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転職エージェント経由で落ちた企業に直接応募することは可能?注意点と受かる可能性を解説

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転職エージェントを通じて応募した企業の選考に落ちた際に「直接応募で再チャレンジすることは可能なのか知りたい」と考える人もいるでしょう。そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、転職エージェント経由で落ちた企業に直接応募することの可否や注意点、採用の可能性などについて伺いました。

転職エージェント経由で落ちた企業に直接応募することは可能

転職エージェントを通じて応募した企業に一度落ちた場合でも、同じ企業への再応募を禁じるルールはありません。そのため、自分で直接応募して再チャレンジすることは可能と言えます。また、転職エージェント経由で落ちた場合は、企業の選考で落ちるケースだけでなく、転職エージェント内の書類選考の段階で落ちているケースもあります。以降で、それぞれについて解説します。

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転職エージェント内の書類選考で落ちた場合

転職エージェントは、企業の求める人材像や募集要件を把握・理解した上で、マッチする人材を紹介します。転職エージェント内で「経験・スキルが応募企業の採用基準に満たない」「ほかの候補者の方がマッチしている」などの判断をされた場合は、企業に応募書類を送付していない可能性があります。こうした場合、企業の人事担当者が選考を行っていないため、直接応募をすることで転職エージェント経由の応募とは判断が異なる可能性もあると言えるでしょう。

転職エージェント内で書類選考する理由

転職エージェントは転職希望者を支援すると同時に、企業の採用業務を代行している側面もあります。相互のマッチングを図るためには、転職希望者の要望に応えるだけでなく、企業の採用基準を満たしている人材を推薦することが必要なため、転職エージェント内で企業目線の選考を行います。より採用基準にマッチしているほかの転職希望者を推薦するケースもあれば、そもそもの経験・スキルが採用基準を満たしていないと判断するケースもあるでしょう。

企業の書類選考や面接で落ちた場合

転職エージェントの推薦を受けた後にも、企業による書類選考で落ちるケースもあれば、面接で落ちるケースもあります。こうした場合は、企業の人事担当者が「採用基準にマッチしていない」と直接判断しているため、再度応募しても受かる可能性は低いと考えた方が良いでしょう。どうしても諦めきれないという場合は、現状の自分に足りない経験やスキルを身につけてから再チャレンジするなどで、受かる可能性を高めることができます。

直接応募によって受かる可能性もある。採用に至った事例も紹介

ここでは、企業に直接応募することで採用される可能性について解説します。実際に採用された事例も紹介するので参考にしてみましょう。

転職エージェント経由で落ちても、再応募で受かる可能性はゼロではない

転職エージェント経由での選考に落ちた要因には、「応募企業の求める人材にマッチする自分の強みをアピールできていなかった」という可能性も挙げられます。応募書類や面接で語る内容をよりブラッシュアップしていくことで採用の確率を高めることができるでしょう。

また、直接応募の場合、企業内の人事担当者や現場の管理職、役員などが選考を行うため、評価の際に見るポイントが変わる可能性もあります。経験・スキルが採用基準に満たなくても自社の企業文化にマッチしている人材を優先するケースもあれば、現場の意見をもとに「経験者よりも未経験者を育てていきたい」と考えているケースもあります。また「採用基準を満たす応募者が少ない」「今後の事業計画に伴い、求める人物像が変わった」など、転職市場や事業展開の状況などによって企業の選考基準自体が変化している可能性もあるでしょう。そのため、再応募によって受かる可能性もゼロではないと言えます。

ただし、一度落ちている以上は、転職エージェント内、もしくは企業内において「採用の基準を満たしていない人材」と判断されています。直接応募の場合でも再度落とされる可能性は少なくないので、それも踏まえた上で再チャレンジした方が良いでしょう。

転職エージェント経由で落ちた後、直接応募で採用された事例

転職エージェントで落ちた後に採用された3つの事例を紹介します。

事例1:営業職から未経験で経理職へ

営業職として2社を経験した後、未経験で経理職の内定を得たケースです。この方は、自主的に簿記2級の資格を取得していましたが、経理の実務経験が一切ないことから、エージェント内の選考で落ちていました。企業側に「未経験でもポテンシャル優先で幅広く面接をしたい」という考えがあったため、直接応募をした結果、書類選考を通過。面接では、自主的に資格取得するなどの学ぶ意欲の高さや営業経験で培った攻めのコミュニケーション力が評価され、内定に至りました。

事例2:地方金融機関のIT企画から大手コンサルティング企業のITコンサルタントへ

地方金融機関のIT企画を担当していた方が、大手コンサルティング企業のITコンサルタント職の内定を得たケースです。転職エージェント内の選考では「これまでの経験が企業規模や仕事内容にマッチしていない」と判断されました。しかし、企業側は中小企業を顧客とする経験を潜在的に求めていたため、直接応募をした結果、地方金融機関での職務経験とスキルが評価されました。また、面接時の対話の中で「論理的思考能力がある」と評価されたことも内定を得ることができた要因となりした。

事例3:保険会社の営業から外資系自動車メーカーの経営企画職へ

生命保険、損害保険などの5社に勤務し、個人営業、代理店向けの営業、営業企画を経験した方のケースです。保険業界以外の仕事にキャリアチェンジすることを希望し、転職エージェントを通じて外資系自動車メーカーの経営企画職に応募しました。しかし、転職エージェント内の選考で、転職回数の多さや英語力のレベル感、企画における経験・スキルの不足などの面で、応募企業の求める人材にマッチしていないと判断されました。直接応募したところ、企業側の選考基準に転職回数の多さは関係なく、応募職種そのものが高い英語力を必要としない業務であったため、書類選考を通過。企画を経験した年数は浅いものの、面接でのプレゼン力の高さが評価され、内定に至りました。また、外資系の企業で働いた経験があることも「外資系企業の文化にもマッチしやすい」というプラスの判断につながった可能性があります。

転職エージェント経由で落ちた企業に再度応募する方法

一度落ちた企業に再応募する際の方法を紹介します。

企業サイトの採用ページから直接応募する

企業サイトの採用ページに求人情報が出ている可能性があるので、チェックしてみましょう。転職エージェント経由で落ちた部署・職種以外の求人情報が掲載されているケースもあります。応募の際には、記載されている人事部署の担当者宛に指定された応募書類を送付します。

転職サイトの求人ページから直接応募する

転職サイトには募集中の求人情報が掲載されているので、会社名で検索して探してみましょう。企業サイトと同様に、ほかの部署や職種などの求人情報が見つかる可能性もあります。応募の際には、求人サイトへの登録が必要です。企業ページの応募フォームに入力し、必要な応募書類を送付しましょう。

リファラル採用の制度を利用する

企業によっては、社員が紹介・推薦する人材の選考・採用を行うリファラル採用の制度を設けているケースもあります。再応募したい企業で働いている友人・知人などを探し、選考を受けられるように紹介してもらうのも一つの方法です。紹介してもらえることになったら、指定された人事担当者に応募書類を送付しましょう。

転職エージェントに再度応募したい熱意を伝える

一度転職エージェント経由で落ちている場合でも「どうしても再応募したい」という熱意を伝える方法があります。転職エージェント内の選考で落ちていた場合、より真剣に取り組みたい思いを伝えることで、推薦してもらえる可能性があります。また、企業の選考まで進んだ上で落とされていた場合にも、転職エージェントから熱意や人柄、ポテンシャルなどを伝えてもらうことで再選考を受けられるケースもあります。

一度落ちた企業の選考を受ける際の注意点

すでに落ちている企業に対し、前回と変わらない状態で再応募しても、再び落ちてしまう可能性が高いと言えます。選考の通過率を高めるために注意したいことを解説します。

転職エージェントに「落とされた段階と理由」を確認する

まずは転職エージェントに「どの段階で選考に落ちたのか」を確認し、その理由も詳しく聞いておくことをお勧めします。落とされた理由をもとに改善・修正した方がいいことを把握し、直接応募する際の書類作成や面接対策などに活かすことができるでしょう。

応募書類をブラッシュアップする

前回作成した応募書類をそのまま再応募に使用することは避けましょう。新たに書類を作成する際には、企業の募集要件にマッチする人材であることをしっかりアピールすることが大事です。自分の経験・スキル・実績をしっかり棚卸しし、転職エージェント経由で落ちた際の理由や改善・修正した方がいい点も踏まえた上で、企業の募集要件や求める人物像にマッチする点をアピールしましょう。また、志望動機書や実績一覧のポートフォリオなどを作成し、応募書類に添付する方法もあります。熱意や能力が伝わりやすくなるでしょう。

面接対策をしっかりと行う

面接対策をしっかりと行いましょう。アピールしたいポイントをきちんと整理した上で、口に出して練習しておくことが大事です。特に、転職エージェント経由で応募した際、面接選考で落ちていた場合には、改善すべき点を把握した上で練習すると良いでしょう。その際には、友人などに模擬面接をしてもらう、動画を撮影して客観的に確認するなどで、改善ポイントが把握しやすくなります。

現時点のスキルや実績で「採用基準を満たしていない」と感じたら

「自分の経験・スキル・実績では、応募企業の採用基準を満たしてない」と感じた場合は、必要な経験ができる企業に一度転職し、スキルを身につけ、実績を作ってから再チャレンジする方法もあります。また、現職のままでも、応募企業にアピールできるような実績を作っておくことで今後の選考通過率を高めることができます。資格取得を推奨している企業の場合は、入社後の業務に役立つ資格を取得しておくことも評価につながりやすいでしょう。

行きたい企業の内定を獲得する方法

自己分析をしっかりと行い、転職の軸を再度明確にした上で、自分の経験・スキルを活かせる企業を選ぶことがまず大事です。さらに、企業の求める人物像を理解し、よりマッチしている点を応募書類でアピールすること、面接対策としてアピールしたいことを整理し、簡潔に伝えられるようにしておくことが必要です。

また、転職エージェントを活用する場合は、登録の時点から自分の希望や経験・実績・スキルなどの情報をしっかりと書いておくことで、サポートを受けやすくなるでしょう。面談の際には「転職エージェントは同じゴールを目指すパートナーである」と考え、希望条件や転職理由なども率直に伝えましょう。企業とのマッチングポイントがわかりやすくなりますし、熱意や意欲がある人物は応援したくなるものなので、転職エージェントからもより手厚い支援を受けられるでしょう。

転職エージェントを利用せず直接応募する際の注意点

転職エージェントでは応募書類の作成から面接対策まで、改善すべき点やアピールにつながるポイントについて客観的なアドバイスをくれる上、面接日程の調整などの企業とのやりとりもすべて代行します。転職エージェントを利用しない直接応募の場合は、全てを自分で行うことが必要となるので、その点も踏まえておくと良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。