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職務経歴書に転職回数が多い場合の書き方【例文見本あり】

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「転職回数が多いと転職に不利になるのではないか?」と不安を感じていたり「転職回数が多い場合、職務経歴書の書き方をどう工夫すればいいのだろう?」と悩んでいたりする方は少なくありません。転職回数の多さを強みとする職務経歴書の書き方について、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方

求人企業は転職回数よりも「自社が求める経験・スキルを持っているか」を重視するものです。自分が応募先企業で即戦力となれる人材であることを伝えるための、職務経歴書の書き方を紹介します。

年代順ではなく業務内容順に書く「キャリア式」を採用する

経験社数が多い人は、職務経歴書の記載ボリュームが多くなるため、年代順に書くと「重要なポイント」「強み」が伝わりにくくなりがちです。そこで、経験内容を「職務分野」別にまとめて記載する「キャリア式」の書き方をおすすめします。

これまで在籍した企業での職務経験のうち、応募先企業で活かせる経験内容を冒頭で厚めに記載し、それ以外の経歴は後半に簡潔にまとめるといいでしょう。このほか、必須項目は押さえつつ、記述内容をコンパクトにまとめる「フリースタイル式」もあります。

軸になる経験・スキル・得意分野を書く

これまで勤務してきた会社の業種、経験した職種がバラバラだと、どこに強みがあるか分からないばかりか「飽きっぽい人なのだろうか」という懸念を持たれます。

業種・職種が異なっていても、一貫した「軸」「こだわり」を持って会社・仕事を選んできたのであれば、それを明記しましょう。例えば営業職の場合、業種はバラバラでも「法人営業として顧客と信頼関係を築く力を磨いてきた」といったように書くと印象が良くなるかもしれません。

業務経験だけでなく「姿勢」や「能力」を伝える

経験した業務内容を書き並べるだけでなく、仕事においてどんな姿勢で取り組み、どんな能力を身に付けてきたかを伝えるのも有効です。

例えば「困っている人に寄り添い、サポートすることを大切にしてきた」「自分1人が成果を挙げるのではなく、後輩の指導・育成に力を注いできた」「顧客にじっくりと向き合い、傾聴する力を身に付けた」などが考えられます。そうした姿勢や能力が、相手企業が大切にしていることと一致していれば、プラス評価につながるでしょう。

「転職経緯」「転職理由」の欄を設け、転職理由を記載する

面接では、転職を繰り返してきた理由を聞かれる可能性は高いと言えます。そこで、職務経歴書に「転職理由」の欄を設け、あらかじめ理由を説明しておくことをおすすめします。

相手が納得する理由・目的を伝えられれば、不安を払しょくできます。その結果、書類選考の通過確率が高まり、当日の面接もスムーズに運ぶかもしれません。

ただし、辞めた会社の悪口や批判を書くことは控えましょう。「自分を正当化しようとしている」「自分にも悪いところがあったという反省はないのか」と捉えられると、心証を損ねてしまいます。

転職回数が多くても経歴を省略してはいけない

転職回数が多いと採用担当者に悪い印象を与えるのではないかと考え、経歴を省略したくなるかもしれません。しかし、経歴は省略せずにすべてを記載しましょう。経歴を省略してしまうと、応募先企業から経歴詐称を疑われてしまう可能性があり、内定取り消しや内定後であれば解雇といったケースも考えられます。

これまでの経歴をすべて明記したうえで、スキル・経験を分かりやすく記載しましょう。

転職回数が多い場合の職務経歴書の自己PR例文・見本

転職を繰り返した経緯について理解を得るために、職務経歴書にどのように記載すればよいか、見本をご紹介します。

【例文1:マーケティングスキルをアピールする場合】

私は1つの道を極めるよりも幅広い経験を積んで視野を広げたいと考え、転職を繰り返してきました。それにより、営業・マーケティング・企画など、他分野の知見を身に付けることができました。
その中でも、特にマーケティング領域で成果を挙げることができ、自分の最も得意とする分野であると考えています。今後は営業や企画の観点も活かしたマーケターとして、貴社の〇〇サービスの拡販に貢献したいと考えています。

【例文2:仕事へのやりがいをアピールする場合】

私は、よく言えば好奇心旺盛、悪く言えば飽きっぽいところがあり、その時々で興味を持った仕事への転職を繰り返してきました。今振り返ると、もう少し腰を据えて取り組み、スキルを深めればよかったと思うこともあります。
しかし、さまざまな会社・仕事を経験したからこそ、自分が大切にしたいものが見えてきました。「個人のお客様の困りごとを解決する」という仕事にやりがいを感じており、今後、よりお客様に喜ばれる仕事に取り組んでいきたいと考えています。貴社ではそれが実現できると考え、志望致しました。

転職回数が多くても問題ない?

転職回数が多いと好印象を与えられないのではと不安になるかもしれません。しかし、企業が納得できる転職理由があれば必ずしも不利にはならないでしょう。

転職回数よりも経験・スキルが重視される

1社あたりの在籍期間が半年〜1年など、短期間で離職している場合「すぐ辞めてしまうのではないか」と思われるかもしれません。しかし企業が求めている経験・スキルを持っていれば、転職回数はあまり気にされないことが多いのも事実です。

また、IT業界のように転職によってスキルアップを図る人が多い業界では、転職の多さがハンディとなりにくいこともあります。知名度が高い人気企業や急成長企業などで転職を重ね、マネジャーなどのポジションを担ってきた方は「実力がある人物」とポジティブな印象を与える可能性もあります。

企業が納得する理由があれば不利にはならない

転職回数が多くなった理由に正当性があれば、企業も納得します。例えば会社側の都合(倒産・事業撤退など)、家庭の事情(育児・介護など)などです。このような事情がある場合は、事実をそのまま伝えましょう。

もちろん「前向きなチャレンジ」や「やむを得ない事情」ではなく、勤め先への不満が原因となって転職を繰り返してきた方もいると思います。その場合は過去の事実を素直に認め、これまでの転職の経緯などについて深く自己分析できていれば、カバーできるでしょう。過去の反省を踏まえ「今後どうしたいのか」という前向きな意欲を伝えましょう。

転職が多い人の職務経歴書の注意点

転職が多い人が職務経歴書を書く際の注意点を3つ紹介します。

枚数は多くても3枚に留める

転職の回数が多いと記載内容も多くなりますが、職務経歴書は3枚に留めましょう。採用担当者は多くの応募書類を確認して選考を進めなくてはいけないため、枚数が多すぎるとすべてに目を通せない可能性があります。

もし4枚以上になりそうな場合は「キャリア式」でまとめることがおすすめです。職務分野別に担当業務やアピールしたいことをまとめられると、ボリュームを抑えながらも採用担当者に経歴をアピールできます。

応募企業に適したスキルをアピールする

応募企業ごとに求められているスキルをアピールしましょう。応募企業が職務経歴書から知りたいことの一つに「自社で活かせるスキルや経験があるかどうか」が挙げられます。転職回数が多いとアピールしたい経験・スキルが埋もれてしまったり、アピールすることが多すぎて一番伝えたいことが伝わらなかったりします。

職務経歴書を作成する際は応募企業の要件を確認し、適したスキルを【活かせる能力】としてアピールしましょう。

転職理由はポジティブなものにする

転職回数が多くて「不満から逃げてばかりいた」「忍耐力がなかった」と思われるとマイナスですが、前向きな理由があればマイナスの印象をカバーすることができます。

「〇〇にチャレンジした」「〇〇をすることを決意した」など、向上心からの転職であったことと合わせて「転職先で〇〇のスキルを身に付けた」と自身の成長を語ることができれば、応募企業から納得を得やすいでしょう。行き当たりばったりの転職ではなく、目的意識を持っての転職であれば、プラス評価されることもあります。

転職を重ねたことで得た経験を武器に、転職に成功した事例

転職を繰り返すことで経験の幅を広げた結果、CEO(最高経営責任者)のポジションまで上りつめた方もいます。

Aさん(40代):転職歴5回

Aさんは転職歴5回、計6社を経験しています。IT企業のシステムエンジニアからキャリアをスタートし、その後、事業会社のシステム部門に転職。金融機関や不動産会社などを渡り歩きながら、社内システム開発、セキュリティ整備、IT監査、マネジメントの経験を積みました。1000名規模の企業から数十名規模のベンチャー企業まで経験し、CTO(最高技術責任者)のポジションへ。現在は、IT企業にCEOとして迎えられ、組織作りを手がけています。

このように、さまざまなタイプの組織で幅広いポジションを経験することで、組織全体を俯瞰して見る力を養った結果、経営に携わるようになる人も少なくありません。

近年は、一昔前ほど転職歴の多さがネガティブに捉えられなくなりつつあります。とはいえ、相手企業に不安を抱かせる可能性もありますので、転職の目的や得た経験など、プラスの面にフォーカスして伝えることを心がけましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2021年12月24日 記事更新日:2023年09月28日

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