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転職の平均年齢は?年代別の転職活動ポイント

転職 年齢

「いつ頃が転職の適齢期だろう?」「転職しやすい年齢は?」など、転職のタイミングが気になる方もいるようです。そこで、転職の平均年齢や転職が難しくなる時期などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏がアドバイスします。

転職の平均年齢

リクルートエージェントが2023年7月~12月の間に、リクルートエージェントを利用して転職が決まった方を分析したところ、転職の平均年齢は35歳という結果が出ています。

年齢別の割合を見てみると、25~29歳が35.00%で最も多い結果となりました。ついで30~34歳が23.45%で多くなっています。40~49歳は16.12%、35~39歳は13.57%、20~24歳は6.34%となっており、年齢にかかわらず幅広い年齢で転職先が決まっています。

リクルートエージェント 転職データライブラリ「転職者の平均年齢」

職種別の年齢分布

職種別の年齢分布を見てみると、〜19歳で転職先が決まった転職者の割合が最も多い職種は不動産専門職とエンジニア(設計・生産技術・品質管理)で同率の0.02%。20〜24歳では建築・土木・設備が9.16%、ついでその他(講師・調理師・介護など)で8.81%。25〜29歳では金融専門職が41.79%、ついでクリエイティブで40.18%でした。

30代以降は、転職先が決まった転職者の割合が最も多い職種はコンサルタントが上位となり、30〜34歳でコンサルタントが23.75%、ついで医療・医薬・化粧品で23.6%でした。35〜39歳でもコンサルタントが13.49%、ついでエンジニア(設計・生産技術・品質管理)の13.29%という結果に。

40〜49歳でも最も転職者の割合が多い職種はコンサルタントで16.39%、ついで企画・マーケティング・経営で15.38%でした。50〜59歳も同様にコンサルタントが4.72%、ついで企画・マーケティング・経営の4.33%です。

60歳以降は、エンジニア(設計・生産技術・品質管理)で0.81%、ついで建築・土木・設備で0.75%という結果となっています。

※職種データは、2023年7~12月にリクルートエージェントを使って転職が決まった転職者の転職先(直近)の職種データです

転職は何歳までできる?

以前の転職市場では「35歳の壁」という言葉があり、「35歳以上の転職は難しくなる」と言われていました。しかし、雇用対策法の改正による年齢制限の禁止が義務化されたことや、働き方の多様化、少子高齢化による人手不足などを背景に、35歳以上の転職は珍しくなくなりました。実際に、ご紹介したデータの通り、リクルートエージェントでは幅広い年齢で転職先が決まっています。

そのため、応募する企業にもよりますが、企業のニーズと求職者の希望条件や経験・スキルがマッチすれば、年齢に関係なく転職の可能性があると言えるでしょう。

転職が難しくなる年齢は?

「35歳の壁」という言葉が使われる機会は減りましたが、年齢が高くなると転職する方は少なくなる傾向があります。厚生労働省が発表している「令和4年雇用動向調査結果の概況」の「(1)年齢階級別転職入職率」でも、一般労働者の場合は一部の年代を除いて年齢とともに転職入職率が減少する傾向が見られます。

出典:「令和4年雇用動向調査結果の概況」(厚生労働省)

(1)年齢階級別転職入職率(P.13)

その理由として挙げられるのは、求職者と企業の双方の条件が複雑化し、マッチングの機会が限られてしまうことです。求職者側は、「これまで培った××業界の○○スキルを活かして働きたい」「家族を養うために年収は下げられない」など、社会人経験が増えるに従って条件が複雑化する傾向があります。一方で、企業側も即戦力を期待するようになり、社会人経験豊富な求職者に対しては専門的な経験・スキルに加えて、マネジメント経験を求めるようになります。

特に管理職の場合は、社内異動や昇進ではなく「外部から採用」となると、社風との相性や人柄なども判断材料となるため、選考のハードルは一層高くなります。社会人経験が増えると求職者側の希望条件が高くなる上に、希望を叶える管理職やスペシャリストのポジション自体が少なく厳選採用となるために、両者のマッチングが難しくなることも要因の一つとして考えられます。

そのため、ミドルシニアの転職の場合は、自身の転職市場価値の見極めやマッチする求人の数を把握する必要があります。独力で転職活動をしていると、的確に転職市場価値を把握することが難しいため、これまでの人脈や転職エージェントなどを活用してアドバイスを受けると良いでしょう。

年代別転職活動のポイント

企業が採用で重視する能力・スキルを大きく分けると4つあります。基礎学力や素養などの「ポテンシャル」、仕事に対する価値観や姿勢を指す「スタンス」、業界や職種を超えて持ち運びができる能力である「ポータブルスキル」、そして専門性が高く特定領域で発揮する「テクニカルスキル」が挙げられます。

企業によって、採用で重視する能力・スキルが異なるため、アピールのコツを理解しておくことが重要です。年代別の転職活動のポイントを解説します。

20代の場合

20代前半は社会人経験が短いことも多く、「ポテンシャル」と「スタンス」が重視されます。一般的に社会人経験が増えるに従って、「課題解決力」「調整力」「分析力」などの「ポータブルスキル」をチェックされるようになります。さらに20代も後半になると、「リーダーシップ」を求められるケースも多くなります。

また、キャリアチェンジを目指す場合は、ポータブルスキルを整理しアピールすることで、異業界・異職種への転職も可能になるでしょう。自分なりに工夫した点や仕事へのこだわりを、応募書類や面接の自己PRで伝えましょう。

30代の場合

社会人経験年数をある程度重ねると、「ポータブルスキル」を重視される上に、「テクニカルスキル」も評価のポイントになります。中途採用では即戦力を求める企業も多く、応募する求人によっては、仕事で活かせる専門スキルや実績のアピールが必要になるでしょう。もちろんキャリアチェンジできる可能はありますが、求人に記載されている仕事内容や求める人物像などを確認し、応募する仕事に活かせるポータブルスキルを意識することが重要です。

なお、次第に「マネジメント経験」を求められるケースが増えることもあります。リーダーやマネジメント経験がある場合は、組織やチームにおける自身の役割や管理したメンバー数などを職務経歴書に記載しておきましょう。

40代の場合

社会人経験年数が数十年にもなると、「ポータブルスキル」を前提として「テクニカルスキル」と「マネジメント経験」が求められるようになります。マネジメント経験がなくても、豊富な業務経験や高い専門スキル、実績などを評価されるケースもありますが、特定領域の経験・スキルをピンポイントで求めるケースが増加する傾向があります。また、求職者側もこれまでの待遇やポジションと同水準を維持したいと考えるケースが多く、希望に合致した求人が非常に少ないと感じるかもしれません。

社会人経験が豊富なだけに、過去の経験・スキルを整理しないまま応募書類に盛り込んでしまい、採用担当者が強みを読み込めず書類選考を通過しないケースが増えます。また、得意分野や実績への自己評価と、転職市場での評価にギャップが生じることもあります。転職市場でのニーズを把握して、豊富な経験や強みの中から、何を軸として転職活動を進めるのかを考えましょう。また、これまでの待遇やポジションなどの条件にこだわりすぎると、応募する求人が限られてしまうため、譲れない条件の優先順位をつけることも重要です。

求人が少なくピンポイントのマッチングになりやすいミドルシニアの転職は、「柔軟性」が求められます。転職活動を通じて希望条件や自身のスタンスなどを見直しながら、応募企業が求めていることを掴んで柔軟に進めていくと良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2021年03月08日 記事更新日:2024年08月30日

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