急速に進展するグローバル化に伴い、語学力や海外経験を持つグローバル人材を求める企業が増えてきました。過去に留学経験がある場合、履歴書にどう記載すれば効果的にアピールできるのか、書き方のポイントと記載例を紹介します。
留学経験を書くときのポイントと記載例
まずは、留学経験を履歴書に記載する場合のポイントについて、解説します。
留学期間が1年以上の「正規留学」は学歴欄に書く
「留学」の定義には3つの種類があります。
・正規留学:海外の高校・大学など正規の教育機関に在籍し、現地の学生と同様に、学士・修士の習得や卒業を目指す
・交換留学:日本の高校・大学に在籍したまま、海外のパートナー校に通学する
・語学留学:語学習得を目指し、海外の語学学校等に通う
一般的に、学歴欄に留学経験を記載する目安は、留学期間が1年以上の場合とされています。また、「語学留学」は、正式には「留学」ではなく「語学研修」に分類されます。そのため、学歴欄には、1年以上の期間にわたる「正規留学」「交換留学」を書くことをおすすめします。
留学期間、国、学校名を書く
留学経験は、「留学していた期間(渡航・帰国の年・月)」、「留学先の国名」、そして「正式な学校名・専攻」を略さずに記載します。学校名はアルファベット表記などでも構いませんが、応募先が外資系企業でない場合は、カタカナ表記のほうがわかりやすいでしょう。
また、正規留学の場合、日本での学歴と同様に、高校・大学は「卒業」、大学院は「修了」と記します。
年度は和暦か西暦のどちらかで統一する
留学した年を記載するとき、和暦でも西暦でも構いません。
ただし、各項目で和暦・西暦が混在していると履歴書に一貫性がなくなってしまいますから、学歴欄だけでなく履歴書全体を通して統一しましょう。
【正規留学の記載例】
年 | 月 | 学歴・職歴など |
学歴 | ||
平成17 | 4 | 私立〇〇高等学校 入学 |
平成20 | 3 | 私立〇〇高等学校 卒業 |
平成20 | 8 | アメリカ合衆国〇〇大学□□学部△△学科 入学 |
平成24 | 5 | アメリカ合衆国〇〇大学□□学部△△学科 卒業 |
【交換留学の記載例】
平成20 | 4 | 〇〇大学□□学部△△学科 入学 |
平成21 | 4 | 平成22年3月までアメリカ合衆国□□大学に交換留学 |
平成24 | 3 | 〇〇大学□□学部△△学科 卒業 |
「語学留学」や「短期留学」は自己PR欄等に記載
応募先企業へのアピールになるのであれば、「語学留学」や「短期留学」についても記載すると良いでしょう。自己PR欄や特技欄、語学欄、備考欄などに、留学期間と留学先の国名・学校名等を書きます。どんなことを学び、何を得て、仕事にどう生かせるのかを、具体的に記載するとよいでしょう。
こんな場合はどうする?
日本の大学を中退して、正規留学した場合
中退は正式学歴になりませんが、何も書かれていないと、その学校に在籍していた時期が空白期間になってしまいます。採用担当者が疑問を抱く可能性がありますから、中退から留学に至った事実を学歴欄に記載することをおすすめします。このとき、「中退」と略さずに「中途退学」と書きましょう。
平成20 | 4 | 〇〇大学□□学部△△学科 入学 |
平成21 | 6 | 〇〇大学□□学部△△学科 中途退学
(アメリカ合衆国●●大学で■■を専攻するため) |
平成21 | 8 | アメリカ合衆国●●大学■■学部▲▲学科 入学 |
平成25 | 5 | アメリカ合衆国●●大学■■学部▲▲学科 卒業 |
就職後に留学した場合
社会人になってから海外留学を経験した場合は、学歴欄にその事実を書きましょう。「6カ月フィリピンに語学留学に行ってました」というケースは、職歴欄に補足的に書くか、特記事項欄に記載するとよいでしょう。
学歴が欄に収まりきらない場合
留学経験を記載することで、すべての学歴を学歴欄に書ききれなければ、高等学校から記載しても問題ありません。