高橋 紀夫
コンサルタント
エージェント事業本部 ハイキャリア統括部
ハイキャリア・グローバルコンサルティング2部
【プロフィール】
国家資格キャリアコンサルティング技能士。大手スポーツメーカーにて販売促進を経験した後、外資系人材エージェントを経て、2008年にリクルート（旧：リクルートキャリア）に入社。一貫して事務系領域（人事、経理、法務）を担当。現在は人事職領域のハイキャリア層の転職支援を手がける。
働き方改革、リモート化、ジョブ型雇用――人事領域に大きな変化
人事領域には、今、急激な変化が起きています。
2019年より働き方改革関連法が順次施行され、労務管理の見直しが急務に。さらに、コロナ禍への対応策として、在宅ワーク・リモートワークを導入。一方、長期的視点では、労働人口の減少や終身雇用の崩壊などを背景に、「ジョブ型雇用」への移行を打ち出す企業も増えてきました。副業解禁も進むなど、企業と働く人の関係性が大きく変わろうとしています。
このように、人事領域では変化のトレンドワードが目白押し状態。それに伴い、企業はマネジメント体制や人事評価制度の見直しに迫られています。そこで、変化に対応する体制を強化するため、労務管理・人事制度企画・採用など、人事領域全般で採用が活発化しています。
大手国内メーカーでは、「次の成長に向けて会社を変革させるために、まず人事を変える」と宣言し、人事のトップに外資系出身の人材を迎えるケースも複数見られます。
そして、採用対象となっているのは、必ずしも「先端の手法のノウハウを持つ人材」だけではありません。新たな施策を着実に推進していくため、人事のベーシックな経験を積んでいる人材も求められています。
現在の日系企業は、働き方や人事制度の変革に対して、スタンスが分かれています。フルテレワークに移行するなど、積極的に変革を進めている企業と、従来のスタイルを変えていない企業。
そして、後者タイプの企業に勤務している人事職の方々が、「変革にチャレンジしたい」という想いから、前者タイプの企業に転職する事例が生まれています。
一方、外資系企業で人事経験を積んだ方が、日系企業に移ってノウハウを活かすチャンスも増えています。
人事には、会社を大きく変える力がある
コロナ禍以降、人事職の皆さんと面談をしていると、「自分の会社の人事体制は標準なのか。遅れているのではないか」などの不安を口にされる方が多く見られます。「テレワークの制度はあるが、上司は普通に出社している。どの会社もそうなのか？」「ジョブ型雇用とは、実際にはどういうものなのか？他社での導入は本当に進んでいるのか？」といったように。
そこで、他社のさまざまな取り組みの事例をお伝えすると、「自社と他社ではこんなにも違うのか」「こんなに変わってきているのか」と気付かれるのです。
私が人事職の皆さんにお伝えしたいこと。それは「今起きている変化をチャンスと捉え、チャレンジしてみませんか」ということです。
働き方・研修・人事制度など、人事が手がける取り組みは、会社を大きく変える影響力を持っています。企画職やエンジニアなどはプロダクト開発によって事業を変えますが、人事の仕事は組織の風土やエンゲージメントなど、「空気」そのものを変えられる。今や「戦略的に取り組めば、業績に大きく貢献する」という認識に変わりつつあります。
まさに変える機会が訪れている今、難しさはありますが、非常に面白くなってきていると思います。
もちろん、転職に限らず、自社にとどまって変革に取り組むのも選択肢の一つです。
私自身、皆さんのチャレンジをお手伝いできることを、人事領域担当コンサルタントならではのやりがいだと感じています。実際、変革にチャレンジしている企業への転職を支援した方々からは、入社後、「宝の山だ」「変えていくことが楽しい」などの声をお寄せいただいており、とてもうれしく思っています。
「入社後の活躍」というゴールに向けて、正確な判断ができる情報提供を
私が求職者の方々と接する際、強く意識しているのは、「正確な情報を適切なタイミングで」提供することです。
「正確な情報」とは、私の主観が入っていない、客観的な事実情報です。もちろん、私自身の経験をもとにアドバイスをさせていただくこともありますが、偏りが生じないよう、注意を払っています。
「適切なタイミング」とは、「ちょうど」ではなく「前もって」「先回りして」です。「この方にとって、どんな情報が必要なのか」を想像し、早めに情報提供をすることで、すぐに行動に移せるように、と考えています。
求職者の皆さんにとって、ゴールは「入社」ではなく「入社後の活躍」です。入社後の「こんなはずじゃなかった」「イメージと違っていた」を防ぐためにも、正確な情報を適切なタイミングでお伝えし、ベストな判断につなげていただけるよう、サポートしてまいります。
