転職エージェント トップ > 転職成功ガイド > 履歴書・職務経歴書 > 履歴書の職歴欄に「職務内容」はどう書く? 基本の書き方

履歴書の職歴欄に「職務内容」はどう書く? 基本の書き方

履歴書 職務内容

転職活動で提出する履歴書の職歴欄は、いつ・どのような企業で働いていたのかを伝えるスペースですが「どこまで詳しく書く?」「仕事内容も必要?」と書き方で迷う人がいるかもしれません。履歴書の職歴欄には職務内容も書いた方がいいのでしょうか?職務経歴書との違いについてはどう考えればいいのでしょうか?履歴書の職務内容の書き方について、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に聞きました。

「履歴書」の職務内容の書き方

 最初に、履歴書の職歴欄の基本的な書き方と、職務内容についても書いた方がよいケースについてご紹介します。

【基本】職務欄にはすべての職歴・入社退職年を書く

履歴書の職歴欄に必ず記載するのは「すべての職歴」「入社・退社年」となります。従って、在籍していた企業は短期間でもすべて記入しましょう。会社名や部署名は長くても省略せず、株式会社の表記も(株)ではなく「株式会社」とし、正式名称で記入しましょう。

加えて「所属部署」「雇用形態(正社員ではない場合)」「退職の理由(一身上の都合により等)」も、事実を正確に伝えるために記入します。

****************************************
職歴

20XX年 ○月 □□□□システム株式会社(現・株式会社△△△サービス)入社
インターネット事業部 開発チーム
20XX年 ○月 一身上の都合により退職
20XX年 ○月 ◇◇◇◇コンサルティング株式会社 入社
販売促進本部 関東エリア担当
現在に至る                    以上
****************************************

入社・退職だけでなく、別部署に異動した場合も部署名と異動年月を明記しておきます。

****************************************
職歴

20XX年 ○月 □□□□システム株式会社(現・株式会社△△△サービス)入社
インターネット事業部 開発チーム
20xx年 ○月 カスタマーサービス事業部へ異動
20XX年 ○月 一身上の都合により退職
20XX年 ○月 ◇◇◇◇コンサルタント株式会社入社 入社
販売促進本部 関東エリア担当
現在に至る                    以上
****************************************

「転職回数が多いと印象が悪いかもしれない」と在籍企業を省略したり、また、企業名などをうっかり間違えたりすると、経歴詐称と受け取られる可能性があるため十分注意しましょう。なお、原則的にアルバイト経験は記載しなくてもよいですが、企業で働いた経験がない(少ない)場合や、応募職種に活かせるアルバイト経験があってアピールしたい場合は、職歴欄に書くとよいでしょう。

履歴書の職歴欄の書き方については、以下の記事も参考にしてださい。

アピールになる職務内容があれば履歴書にも書く

基本的に履歴書の職歴欄は、採用担当者が求職者のプロフィールを把握するためのものです。従って企業名や入社・退社以外の情報が多すぎると、採用担当者は経歴をぱっとチェックすることができず、かえって「読みにくい」という印象を与える可能性があります。

ただ、職歴欄に余裕があり、かつ応募職種に活かせる職歴がある場合は、会社名や部署名とともに「○○を担当」「□□に従事」などの職務内容も記載しておくと、アピールに繋がることがあります。職歴のハイライトとして目に止まれば、職務経歴書への誘導にもなるでしょう。その場合は、役職、対象顧客、責任範囲、扱った案件や商品、成績や表彰などの実績もあれば明記した上で、だいたい2行以内に収めるとよいでしょう。

****************************************
職歴

20XX年 ○月 □□□□システム株式会社(現・株式会社△△△サービス)入社
インターネット事業部 開発チーム
20XX年 ○月 一身上の都合により退職
20XX年 ○月 株式会社◇◇◇◇ジャパン 入社
販売促進本部 関東エリア(現・首都圏販売開発部)担当
PC及び、PC関連機器の量販店向けの営業を行う
主任として、メンバー5名の指導・育成に携わる
現在に至る                    以上
****************************************

転職の書類における「職務内容」と「業務内容」の違い

 ところで、職歴における「職務内容」と「業務内容」の違いは何でしょうか?

「業務内容」とは、企業の「事業内容」を細分化したもので、その事業に携わる部署などが全体で取り組む仕事のことです。一方「職務内容」とは、「業務内容」をさらに細分化した上で、個々の従業員が担当する役割を指します。例えば上記の職歴欄に当てはめると次のようになります。

○事業内容(会社全体が行っている活動)……株式会社◇◇◇◇ジャパン=PC、PCパーツ、周辺機器の製造・販売

○業務内容(企業が行っている活動の中で、部署・事業部が行う仕事)…販売促進本部 関東エリア(現・首都圏販売開発部)担当

○職務内容(業務内容を細分化した上で、各従業員に割り当てられた役割)…PC及び、PC関連機器の量販店向けの営業。主任として、メンバー5名の指導・育成

従って、履歴書で応募職種に活かせる経験をアピールする時は「自分が具体的にどのような仕事を担当してきたか」という職務内容までを含めて書くことをお勧めします。

職務経歴書をプロに添削してもらう

採用担当者が履歴書の職歴欄で見るポイント

採用担当者が、履歴書の職歴欄でチェックするポイントについても知っておきましょう。

経歴と募集要件とのマッチ度

採用担当者が最初に見るのは、今回募集する人材に求める要件と、求職者のこれまでの経歴や担当業務がマッチしているかどうかです。さらに在籍していた企業や業務内容から、経験・スキルのレベル感を把握します。業界や職種が未経験の応募者の場合は、なぜキャリアチェンジを希望しているのかを知るために、志望動機や職務経歴書に注目します。

転職回数や在籍期間

採用担当者は、求職者の「転職回数」と「定着性」にも注目しますが、この場合は転職回数の多寡だけでなく、在籍期間が短い(すぐに退職した経験がある)ことを重視するケースが多いようです。自分の転職回数や在籍期間の短さが気になる人は、職歴欄に退職理由まで記入したり、志望動機や自己PRで転職の背景や意図を補足したりしておくとよいでしょう。

キャリアから見る人物タイプ・一貫性

採用担当者は、求職者の仕事の選び方から「何を大切にしてきたか」といった人物タイプを想像し、キャリアに一貫性を持っているかどうかを見て、自社とのマッチ度を測ります。その際に「なぜこの転職をしたのだろう」「なぜ異動になったのだろう」などの疑問があれば、職務経歴書で重点的に確認するでしょう。

「職務経歴書」の職務内容の書き方

上で述べたように、履歴書の職歴欄に求められる最も大切な役割は「いつ・どのような企業で働いていたか」というプロフィールを、分かりやすく簡潔に伝えることです。さらに具体的な職務内容やスキル、実績については職務経歴書の職務経歴でアピールをします。

職務経歴書の職務内容を書く際は、内容を整理し、なるべく長文は避け、採用担当者がぱっと見ただけで要点を把握できる書類を心がけましょう。

部署・役職+具体的な仕事内容+実績で構成する

職務内容は「どこで」「誰に対して」「どのようなことをしてきたか」が分かるように書きます。具体的には会社名、在職期間、規模、事業内容、所属した部署や役職、自分が取り組んだ職務内容、実績を記載します。会社の規模や実績などは、規模や影響範囲が客観的に判断できるように、数字を交えて記載しましょう。例えば「昨年対比○%」「○人中○位」などと表現すれば、誰が観てもイメージしやすくなります。

 箇条書きを効果的に使い、簡潔に書く

だらだらと長い文章で書かれた職務内容は、採用担当者に「読むのが面倒」と感じさせてしまうものです。従って、必要に応じて見出しを付ける、文章と箇条書きを織り交ぜるなどで、メリハリをつけることを意識しましょう。これまでの仕事に関する経験や実績のポイントを箇条書きでまとめることで、情報が整理され、読み手がぱっと理解できるようになります。また、アピールポイントも目に留まりやすくなるでしょう。

異業界への転職では用語を分かりやすく

自分が未経験の業界に転職する場合は、職務内容を記述する際の専門用語に注意しましょう。仕事で日常的に使ってきた言葉でも、業界独自の用語であれば、採用担当者に意図が伝わらない可能性があります。専門用語を使う必要がある場合は、一般的に使われている言葉に置き換えたり、わかりやすくかみ砕いたりして記載するようにしましょう。

 職務内容の例

職務経歴書に記載する、職務内容の例をご紹介しましょう。

例1) 営業(IT)

****************************************
○○○○株式会社
◆事業内容:各種ビジネスソフトウェア開発・販売、コンサルタント業
◆資本金:○○○百万円 売上高:○○○百万円(20XX年)
従業員数:○○○名 非上場

20XX年XX月~20XX年XX月
東京本社第一営業部配属。主に中堅及び大企業を対象とし、ハードウェア及びソフトウェア販売を担当
【営業スタイル】新規顧客への飛び込み営業、及び既存顧客への深耕営業
【担当商品】自社基幹系パッケージ、及びそれに伴うH/W
【担当エリア】東京、神奈川
【実績】20xx年:売上○○万円 達成率100% ※通期で新人賞を獲得
20XX年:売上○○万円 達成率105%
20XX年:売上○○万円 達成率117.9%
【主な導入実績】
・某製造業社に対するインフラ構築刷新提案を行い、グループ企業含め○社導入
・新規受注で流通業社に対して、自社基幹パッケージ受注。新規プロジェクトとして○億円規模
****************************************

例2)商品企画

****************************************
○○○○株式会社
◆化粧品の開発・製造・販売
20XX年XX月~20XX年XX月
マーケティング部 販売促進課

◆販売促進業務
・ブランド、商品別の販促施策を立案、推進
・キャンペーンの企画、DMの企画・作成
・販促物の企画・制作および進行・予算管理
・新製品導入時の美容部員教育(契約社員約20名)
◆WEBサイトのコンテンツ企画
◆携帯サイトの立ち上げ・運用

【主な実績】
・DMのターゲットを明確にし、製品特性を伝えることで10%の高レスポンスを獲得
・新規ユーザー獲得のため、新しい雑誌メディアとWebサイトのタイアップ告知および○○をゲストに迎えた大規模イベントを行い、ユーザーの獲得、囲いこみに貢献。※社長賞を受賞
・ECサイトの立ち上げに成功し、3ヶ月で年間売上目標○○万円を達成

※マーケティング部35名/販売促進課8名
****************************************

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。