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転職活動の期間は平均何カ月?目安と全体の流れ、長引かせないためのポイントを解説

転職活動 期間

転職活動にかかる期間に対して不安を感じる人もいるでしょう。「転職先が見つからず、長引くことが不安…」「転職活動を始めるなら“今の仕事を辞めてから”と“働きながら”のどちらにするべき?」などと悩み、一歩を踏み出せないケースもあるようです。今回は、転職活動にかかる期間の目安や、転職活動の流れと必要な準備、長引かせないためのポイント、在職中・退職後の転職活動におけるそれぞれのメリット・デメリットなどについて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

転職活動にかかる期間の目安は3カ月

転職活動をスタートしてから転職先の企業に入社するまでにかかる期間は、「在職中か、退職後か」という点や、「退職交渉や業務の引き継ぎの状況」などが影響するため、ケース・バイ・ケースで違ってくると言えるでしょう。

一般的には、3カ月程度かかっている人が多く、リクルートエージェントに登録して転職先が決まった転職者のデータでも、登録から90日以内に転職先が決まった人が73.23%で最多となっています。

転職活動スケジュールの例
(※)作成:編集部

(※)出典: 「転職者の転職活動期間」(株式会社リクルート(現・株式会社インディードリクルートパートナーズ))

退職してから転職先に入社するまでの期間は、「1カ月未満」が3割弱

厚生労働省の調査によれば、転職者が直前の転職先を辞めてから現在の職場に勤務するまでの期間は「1カ月未満」が27.6%、「離職期間なし」が26.1%、「1カ月以上2カ月未満」が13.3%となっています。働きながら転職活動を進めた人が一定数を占めていることが推測できますが、その一方で、「10カ月以上」と回答した人も5.5%となっており、より長い期間がかかるケースもあるようです。

(※)出典:「令和2年転職者実態調査の概況」(厚生労働省)

転職活動期間に影響する要因は?

転職活動期間を左右する大きな要因は、在職中か否かという点です。仕事を続けながら転職活動を進めている場合は長くかかる傾向があり、辞めてからの場合は選考に注力しやすいことから短期間となる傾向が見られます。

また、前出の厚生労働省の調査によれば、年代別で転職活動期間の長さが若干変化することが見てとれるため、年齢によって幅が生じることも考えられます。

【年代別「転職活動を始めてから直前の勤め先を離職するまでの期間」トップ3】

年代 1位 2位 3位
20代前半 1カ月未満
(28.2%)
1カ月以上2カ月未満(17.5%) 離職期間なし(16.3%)
20代後半 1カ月未満
(30.6%)
離職期間なし

(21.5%)

2カ月以上4カ月未満(18.1%)
30代前半 離職期間なし(33.9%) 1カ月未満
(25.1%)
2カ月以上4カ月未満(13.8%)
30代後半 離職期間なし

(31.5%)

1カ月未満
(29.7%)
1カ月以上2カ月未満(11.3%)
40代前半 1カ月未満

(10.1%)

離職期間なし
(27.2%)
1カ月以上2カ月未満(14.7%)
40代後半 1カ月未満
(30.6%)
離職期間なし
(30.0%)
1カ月以上2カ月未満(11.5%)

(※)出典:「令和2年転職者実態調査の概況」(厚生労働省)より抜粋して作成

転職活動の一般的な流れと必要な準備

転職活動の流れと、各段階でどのような作業を行うのか、その内容およびおおまかな期間の目安を説明します。

事前準備・応募(約2週間)

何のために転職するのか、転職によってどのようなことを成し遂げたいのかという「転職理由」を整理します。さらに、これまでの経験を振り返って整理し、自分の強みや仕事で大切にしていることなどを洗い出す「自己分析」を行います。これらをもとに希望に合致する求人の検討・選定を行ったうえで、履歴書や職務経歴書などの書類を作成して提出します。

転職理由の整理・自己分析を行う

「何のために転職するのか」「転職によって何を成し遂げたいのか」を整理することで、転職先に求めるものが明確になり、応募する求人選びの方向性が定まります。自己分析では、キャリアの棚卸しをしながら、これまでの経験・スキルを洗い出していくことがポイントです。やりがいを感じたこと、評価されたことなどを振り返り、その理由を深掘りすると、転職活動でアピールできる強みや得意分野が明らかにしやすいでしょう。キャリアの棚卸しによって、応募書類に記載する職務経歴を一覧化することもできます。

希望条件を整理する

転職理由を踏まえ、「転職先で実現したいこと=転職の目的」を明確にすることで、転職先に望む条件を洗い出しやすくなります。仕事内容、年収・待遇、ワーク・ライフ・バランス、福利厚生、身につけたいスキル、将来的に実現したいキャリアなど、さまざまな角度から希望条件を整理しましょう。その際、優先順位もつけておくことが一つのポイントです。

応募企業の検討・選定を行う

求人サイトなどを調べたり、転職エージェントに登録して求人紹介を受けたりしながら、希望に合う求人を探して、応募企業の検討・選定を行いましょう。優先順位の高い希望条件をベースに求人を探し、比較検討することで応募企業を絞り込みやすくなるでしょう。

応募書類を作成する

自己分析によって明らかになった強みを自己PRや志望動機などに活かす方向で、応募先企業に提出する履歴書や職務経歴書などを作成します。その際、志望する職種や業務に活かせそうなアピールポイントを選び、自分らしさと簡潔な表現を心がけ、採用担当者にわかりやすく伝わるよう工夫することも大切です。また、職務経歴書には、キャリアの棚卸しのプロセスで作成した職務経歴の一覧を役立てることができます。

面接(約1カ月)

書類選考に通過したら、応募先企業と面接日時を調整して面接を受けます。中途採用では、複数回にわたって面接選考を行う傾向があるので、およその目安として1カ月程度を見込んでおきましょう。

面接日程を調整する

直接応募した場合は、企業の人事担当者と面接日程の調整を行います。働きながら転職活動を行う場合は、面接を受けられるタイミングが限られるうえ、多忙な面接担当者の予定とうまく合うとは限りません。業務を調整するなど、なるべく候補日を増やして、「今月は、水曜日から金曜日であれば16時開始以降で調整可能です」といった具合に、可能な範囲で複数、かつ幅広い日程を提示するような対応をすることで、よりスムーズに調整を進めやすくなるでしょう。

面接対策を行う

中途採用では、一般的に面接は1~3回程度行われます。面接では「自己PR」「転職理由」「志望動機」などを質問される傾向があるので、それぞれの回答内容を準備し、簡潔に回答できるように練習しておきましょう。
また、一次面接、二次面接、最終面接などで、人事や現場担当、役員など、面接担当者のポジションが変化するケースもあります。一貫性を持って回答できるように振り返りを行うことと、それぞれの面接担当者の質問意図を理解したうえで回答することが大事でしょう。

内定(1週間)

応募企業から内定の連絡を受け取ったら、労働条件を確認したうえで内定を承諾するかどうかを判断します。一般的に、内定承諾の回答期限は約1週間が目安となっていますが、複数の企業の選考を並行している場合には、それぞれの選考結果を待つ期間や比較検討の時間などがかかることも考えられます。回答期限については、応募企業に相談してみることで待ってもらえるケースもあります。

希望したい条件がある場合は交渉することも可能

内定承諾をする前に、年収条件などについて交渉することも可能です。ただし、自分の市場価値や企業の給与水準なども踏まえたうえで、現実的な範囲での条件交渉をすることが大事でしょう。

入社日の調整を行う

内定承諾をした後は、転職先と入社日の調整を行います。退職交渉にかかる時間や引き継ぎ期間を踏まえたうえで、入社日を相談・決定することが大事です。「入社日をどれくらい待ってもらえるのか」という点については、企業の状況にもよるでしょう。一般的には内定から入社までの目安は1〜3カ月程度です。企業は採用計画や事業計画に併せて受け入れの準備をしているため、指定された期日よりも大幅に長く待ってもらうことは難しいかもしれません。

退職・引き継ぎ(約1カ月)

現職の上長に退職の意思を報告して、現職の職場との退職交渉や退職願の提出、業務の引き継ぎなどを行います。退職を申し出る期限は企業によって異なるため、あらかじめ就業規則などで確認し、上司に伝えるタイミングを想定しておくことも大事です。「退職する場合は2週間前までに通知すること」など、比較的短く定められている場合でも、業務の引き継ぎや有給消化、退職手続きの時間を考慮すると、希望日の1カ月前までをめどに退職の意思を伝えることが望ましいでしょう。

退職・入社に必要な手続きを行う

現職の会社を退職するために必要な手続きを行います。もらっておくべき書類や会社に返却するものなども確認しておくと安心できるでしょう。転職先に入社するために必要な手続きや用意する書類などについては、転職先の人事担当者の指示に従います。

転職活動を長引かせないためのポイント

「転職活動を長引かせたくない」と考えている場合は、よりスムーズに進めるために、各段階で押さえておきたいポイントを把握しておきましょう。

転職活動の計画を立てる

転職活動を長引かせないためには、転職先に入社したい時期を想定したうえで、逆算して転職活動のスケジュールを考え、計画を立てましょう。これに沿って進めていくことで、計画的に転職活動を進めやすくなります。

さまざまな方法で情報収集を行う

求人情報は、求人サイト、求人検索エンジン、SNSや企業のホームページなどで探すことができます。また、転職エージェントやスカウトサービスに登録する方法もあります。友人や知人などの勤務先でリファラル採用(社員からの紹介による採用選考)を行っていないか確認してみるのも一つの方法です。さまざまな方法で情報収集を行うことで、効率的に自分に合う企業や求人を探しやすくなるでしょう。

応募企業は絞り込みすぎない

「1社に応募し、その選考結果次第でもう1社に応募する」という進め方をした場合は、転職活動が長期化してしまう可能性があります。転職活動を長引かせたくない場合は、応募企業を絞り込みすぎないことも一つのポイントなので、複数企業への応募を並行し、応募する時期もできるだけ揃えることをおすすめします。同時期に応募することで、内定時期を揃えやすいため、入社する企業を比較検討して選ぶことも可能になるかもしれません。

面接日程の調整はなるべく早く進める

中途採用の面接選考は、個別に選考を進めていく傾向があります。早期に選考を受けている人材に内定が出た場合、採用枠が埋まってしまう可能性もあるので、なるべく早期に日程調整を進めた方が安心できるでしょう。また、在職中に転職活動を進める場合は、現職の業務を並行するため、日程調整が難しくなることも考えられますが、応募企業に事情を伝えて相談することで、業務時間外に面接を設定してもらえるケースもあります。

転職エージェントのサポートを受ける

転職エージェントを活用し、転職支援のサポートを受けることで、効率的に転職活動を進めやすくなるでしょう。自分の希望や経験・スキルに合わせた求人の紹介を受けることができ、効率的に応募企業を探すことに役立てることができます。また、面接日程の調整など、応募企業とのやりとりもサポートしてもらえるため、在職中の転職活動も進めやすくなるでしょう。
このほか、キャリアの棚卸しや応募書類の作成、面接対策などのサポートを受けられるケースもあります。転職支援のプロから客観的なアドバイスを受け、選考の通過率をより高めるために役立てるのも一つの方法です。

転職活動は「働きながら」「辞めてから」のどちらがおすすめ?メリット・デメリットを紹介

「働きながらの転職活動」と「辞めてからの転職活動」には、それぞれメリットとデメリットがあります。双方を理解したうえで、自分にはどちらが向いているのかを考え、判断しましょう。

「働きながら」転職活動する場合のメリット・デメリット

在職中に転職活動を進めるメリットは、収入が途切れるという経済的な心配がなく、余裕をもって転職活動を進められることです。家族がいる場合は、家族に経済的な不安や負担をかけることも少ないでしょう。

また、職務経歴の空白期間(ブランク)が生まれにくい点もメリットに挙げられます。ブランクがある場合、「転職活動しても転職先が決まらなかったのではないか」「就業意欲が高くないのではないか」といった印象や疑問を抱かれ、選考に影響が出ることも考えられます。

一方、デメリットとしては、仕事と転職活動の両方を同時に進めることによる身体的・精神的な負担が挙げられます。「転職活動のために使う時間を捻出しにくい」「選考スケジュールの調整がうまくいかない」などで、思うように進められなくなる可能性もあるでしょう。

「辞めてから」転職活動する場合のメリット・デメリット

退職してから転職活動を始めるメリットは、情報収集や企業研究、自己分析、応募書類の作成など、転職準備に十分に時間をかけることができる点です。加えて、選考スケジュールが調整しやすいため、面接など、企業が指定した時間に応じやすくなり、複数の企業に同時に応募した場合も進めやすくなります。急募の求人の場合、早期に入社できることが選考で考慮されることもあります。

一方、デメリットとしては、ブランクが長くなった場合は、書類選考の段階でネガティブな印象を持たれる可能性が挙げられます。また、収入が途絶えてしまうため、転職活動が長引くとことに不安や焦りを感じて、自分の希望や目的に合っていない転職先を選択して後悔するケースもあるようです。

転職活動期間を長引かせないためには、転職エージェントを活用することもおすすめ

求人を探す際には、転職エージェントに登録し、転職支援サービスを活用するのも一案です。キャリアの棚卸しや自分の強みの洗い出し、応募書類の作成や面接対策など各段階において、キャリアアドバイザーからの客観的な助言が受けられることや、転職理由や転職先に希望する条件と合致した求人に出会いやすくなることなど、さまざまな面に期待できるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年02月06日
記事更新日:2024年10月08日
記事更新日:2025年04月28日 リクルートエージェント編集部

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