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仕事でわからないことが多すぎる…。「聞けない」「辛い」「辞めたい」に対処する方法

仕事 わからない

「仕事でわからないことが多いのに、周囲に聞けない…」「仕事ができない自分が辛くて、もう辞めたい」など、今の仕事を続けることに苦しさを感じている人もいるでしょう。
「聞けない」「辛い」「辞めたい」という思いをどうすればいいのでしょうか。そこで、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント・粟野友樹氏に、仕事がわからない原因と対処法、わからないことを質問するときのポイント、そして、「本当に辛くて辞めたいと思ったとき、どうすればいいのか」を解説いただきました。

「仕事がわからないことだらけ」と悩む人はいる

年齢やキャリアなどにかかわらず、「仕事でわからないことが多すぎる」「自分の能力不足ではないか」という悩みを抱える人はいるものです。また、転職や異動などで仕事内容や働く環境が変化したために、わからないことが増えてしまい、悩むケースもあるでしょう。

しかし、仕事がわからない原因を知り、対処する方法を実践してみることで、解決できる可能性があります。仕事に対する不安やストレスを解消するためにも、どのような原因があるのか、どう対処すればいいのかを紹介します。

「仕事がわからない」4つの原因

まずは、仕事がわからない原因について解説します。

1:上司や周囲にわからないことを聞けない

入社して間もない新入社員などの場合や、新しい部署に異動したばかりの場合などは、仕事でわからないことがあっても、「上司が怖くて聞けない」「周囲に聞ける雰囲気ではない」などが理由で、そのまま放置してしまうケースが少なくありません。

また、キャリアを重ねてから転職した人の場合は、「プライドが邪魔して聞けない」というケースもあるでしょう。

2:やったことのない仕事を任された

これまで経験したことのない仕事を任されたことで、「わからないことが多すぎる」となってしまうケースもよくあります。また、転職後や異動後などに、新しい仕事を理解するまでに時間がかかるケースもあるでしょう。

また、キャリアを積んだ後にも、「上司に仕事を丸投げされる」「キャパオーバーの仕事を任された」「新人の指導を任されたがうまくいかない」などで、悩むケースも少なくありません。

3:わかったふりをしてそのまま仕事を進める

「能力不足と思われたくない」「評価が下がるのが怖い」と考え、わかったふりをしてそのまま仕事を進めてしまい、わからないことが解消されないままになっているケースもあります。自己判断で仕事を進めた結果、その仕事の目的が見えなくなってしまい、誰にも聞けずに抱え込んでしまう人も少なくはありません。

また、わからないことについて聞いてみた場合でも、きちんと自分で理解できていないまま、わかったふりをしてしまい、その後、わからないことを聞きづらくなってしまうケースもあるでしょう。

4:わからないことがわからない

入社してから間もない新人や、新しい部署に異動したばかりの場合は、「業務全体がわからない」「わからないことだらけで、何から始めればいいのかわからない」など、わからないことが何なのかを具体的に整理できていないケースもあります。

また、「誰に聞けばいいのかわからない」「わからないことの質問の仕方がわからない」などで、わからないことを聞けないままにしてしまう人もいるでしょう。

「仕事がわからない」に対処する8つの方法

続いて、仕事がわからないときの8つの対処法をご紹介します。

1:「わからないことを聞いても良い」という意識を前提に持つ

「上司にわからないことを聞くのが怖い」「先輩が忙しそうで聞きにくい」と悩む人は少なくありません。しかし、「わからないことを聞いて早く仕事を覚えること」は、戦力になることでもあるため、上司や先輩にとっても結果的にプラスになるものです。
また、プライドが邪魔していたり、評価が気になってしまったりすることで聞けない場合も、わからないことをわからないまま放置する方が、結果的に自分の評価を下げることになってしまうでしょう。

大前提として、「わからないことを聞くことは、自分の成長や周囲の成果につながる」という意識を持つことが大事です。多くの人は、仕事を早く覚えて成長したいという人に対して、否定的な態度は取らないものです。「思い切って聞いてみたら、快く教えてくれた」というケースも少なくはありません。

2:「わからないこと」を整理し、明確にする

わからないことを明確にしていないまま、漠然とした質問をした場合、相手も回答しにくく、自分がほしい回答も得ることはできないものです。自分がわからないことを明確にするために、仕事の全体像と流れを整理・把握することから始めましょう。

具体的には、「ゴールとする目標」を理解し、そこに向かうために必要な手順を一つひとつ整理して、「どのように仕事を進めていけばいいのか」という道筋を明確にすることから始めましょう。「この作業は、何のために必要なのか」「この目標を達成するためには、何をすることが必要なのか」などを整理し、疑問点を洗い出していく中で、自分の中で何がわからないのかを整理することができます。
仕事の全体像を把握・理解し、「何がわからないのか」「何を知りたいのか」を明確にした上で質問することが大事です。

3:「誰に、どのタイミングで聞けばいいか」を考える

入社から間もない新入社員の場合は、「上司にこんな単純なことを聞いてもいいのか」「職場全体が忙しい雰囲気のため、周囲に聞きづらい」などと感じてしまうケースはよくあります。
指導してくれる社員が決まっている場合でも、「何度も聞くと嫌がられる」「聞くタイミングがわからない」と思い、聞きづらくなってしまうケースもあるでしょう。
先に挙げた方法でわからないことを整理した上で、上司や先輩なども含めた中で「誰に聞くべき内容なのか」を考えましょう。また、相手の様子を観察し、「聞きやすいタイミング」も考えてみることがポイントです。

4:「わからないこと」の質問の仕方を考える

「わからないことについて聞いたが、よく理解できなかった」「一度聞いてしまったことについて、今さら聞きづらい」というケースもあります。こうした場合、「わからないこと」「聞きたいこと」の要点が相手に伝わっていない可能性があるでしょう。
要領を得ない質問の場合は、聞かれた相手も「何が知りたいのかわからない」となってしまい、答えにくいと言えます。また、同じ内容を何度も聞くことで、「話を聞いていないのでは?」という印象を持たれ、余計に聞きにくくなってしまうケースもあります。

こうした場合は、「何がわからないのか」「何が知りたいのか」を明確にするだけでなく、「どう質問すれば、自分がわからないと思っていることや、知りたいことが伝わるのか」を考えてみることが大事です。また、何度も聞いたことで、聞きづらくなった場合は、「自分では理解し切れていないと感じたので、あらためて質問させてください」と正直に伝えてみると良いでしょう。

5:「わからないこと」について相手に確認する

上司や先輩から指示を受けた際、その内容が明確でないために、お互いの認識がずれてしまうケースもあります。相手が伝えていることに対し、わからないと感じたことがあれば、それについてきちんと確認することも大事です。お互いの認識をすり合わせることによって、わからないことを解消できます。

6:わからなくて悩んでいることについて、周囲に相談する

上司や周囲の先輩、同僚などに「仕事がわからなくて悩んでいる」「こんなことがわからないけれど、どうしたらいいのか」など、悩みを率直に相談することも大事です。
「仕事がわからない今の状況に苦しんでいる」と相手にわかってもらうことで、聞きやすい環境ができるはずです。また、どうすればいいのかアドバイスをもらうことで、わからないことへの不安も解消でき、取るべき行動も見えてくるでしょう。

「今さら聞けない」と思うような単純な質問をぶつけてみることにも問題はありません。「こんなことまで聞いてもいいのだろうか?」「いつも忙しそうなので、どういうタイミングなら質問してもいいのかわからない」などの疑問は、そのまま聞いてみることであっさり解消できる可能性があります。

7:周囲を観察し、相手に配慮した聞き方をする

周囲を観察することで、忙しそうな時間帯や、質問や相談に対応してくれやすい相手なのかが見えてきます。質問する際には、相手に配慮することも大事です。忙しそうだと感じたら、「お忙しいところすみませんが、ちょっと質問してもよろしいでしょうか」「お時間いただき、ありがとうございました」などの一言を添えるだけで、聞きやすいムードが生まれるはずです。

8:どうしても上司や周囲に聞けない場合は、社内外で聞ける人を探す

キャリアを積んでいる場合は、上司に仕事を丸投げされたり、経験のない仕事を任されたりすることで、悩んでしまうケースもあります。上司や周囲のメンバーにどうすればいいのかを聞きづらい状況になってしまうこともあるでしょう。

こうした場合は、自分と同じようなことに悩んでいる同期の仲間や、わからないと感じている領域に専門性を持つ他部署のメンバーなどに聞く方法もあります。また、転職や部署移動をしてから間もないために、周囲に聞ける人がいないと感じた場合は、同じ業界・職種で働く友人や知人に聞いてみるのも一つの方法です。

「わからないこと」を質問する際のポイント

「わからないこと」を質問するときには、相手に不信感を抱かせないことが重要です。どのようなことに注意したらいいのか解説していきます。

質問する際に意識したいポイント

相手にとって答えやすくするためには、「何について、どこがわからないのか」をなるべく具体化して質問することが大事です。質問する前に、自分なりに考えをまとめておきましょう。一から十まで、何もかも質問してしまえば、「自分で考える能力がない」と思われてしまう可能性があるので、注意が必要です。

また、相手が忙しそうな場合は、「5分だけお時間いただけますか」など、時間を区切ることで答えてもらいやすくなるでしょう。しかし、出勤時、退勤前、昼休みなどの時間帯は、相手に配慮し、避けた方が無難です。

同じ質問を繰り返さないことも大事

同じ質問を繰り返せば、「ちゃんと話を聞いているのだろうか」「前にも伝えたのに覚えていないのは、真剣に取り組んでいないからでは?」などの不信感を抱かれる可能性があります。質問する際には、要点についてメモを取っておき、自分なりに整理して理解を深めたり、調べたりすることが大事です。その上で、わからないことがある場合は、あらためて何について知りたいのか考え、質問すべきことを整理しましょう。

「仕事がわからないことだらけで辛い。辞めたい」と思ったら

「仕事がわからなくて辛い」「もう辞めたいと思うのは逃げなの?」と思う人もいます。しかし、「辞めたい」だけで転職した場合、ミスマッチの仕事や企業を選んで後悔する可能性があります。

まずは以下で紹介することについて、自分に当てはまるものがないかを探し、必要な行動をしてみましょう。

自分の能力が低いと感じ、自信をなくしている場合

仕事ができない自分が辛いと感じる場合は、わからないことを整理し、一つひとつ対処していくことが大事です。地道に対処し続けていく中で、少しつ仕事への理解が深まり、やがて自信を取り戻すことができるでしょう。「今すぐ仕事ができるようにならなくては!」と焦る必要はありません。ひとつ一つの仕事にきちんと向き合っている姿を見せることで、周囲の信頼も取り戻せるはずです。

転職先・異動先の仕事が覚えられない場合

「新しい仕事をすぐに覚えられないのは、自分の能力が足りないから」と自分を責めたり、焦りを感じてしまったりする人もいますが、その必要はありません。仕事内容や環境の変化などに慣れるまでは、誰でも一定の時間がかかるものです。それを踏まえた上で、「今日から3カ月間は、新入社員のような気持ちで頑張ろう」など、期間を区切って仕事に取り組むと良いでしょう。漠然とした焦りや不安がなくなれば、ストレスも溜まりにくくなります。

キャパオーバーの仕事でストレスが溜まっている場合

物量的に無理な仕事を任されてしまった場合は、上司に相談し、仕事の割り振りについて見直してもらう方法があります。また、経験したことのない仕事を任され、自分には無理だと感じている場合は、次の成長段階に向かう時期として上司から期待されている可能性もあります。自分が大きく成長できる機会として、前向きにチャレンジしてみるのも良いでしょう。仕事の進め方でわからないことは上司にどんどん質問しつつ、「やはり1人では難しい」と感じたら早めにサポートを頼むことが大事です。

また、今後の自分のキャリアを見据え、現在の仕事で得た経験・スキルを今後にどう活かせるのか、どんな部署やプロジェクトに携わりたいかを考えてみるのも良いでしょう。目の前の大変な状況があっても、長い時間軸で見ると、「あの大変な仕事も乗り越えたからこそ、次のキャリアに必要な力が身に付いた」というケースは少なくありません。

仕事を丸投げされて悩んでいる場合

仕事を丸投げしてくる上司の場合は、部下のことを考えていない可能性もあります。自分が楽をしたいと思っているケースもあれば、忙しくて手が回らない状況のために、部下に仕事を割り振ることで乗り切ろうとしているケースもあるでしょう。きちんと指示が与えられない場合は、明確な説明を求めたり、上司にも一緒に取り組んでもらったりすると良いでしょう。

常態化している場合は、「何も言わなくてもやってくれる相手」と思われている可能性があるので、上司に自分が抱えている仕事量やスケジュールを伝え、対応できないとキッパリと断るのも方法です。また、「何度確認しても明確な指示を与えてくれない」「相談しても全く対応してくれない」などで困っている場合は、信頼できる同僚や上司の上にいる役職者などに相談してみる方法があります。

一方、パワハラを受けていることで、そもそも無理な仕事やできない仕事をさせられているケースもあります。1人で抱え込まず、人事部署などに相談してみることが大事です。人事部書に相談できない環境の場合は、社内のパワハラ相談窓口や、厚生労働省によるハラスメント悩み相談室などに相談することもできます。

自分に向いていない仕事だと実感した場合

さまざまな対処法に取り組んでみても、「仕事ができない自分が嫌」「今の仕事をもう辞めたい」と思った場合は、転職を考えてみる方法もあります。転職することに不安があるなら、転職するかどうかを決めずに転職活動を始めてみるのもおすすめです。自分に向いている仕事が見つかる可能性もありますし、現在の自分の市場価値などを理解することもできるでしょう。

また、転職エージェントに相談することで、自分が転職できそうな仕事や企業について教えてもらうこともできます。今後のキャリアの可能性を知った上で、転職すべきかどうかを考えてみると良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。