織田 直子
コンサルタント
エージェント事業本部
ハイキャリア・グローバルコンサルティング統括部
マネジメント層や中核人材に特化した人材紹介サービスを提供している、ハイキャリア・グローバルコンサルティング統括部。その中核を担うコンサルタントたちに「仕事へのこだわり」を語ってもらいました。「人材紹介のプロ」たちがどのような想いをもって、求職者の皆様や企業の採用担当者に向き合っているのか。今後の転職活動を進める際に、一つのヒントになれば幸いです。
【プロフィール】
お茶の水女子大学生活科学部卒業。手に職をつけたいという思いから、大学卒業後の2003年4月、大手IT企業にITコンサルタントとして就職。2006年2月にリクルート(旧:リクルートキャリア)に転職し、金融業界向けのリクルーティング・アドバイザーを経て、約10年以上にわたって金融・IT・コンサルティング業界のハイキャリア領域を担当。内資・外資問わず、コンサルティングファーム(業務、ITコンサルタント、デジタル領域、リスク領域)、SIer、ITベンダー、事業会社情報システム部門など、幅広い入社決定実績がある。
全国の営業所に足を運び、仕事の魅力を語れるようにする
大学卒業後、大手SIerに入社して、ITコンサルティング部門に所属しました。約3年間勤務した後、システムではなくそれを活用する「人材」に興味を持ち、リクルート(旧:リクルートキャリア)に転職。選んだ理由は、コミュニケーションを取る相手として、役員をはじめとしたマネジメントクラスの方々が多かったからです。
最初の2年間は、金融業界の企業様を担当するリクルーティング・アドバイザー(人事担当者に対して求職者をご紹介する職種)として従事しました。その後、自分で志願して、「サーチ事業部」という企業様と求職者様の双方に向き合う組織に異動。担当した大手金融企業の営業所長の採用案件は、今でも印象に残っています。私は全国の現場に足を運び、各地の営業所長と直接コミュニケーションを取り、仕事の魅力を自分の言葉で語れる状態になりました。営業所は人が人をマネジメントする場です。その仕事は一つの型では決して語ることができません。求職者の皆様に対して、それぞれの仕事の魅力をご紹介することで、約20名の方にご入社いただきました。
500人のレジュメをすべてインプット。
より有益なマッチングを生み出すために
そして今は、内資・外資問わずITベンダー、SIer、コンサルティングファームを希望される求職者様を担当させていただいています。自分自身で企業側の生の情報に触れて、求職者様に向き合うスタンスは変わっていません。大手企業A社のマネジャー候補の求人をいただいたときは、その人材要件を自分のなかで腹落ちさせるために、500人分のレジュメに目を通し、過去の内定者の情報もすべてインプットしました。そうすることで、企業様と求職者様との間で、より有益かつムダの無いマッチングが生まれると考えたからです。
A社にご入社いただいた方で印象に残っているのは、ある同業出身のマネジャーの方です。はじめはご応募に消極的でしたが、今手がけている領域の中でキャリア形成していくメリット、デメリットをお話するなかで、新型コロナウィルスの影響で稼働率が下がり、案件が減ってしまった不安など心を開いて話していただきました。結果、ご応募に対して前向きになっていただけたのです。A社では国内トップクラスの大規模案件にすぐにでもアサインが可能なこと、ブランク無く今までの経験を継続していけることなどをお伝えし、ご本人も納得。A社のみに応募していただき、職級も上がって年収もアップしました。
求職者様の入社後もご支援を続ける。
ずっと良いキャリアを歩んでいただきたい
私にとっては、求職者様のご入社がゴールではありません。その方が社内で評価され、ご活躍いただくことをゴールに置いています。先ほどのA社は、長い年月にわたって担当させていただいているので、マネジャーでご入社し、シニアマネジャーに昇格された方も、複数名いらっしゃいます。
入社後には、「何か困ったことはありませんか?」とフォローアップのためのご連絡をさせていただいていますし、定期的な情報提供も私から行っています。例えば、その会社独自の文化は、初めて入社される求職者様より深く理解しているので、「こういう風に振る舞えば、すぐに溶け込めますよ」「●●さんにコンタクトすれば、その疑問は解決すると思います」とアドバイスをさせていただいています。より活躍しやすい状況をご自身で作れるように、できる限りのサポートをする。その後も気持ちが揺れたり、キャリアで悩んだことがあれば、いつでもご相談に乗れるようにしておく。そうすることで、人生を通じてご支援をしていきたいのです。私が接してきた求職者の皆様が、それぞれの会社に転職して何を感じて、毎日をどう過ごされているのか。そのご状況を私自身が把握させていただくことで、次にご紹介する方に還元することもできる。結果、よりフィットしたマッチングを生み出せる。このようなサイクルをこれからも作っていきたいですね。
最後の決断のシーンは、一緒に悩み抜く。
関わった全員の方をハッピーにしたいから
ハイキャリア・グローバルコンサルティング統括部に異動して10年以上が経ったのですが、これだけの出会いがある職場もそんなにないなと思っています。一つひとつの出会いが自分自身の人生を考えるきっかけになっていることもあり、この仕事が好きだと感じています。同じような業界を担当していても、その企業が欲しい人材は、5年前と今では大きく違いますし、紹介会社自体の在り方も変化している。そういう意味でこの仕事の奥深さを感じています。
最後の意志決定のシーンで「この方にとって本当にここで決断していいのだろうか」と一緒に悩む場面もあります。自分本位で転職先を勧めることは絶対に避け、とにかく関わった人全員がハッピーになる状態を目指したいと思っています。担当企業に対しても、事業の先を読んで、今後必要になる人材をこちらから提案していく。求職者様には、ご本人のご意志を尊重しながら、ご自身が気付いていない可能性も提示させていただく。全ての領域の人材に精通している私たちリクルートだからこそ、まだまだ新しい機会を提供できると思っています。