通知までの時間が空くことで、内定辞退の可能性が高くなることが懸念されるからです。それを少しでも防ぐためには、決定し次第、迅速に通知することが必須と考えられます。

入社手続きに関する提出書類や期限など、事務的な連絡事項も多いため、必要な内容を漏れなく記載することが重要です。その上で、冗長にならないように簡潔に伝えることを心がけましょう。

また、応募への感謝や入社してくれることを期待する文面などを加えれば、自社へのイメージアップや志望度の向上、内定辞退抑止などの効果が期待できます。

不採用通知メールの場合

不採用通知メールは、応募者の自社に対する印象を大きく左右する可能性があるため、その内容には十分な配慮が必要です。応募者が自社の製品やサービスの顧客であったり、将来に別の形で仕事上の接点ができたりする可能性もあるからです。
誠意を感じられない文面は、応募者からの自社イメージを悪化させてしまうことが懸念されます。

応募してくれたことへの感謝を伝え、言葉遣いにも失礼がないように留意することが大切です。可能であれば、選考中の前向きな印象などを記載すると、不採用という結果に対するネガティブな印象を軽減する効果が期待できるでしょう。

※不採用通知に関しては、以下の記事をご参照ください

【例示つき】不採用通知の書き方、送り方、注意点を紹介

採用通知メールの文例

新卒、中途、アルバイトなど、雇用形態によって採用内定から実際に入社するまでの期間や入社手続きの方法に違いがあるため、その状況によって採用通知メールの内容も若干異なってきます。以下にそれぞれの文例を示します。 

なお、メールに添付する形で、①採用予定者氏名、②採用予定日、③当該採用予定者を採用するという意思表示が示された「内定通知書」を送付することが望ましいでしょう。 

また、雇用契約については口頭のみの合意でも成立するものとされますが、労働基準法では労働契約の締結に際して、主要な労働条件を「労働条件通知書」などの書面(労働者が希望した場合には、メールやファックスなどでも可)で明示することが義務付けられています。内定通知を送る時点で、これら労働条件を明示するようにしましょう。 

実務上では「労働条件通知書兼雇用契約書」といった形で、双方の記名押印もしくは電子署名などで契約内容を確認しておくようにすれば、入社後の無用なトラブル回避につながると考えられます。 

新卒の採用通知メールの文例

件名:採用内定のご連絡【株式会社●●】

〇〇〇〇様

株式会社●●の採用担当〇〇です。

先日はお忙しい中を弊社の新卒採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。

厳選な審査の結果、〇〇〇〇様の〇〇に関するご経験や取り組み姿勢を高く評価し、弊社社員として採用を内定することで決定いたしました。

つきましては、内定承諾書を別途郵送いたしますので、ご確認とご署名をいただき、◯月◯日までに同封した返信用封筒にてご返送いただきますようお願いいたします。

なお、期限内にご連絡がない場合は、辞退のご意向として承りますことをご了承ください。

ご不明な点等がございましたら、(採用担当者名〇〇・電話番号xxxx-xxxx)までお気軽にお問い合わせください。

以降の予定として、◯年◯月◯日に内定者研修の実施を予定しております。詳細は別途メールにてご連絡いたします。同期の皆様との交流機会として、楽しみにお待ちください。

〇〇〇〇様とお会いできることを社員一同大変うれしく思い、ご入社を心よりお待ちしております。
今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

中途の採用通知メールの文例

件名:採用決定のご連絡【株式会社●●】

〇〇〇〇様
株式会社●●の採用担当〇〇です。

先日はお忙しい中を弊社の採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。

選考の結果、〇〇〇〇様の〇〇に関するスキルとご経験、取り組み姿勢などを高く評価し、弊社社員として採用することに決定いたしました。
つきましては入社承諾書を別途郵送いたしましたので、必要事項をご記入の上、◯月◯日までにご返送いただきますようお願いいたします。
なお、期限内にご連絡がない場合は、辞退のご意向として承りますことをご了承ください。
ご不明な点等ございましたら、採用担当者名〇〇までお問い合わせください。
〇〇〇〇様のご入社を、社員一同心よりお待ちしております。
メールにて恐縮ですが、まずはご連絡申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。

アルバイトの採用通知メールの文例

件名:面接結果のご連絡【株式会社●●】

〇〇〇〇様

お世話になっております。

株式会社●●の採用担当〇〇です。

先日はお忙しい中を弊社の採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。
選考の結果、〇〇様をアルバイト従業員として、以下のとおり採用決定いたしましたのでお知らせいたします。

【入社予定日】

◯年◯月◯日(曜日)

※ご都合がつかない場合は調整いたします。

【勤務場所】

東京都●●区●●●●●●●

株式会社●● 本社

上記にて入社承諾の旨を、◯月◯日までにお電話もしくはメールにてご連絡をお願いいたします。その際に入社当日の集合場所ほかの詳細をお知らせいたします。
なお、期限までにご連絡がない場合は、辞退のご意向として承りますことをご了承ください。

それでは〇〇様からのご連絡をお待ちしております。
何卒よろしくお願いいたします。

その他のメール文例

採用活動を進めるなかで、応募者に送付する通知および連絡メールの文例を、以下に示します。

新卒・中途の応募受付メールの文例

件名:ご応募ありがとうございました【株式会社●●】

〇〇〇〇 様
株式会社●●の採用担当〇〇と申します。
この度は、弊社の求人にご応募いただきまして誠にありがとうございます。
今後の選考に関しましては追ってご連絡させていただきますので、今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
何かご不明な点等ございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。
引き続きよろしくお願いいたします。

新卒・中途の面接日時連絡メールの文例

件名:面接日程調整のお願い【株式会社●●】
〇〇〇〇 様
お世話になっております。
株式会社●●●● 採用担当の〇〇です。
この度は弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
お送りいただいた書類を選考した結果、ぜひ面接にてお話をうかがいたく存じます。
つきましては、以下の候補日等をご確認の上、●月●日までに、ご希望日時のご返信をお願いいたします。
【面接候補日】

(1) ●月●日(●) ●●:●●~●●:●●

(2) ●月●日(●) ●●:●●~●●:●●

(3) ●月●日(●) ●●:●●~●●:●●

※所要時間は●分程度を予定しています。上記日程でご都合が合わない場合は再度調整いたします。

【面接場所】

東京都●●区●●●● ●●ビル●階

【連絡先電話番号】

XX-XXXX-XXXX (採用担当直通)

その他ご質問等がございましたら、お電話もしくはメールにてお知らせください。
ご都合のご返信をお待ちしております。
何卒よろしくお願いいたします。

辞退者対応メールの文例

件名:選考ご辞退の承諾の件【株式会社●●】

〇〇〇〇 様
お世話になっております。
株式会社●●●● 採用担当の〇〇です。
この度は、弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
採用選考辞退のお申し出をいただき、弊社としては大変残念ではございますが、ご意向を承知いたしました。
なお、お預かりしました履歴書等の応募書類は、弊社にて責任をもって破棄いたしますので、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。
末筆ながら、〇〇〇〇様の今後のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

メール文例を利用するときの注意点

メール文例を利用する際に注意しなければならないことは、そのままでは事務的、形式的な内容になりがちだということです。自社の熱意や誠意などを伝えづらく、また慣れない言葉遣いや文体から、相手に不自然な印象を与えてしまう懸念があります。

全体的な文書形式や必要な連絡事項などは参考にしつつ、自社に整合しない不自然な部分がないかをよく確認し、必要に応じて追記や修正を行ったうえで利用することが必要と考えられます。

採用連絡をスムーズにするためには

かつては、あえて採用連絡までの時間を延ばして、応募者と駆け引きするような企業も見られました。しかし人材不足の状況が見られる昨今では、他社との人材獲得競争という要素もあるため、できるだけ早いアクションが求められる傾向が見られます。
採用連絡では、面接日程の調整や選考結果の通知など、選考プロセスをつなぐコミュニケーションとしても、その対応の速さとスムーズさは極めて重要な要素と考えられます。

採用連絡の対応スピードを上げる方法としては、一部メールの自動送付なども含めたITツールの活用、面接官のスケジュールをはじめとした関係者間での情報共有、社外の採用サポートサービスの利用などが挙げられます。
採用連絡をスムーズに行うためには、自社の状況に応じた環境整備が必要と考えられます。

メール文例に自社のこだわり・工夫を加えたいときのコツ

採用メールは、必要な連絡事項も多く、どうしても事務的な内容になりがちですが、応募者との間の限られたコミュニケーション機会として、極めて重要なものといえます。

選考のなかで評価したポイント、入社にあたって歓迎する気持ちや期待など、応募者個人に向けたメッセージを伝えることは、本人の入社に向けた動機付けになることや、内定辞退の可能性を下げることも期待できます。

あくまでビジネスメールであり、過度にくだけた馴れ馴れしい内容は不適切ですが、応募者個人に合わせた内容を加えて、「この会社で働きたい」と思ってもらえるように、相手の気持ちにも配慮したメールを作成することが必要と考えられます。

採用通知メールの見直しポイント

採用通知メールの作成時に、意識しておかなければならないポイントとしては、以下のような項目が考えられます。

  • 簡潔でわかりやすい文章であること
  • 誤字脱字がないこと
  • 必要な連絡事項が網羅されていること
  • 言い回しや言葉のニュアンスが適切であること
  • 感謝や期待など、気持ちが伝わる文面であること

メールの内容見直しにあたっては、上記の現状を確認して、それぞれをブラッシュアップしていくことになります。

連絡や伝達事項が中心となるため、事務的な印象になりやすいのはやむを得ないところがありますが、文面次第で自社への印象が大きく左右されることもあります。応募してくれたことへの感謝など、相手への気持ちを込めた文面を含めて伝えることも重要と考えられます。

応募者個々人に合わせた文面でメールを送ることは、企業イメージや入社意欲の向上などの効果が期待できますが、メール作成の労力は増すことが予想されます。採用業務の効率化や体制全体の見直しが必要なこともあるでしょう。
これら業務全体とのバランスも踏まえながら、応募者の入社意欲が高まるような採用メールの書き方を工夫していきましょう。