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傾聴力を自己PRで魅力的にアピールする方法とポイントは?【例文つき】

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「傾聴力」に自信を持っている人が転職活動でアピールしようとしたとき、どのように伝えればプラス評価を得やすくなるのでしょうか。
企業が評価するポイント、履歴書・職務経歴書・面接でのアピールのコツなどについて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。職種別の例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

傾聴力の自己PR作成ポイントとは

転職活動で「傾聴力」をアピールするにあたり、前提として理解しておきたいことをお伝えします。

傾聴力とは

「傾聴力」とは、「相手の話に耳を傾けて、じっくり聞くことができる力」です。自分の意見や提案を述べる前に、まず相手の話を聞こうとする姿勢は、社内外のあらゆるコミュニケーションの場面で重要視されます。

企業が自己PRで傾聴力を評価するポイントと注意点

営業職や販売職などでは、顧客の話を聞くことで課題やニーズを理解し、適切なソリューションやサービスを提供することができます。それ以外の職種でも、チームワークや共同プロジェクトなどを円滑に進めるためには、他者の話を聞いて理解する力が欠かせません。

また、「ダイバーシティ(多様性)」を推進する組織においては、さまざまな価値観を持つ従業員が協業しているため、特にリーダーやマネジャーは個々の価値観を尊重しながら話を聞く姿勢が求められるでしょう。

とはいえ、「ただ話を聞けばよい」というわけではありません。対話の相手が「自分を理解してくれた」と感じ、信頼を得て人間関係を築けることが大切です。相手の話に対する適切なリアクション(相づちや表情など)にも注意を払いながらコミュニケーションをとり、本音を引き出せるかどうかが重視されます。

傾聴力を自己PRでアピールするコツとは

履歴書・職務経歴書の自己PR欄や面接において、傾聴力を効果的にアピールするコツをご紹介します。

傾聴力を履歴書・職務経歴書でアピールするポイント

まずは、これまでの経験を振り返り、「傾聴力」を発揮したことが成果につながった場面を思い出して書き出してみましょう。そして「傾聴力が強みであること」+「傾聴で心がけていること」+「根拠となる具体的なエピソード」をセットにして、職務経歴書用に200~400文字程度のボリュームで文章を作成します。

履歴書の場合は記載できるスペースが小さいため、さらに簡略化して100文字程度にポイントをまとめましょう。

傾聴力を面接でアピールするポイント

面接で「強みをアピールしてください」と言われた場合も、職務経歴書と同様、「傾聴の場面で心がけていること」や「具体的なエピソード」を語ることがポイントとなります。

また、採用担当者は「傾聴力を自社でどう活かせるか」という点に注目しています。採用ポジションの仕事内容や仕事の進め方を事前に研究した上で、「御社でもこのような場面で傾聴力を活かしたいと思います」と付け加えると、説得力が高まるでしょう。

【職種別】「傾聴力」の自己PR例文

傾聴力をアピールする場合の例文を、職種別にご紹介します。自己PR文を作成する際の参考にしてみてください。

自己PR例文:営業職

「傾聴力」を活かし、顧客との信頼関係を築いてきました。飲食店の経営者を対象に○○サービスの新規顧客開拓営業を担当していましたが、当初はアポイントがなかなかとれませんでした。そこで、「○○サービスをご案内したい」から「今、困っていること・悩んでいることをお聞きしたい」というアプローチに変え、初回訪問では自社サービスの話をせず、課題やニーズを話していただくことに集中しました。そこでつかんだ課題に対し、解決のヒントとなる情報提供を行うと、アポイントが取りやすくなり、○○サービスも前向きに検討していただけるようになりました。その結果、前年比150%で目標を達成することができました。今後も傾聴力を活かし、顧客満足度の向上を目指します。

自己PR例文:企画職

事業計画の策定にあたり、「傾聴」を意識することで、多様なステークホルダーの意向を汲み取っています。○○事業の企画立案において、過去実績や経営陣からの指示だけを元に作成するのではなく、社内(現場の営業メンバーやマネジャー)や社外(顧客やパートナー企業など)から情報を得たり、課題や価値観を聞いたりして、実効性のある計画にすることが必要と考えました。達成すべき数字・目標ありきではなく事業の実態を把握するために、まずは現場の声を集めることで経営陣も現場も納得できる事業計画を策定した結果、順調に運んで○%の目標を達成しました。このような活動で傾聴力を身に付けることができましたので、今後も活かしていきたいと思います。

自己PR例文:事務職

総務事務として、傾聴力を活かし、社内イベントにさまざまな要望を反映しています。3カ月に1回開催する社内イベントの企画・運営のサポートを担当していますが、成績優秀者の表彰や経営陣からのメッセージなど代り映えがしないプログラムでマンネリ化していました。特に若手社員のイベント満足度が低下傾向にあり、参加に対して消極的な空気があったのです。そこで、若手社員中心にヒアリングを実施して本音を引き出し、それをもとに「時間短縮」「開催回数を半年に1回に減らす」「経営陣からのメッセージは動画配信」「コンテンツの企画に若手社員に参加してもらう」などの改善を行った結果、イベントの満足度が向上し、モチベーションアップの効果が得られました。

自己PR例文:エンジニア

SEとして、クライアントの目標を正確につかむため、「傾聴」を大切にしています。クライアント企業の○○システムの新規開発案件において、当初の要件定義はクライアント側の要望には沿ってはいたものの、技術観点で詳細をチェックしたところ、本当に課題解決につながるのか懸念を抱き、再度PMを交えた調整・壁打ちの場を設定してもらいました。「なぜこの機能が必要なのか」を一つずつ丁寧にヒアリングした結果、今回のシステム開発の目標がクリアになり、改めて技術観点からの提案を行うことで、より精度の高い要件定義の作成、スムーズな開発につながりました。

自己PR例文:クリエイティブ職

UI/UXデザイナーとして傾聴力を活かし、クライアントが描くイメージの理解に努めています。クライアントの新プロダクト(Webサービス)の開発を支援していると、「こういう機能を盛り込みたい」「こうしたテイストにデザインしてもらいたい」といった要望を受けます。しかし、機能やデザインが先走り、実現したい世界観があいまいなまま進んでしまうことがあります。そこで「新プロダクトで何を実現したいか」を丁寧にヒアリングして描いているイメージをつかみ、それに沿った提案を行っています。

自己PRで「傾聴力」を効果的にアピールするために

傾聴力というと、「相手の話を聞く」という点にフォーカスしがちです。しかし、大切なのは相手自身が気付いていない潜在的な課題や要望を引き出すことです。それによって課題解決や成果に結びつけることができてこそプラス評価を得られますので、その観点を意識してアピールしてみてください。

転職活動に臨む際、「自分の強みがわからない」「自分の強みをどのように伝えればいいのかわからない」という方が多いようです。そんなときは転職エージェントに相談し、自己分析のサポートやアピール方法のアドバイスを受けてはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、応募した企業の面接で質問されることなどの傾向や、どんな候補者が評価されるかなどの情報をお伝えすることができます。面接対策にお悩みの方はぜひ相談に来てみてください。