中村 圭吾
シニアコンサルタント
エージェント事業本部 ハイキャリア統括部
ハイキャリア・グローバルコンサルティング2部
マネジメント層や中核人材に特化した人材紹介サービスを提供している、ハイキャリア・グローバルコンサルティング統括部。その中核を担うシニアコンサルタントたちに「仕事へのこだわり」を語ってもらいました。「人材紹介のプロ」たちがどのような想いをもって、求職者の皆様や企業の採用担当者に向き合っているのか。今後の転職活動を進める際に、一つのヒントになれば幸いです。
【プロフィール】
コールセンターエージェンシーにて大規模センターの構築・運営に携わった後、リクルートエージェントに2006年より在籍。大手製造業の大規模採用プロジェクトを統括するアカウントマネージャー、および化学、重工業分野のエンジニアを中心としたキャリアコンサルティング双方を経験。現在はコンサルタントとして希少性の高いポジションの採用支援・ご転職支援を、企業側・求職者側の両方を担当しながら推進している。
人事担当者、現場責任者、求職者の方々の志に出会ううちに、
「この人たちの力になりたい」と本気で思うようになった
エネルギー・プラント・重工業界の企業、求職者の方々の双方に対する想いが、私の仕事への原動力になっています。2006年にリクルートに転職して、初めに担当したのがこれらの業界でした。それまで、縁もゆかりもなかったこの領域ですが、インフラを支える、という高い志を持つ多くの人事担当者、現場責任者、そして求職者の方々と出会ううちに、「この人たちの力になりたい」と本気で思えるようになってきたのです。この業界を14年に渡って支援してきましたが、過去にご入社いただいた方といまでもプロジェクトで接する機会があります。活躍されているのを目の当たりにすることで、自分の仕事の意義を実感するのと同時に、より多くの方により良いキャリアをご提供するのが自分の使命だと改めて感じています。
最近の担当事例として挙げられるのが、メーカーA社の動力源転換推進プロジェクトです。幅広い製品を扱っているA社は、自社製品の動力転換を抜本的に進めており、そのキーとなる研究者の採用をスタート。異業種でモーター研究に携わっていた数名の方々に、私の紹介を通じてご入社いただきました。その方々にとって、ご経験が無い業界にご転職いただいたのですが、私がここでこだわったのは、「転職先の仕事の意味をしっかりとお伝えする」ことです。
求職者の想いを起点に、企業側から意味のある情報を集める
人の人生を左右するこの仕事において、求人票に記されているような情報を扱うだけでは、エージェントとしての価値がありません。あくまで求職者の方の想いを起点にして、企業側の情報を徹底的に集め、ご本人にとって意味のあるものであるかを確認いただき、ご案内することを心掛けています。「この仕事はこういう意味を持つ仕事です。あなたの思い描いていたキャリアが実現できる可能性があります」と、自分の言葉で伝えたいのです。A社であれば、動力源の転換をゼロから手掛けることができて製品の幅も広い。その他にも、現場の方と接する中で様々な魅力を感じることができました。それぞれの方の現職との違いを意識しながら、一人ひとりにとって意味のある形で仕事の内容を詳しくご説明しました。
そのような情報提供を行うために、企業の現場担当者にヒアリングをする際には、一般的な質問にとどまってしまわないよう気を付けています。具体的には、過去お会いした方々のお話をもとに、必ず応募を検討する方の立場に立ったうえで臨みます。転職を覚悟する際に問題となるポイントは何か?どのような変化を欲しているのか?など、当事者になったつもりで、徹底的に聞き取りを行っています。そうすることで、求職者の方が「人生をかける意味」を見出せる、他には無い情報を引き出すことができるのです。先ほどのメーカーA社にご転職された方には、「処遇がアップするわけではありません。でも、この業界の動力転換というイノベーションの起点になれる、またとないチャンスです。異業種で未経験ですが、自社にとどまっていては得られないチャンスです」と、入社を決意していただけました。A社は大手リーディングカンパニーでもありますので、この会社での動力転換の研究開発を通じて、日本の産業の競争力向上にもつながることを願っています。
採用活動自体をゼロから企業に提案する
入社当時は、リクルート社内にエネルギー・プラント・重工業界を担当している人が少なかったので、おこがましい言い方ですが、「自分がやらなければ、誰がやるんだ!」という使命感を持ちながら仕事をしてきました。しかし、徐々に実績が積み重なり、いまでは、業界専任チームが発足して、複数名のメンバーと密に情報共有しながら動けています。私たちリクルートチームは、企業の採用活動の前段階である、人員計画の段階から関与することもありますし、事業の成長にどのような方の採用が必要かをゼロから提案するケースもあります。今後は、チーム内での連携を強めながら、より幅広い選択肢を求職者の皆様にお届けしたいと考えています。