退職届・退職願の封筒の選び方と書き方、郵送時のマナー

退職の意志を伝えるために必要な退職願・退職届。提出する際は封筒に入れて手渡しをするのが一般的ですが、どのようなものを選べばいいのか分からない方も多いようです。そこで今回は、退職願・退職届を提出する際の封筒に関するマナー、確認事項や注意点などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

退職願・退職届を入れる封筒の選び方

退職願も退職届も、書類を作成したら、封筒に入れて提出するのが一般的です。退職願・退職届を入れる封筒の色・形・大きさについてご紹介します。

白色・無地の封筒を選ぶ

ビジネス向けの封筒には「白色」と「茶色」がありますが、退職願・退職届の封筒は白色・無地を選ぶと良いでしょう。茶色の封筒は社内用や事務的な書類などの日常業務の書類を入れることが一般的で、白封筒の方がフォーマルな印象を与えます。もちろん、茶封筒でも問題はありませんが、退職願・退職届は所属企業に退職の意志表示をする大切な書類なので、白色・無地の封筒の方が適しているでしょう。

中身が透けない・郵便番号枠がない封筒を選ぶ

特に、「白封筒」「二重封筒」と呼ばれる、表が白で、中身が透けないよう紫色の紙などで二重の構造になっているものが、フォーマルな用途にふさわしいとされています。

白封筒でも、郵便番号表記の枠があらかじめ印刷されているものがありますが、退職願・退職届を手渡しする際は避けましょう。

書類のサイズに合わせる

封筒の大きさは、退職願・退職届の用紙に対してジャストサイズを選びましょう。封筒は形状・サイズによって呼称が決まっています。

退職願・退職届の用紙はB5もしくはA4サイズが一般的なので、三つ折りにした用紙がフィットするサイズだとすっきりと収まります。

用紙のサイズ	封筒のサイズ
B5（182×257 mm）	長形4号（90×205 mm）
A4（210×297 mm）	長形3号（120×235 mm）

退職願・退職届を入れる封筒の書き方

封筒の表面・裏面の書き方を、あらためて確認しておきましょう。

黒ボールペンもしくは万年筆を用意する

封筒の表面も裏面も、退職願・退職届と同様に、ボールペンか万年筆が書きやすいでしょう。インクは読みやすい黒が適しています。

表に「退職願」「退職届」と書く

封筒の表面の中央やや上に、少し大きめにはっきりと「退職願」または「退職届」と書きましょう。宛先を書く必要はありません。

裏に「所属と氏名」を書く

封筒の裏面は、左下に自分の所属部署名とフルネームを記載します。封筒裏面の左半分に納まるようにしましょう。

退職願・退職届の封筒への入れ方

一般的な、手紙の折り方のマナーをご紹介します。退職願・退職届も同じように入れると良いでしょう。

退職願・退職届は下から三つ折りにする

退職願・退職届の文字が書いてある方を内側にし、三つ折りにして封筒に入れます。

1. 書類を正面に置きます。
2. 長辺を三等分するように、下側を上に折ります。
3. 上側を下に折ります。

このときに、用紙がずれないよう、角と角をあわせて、丁寧にしっかりと折り目を付けましょう。

退職願・退職届の右上が、封筒の裏から右上になるように入れる

退職願・退職届の右上（〇の部分）が封筒の裏の上部にくるように入れます。

封筒の途中で引っ掛からないように、用紙を入れる前に封筒の中身を見て確認しましょう。途中で引っ掛かかる場合は、一度戻して入れなおしましょう。

退職願・退職届を入れたら封をする？

退職願・退職届は基本的に手渡で提出するため、封をしなくてもマナー違反ではありません。ただ、封をする場合としない場合で対応が異なる点は、留意しましょう。

封をしない場合

封筒のふたを折っていれば、問題ないでしょう。

封をする場合

のりやシールなどがついている封筒の場合、「〆」マークを書いておくと、封をしていることが分かりやすくなります。

退職願・退職届を郵送する場合

基本的に退職願・退職届は直属の上司に時間をとってもらい、退職の意志を伝えるとともに、直接手渡しするのが一般的です。しかし、病気やケガなどで手渡しが困難なケースもあるかもしれません。そのような場合、上司に電話などで退職の意志を伝え、退職願・退職届を郵送してもいいか確認しましょう。事前に断りなく退職願・退職届のみを郵送すると、一方的な印象を与えるとともに、退職に関する相談ができません。まずは電話などで退職の意思を伝え、退職願・退職届の渡し方や退職日などの相談をしましょう。

一回り大きい封筒を選ぶ

退職願・退職届を郵送する場合は、それらの入った封筒とは別に、さらに一回り大きな封筒を用意します。白色で郵便番号の枠があるものを選び、退職願・退職届を入れた封筒を納めましょう。

長形4号（90×205 mm）の退職願封筒→長形3号（120×235 mm）の郵送用封筒
長形3号（120×235 mm）の退職願封筒→角形5号（190×240 mm）の郵送用封筒

添え状を同封すると丁寧な印象に

郵送で書類を送る際は、添え状・送り状を添えると丁寧な印象になります。添え状を同封したい場合は、次の文面を参考に、作成し、退職願・退職届に同封しましょう。

郵送用封筒の書き方

郵送する場合は、封筒の表に宛先の住所と宛名（部署名と個人名）を書きます。宛名がわからない場合は、直属の上司か人事部に確認しましょう。郵送用封筒の表面の左下に「親展」と赤字で記入します。親展とは「宛名の方以外開けないでください」という意味を持ち、封筒を開ける人が限られるので、慎重に退職交渉を進めることができるでしょう。

退職願・退職届のよくある質問

退職願・退職届に関するよくある疑問にお答えします。

退職願・退職届の封筒はどこで買えますか？

文具店の他に、コンビニエンスストアや100円ショップ、インターネットでも購入できます。長形4号（90×205 mm）または長形3号（120×235 mm）を選びましょう。

封筒がないので直接渡すのはダメですか？

退職願・退職届は退職の意思を企業に伝える書類です。封筒のありなしは退職の意思表示に関係がないため、直接渡すことも問題ではありませんが、一般的なビジネスマナーとして封筒に入れた方が丁寧でしょう。