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協調性を自己PRとする例文と言い換え|アピールする際の注意点は?

「自己PR」は、自身の「強み」や「応募企業にどう貢献できるのか」をアピールするものです。履歴書や職務経歴書に記すほか、面接で聞かれることも多く、企業が採用選考において重視するポイントの一つです。ここでは「協調性」をアピールしようと考えている方のために「自己PR」を書く際のポイントや例文、面接でアピールする際の注意点を組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

職務経歴書の自己PR欄で「協調性」を伝える例文

職務経歴書の自己PR欄で「協調性」を伝える例文を職種別にご紹介します。職種によって伝えるポイントが変わるので、自分にあてはまるものを確認しましょう。

営業職で協調性を自己PRする場合の例文

「5人の営業チームでリーダーを務めていました。営業活動は各自のやり方で動いていましたが、週1回のミーティングで、成功体験と失敗体験を共有し、獲得したノウハウを全体で共有できるようにしました。

その結果、各自の課題が解決でき、目標を150%達成してグループで社長賞を獲得しています」

営業職で意識したいポイント

営業職で協調性をアピールする際のポイントは、チームに貢献したことを数字を交えながら記載することです。

「ビジネスチャットツール内に報告専用のチャンネルを作成し、メンバーとこまめに報告し合った結果、目標を120%達成した」など、数字を交えて話すと信憑性があり、評価されやすくなります。

事務職で協調性を自己PRする例文

「月末の経費精算を担当しているのですが、営業部の申請が毎月一定数遅れ、残業の原因となっている点に問題を感じました。

そのため、定期的に営業部に申請予定の経費を聞く仕組みを導入しました。その結果、申請業務が溜まることなく、残業時間が20%減りました」

事務職で意識したいポイント

事務職で協調性をアピールする際のポイントは、周囲の変化などを伝え、成果を明確に述べることです。「周囲に共有したことでトラブルが減った」など、相手の立場になって行動した事例があげられるでしょう。

ただし、相手の要望に応えたのみだと「指示に従っただけ」「自主性がない」と捉えられる可能性があるので、主体的に行動した点を伝えましょう。

企画職で協調性を自己PRする例文

「新しい商品のプロジェクトを立ち上げた際、各部署の意見が合わないことが課題でした。

私が中心となって部署間の会議を実施し、要望や課題を共有する機会を設けました。その結果、やり取りがスムーズになり、プロジェクトが予定より早く完了しています」

企画職で意識したいポイント

企画職で協調性をアピールする際のポイントは、部署間の調整などの活動を強調し、具体的な成果を示すことです。「全体の意見が一致して進行がスムーズになった」など、全体を見渡し、相手の立場を理解して行動した事例が有効です。

ただし、単に意見をまとめただけでは「調整役に過ぎない」と捉えられる恐れがあるため、主体的な面を伝えることが重要です。

専門職で協調性を自己PRする例文

「自社サイトを刷新するプロジェクトにWebデザイナーとして参加した際、各部門の意見が対立していました。私は目的を整理し、各所の要望をまとめる必要があると判断しました。そこで、仕切り直しのミーティングを提案・企画・運営まで行いました。

その結果、各領域の知見をバランスよく活かしたサイトが完成し、ユーザーの流入が増えました」

専門職で意識したいポイント

専門職で協調性をアピールする際のポイントは、他者の意見を尊重したうえで協働した経験を述べることです。

ただし専門性を発揮したエピソードでも、成果を出すために自ら提案や工夫等をしていない場合「受け身・消極的」と判断されかねません。

管理部門職で協調性を自己PRする例文

「社内で働き方改革に取り組む役割を担いました。このとき、一部から反発を受けましたが、意見を聞いたうえで必要性を丁寧に説明しました。

結果、重要性を理解してもらい、改革が実現しています。最終的に残業時間30%カットの実現に至りました」

管理部門職で意識したいポイント

管理部門職で協調性をアピールする際のポイントは、管理しているそれぞれの部門間や同じチーム内の意見を尊重したうえで連携できた経験を具体的に述べることです。

ただし「〜を導入する」などの役割を果たしても、周囲との関係性が感じられない場合は「とりあえず導入しただけ」と判断される可能性があるので注意しましょう。

エンジニアで協調性を自己PRする例文

「クライアントのアプリケーション開発をする際、無理な要望を受けることもあります。そのときは、クライアントがアプリによってどんな成果をあげたいのかを聞くようにしています。

そしてクライアントの目的を踏まえ、可能な範囲で実現できる方法を提案しました。これにより、クライアントが満足できるレベルで納品でき、追加受注につながっています」

エンジニアで意識したいポイント

エンジニアで協調性をアピールする際のポイントは、クライアントや働くメンバーと連携するための取り組みを具体的に述べることです。

ただし役割を果たしていたとしても、具体的な成果が見えないと「あまり評価されていないのでは」と懸念される恐れがあります。

自己PRでの協調性の言い換え例

自己PRを伝える際に、他の応募者と差別化を図るために言い換えることもあります。具体的な言い換え例をご紹介しますので、参考にしてみてください。

チームビルディング

協調性を持つことは、チーム内の雰囲気作りやメンバーの綿密な連携を促す能力と言えます。「私はチームビルディングが得意です」と表現することで、単なる協調性ではなく、チーム全体をより良くする役割を担ってきたことをアピールできるでしょう。

このとき、具体的な活動や成果をあわせて述べることで、信頼性も伝えることができます。

調整力・合意形成力

協調性を「調整力」や「合意形成力」と表現することで、より具体的なスキルをアピールできます。例えば、異なる意見や考え方を持つメンバー間で共通の目標や方向性を見つけ、それを実現するためのアクションプランを立てることは、調整力や合意形成力の現れです。

このように言い換えることで「チームの意見をまとめ、具体的な行動に移す人」というイメージを伝えることができます。

傾聴力・気配り

協調性を「傾聴力」や「気配り」として言い換えることは、周囲の人の意見をしっかり聞いて、細かな意見にも気を配る人であることを示します。また細かい点まで気を配り、メンバーがスムーズに業務を進められる環境を作ることは、会社にとって大きな貢献となるでしょう。

これらの表現を取り入れることで、自己PRの協調性が、周囲との関係構築において非常に有効なスキルであると示すことができます。

自己PRで協調性をアピールする際のステップ

自己PR欄で協調性をアピールするための基本ステップを順番にご説明します。流れを把握して、効果的に協調性をアピールしましょう。

ステップ1:志望企業で求められている「協調性」のタイプを探る

ビジネスにおいての「協調性」とは、異なる立場の人と協力し合い、円滑に任務を遂行する組織を意味します。しかし、どんなシーンで、どんな人との協調性が重視されるかは企業によって異なります。

従順的な協調性

従順的な協調性はチームや場の空気を読み、指示に従いながら協力して仕事を進めることです。

自分の意思を持たず、周囲に流されて仕事をしているようにも感じますが、常に意見を主張するリーダーのような人ばかりでは組織は成り立ちません。
従順的な協調性を発揮する人は、チームの雰囲気を乱すことなく指示通りに仕事ができるため、物事を円滑に進めるためには欠かせない存在と言えます。

主体的な協調性

主体的な協調性とは、自分が率先して周りのメンバーに働きかけ協働して仕事を遂行することです。「主体」と「協調」は一見矛盾があるように感じますが「主体性を持ちながら、周囲の人々に配慮した仕事をする」という意味があります。

具体的には、人から指示される前に自分でやれることがないか確認したり、十分に事前準備したりして他メンバーの手間を減らすなどの行動が挙げられます。

ステップ2:自身の経験で「協調性」を発揮した自己PRエピソードをピックアップ

自身の経験から、志望企業が望むような協調性を発揮した場面を思い返してみましょう。そして、当時の状況や行動を具体的にまとめます。

その際、シチュエーションを想像しやすいように書くと採用担当者は「うちの会社でも力を発揮してくれるな」と、活躍するイメージができるでしょう。

ステップ3:協調性を発揮した結果、得られた効果・評価をまとめる自己PR

協調性を重視して行動した結果、組織にどんな成果やメリットを与えたかもまとめます。応募書類には成果まで記すと、プラス評価につながりやすくなります。

ステップ4:面接で協調性をアピールする際に備えておく

相手企業が応募書類の自己PR欄を読んで興味を持った場合、面接でさらに詳しく聞かれる可能性があります。そこで「協調性」を強みとして印象づけるためには、以下のようなポイントを伝えられる準備をしておきましょう。

  • 人とコミュニケーションを取るときに心がけていること
  • 自分が苦手と感じる人とコミュニケーションを取る際に意識していること
  • 人と連携して仕事を進め、成功した経験のより具体的なエピソード
  • 人と連携して仕事を進める中で苦戦した経験、それをどんな工夫や行動で乗り越えたかの具体的なエピソード

「協調性」をアピールする際の注意点

「協調性」という表現は幅広い意味を持つため、面接担当者によって捉え方が変化します。「協調性」をアピールする際の注意点を3つご紹介します。

一つのエピソードに絞って話す

自己PRで「協調性」に関するエピソードを述べる際は、ひとつに絞りましょう。「協調性」は特に時系列で具体的な取り組みや成果を述べる必要があるので、他の特徴よりも比較的長めのエピソードとなります。

エピソードは「解決すべき課題→課題を解決するために、協調性を発揮して取り組んだこと→得られた成果や評価」という流れに沿って伝えることで、読みやすく信憑性のあるストーリーとなります。

「主体性がない」と思われないように注意

「主体性」と「協調性」は真逆の印象を持たれることもあり「従順的な協調性」の場合は「自分の意思を持たない人」と思われるかもしれません。

「人の指示に従う際は自分の意思に反していないことが前提であり、何よりもチームの目標達成を最優先にして行動している」ことを踏まえて述べましょう。

そうすることで、周りに流されているのではなく、主体性を持ったうえでチームワークや目標達成を大切にしていることが伝わります。

応募先に応じて「協調性アピール」も工夫しよう

「協調性」を求める企業は多いのですが、それを重視しない企業もあります。例えば同じ業界でよく似た商材を扱っていても「チームで話し合いながら進めるのが望ましい」と考える企業もあれば「個人の判断でスピーディに行動を起こしてほしい」と考える企業もあります。

自己PRは安易に使いまわさず、応募先企業の社風を事前研究したうえで、アレンジを加えるようにしましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2018年12月12日
記事更新日:2023年01月26日
記事更新日:2023年10月04日 リクルートエージェント編集部

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