総合電機・半導体・電子部品業界の新型コロナウイルス禍における求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「コロナウイルス禍での転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
総合機械・半導体・電子部品業界の転職市場動向のポイント
・ハードからソフトへ。採用が活発な領域と落ち着く領域が二極化
・先行投資分野での採用は続く
業界・企業側の動き
電機系では、5G、コネクティッド領域、IoTなどサービスとしての通信関連のニーズは加速していくでしょう。テクノロジーの導入は急がれる状況になることが予想されるため、各社の開発競争やITインフラ導入は変わらないと思われます。大手のメーカーや自動車関連の企業は、近年BtoBサービスへのシフトをしていましたが、新型コロナウイルス禍で一時的に需要が予測できなくなり、採用を様子見する傾向にあります。自動車業界の動きに連動して、一部の半導体・部品メーカーも影響を受けています。
一方、PC・周辺機器などはテレワーク需要で好調です。Webカメラなどの周辺機器、通信系の半導体、PC関連の半導体は好調となっています。機械エンジニアの技術者派遣も採用は活発です。また、大きな流れとしてDX(※1)推進がキーワードになっており、ハードからソフトへ移行していく動きは変わらないでしょう。業績の影響で一時的に採用が止まったとしても、経営上の重要アジェンダであるため、先行開発系のポジションやIT人材への投資は変わらず続くと考えられます。社内のIT化も喫緊の課題になっており、有事の際でも事業を継続していけるかが、問われています。
過去、リーマンショック時に採用を止めたことでその後の回復に遅れが生じた教訓を各社意識しており、専門性の高いポジションに絞られたとしても採用は継続していく傾向が強いと予想されます。
(※1) デジタルトランスフォーメーションの略
求職者側の動き
業界が冷え込んでいるというイメージに引きずられ転職に慎重になる求職者が一定数いる状況です。但し、前述の通り業績好調な企業や採用が活発な企業はあるため、イメージだけで判断しないようにすることが大事になっています。また、新型コロナウイルス禍での対面面接実施企業や、テレワーク対応していない企業に対しての応募意欲が下がる傾向や、より企業姿勢を重視する傾向が見られています。
業界特性上、対面でのやりとりが多い部分もあり、テレワークになったことでその環境でも成果を出せる人とそうでない人に差がついていくと考えられます。一部の企業では人事制度をジョブ型へ移行していく流れもあるようです。企業も徐々に採用ポジションを即戦力寄りにしていく可能性が高いなかで、いかに自己研鑽を続けられるかが問われています。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
転職活動は情報収集から
リクルートエージェントには、総合電機・半導体・電子部品業界に強いキャリアアドバイザーが在籍しています。
最新の採用市場の動向はもちろん、キャリアの「市場価値」、同世代の転職成功事例、職務経歴書作成や面接で注意すべきポイントなど、さまざまな情報、アドバイスをご提供します。
新型コロナウイルス禍の転職活動に不安を感じている方もいらっしゃると思います。
リクルートエージェント独自の非公開求人もございますので、情報収集に転職エージェントのサービスをご活用ください。
※お申込み時にキャリアアドバイザーの指定はできません。予めご了承ください。
新型コロナウイルス禍の転職市場動向
井上 和真
繊維商社を経て、人材業界では約10年以上一貫して製造業における採用支援に関わっている。現在は主にミドル~管理職領域を担当。半導体・自動車業界 H/W,S/W領域が強み。
三宅 英之
入社以降、一貫して製造業、特にエレクトロニクス・半導体業界の企業のリクルーティングアドバイザーに従事。100名単位の大規模採用支援を主としている。