面接とは異なり、企業の従業員と求職者がフランクに対話ができる「カジュアル面談」を実施する企業もあります。カジュアル面談を設定されたら、どのような服装で臨めば良いのでしょうか。そこで、カジュアル面談の目的や服装、カジュアル面談で準備するものについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
カジュアル面談とは?
人手不足やオンラインミーティングの浸透などを背景に、近年実施している企業もあるカジュアル面談。カジュアル面談の目的や、一般的な面接との違いについて解説します。
カジュアル面談の目的
カジュアル面談は、選考が目的の面接と異なり、企業と求職者双方の理解を深める目的で実施されることが多いでしょう。面接のように履歴書や職務経歴書を求められるケースは少ないのが一般的です。興味を持った企業がカジュアル面談を実施している場合は、気軽に仕事内容や職場の雰囲気を確認できるでしょう。
一般的な面接との違い
面接は応募企業の面接ブースや応接室などで実施されますが、カジュアル面談はカフェなど社外で実施されることもあり、面接・面談ともにオンラインも交えて実施されるケースが一般的です。面接は1次~最終まで複数回実施されますが、カジュアル面談は基本的に1回の場合が一般的で、選考前にカジュアル面談を実施し、面接の間に条件面談が設定されるケースもあります。
カジュアル面談の服装
カジュアル面談の服装は、参加のハードルを下げるために「服装自由」としている企業が一般的です。カジュアル面談の服装について解説します。
対面でのカジュアル面談の服装
カジュアル面談の場合、「服装自由」と伝えられていてもどこまで自由なのかが分からず、逆に迷ってしまう方もいるようです。服装に迷ったら、オフィスカジュアルを基本にして、ジャケットとパンツ・スカートなどを組み合わせると良いでしょう。オフィスカジュアルなので、スーツやネクタイは着用しなくても大丈夫です。
オンラインの場合の服装
オンラインの場合も、対面同様にオフィスカジュアルを選択すると良いでしょう。オンラインの場合は服装よりも髪型や背景、明るさが印象を左右する要素になります。髪が顔にかかると表情が隠れて暗い印象を与える可能性があるので、髪が長い方はまとめるようにしましょう。また、面談ではビジネスシーンにそぐわないバーチャル背景は避け、シンプルな背景を選択したり背景をぼかす程度にしたりするのが一般的です。
服装指定がない場合の注意点
Tシャツに短パン、サンダルなどのカジュアルすぎる服装は避けましょう。ただし、業界や職種、企業によっては、「カジュアル面談なので、普段の仕事での服装(Tシャツやジーンズなど)でお越しいただいております」などの補足説明をしているケースもあります。その場合は、補足に従った服装で問題ありません。
なお、服装はオフィスカジュアルだったとしても、しわだらけのジャケットや汚れが目立つ靴など、身だしなみの配慮に欠けていると、「仕事でも大雑把な人なのだろうか」「自分を客観視できているのか」という不安を与える可能性があります。カジュアル面談でも身だしなみを意識し、面談の相手が会話に集中できる服装で臨みましょう。
カジュアル面談で落ちることはある?
前述した通り、基本的にカジュアル面談は選考の場ではないので、「落ちる」という言葉は適当ではありません。ただし、カジュアル面談での振る舞いが面談担当者の印象に残っていて、その後の選考で影響する可能性はゼロではありません。カジュアル面談ではビジネスパーソンとしての振る舞いを意識し、大きく印象を損ねるような服装・言動は控えるようにしましょう。
服装以外にカジュアル面談で準備するもの
服装以外にカジュアル面談で準備しておきたいものをピックアップしました。
パソコン・スマートフォン・ノート・メモ帳
オンライン面談の場合は、パソコンかスマートフォンを用意しておきます。対面の場合でも、パソコンやノート、メモ帳などでメモを取りたい場合は「メモを取っても良いでしょうか?」と一言添えてから、パソコンやノート、メモ帳などを広げるようにしましょう。
履歴書・職務経歴書
一般的に、カジュアル面談では履歴書・職務経歴書を不要とする傾向があります。ただし、履歴書や職務経歴書を用意した方が、すぐに経歴を理解してもらえるので話が弾む可能性もあります。もし履歴書や職務経歴書をすぐに準備できるようであれば、カジュアル面談でも持って行きましょう。なお、デザイナーやイラストレーターなどのクリエイティブ職は、ポートフォリオも準備すると良いでしょう。
鞄
対面で面談をする場合は、パソコンや履歴書・職務経歴書を入れておく鞄も準備しましょう。会社パンフレットや採用ピッチ資料などを手渡される可能性もあります。A4サイズが入る大きさで、カジュアルすぎない鞄が適しています。
カジュアル面談を有効に活用しよう
カジュアル面談は、話しやすい雰囲気で企業の面談担当者とフランクに対話することができます。面接ほど緊張することなく気になることを質問できるので、興味を持った企業があれば積極的にカジュアル面談を申し込んでみましょう。カジュアル面談で話を聞いてから、選考を受けるかどうか判断するという方法もあります。具体的な話を聞くことで、求人だけでは分からなかった企業の魅力に気づき、意外な転職先が見つかることもあるでしょう。また、企業の面接担当者と直接会話をすることで、自分の経験・スキルに対するリアルな企業のニーズや市場価値を発見できるかもしれません。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。