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転職活動するのは働きながら?辞めてから?メリット・デメリットや注意点を解説

働きながら 転職

転職活動は働きながら進めるのと辞めてから進めるのとではどちらが良いのでしょうか。転職を考えつつも、「仕事が忙しくて両立できるか不安」と悩んでいる方も少なくないようです。そこで、働きながら転職活動をするメリット・デメリットや、無理なく働きながら転職する方法などを組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。

転職活動は「働きながら」「退職後」のどちらが多い?

転職活動は「働きながら」「退職後」のどちらが多いのでしょうか。株式会社リクルートが調査したデータによると、20~50代転職経験者において、転職先が決まる前に前職を辞めた人は、年代に関わらず4割を超えているようです。一方で、転職先が決まってから退職した人も、30代の41.7%が最も多く、他の年代でも4割近い結果となっています。

参考:「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」(株式会社リクルート)

働きながら転職活動するメリット

働きながら転職活動する代表的なメリットは、収入が途切れず職務経歴に空白期間が発生しないことです。また、現職に残るという選択ができる点もメリットです。詳しく解説します。

安定した収入があるなかで転職活動ができる

離職期間が発生しないので、収入面が安定するのが大きなメリットです。退職した場合は雇用保険の基本手当を受給することも可能ですが、給付額や給付期間には限りがあるので、働きながら転職活動をするほうが収入は安定するでしょう。特に、ローンの返済や家賃、保険など毎月決まった出費がある場合は、貯蓄がないと支払いが難しくなってしまいます。給与・賞与など安定的に収入があることで、気持ちに余裕を持って転職活動を進められるでしょう。その結果、焦って妥協することなく、納得のいく企業を選べる可能性が高いと言えるでしょう。

職務経歴に空白期間が発生しない

退職してから転職活動を始める場合、次の転職先が決まるまでの期間がブランクとなります。やむを得ず離職する場合を除き、転職先がなかなか決まらずブランクが長くなった場合は、企業から「この間は何をしていたのだろう」「転職先が決まらない理由があるのだろうか」と懸念される可能性があります。面接で聞かれる機会も増えるので、明確な退職理由を伝える必要があります。働きながら転職活動をすると、ブランクが生じないのがメリットです。

現職に残るという選択ができる

転職活動をして自分の経験・スキルのニーズを理解し、置かれている環境を見つめ直した結果、「今の会社にとどまる」という選択をすることも、退職していなければ実現可能です。内定が出たとしても、現職と内定企業を冷静に比較して選択できる点もメリットと言えるでしょう。

働きながら転職活動するデメリット

メリットがある一方で、デメリットも考えられます。働きながら転職活動をするデメリットについて紹介します。

現職と両立する必要がある

働きながら転職活動するデメリットのひとつは、現職との両立です。情報収集から求人検索、面接など転職活動はやることが多いため、働きながら進めると時間に余裕がなくなるかもしれません。スケジュール管理を徹底し、仕事も転職活動も効率化するなど、両立するための工夫が必要になります。

面接などの日程調整が難しい

時間に余裕がなくなるだけでなく、面接などの日程調整も難しくなります。基本的に面接は平日の日中に行われるため、平日が仕事の場合は有給休暇を活用するなどして対応しなければなりません。日程調整が難しい場合は、業務時間外の早朝や夕方、昼休みに面接を実施できるか相談するなど、働きながら面接を受けられる方法を考えてみましょう。

退職日・入社日に制限がある

内定後に退職交渉を行うため、転職先の企業が希望する入社時期に応じられない可能性があるというデメリットもあります。引き継ぎに時間を要して、有給休暇を全て消化できないまま退職日を迎えるというケースもあります。なお、企業が採用を急いでいる「急募求人」の場合、すぐに入社できる人が優先されることも考えられます。

辞めてから転職活動するメリット

辞めてから転職活動を始めるメリットは、時間を気にせずに転職活動ができる点です。また、入社日も転職先企業の要望に合わせることができるでしょう。

転職活動に集中できる

会社を辞めているので、転職活動に集中しやすいと言えるでしょう。仕事をしながら転職していると、応募先からの電話やメールにすぐに応じることが難しい場合もあると考えられますが、辞めていれば即時に対応がしやすいので安心でしょう。

面接の日程調整がしやすい

面接の日程調整がしやすい点も辞めてから転職活動をするメリットのひとつです。応募企業から提示された面接の日程候補に対応しやすくなるので、面接の日程も決まりやすくなるでしょう。中途採用は、内定承諾者が決まれば採用枠が埋まり、募集終了となります。スピーディに選考を進められる点は、転職活動を進める上で重要な要素です。

企業から指定された日に入社できる

中途採用には、事業成長や新規事業の立ち上げなどで人材を求めている、従業員が辞めてしまい欠員募集をするというケースがあります。その場合、企業はできる限り早く入社してもらいたいと考えるため、入社希望日が合わずに採用が見送りになることもあります。その点において、企業から指定された日に入社できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

辞めてから転職活動するデメリット

辞めてから転職活動を始めるデメリットもあります。退職を検討している場合は、デメリットも理解しておきましょう。

安定した収入がないなかで転職活動をすることになる

会社を辞めてしまうと収入が途切れてしまうケースが多いでしょう。また、転職活動には交通費などの費用もかかるため、金銭面の不安が伴うことが大きなデメリットとなるでしょう。雇用保険の基本手当を受給することも可能ですが、場合によっては受給までに時間がかかります。金銭面に不安がある場合は、できる限り仕事を続けながら転職活動を進めたほうが安心でしょう。

職務経歴に空白期間ができる

退職してから転職先に入社するまでに空白期間が生じます。空白期間が長くなると、「計画性が欠けているのでは」「転職先が決まらない理由があるのでは」と応募企業から懸念される可能性があります。また、転職先が決まらない焦りから、自分の希望に合わない選択をしてしまうかもしれません。

無理なく働きながら転職する方法

無理をしないで働きながら転職する方法はあるのでしょうか。5つのヒントをご紹介します。

ゴールの期限を決めて活動する

働きながら転職活動をしていると、時間に余裕がなくなり転職活動を中断することになったり、時間の経過とともに転職活動の優先順位が下がり長引いてしまったりする可能性があります。転職で実現したい目標を明確にして、「3ヵ月以内」「半年以内」など、ゴールの期限を決めておくことをおすすめします。

有給休暇や長期休暇を活用する

働きながら転職活動をする場合、有給休暇を活用するという方法があります。有給休暇を取得した日に、複数企業の面接を入れられるように調整すると効率的です。「この日なら有給休暇取得して面接に伺えます」と事前に採用担当者や転職エージェントに伝えておけば、調整してもらえるかもしれません。

転職活動の方法を工夫する

企業は様々な方法で採用活動を行っているので、転職活動の方法を工夫することで効率化できるでしょう。例えば、転職イベントや合同説明会を活用して、情報収集や企業研究を1日で済ませる、スカウト機能を持つ転職サービスを活用してオファーを待ち、求人検索や応募に費やす時間を減らすなどの方法が挙げられます。

オンライン面接を活用する

採用活動の効率化や距離が離れていても面接を実施できるため、オンライン面接を導入する企業もあります。移動時間を省ける分、面接を受けやすくなるので、オンライン面接をフル活用しましょう。

転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用するのも、働きながら転職活動をする場合に有効な手段かもしれません。希望条件などを伝えることで、マッチする求人を紹介してもらえる可能性があるので自分で探す手間を省けます。日中にメールや電話ができなくても、現職の終業後や休日など事前に転職エージェントに面接可能な日時を伝えておけば、企業と調整して面接日程を決められるので、一人で転職活動を行うよりもスピーディに進めやすいでしょう。

働きながら転職活動する上での注意点

働きながら転職活動をする場合は、気をつけておきたいこともあります。転職活動の注意点をご紹介します。

会社の備品やメールアドレスを使わない

会社から貸与されたパソコンやスマートフォンで転職サイトを閲覧したり、転職サイトへの登録や応募先企業とのやりとりに会社のメールアドレスを使用したりするのは控えましょう。

また、スケジュール管理ツールを使ってメンバーに共有している場合は、非公開のスケジュールが多いと「この時間は何をしているのか」「この予定は不自然では」など、不信感を抱かれることもあるため配慮が必要です。

退職の申し出期間を確認する

企業は就業規則に「退職希望日の○ヵ月 前に申し出ること」など、退職の申し出についての規則を定めているのが一般的です。退職を申し出るタイミングによっては、応募する企業が希望する入社日に間に合わない可能性があるので、事前に就業規則を確認し、いつまでに申し出が必要かを把握しておきましょう。

繁忙期やプロジェクト期間などに配慮する

仕事の繁忙期や参加しているプロジェクトの途中で退職を希望する場合、所属企業から引き止められる可能性が高くなります。閑散期を狙ったり、プロジェクトの区切りがつけやすいタイミングに合わせたりして、退職交渉をスムーズに進めましょう。

仕事と転職活動を両立するか迷ったら

応募書類の作成、応募する企業の絞り込み、企業研究、面接対策など、転職活動は思いのほか時間がかかるものです。働きながら転職活動をするかどうかは、メリットとデメリットを踏まえて判断すると良いでしょう。迷っている場合は、まず仕事と両立しながら転職活動を試みることを検討してみましょう。難しそうだと感じたら、退職を選択することも検討してはいかがでしょうか。

働きながらの転職活動に悩んだら転職エージェントに相談を

働きながら転職活動をする場合は、転職エージェントのサポートを受けることでスムーズに進みやすくなります。応募書類を添削してもらうことで書類選考の通過率を改善し、面接で重視するポイントを確認して面接対策を行うこともできます。両立に不安がある場合は、仕事の状況を具体的に伝えて、転職活動のゴールを相談すると良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2021年03月26日
記事更新日:2022年12月21日
記事更新日:2024年07月16日
記事更新日:2025年02月20日 

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。