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転職エージェントの手数料・費用の相場とは?他の採用手法と比較

人材紹介・転職エージェントの手数料とは?

一般的に転職エージェントでは、採用が決まった時点で費用が発生する成功報酬型が多くなっています。最初に費用の計算方法などについて説明しましょう。

人材紹介・転職エージェントの費用・手数料の相場

転職エージェントが提示する手数料は、紹介対象者の理論年収(後述)を基準に手数料率を設定しています(定額制を採用する企業もありますが、数が少ないのでここでは省略します)。

手数料は、転職エージェントにより多少の違いがあります。また紹介手数料の率は求人職種によって異なり、経営層などのハイクラス人材になるほど手数料が高額になります。紹介手数料の率を仮に35%とし、理論年収500万円の人材が転職エージェント経由で入社すると、紹介手数料は175万円前後になります。

転職者の理論年収支払うべき紹介手数料
400万円140万円
600万円210万円
800万円280万円
1,000万円350万円

理論年収とは

先ほど触れた「理論年収」とは、紹介手数料を計算するうえで根拠となるものです。
あくまで一例ですが、入社後支払われる毎月の基本給+各種手当(家族手当など)の12カ月分に賞与を加えた金額を設定している場合があります。

手数料が返金されるケース

紹介が成約したことにより転職エージェントに支払われる手数料には、一般的に「返金規定」が設定されています。返金規定とは、一定のルールにしたがって手数料を返金することができる仕組みです。

この返金規定に基づき、転職エージェントが紹介した人材が一定期間内に自己都合により退職した場合などに、転職エージェントは企業に紹介手数料の一部を返金します。

着手金とは

人材紹介には、転職エージェントのサービスに登録された人材を企業に紹介する「登録型」と企業から受けた求人に対して最適な人材を探し紹介する「サーチ型」があります。

サーチ型の場合、着手金が発生するケースがあります。サーチ型では経営層やエグゼクティブクラスを採用する場合など、スカウティングの手法で人材を掘り起こし、要件にあった人材を探し出します。紹介される人材は転職エージェントに登録している求職者に限りません。この場合、人材を探す段階から相当のコストがかかるため、紹介手数料の一部を着手金として先に支払うという方法を採用します。

転職エージェントとは

明確な定義がないため著者の見解となりますが、転職エージェントが求職者と企業との間に入ることで両者をマッチングする人材紹介サービスの手法になります。通常の求人媒体(サイト)とは趣旨が異なり、企業の求める人材の要件に応じた求職者と面談した上で、企業にマッチすると思われる人材を紹介してくれるため、より精度の高い紹介が可能です。人材採用にはさまざまな工程があり、時間と労力がかかるものです。このような転職エージェントを活用すれば、採用の日程調整や他社選考状況の確認などのコミュニケーションを行ってくれますので、採用活動の効率化が期待できます。また転職エージェントが求職者のスキルや経験を確認した上で企業に紹介することが多いのでミスマッチを防止する効果も期待できます。

転職エージェントサービスの仕組みと流れ

ここで、転職エージェントサービスの一般的な仕組みと流れについて紹介します。

1.ヒアリング

人材紹介サービスの担当者が企業にヒアリングを行います。ヒアリングの内容は、採用予定職種や職務内容、求める人材像や労働条件などについてです。

2.候補者の選定

ヒアリングにより企業が求める人材像を把握したあとは、転職エージェントが求人情報を作成します。応募者から企業の希望に合致すると思われる人材を候補者として企業に紹介します。

3.選考

企業は転職エージェントから紹介を受けた候補者を確認し、選考へ進めるか否かを判断します。選考へ進める場合、面接の日程調整を行った上で面接を実施します。

4.採用決定

転職エージェントから紹介を受けた人材を選考した結果、採用となった場合はその旨を候補者に通知し、候補者と雇用契約を締結します。

5.費用(手数料)の支払い

候補者の入社が確定した段階で、企業は転職エージェントに対して規定の手数料を支払います。

転職エージェントサービスの特徴

転職エージェントサービスは採用が成功した際に紹介手数料が発生する「成功報酬型」の料金体系が一般的で、初期費用がかからない点が特徴といえます。

また採用活動が効率的に行えることも特徴の1つです。転職エージェントには専門のキャリアアドバイザーがおり、採用に関してさまざまな相談ができます。そして企業の採用要件にあった応募者を選定して、人材の紹介・面接を行うことができるため、効率よく採用活動を進めることが可能です。

人材紹介とその他の採用手法を比較

人材紹介以外にもさまざまな採用手法があります。ここでは代表的な採用手法について、その特徴や料金について比較していきましょう。

求人広告

求人広告は、各社求人広告に企業が求人情報を掲載し、求職者からの応募を集めて母集団を形成する採用手法です。求人広告は「総合型」と「特化型」の2種類に大きく分かれます。総合型は、多くの種類の業種や職種の求人を取り扱っています。それに対し特化型は、特定の業種に特化しています。特化型の求人広告ではターゲットを絞り込んでいることもあり、それだけ自社が求める人材に出会える可能性が高まるでしょう。

求人広告の費用

求人情報掲載前に料金が発生するイニシャル型か、成功報酬型かによって料金体系は異なります。イニシャル型はコンテンツの内容によりますが、費用は数万円から100万円超までさまざまです。成功報酬型については掲載時無料、採用できた段階で費用が発生します。費用は転職エージェントサービスと同様で、理論年収に応じたパーセンテージが発生します。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、求人媒体のスカウトサービスやSNSなどのメッセージ機能を駆使し、企業が求職者に直接アプローチを行う手法です。求人広告が「待ちの採用手法」であるのに対し、ダイレクトリクルーティングはその名の通り「攻めの採用手法」といえるでしょう。

ダイレクトリクルーティングの費用

料金体系は成果課金型がメインですが、費用は数万円から数十万円となっているところが多く、エージェントサービスよりも比較的安価の傾向があります。

※ダイレクトリクルーティングに関しては、以下の記事をご参照ください
ダイレクトリクルーティングとは?導入メリットや成功事例を紹介

求人検索エンジン

各社が展開する求人検索エンジンは、Googleなどの汎用的な検索エンジンと異なり、求人に特化しているものです。求人検索エンジンは、無料で求人情報を載せられるケースが多いものの、サービスによっては有料で掲載することによって検索画面の上部に表示されるため、求職者の目に留まりやすくすることもできます。

求人検索エンジンの費用

掲載料金が無料というサービスが多いものの、有料のサイトも存在します。有料の場合、業種や雇用形態によって異なりますが、クリック単価制を設定しているところも多いようです。クリック単価や期間の設定の最適化がポイントとなるため、想定以上に費用が高額になってしまう、応募者が想定以下といった結果になる可能性もあります。

ハローワーク

ハローワーク(公共職業安定所)は、厚生労働省が運営している総合的雇用サービス機関です。全国に544カ所(2023年4月1日)と数も多いのが特徴です。

ハローワークの費用

ハローワークは国が運営している「無料職業紹介事業」になるため、求人掲載に関する費用はかかりません。一方で、自社の求人が多数の企業の求人に埋もれてしまう可能性もあります。

企業の採用担当者の業務は、新卒採用に加えて中途採用活動、そのほか労務関係や人事評価など業務工数は多岐に渡り、なかなか自社のみで対応することが難しくなっています。転職エージェントを利用すれば、じっくりと時間をかけて選考することが可能となり採用にかかる工数も抑えることが期待できます。転職エージェントの活用により、自社に適した人材の採用を効率的に目指すことができるため、利用する企業が増えています。また、基本的には採用が決定しない限り費用がかからないため、比較的導入しやすい採用手法となります。採用にお悩みの企業にとって、本記事が少しでもお役に立てば幸いです。