新型コロナウイルスの影響によって、日常生活でのマスク着用が一般的になりつつあります。では、中途採用の面接では、マスクを着けたままでも問題ないのでしょうか。マスク着用の面接マナーや、面接のポイントについて、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。
面接ではマスクは着けたままでも問題ない
以前は、面談や面接の場ではマスクを外すことがマナーとされていましたが、新型コロナウイルスの影響で、感染予防への意識が大きく変わっています。特別の事情がない限り、面接はマスク着用のままで問題ありません。また、風邪や花粉症など、新型コロナウイルス以外の理由でマスクを着用したい場合も、事前に採用担当者に一言添えておけば、マナー違反にはならないでしょう。
なお、オンライン面接を実施する企業が増えていますが、オンライン面接ではマスクを着用する必要はありません。オンラインは対面よりも音声が聞き取りにくく、表情の変化も伝わりづらくなります。そのため、オンライン面接の場合はできる限りマスクは外して臨んだ方が、採用担当者とのコミュニケーションが図りやすくなるでしょう。
面接でマスク着用を伝えるタイミング
一般的な面接では、採用担当者から名前を呼ばれる、または「どうぞお入りください」と言われたら、「失礼いたします」と一声かけてから入室します。このとき、マスクを着用したまま椅子の横まで移動し、採用担当者に対して「はじめまして、〇〇(名前)と申します」と名乗ってから、「(〇〇のため)マスク着用でもよろしいでしょうか?」と申し添えるといいでしょう。
採用担当者から了承を得たら「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と挨拶の言葉を述べて一礼し、席に座ります。
面接で使用するマスクの色、種類は?
面接で着用するマスクの色に、明確なルールやマナーはありませんが、基本的な考え方は面接の服装と同様です。清潔感やビジネスマナーを意識して、白、グレー、薄いブルーなど、控えめな色で無地のマスクが一般的なようです。
また、マスクの種類も平型やプリーツ型、立体型など多様化していますが、どの種類を選んでも問題はありません。話している最中にマスクが気にならないように、顔にフィットしてずれにくく着けていて「話しやすい」と感じるマスクを選ぶと安心です。
なお、マスク着用で面接に臨む際は、念のため予備のマスクを持参しておくと万全です。移動中に汚れたり、雨が降って濡れてしまったり、紐が取れてしまったりなどのハプニングにも対応できるからです。
マスク着用の面接のポイント
マスクを着用して面接を受ける場合は、どのようなことに注意しておけばいいのでしょうか。マスク着用での面接のポイントをまとめました。
事前に外見チェックをしておく
マスク着用に関わらず、面接の前には髪型や服装に問題がないか、鏡で外見のチェックをしておきましょう。マスクは採用担当者の視線が集まりやすいので、着用の際は汚れがないか、きちんと装着できているかを事前に確認しておくと安心です。
顔に髪がかからないヘアスタイルにする
マスクによって顔の1/3~1/2が覆われてしまうため、髪が顔にかかっていると一層表情が読み取りにくくなってしまいます。表情が見えないと暗い印象を与えやすくなるので、前髪やサイドの髪はまとめたりピンで留めたりして、できるだけ表情が分かるようにしておくことをお勧めします。また、面接中は頷いたり話したりして頭を動かすので、髪が揺れて邪魔になるのを防ぐこともできるでしょう。
ゆっくり・はっきりと話すように心掛ける
マスクを着けていると、声がこもって聞き取りにくくなります。面接では、緊張から早口になってしまうケースが多いため、ゆっくり・はっきりを意識して話すようにしましょう。また、声のボリュームも少し大きめの方が聞こえやすくなります。どのくらいの音量やペースで話していいか分からない場合は、マスクを着けて自己PRや志望動機などを話す姿を、第三者に見てもらうかスマートフォンなどで動画撮影し、どのように聞こえているかを事前に確認しておくという方法もあります。
話し方やジェスチャー、表情を工夫する
マスク着用によって表情が分かりにくくなるため、話し方には工夫が必要です。例えば、話し方に抑揚をつけたり、エピソードを話す際に際に身振り手振りを交えて状況を伝えたり、採用担当者の話に対して共感や興味を示す際に笑顔を意識したりなど、状況や気持ちが伝わるように心掛けましょう。
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。