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「主体性」を自己PRする際のポイントと注意点【例文・エピソード例あり】

自己pr 主体性

自己PRで「主体性」をアピールしたいと考えている場合、「そもそも主体性とはどういう意味?自主性との違いは?」「どのようなエピソードを伝えればいいの?」など、悩んでしまう人もいるでしょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント・粟野友樹氏に、主体性を自己PRする際のポイントや注意点、主体性のエピソード例などを解説いただきました。

主体性とは?自主性との違いは?

「主体性」とは、「自ら意志を持ち、自分で判断・行動していく姿勢」のことを指します。仕事においては、問題解決や現状の改善などに向けて、課題・目標を自ら設定した上で、自分の判断と責任のもとに行動していける力などを意味します。

一方、「自主性」とは、「何らかの事柄に対し、人から指示される前に自ら行動していく資質」のことを指します。つまり、自主性は、組織や上司などに課されていることの範囲の中で自ら行動することを指します。多くの事柄を自分で判断し、自ら行動する「主体性」とはまた意味合いが違うので注意しましょう。

主体性をアピールする自己PRの例文【履歴書・職務経歴書のパターンあり】

履歴書・職務経歴書で主体性をアピールする自己PR例文をご紹介します。営業職とITエンジニア職のそれぞれの例文を紹介するので、書き分け方なども参考にしてみましょう。

営業職【履歴書】

組織全体の成果を最大化していく主体性が強みです。
前職の営業組織では、成功・失敗事例や業界動向・顧客情報、進捗状況が共有されていなかったため、チームリーダーとして週2回の共有会議や情報共有フォーマットを運用し、営業部門全体で共有する仕組みも構築。半年間でチームの売上実績を20%向上させ、失注率も減少。営業部門全体にもこの取り組みが導入され、翌年は売上昨対比115%アップへと業績が向上しました。
今後も組織改善に主体的に取り組み、成果の最大化に貢献したいと考えております。

営業職【職務経歴書】

組織全体の成果を「最大化」するために主体性を持ってアクションできる力を強みとしています。
前職の営業組織では、情報共有がされず、ロスが多いことが課題だと感じていました。成功・失敗事例や業界動向、顧客情報が共有されず、営業の進捗情報を共有する機会もなく、営業支援システムも使いこなせていない状況で、連携が図りにくい状況でした。
私はリーダーとして5名のチームを任されたため、週2回の共有会議と情報共有フォーマットを運用し、営業部門全体にもチャットで共有する仕組みを作りました。半年後にはチームの売上実績が20%向上し、失注率も減って生産性が向上。その後、営業部門全体にも正式な取り組みとして導入され、翌年の売上昨対比が115%アップとなり、業績向上に貢献することができました。
貴社に入社後も、営業組織全体の動き方を改善に主体的に取り組み、成果の最大化に貢献したいと考えております。

ITエンジニア職【履歴書】

私の強みは、組織力強化の解決策を実行していく主体性です。
現職ではWebサービスのエンジニア部門7名のリーダーを務めています。人手不足で外部委託に頼る中、ロスが増えていったため、現在の人員で対応するための技術力底上げ計画を立てて実行しました。社内勉強会の開催、技術情報共有チャンネルや技術情報wikiの充実、自己学習支援制度の導入などを計画し、メンバー各自のアウトプット目標も設定。若手育成にも注力し、外部委託費の年間〇万円削減と即戦力人材の採用を実現しました。
貴社のエンジニア組織強化にも主体性に取り組み、貢献できればと考えています。

ITエンジニア職【職務経歴書】

私の強みは、組織力強化のためにできる解決策を実行していく主体性です。
現職ではWebサービスにおけるエンジニア部門のリーダーを務めています。エンジニアは総勢7名で、人員が足りず、外部委託に頼ることが増加。コミュニケーションコストやロスが発生する一方、新たな採用も望めない状況だったので、現在の人員で対応するため、年単位での技術力の底上げ計画を立てました。社内勉強会の開催、技術情報共有チャンネルやNotionを活用した技術情報wikiの充実、人事部と協議して自己学習支援制度の導入などを計画。メンバーに「半期に1回は社外イベントやLT会に登壇し、発表を行う」などのアウトプット目標も設定しました。
特に若手社員2名の技術力向上やアウトプット目標の設定に意欲的に取り組んだ結果、外部委託費を年間〇万円削減でき、即戦力人材の採用も実現できました。
組織力強化を実現した主体性を活かし、貴社のエンジニア組織づくりに貢献していきたいです。

自己PRで主体性をアピールする方法

ここでは、自己PRで主体性をアピールする方法を紹介していきます。

自己PRの構成

自己PRの構成は、以下を参考にしましょう。

<自己PRの構成>
1:結論(自分の強み)
2:理由(根拠となるエピソード)
3:入社後の活躍・貢献イメージ

【結論】どのような主体性か具体的に伝える

冒頭の「結論」では、自分の強みとなる主体性を端的に伝えましょう。単に「主体性が強み」と伝えても、抽象的なために具体的なイメージがしにくいと言えます。自分の経験・スキルをベースにし、どのような側面で発揮できる主体性なのかを明確に伝えることがポイントです。

【理由】主体性を持って行動した際の「状況」「課題意識」を伝える

自分の強みである主体性について裏付けるため、根拠となるエピソードでは、主体性を持って行動した際の「状況」を詳しく説明すると同時に、そこのどのような「課題意識」を持って取り組むことにしたのかまでしっかりと伝えましょう。

特に、意識したいポイントは「会社からの指示ではなく、自ら課題を発見して行動した」という点をアピールすることです。自主性ではなく、主体性を持って行動できることが伝わるはずです。また、行動していく中でも、どのように主体的に取り組んだのかを伝え、客観的な事実としてどういった成果を挙げたのかを数字やキーワードを使って具体的に伝えると良いでしょう。

【入社後の活躍・貢献】入社後の業務でどう強みを発揮できるか伝える

応募企業の業務に対し、どのように自分の主体性を発揮できるのかを伝えることもポイントです。主体性を活かして活躍・貢献できるイメージを持ってもらえるように意識しましょう。

企業が求める“主体性”とは?主体性を示すエピソード例も紹介

ここでは、企業がどのような主体性を求めているのかを解説します。主体性を示すエピソードも合わせて紹介するので、参考にしてみましょう。

企業が主体性の自己PRで見ていることとは?

主体性を強みとしている人材は、多くの企業に歓迎されるでしょう。
変化が激しい時代の中、どのような業界・企業においても、次に必要な打ち手を模索し続けているため、新しい事業の立ち上げや組織の立て直しなどにおいて、主体性を持つ人材の活躍を期待していると言えます。経営・マネジメントの視点を持ち、主体的に取り組める人材は評価されやすいでしょう。

また、リモートワークを取り入れている企業も増えたため、より主体的に成果を出せる人材を求める傾向もあるでしょう。会社が行動管理をしなくても、自ら考えて行動し、報告・相談や連携なども自ら行いながら目標達成に向かうことができる人材は、評価につながりやすいと言えます。

小さなことでも主体性を持って取り組んだことであれば自己PRになる

過去のエピソードを振り返った結果、「数値化できるような成果を挙げていない」「規模が小さく、成果というほどのものではない」と考えて、主体性をアピールできないと感じる人もいるでしょう。

しかし、小さなことでも主体性を持って取り組んだことを伝えれば、自己PRとしてアピールすることができます。

例えば、以下のようなエピソード例が挙げられます。

・入社1年目には苦手だった業務に対し、主体的に取り組んで成長することができた
・入社3年目に新人育成に主体的に取り組み、指導や勉強会の開催を自ら買って出た
・導入システムの費用対効果を主体的に考え、新たなツールの導入を上司に提案した
・データ管理の業務を引き継いだ際、数値分析をしやすくするためのデータの項目立てや並べ替えなどを提案・実現した

主体性を示すエピソード例を職種別に紹介

職種別のエピソード例を以下に紹介するので、参考にしてみましょう。

【営業】業界別だけの組織だけではなく、業界横断型の組織を組成し営業ノウハウの高度化を推進
【ITエンジニア】エンジニア組織の技術力向上のために、社内勉強会の立ち上げや、学習費を福利厚生として会社負担する制度を企画し、実行まで手掛けた
【マーケティング】自社プロダクトのマーケティング手法として、利用顧客のコミュニティづくりを推進
【経理】経理業務にAIツールとRPAツールを導入し、より経営に役立つ提案を行えるような体制づくりを推進
【人事】採用活動に用いる媒体について、コスト面やターゲット人材の側面から大幅変更を提案して実行した

主体性の自己PRで注意したいポイント

主体性を自己PRでアピールする際に注意したいポイントを紹介します。

「協調性がない」と思われないように注意する

長所と短所は表裏一体であるため、強みをマイナスに受け取られるケースもあります。主体性をアピールする場合は、「自己中心的に仕事を進めるのではないか?」「協調性がないのではないか?」「他人の意見を聞かず、独断で仕事を進めるのではないか?」などの懸念を持たれないように注意しましょう。
例えば、チームワークを大事にする企業などの場合は、「チームで主体性を発揮したエピソード」などを伝えることで、応募企業にマッチした主体性をアピールすることができます。

「主体性」と「自主性」を混同しない

先にも述べたように、「主体性」と「自主性」には違いがあるので、混同しないように注意することも大事です。例えば、会社から指示されたことに対して自主的に行動したエピソードを伝えた場合、「アピールしたい強みに対し、実際の行動がズレている」と受け取られる可能性もあります。主体性をアピールする際には、自ら課題や問題、改善すべき点などを発見し、解決に向かったエピソードを伝えましょう。

転職エージェントは、よりアピールできる自己PR作成に役立つ

転職エージェントでは、キャリアの棚卸しや企業研究、応募書類の作成、面接対策などをサポートしてくれます。自分の主体性について、より強みとなる部分や説得力のあるエピソードなどを発見しやすくなるでしょう。

また、企業の業務内容や求める人材像なども理解しているため、そうした面からも客観的なアドバイスを受けることができます。応募書類や面接で、応募企業によりマッチした主体性をアピールすることに役立てることもできるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。