岩山 笑子
コンサルタント
エージェント事業本部 ハイキャリア統括部
ハイキャリア・グローバルコンサルティング1部
【プロフィール】
グローバルフードサービス企業でのマネジメント・人材育成の経験から、人のキャリアや人生観に興味を持ち、2013年、リクルートキャリアに入社。IT業界のキャリアアドバイザーとして約500名の転職実現をサポート。2018年より現組織に異動し、求職者・求人企業の双方にアプローチするコンサルタントとして活動。
得意分野は、コンサルティングファーム、SIer、事業会社の情報システム部門、女性のキャリア支援など。
大手SIerでは、変革を図り、新たなポジションの求人が登場
国内大手SIerにおいては、時代の変化に対応するための変革や、新たに仕掛けていこうとする動きが活発化しています。
SIerに対してDX(デジタルトランスフォーメーション)支援のニーズが高まる中、クライアントである事業会社の「外部パートナー」の枠を越え、「共同体」となって新たなビジネス創出に取り組む案件が増えてきました。
それに伴い、大手SIerでは「プロジェクトマネジャー」を中心に、「新規事業開発」「コンサルタント」などのポジションの求人も出てきています。「より上流から手がけたい」と、SIerからSIerへ転職する事例も生まれています。
ITエンジニアの皆さんにとって、転職先の選択肢は豊富。SIer、ネット企業、事業会社のIT部門やDX推進部門、スタートアップなど……それぞれに魅力があり、どの分野でどんなキャリアを積むか、悩む方が多くいらっしゃいます。
そんな皆さんをサポートするにあたり、私はそれぞれの業界特性の情報をくまなくご提供するのはもちろん、その方の過去にさかのぼってお話を伺い、価値観に注目しています。
学生時代からこれまでの歩みの中で、どなたにも「変化」のポイントがあるもの。そのターニングポイントでの意思決定の背景や理由を伺っていくうちに、その方の本質的な価値観が浮き彫りになってきます。
私が大切にしているのは、求職者ご本人がご自身の強みや価値観に気付き、ご自身で納得のいく選択をすることです。だから「こうしたほうがいい」とは言いません。ご自身で選択や決断をしていただくために足りない観点や情報を提供することで、一歩を踏み出すお手伝いがしたいと考えています。
私自身、転職経験者です。以前はグローバルフードサービス企業の店舗マネジメント職として、130人ほどのアルバイトスタッフの育成を行っていました。学生、ダブルワーカー、主婦、外国人など、多様なバックグラウンドを持つ人たちの「働く理由」や価値観に触れるうちに、人生観・キャリア観への興味が強まり、転職エージェントに転身したのです。
そんな前職での経験も活かして、求職者の方の背景にあるもの、ちょっとした心の動きを察することを大切にしています。
転職した後のキャリア構築をイメージしながら、情報を提供
過去~現在の観点だけでなく、長期にわたる「線」をイメージした支援も心がけています。
転職した後の活躍、さらにその先のキャリア構築や次の転職までイメージしたとき、どんな可能性があるのか、どんな課題や障害のリスクがあるのかも念頭に置いています。
そして、仕事・人生全般に関わらず、「何を成し遂げたいのか」をお聴きします。
あるITセールスの女性・Aさんからご相談を受けたときのことです。育児をしながらマネジャーを務めていたAさんは、転職を決意してはいなかったものの、「このまま今の仕事・生活を続けていいのだろうか」と悩み、相談にいらっしゃいました。
仕事で実現したいこと、理想的な働き方、ライフで実現したいこと――お話しする中で浮かび上がったのは、「チームで成果を挙げられるのが強み」「クリエイティブな仕事にチャレンジしたい」という志向です。
Aさん自身は当初、企画・マーケティングに興味を抱いておられましたが、ライフ面の希望との両立が難しいことに気付かれ、最適なバランスが取れる選択としてコンサルティングファームのマネジャーに転職を果たされました。コンサルの経験を積むことで、いずれお子さんの手が離れ、より仕事にウエイトを置けるようになった頃には、企画・マーケティングへの転職可能性も生まれるのではないかと思います。
私が、求職者の方の「線」のキャリア――つまり、中長期のキャリアに思いを寄せるようになったのは、過去のある出会いがきっかけです。
その相談者の方は、中学卒業後に就職し、19歳時点ですでに3回転職を繰り返していたことから、企業に応募した場合「飽きっぽいのでは」「忍耐力がないのでは」と思われてしまう懸念がありました。
しかし、じっくりお話を聴くうちに、社会貢献への意欲が高く、大きな理想を抱いている方だとわかったのです。その方は大手ネット企業への転職を実現させ、年収200万円アップ。そして次の転職ではコンサルティングファームに移り、最年少マネジャーとなっています。
この経験から、私はお一人ひとりの先々の可能性へ視線を向けるようになりました。その方の可能性を信じて、これからも「線」を描くお手伝いをしていきたいと思います。
働く人の価値観を企業側へ伝達。女性の活躍チャンスを拡げたい
私たちの強みは、求人企業とも強いパイプを築いているところにあります。そのため、求職者の皆さんの声を企業に届けることができます。
今、働き方の価値観が大きく変わっています。皆さんが大切にしたいこと・こだわりたいことを企業に伝え、それを汲み取った受け入れ環境が整っていくことを、私たちは目指しています。
特に女性の皆さんは、結婚・出産などのライフイベントによって働き方やキャリアが大きく左右されます。
「ダイバーシティ」が重視される中、IT業界・ITプロジェクトにおいて、女性の力はさらに活かされていくはず。女性一人ひとりが自分らしいワークライフバランス、キャリアビジョンを実現できるように、働き方の可能性を拡げていく取り組みにも力を入れています。