転職活動での面接に「私服でお越しください」と言われるケースもあります。普段、スーツや制服で勤務している人は「一体何を着たら良いんだろう」と悩むことがあるでしょう。転職活動での服装は業界や企業風土に合わせて選べば良いと言われますが、広く受け入れられている基本的なマナーが分からなければ、個別に判断するのは難しいものです。
そこで転職活動の私服面接や服装の判断基準などについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に解説いただきました。
企業が私服面接を行う理由
企業によっては私服で面接することもあります。企業が私服面接を行う理由の一例を紹介します。
自由な社風を伝えるため
私服面接を採用する企業は、自由な社風を伝えたいと考えているケースがあります。私服で勤務する企業もあるため、面接の段階から示すことで応募者に対して「自由な社風だ」と感じてもらいたいと考えている企業もあるようです。
TPOをわきまえているか判断するため
私服面接を「応募者がTPOをわきまえて適切な服装を選べるか判断する機会」と考えている企業もあります。だらしない服装や清潔感に欠ける服装で面接に来た場合、仕事においてもTPOにそぐわない服装で臨むのではないかと懸念を抱くかもしれません。
面接担当者は、採用後もTPOをわきまえた服装ができるのかを見ているものと考えましょう。
リラックスしてもらうため
面接は応募者が緊張を感じやすい場であるため、企業は普段通りの感覚で面接に臨んでもらうために工夫をすることがあります。私服面接もその一つで、スーツを着る必要がないことから、応募者はよりリラックスして面接に臨めるのではと考えています。
これにより面接担当者は応募者の自然な姿を見ることができ、自社によりマッチした人物であるかの判断がしやすくなるといった意図があるでしょう。
スーツか私服かの判断基準
採用担当者が意図していた服装で臨めるように、スーツか私服かの判断基準の目安について解説します。迷ったり不安に感じたりした場合は、採用担当者もしくは、転職エージェントを利用中であれば担当のキャリアアドバイザーに確認してみましょう。
指定なし
「指定なし」の場合はビジネスの場にふさわしい服装を選ぶといいでしょう。
スーツもしくは、ビジネスカジュアルにするのが無難です。「指定なし」でどうしても迷ったり不安に感じたりした場合は、採用担当者もしくは、転職エージェントを利用中であれば担当のキャリアアドバイザーに確認してみましょう。
私服でお越しください
企業が「私服でお越しください」と指定している場合は、ビジネスカジュアルがおすすめです。スーツを着て面接に臨んでもマイナスの印象を与えることはないでしょう。
私服で構いません
応募先企業から「私服で構いません」と言われた場合、私服でもスーツでもどちらでも問題ないと考えられます。
私服を選ぶ場合は、ビジネスカジュアルを心がけると無難です。もし私服選びに迷ってしまい、ビジネスの場に適した服装に自信がない場合は、スーツを着て面接に臨むと良いでしょう。
服装自由
「服装自由」という指定があった場合でも、最低限のマナーとしてビジネスの場に合った服装を選ぶことが大切です。いくら自由とはいえ、あまりにカジュアルすぎる服装は避け、ビジネスカジュアルを意識しましょう。
Web面接の場合
Web面接も通常の面接と同じ服装で臨みましょう。「上半身しか映らないだろう」という安心感から、上はスーツを着てネクタイを締めているのに下は普段着のまま面接を受け、最後に立ち上がってあいさつをした拍子に相手にボトムスが見えてしまった、といった事態は避けたいものです。
私服面接はカバンや靴にも気をつけるべき
私服面接は服装だけでなく、カバンや靴にも気を配りましょう。面接担当者からの印象を悪くしないために、カバンや靴で気をけておきたい点について解説します。
カバン
カバンはビジネスシーンに適したシンプルなデザインを選ぶと良いでしょう。色は落ち着いたものを選び、A4サイズの書類を折らずに入れられる大きさにすると便利です。形は自立するトートバッグが無難であり、カジュアルなショルダーバッグやバックパックは避けたほうが良いでしょう。
靴
カジュアルすぎるスニーカーやサンダルのような靴は避け、革靴やきれいめのローファーを選んでおくことがおすすめです。ヒールも高すぎるものは避け、3〜5cm程度にしておきましょう。
どうしても迷ったら転職エージェントに相談を
面接の服装にどうしても迷ってしまう人、転職活動の基本的な進め方が分からない人は、転職エージェントに相談することを考えてみるのもひとつの方法です。どのような服装が良いかアドバイスをもらうことができるので、安心して本番に臨めるでしょう。