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退職理由が人間関係は面接でどう伝える?ネガティブにならない伝え方と例文

退職理由 人間関係

面接で必ず聞かれる質問が、「なぜ転職することにしたのか?」という転職理由です。人間関係が原因で退職した場合、伝え方に注意しないと批判的な印象になってしまいそうです。では、人間関係による退職は、面接でどのように伝えればいいのでしょうか。そこで、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に、退職理由が人間関係の場合の、面接での伝え方についてアドバイスいただきました。

退職理由が人間関係の場合、面接で伝えて問題ない?

例えば、パワーハラスメントがあったなどの極端なケースを除くと、人間関係の不一致はどちらが原因なのかが客観的に分かりにくいという傾向があります。「怒りっぽい上司と合わなかった」「チームに協力的でない雰囲気があった」など、退職理由をそのまま伝えたとしても、ネガティブに聞こえたり、「どちらか片方ではなく、お互いに原因があるのではないか」など、疑問に思われたりする可能性があります。

人間関係は、「給料が安い」「残業が多い」など、明確に数値化できる性質のものではありません。また、転職後に前職とは異なる相性の合わない人がいることも、可能性としてあり得ます。そのため、退職理由として人間関係を挙げる場合は、できるだけ相性ではなく、制度や社風とのミスマッチとして、ネガティブに捉えられないような表現を心がけるなど、伝え方を工夫することが重要です。

人間関係が退職理由の場合の伝え方

人間関係が退職理由だった場合は、面接でどのように伝えればいいのでしょうか。伝え方のポイントを3つご紹介します。

退職理由は簡潔に伝える

採用担当者は、退職理由の質問を通じて、入社後に長く働いてもらえるかを確認しています。退職理由はあくまで転職を考えるきっかけのひとつに過ぎないため、長々と説明する必要はありません。退職理由よりも、入社後にどのようなことを実現したいのかを中心に伝えて、採用担当者が入社後の活躍イメージを持てるように意識しましょう。

前向きな表現に言い換える

退職理由は、ネガティブに受け止められないように、できるだけ前向きな表現に言い換えることが大切です。例えば、「上司がすぐに怒るタイプだった」であれば、「上司と対話しながら仕事を進めたいと感じた」、「チームメンバーが協力的ではなかった」であれば、「チームワークを活かした方が高い成果を出せると考えている」などと言い換えるなど、伝え方を工夫しましょう。

社風や方向性のミスマッチに置き換える

退職した理由は、特定個人への不満として伝えるよりも、「社風や会社の方向性とのミスマッチ」として伝えた方が、客観性が増します。例えば、「上司と合わなかった」を退職理由にするよりも、「マイクロマネジメントが評価される社風に違和感があった」と伝えた方が、採用担当者は同じ原因で退職することがないかを判断することができるでしょう。

どのような働き方をしたいかを伝える

退職理由だけでなく、具体的にどのような働き方がしたいかを伝えることで、採用担当者が入社後の活躍イメージを持つことができます。例えば、「自分なりにプロセスを工夫して成果を出していきたい」「メンバーの個性を伸ばしてチーム力を高めるようなリーダーになりたい」など、転職後の姿を明確にすると、採用担当者が評価しやすくなります。

退職理由の回答例【ケース別】

退職理由が人間関係の場合の、面接での回答例をケース別にご紹介します。伝え方や表現を参考にしてみてください。

ケース①ギスギスした雰囲気が苦手で退職(事務)

チームとしての仕事の進め方に違和感があり、前職を退職しました。前職はメンバーそれぞれの役割意識が高い反面で、自分に関係のない業務は手を貸さず、ギスギスした雰囲気がありました。できるだけメンバーとのコミュニケーションを図り、上司にも相談をしましたが、「役割意識を持つことで責任感が生まれ、ミスが減る」と言われました。

上司の言うことももっともなのですが、チームで助け合いながら働くことによって、一人では出せなかったパフォーマンスを発揮できるという考え方もあります。今後は、チームメンバーがお互いにサポートし合える環境で、さらに成長していきたいと思います。

ケース②パワーマネジメントに違和感があり退職(営業)

職場のマネジメント方針に違和感を持ち、退職を決意しました。現職では、毎日朝会が開催されるのですが、未達成の営業は営業部全員の前で名前を呼ばれ叱咤されます。人前でプレッシャーをかけて営業成績を伸ばそうとするため、退職者が後を絶ちませんでした。

退職者が多いと、顧客満足度が下がります。そこで、上司である営業マネジャーや営業部長に、朝会の方法やコミュニケーションについて相談や提案を行ったのですが、なかなか受け入れてもらえませんでした。もちろん、営業として一定のプレッシャーは必要だとは思いますが、顧客満足度を高めるという方法でも営業成績は改善すると考えています。営業としての緊張感とやりがいを持ちながら、高い成果をあげていきたいと思います。

ケース③トップダウンの社風が合わずに退職(経理)

現職は創業者の子息が社長を務めるトップダウンの企業で、経理課長は創業者の親族でした。経理のIT化を進言してもなかなか受け入れてもらえず、代表や役員は親族で固められているため、課長が反対した場合、誰にも味方になってもらえませんでした。会社のためと思って進言していたのですが、この環境では会社のためを思って進言をしても、合理的な判断や客観的な検討をされることは難しいと考え、転職を決意しました。以前から経理のIT化による生産性向上に強い興味がありました。もし採用いただけた場合、積極的に改善を推進していきたいと考えております。

企業が退職理由を確認する背景

企業は、退職理由から「入社後に同じ理由で辞めてしまわないか(定着性)」を判断しています。ただ、退職理由を聞かれて、前職(現職)の愚痴や批判など、ネガティブな回答ばかりになってしまうと、問題解決力に欠け、「他責」という印象を与えてしまう可能性があります。退職理由は転職のきっかけに過ぎないため、できるだけ端的に伝えるようにしましょう。

退職理由と転職理由の違い

「退職理由」と「転職理由」を同じ意味に捉えている方もいますが、この2つの内容は異なります。退職理由とは、退職を決意したきっかけとなった理由。転職理由は、転職で実現したいことになります。転職理由は、転職のきっかけとなった退職理由に、転職理由を加えて伝えると効果的です。この質問は面接で必ず聞かれるので、「転職理由=退職理由+転職理由」として、事前に準備しておきましょう。

 転職理由=退職理由+転職理由

退職理由が複数ある場合は?

退職理由が複数ある場合は、すべてを伝える必要はありません。退職を決めた最も大きい理由を伝えるようにします。もし人間関係が退職理由のひとつだとしても、他に「業績が悪化した」「給与が下がった」など、退職を決めた強い理由がある場合は、あえて人間関係に触れる必要はありません。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2022年08月31日 記事更新日:2023年04月21日

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