リクルートスーツが一般的な就職活動と異なり、転職活動の場合はどのような服装で臨めばいいのでしょうか。髪型や鞄の選び方や、メイクやネイルはどの程度なら好印象…?
転職活動の服装や身だしなみついて、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。
転職活動の服装の選び方
面接にはどのような服装で臨めばいいのでしょうか。服装選びと企業が見ているポイントについて解説します。
企業が服装で見ているポイント
中途採用の面接はビジネススーツを着るのが一般的です。多くの企業は、ビジネスマナーに則った服装かどうかを見ているため、体型にフィットして清潔感があれば問題はありません。当日に慌てることのないよう、事前に試着し鏡で確認しておきましょう。
なお、アパレル業界の店長や販売スタッフなど、服飾に関わる職種の場合は、ブランドのイメージに合わせた服装やコーディネートのセンスがあるかどうかをチェックされる可能性があります。ブランドサイトを見て、店舗に立っても違和感のない服装・コーディネートを心掛けましょう。入社意欲が高いアパレル企業の面接に臨む際は、志望するブランドの服や小物を取り入れるという方法もあります。意欲の高さのアピールや、会話のきっかけにもなるでしょう。
また、金融や医療など、堅実さを重視する業界も、カジュアルすぎる着こなしは敬遠する傾向があります。服装に迷ったら、求人や企業の採用ページなどで従業員がどのような服装をしているかをチェックし、参考にしましょう。
「服装自由」「私服OK」の場合は?
制服や作業着が決まっている、または内勤でスーツを着ることの少ない職種で、面接を「服装自由」「私服OK」としているケースがあります。面接に足を運ぶハードルを下げ、リラックスして面接を受けて欲しいという狙いがあるためです。
「服装自由」「私服OK」の面接は、オフィスカジュアルと呼ばれる服装で臨みましょう。襟付きのジャケットにシャツ、チノパンやスラックス、スカートやパンツを合わせるのがオフィスカジュアルの定番です。色や素材、コーディネートに迷う場合は、冒険せずに落ち着いたものを合わせましょう。Tシャツに短パン、サンダルや素足など、カジュアル過ぎる服装は面接に相応しくありません。
リクルートスーツしかない場合は?
「就職活動で着用したリクルートスーツしかない」という場合は、まず事前に着てみましょう。就職活動から年月が経っている場合、体型が変わってサイズが合わない可能性があります。また、年齢を重ねていくと、リクルートスーツのデザインや素材感とのギャップが生じることもあります。明らかにサイズや雰囲気が合わないのであれば、転職活動用に
スーツを準備することをお勧めします。サイズが合っている場合は、ネクタイやシャツ、インナーなどを工夫すると、リクルートスーツでも社会人らしさが出るでしょう。
オンライン面接の場合は?
オンライン面接の場合も、対面での面接と服装の考え方は同じです。オンライン面接は、採用担当者から事前にアプリケーションのアドレスが送られてくるのが一般的です。IDを取得しなければならないケースもあるので、事前にアクセスし準備しておきましょう。
オンラインは対面よりも「暗い」または「堅い」印象になりやすいので、照明や表情には注意が必要です。オンライン面接を行う場所を決めて事前にテストを行い、どのように映るのかを確認しておきましょう。服装や髪型、メイクも事前にカメラチェックしておくと安心です。
なお、面接当日は履歴書と職務経歴書のコピーを用意し、メモや筆記用具とともに手元に置いておきましょう。
髪型の注意点
髪型も、服装同様に清潔感が重要です。前髪が顔にかかっていて表情が見えない、手入れをしておらずボサボサのまま、奇抜な髪型やカラーリング…など、ビジネスマナーを逸脱していなければ問題はありません。髪が長い場合、必ずしもまとめておく必要はありませんが、頷くなどして顔にかかったり毛先が動いたりすると、自分も相手も気になってしまうものです。会話の邪魔にならない程度を意識しておくことが大切です。
なお、履歴書の写真と髪型が著しく異なる場合は注意が必要です。写真撮影後に髪型を変えたい場合は、別人だと思われない範囲にしておきましょう。
鞄の選び方
鞄はA4サイズの書類が入る大きさのビジネス向けが良いでしょう。履歴書や職務経歴書などの応募書類を持参するケースや、面接当日に書類を渡されるケースがあるからです。黒や茶、紺など落ち着いた色味を選び、ビジネスに相応しくない派手な色やデザイン、高価なブランド品は避けましょう。
なお、面接では書類の出し入れをしたり、鞄を足元に置いたりするため、口が広く自立できる鞄の方が便利です。
メイク・ネイルの注意点
メイクやネイルは、服装や髪型とのバランスや清潔感を意識すると良いでしょう。ただし、服装同様に、業界や職種によって許容範囲が異なります。気になるようであれば、メイクやネイルは控え目にした方が安心でしょう。カラーコンタクト(カラコン)も、受ける印象が人によって異なるので、面接では外しておいた方が良さそうです。
なお、飲食や医療などで、衛生面が重視される職種の場合は、メイクは控えめに、ネイルは避けておきましょう。
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。