履歴書を書く際に「応募書類で異動歴をどう書けばいい?」「異動回数が多い場合、どう記載すればいい?」「求人企業は異動歴をどう見ている?」「異動歴はアピール材料になる?」と疑問に感じることもあるでしょう。
そこで組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタント粟野友樹氏にお伺いしました。
履歴書に記載する「異動」とは?
応募書類を作成するにあたり、まずは「異動」の定義を理解しておきましょう。「人事異動」は同一会社内において配属部署・役職・勤務状態などが変わることを指し、主に次のような種類があります。
- 同一事業所内での部署異動
- 事業所間の異動
- 昇進/降格
- 出向
- 転籍
履歴書の職歴欄は、所属企業と在籍期間を全て記載する必要があります。書ききれない場合は、職歴欄が大きい履歴書フォーマットを選ぶか、詳細を職務経歴書に記載しましょう。
「異動」と「配属」の違い
異動先の部署名に「配属」と記載する人もいますが「配属」という言葉は、一般的に部署に使用します。入社直後以外で配属部署・役職・勤務状態などが変わった場合は「異動」と記載しましょう。
応募企業に活かせる異動は記載する
異動歴が多い場合は、その中でも応募するポジションに活かせる異動歴を記載する方法があります。
例えば担当顧客や対象エリア、異動によって身についたスキルなど、応募先へのアピールにつながる異動を記載します。求人を確認し、活かせそうな異動歴は積極的にアピールするのがおすすめです。
【ケース別】異動歴の書き方見本
部署異動と出向、転籍の場合の異動歴の書き方の一例を紹介します。
部署異動の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | 株式会社 入社 |
営業部として△△支店に配属 | ||
20XX | 4 | 企画部に異動 新規商品の開発を担当 |
出向の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | ◯◯株式会社 入社 |
営業部として△△支店に配属 | ||
20XX | 4 | ◻︎◻︎株式会社に出向 |
営業企画部に配属 | ||
20XX | 4 | ◯◯株式会社に帰任 |
営業部として△△支店に配属 |
転籍の場合
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | ◯◯株式会社 入社 |
営業部として△△支店に配属 | ||
20XX | 4 | ◻︎◻︎株式会社に転籍 |
営業企画部に配属 |
異動歴をアピールするには?
異動歴を採用担当者にアピールするための方法を2つ紹介します。
変化に柔軟に対応できることを伝える
昨今はビジネス環境の変化のスピードが速いため、変化に柔軟に対応できる人材が高く評価する企業もあります。異動歴が多い人は新しい環境に飛び込み、その組織のルールになじんだり、一から人間関係を築いたりした経験が豊富であると考えられます。異動経験によって養われた「環境適応力」「変化に対応する柔軟性」などはアピール材料になるでしょう。
身につけたスキルを伝える
異動先でどのような経験を積み、どのようなスキルを身につけたかを、職務経歴書の「自己PR欄」に記載することもできます。特に、異動先での経験の中から応募先企業で活かせるものがあれば、具体的な行動や成果も合わせてアピールしましょう。
【Q&A】こんなときはどう書けばいい?
Q.人事異動に伴い役職が変わった場合の書き方は?
昇進した場合は、次のように記載します。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | ○○グループのマネジャー(課長)に昇進 |
Q.異動により、さまざまな店舗で勤務した場合の書き方は?
職種が変わらないのであれば 「販売スタッフとして、A店、B店、C店に勤務」など、まとめて記載する方法もあります。昇格した場合は、次のように記載します。
年 | 月 | 学歴・職歴 |
20XX | 4 | 販売スタッフとして、A店、B店、C店に勤務 |
C店・店長に昇進 |
Q.書きたくない異動歴がある場合の書き方は?
不本意な異動、あるいは事業撤退・縮小による異動などは、マイナスの経験と感じる人もいるかもしれません。しかし履歴書には正確な情報を記入する必要があるので、事実を記載しましょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。