医療・医薬・バイオ業界の新型コロナウイルス禍における求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「コロナウイルス禍での転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
医療・医薬・バイオ業界の転職市場動向のポイント
・CRO/CSOの求人は落ち着きを見せ、生産管理・工場関連求人が活発に
・今後の投資領域であるデジタル分野・データ活用分野は引き続き採用は加熱
まずはじめに、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、医療の最前線で感染症に立ち向かってくださっている医師や看護師をはじめとする医療従事者の皆さまに、心より感謝いたします。
業界・企業側の動き
製薬業界ではCRO/CSO(※1)の採用が落ち着き、感染拡大防止に向けた通院頻度の削減から1回当たりの薬の処方量が増えたことで、生産管理・工場関連の求人が出てきています。ベンダーコントロール、工場での生産・品質管理、業務改善・コスト削減関連など一部の求人は活発となっています。投資領域であった研究開発領域については、一部の企業では現在の収益状況から社内のリソース活用に絞る傾向もでてきています。
医療機器分野では、おおむね求人ニーズは継続しているものの、病院向けの対面での営業活動が難しい状況が続いており、機器説明やオペ立ち合いなどのオンライン化への転換なども図られています。
今後、「非対面」「データ活用」など、社会の変化に合わせた対応が必要になってくると思われます。オンライン診断関連の技術の進化、医薬品の非対面販売、入院を伴わない治験実施の可能性など、変化は起こっていくでしょう。この動きに伴い、元々採用ニーズの高かったアプリ開発、Webマーケティング、UIUX関連職種、データサイエンティストなどの採用はより強まる可能性があります。
Web面接については、全体傾向として抵抗なく導入されています。一部の企業では、最終面接は対面でやりたいという企業もあるものの、外資企業を中心に元々オンラインでのコミュニケーションに抵抗がない企業では問題なく実施されている状況です。
(※1)CRO:Contract Research Organization:医薬品開発受託機関
CSO:Contract Sales Organization:医薬品販売業務受託機関
求職者側の動き
直接的に新型コロナウイルス禍の影響を受けて転職を考える求職者はそれほど多くない印象です。元々、昨年から医療従事者の転職希望者は増加傾向にありました。MR・医療機器営業では、病院への営業ができない状況で今後のキャリアを考え転職を検討する方もでてきています。異業界への転職も動きとしては変わらず、病院が顧客となるIT/Webサービスの営業職への転職の動きは引き続き見られています。
また、ここ数年で年収よりも「将来性」を軸に活動される方が増えてきています。以前よりも年収へのこだわりが薄れ、長期的視点でその企業の事業・キャリアステップがどうなるかを気にする方が増えています。今回の新型コロナウイルス禍での企業の対応姿勢なども求職者に与える影響は大きいでしょう。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
転職活動は情報収集から
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新型コロナウイルス禍の転職活動に不安を感じている方もいらっしゃると思います。
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※お申込み時にキャリアアドバイザーの指定はできません。予めご了承ください。
新型コロナウイルス禍の転職市場動向
増間 大樹
製薬業界を中心とした営業職・専門職、双方のサーチ部門を経験後、ライフサイエンス・ヘルスケア領域のアドバイザー部門のマネジャーを務める。現在はハイキャリア領域にて医薬業界専任のコンサルタント、及び新規事業開発にも従事。
菊竹 ふみ
管理部門系職種を担当後、メディカル・化粧品・食品業界の技術系専門職・営業職を担当。現在はメディカル業界の技術系専門職、営業職、医療従事者の方のキャリアアドバイザーに従事。