転職成功率を上げるポイントは？年代別成功のコツと転職状況を紹介

転職に成功するために、体験者の実績を参考にすることは効果的な方法の一つです。
どのように転職活動をしたら成功率が上がるかについて、転職成功者の数値データの紹介と組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏による転職成功ポイントとコツを解説いただきました。

転職における「成功」は人それぞれ違う

転職成功の答えは一つではなく、転職を考える人の数だけ存在します。漠然と転職活動を進めてしまうと失敗につながることが多いため、まずは自分にとって転職「成功」が何を意味するのか定義することが大切です。次の3点を確認して考えを整理してみましょう。

1.転職理由と目的
2.個人の属性（経験・スキル、職種、年齢等）
3.おかれている状況（在職中または離職中、家族の状況、仕事の繁閑等）

転職理由と目的

そもそも転職する理由や目的が何かを確認します。
たとえば経理職で決算業務にも携わりたいが、先輩が対応していて経験できないため「決算業務まで任せてもらえる企業へ転職したい」が転職の目的の場合。仕事の内容が目的に合うことを「成功」とし、企業の規模や年収については優先順位を下げて考えることができるでしょう。

個人の属性（経験・スキル、職種、年齢）

次に個人の属性（経験・スキル、職種、年齢等）から考えられる「成功」を確認します。
未経験でWebエンジニアへ転職を考えているのであれば、顧客先常駐の案件だとしても、まずはWebエンジニアとして就職できることを「成功」とし、自社サービスを開発したい、などのビジョンは優先順位を下げて考えます。
また経験・スキルが十分あるSEであれば、開発経験を評価してもらえ、プロジェクトマネジメントに携われるポジションへ転職できることが「成功」になる場合もあるでしょう。

おかれている状況（在職中または離職中、家族の状況、業務量）

さらに自分がおかれている状況（在職中または離職中、家族の状況、仕事の業務量等）から、何において転職を成功したと言えるか考えることも必要です。
扶養家族がいて年収は下げたくないため、仕事の内容よりも年収を重視したい人は、仕事の内容や企業の知名度よりも、年収をアップすることが「成功」となるでしょう。
仕事が忙しすぎてプライベートの時間を確保できない人であれば、ワークライフバランスを保てることが「成功」になる場合もあります。

上記3点において、自分にとっては何が「成功」なのかを書き出し、その中で優先順位をつけておくと、自分にとっての転職の「成功」の定義が明確にできるでしょう。

転職の成功率を上げるポイント

転職の成功率を上げるポイントを紹介します。転職活動を進める際に参考にしてみてください。

転職市場の状況を把握しておく

まずは転職市場の状況を把握しながら、自分の市場価値を認識しておくことが大切です。興味を持った業界・職種について情報収集をし、自分の経験・スキルから市場価値を知りどんな企業に応募すればよいか検討しましょう。

その際は転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。転職市場に詳しいキャリアドバイザーから自分の市場価値について、企業からどう評価されるか第三者の視点でアドバイスをもらうことができます。その結果、自分一人では知りえなかった強みがわかり、応募先企業の幅を広げられる可能性もあるでしょう。

転職先を選ぶ軸を明確にする

退職したい理由から転職の軸を考えてしまいがちですが、転職理由は「転職先で実現したいこと」から考えると良いでしょう。転職の目的が定まっていないと、会社選びの軸が不安定になってしまいます。
そのため内定を獲得して入社しても、転職先で不満があった場合にすぐに辞めたいと感じてしまうケースもあります。

転職先を選ぶ軸をしっかりと固めてから転職活動を進めると入社後も納得感を持って働けるでしょう

企業研究や労働環境を入念に調べておく

企業研究は選考突破のためだけでなく、応募先企業の理念、詳しい事業内容、社風などについて調べ、自分の求めるキャリアや働き方にマッチするかどうかを擦り合わせる目的もあります。事前に応募先企業について入念に情報を確認しておくことで、入社後に「こんなはずではずではなかった」と感じる後悔を減らせるでしょう。

また長く働き続けられる労働環境や、制度が整っているかにも注目し、応募先企業を比較検討する材料にします。転職成功のためには、一般的に良いとされる条件だけにとらわれず、自分によりマッチした企業を探すことが重要になるでしょう。

キャリアプランをイメージしておく

キャリアプランとは、自分がどのようなキャリアを積み上げていくかという具体的な行動計画のことです。転職活動において「応募先企業が自分に合っているか」を考える際に、キャリアプランも判断基準の一つとなります。自分の将来こうなりたいという姿や理想像に向けて、キャリアプランを具体的に考えておくことで転職成功への可能性をより高めてくれるでしょう。

そうして自分の基準で主体的に企業選びが出来れば、転職後も目的が明確なため、日々の業務にやりがいや信念を持って働くことができるでしょう。

在職中に転職活動をすることがおすすめ

転職活動が長引いた場合、経済的な不安を抱えてしまい、焦って転職先を決めてしまう可能性があります。そのため自身にとってミスマッチな企業を選んで、早期離職に繋がるケースも少なくありません。
応募先企業を比較検討する時間や気持ちにゆとりを持つためにも、在職中に転職活動をすることをおすすめします。

年代別転職成功の体験談

年代別の転職成功体験談と転職成功のポイントを紹介します。

20代転職成功体験談

自分の強みを再確認し、転職成功を果たしたAさん(24歳)

前職：英会話教室営業
現職：人材紹介会社営業

新卒で英会話学校に営業職として就職し、給料に不満があったものの仕事が楽しかったAさん。入社2年目で教室長を任され、ずっとこの仕事に打ち込もうと考えていましたが、ある日突然会社が倒産してしまいます。
興味のあったアパレルや化粧品会社の広報に応募するも、ことごとく不合格。厳しい状況のなかで転職エージェントへ相談に行きました。

キャリアドバイザーからは、これまでの培った経験を次につなげる視点で転職活動をすることをすすめられます。これまでやってきた新規顧客獲得やアフターフォローのスキル、講師のマネジメントに関する能力を、自分の強みとして意識。自分の経験を最大限に活かせそうな人材紹介会社へ応募したところ、自分のアピールすべき強みの伝え方と企業ニーズを見事にマッチさせ、内定を獲得しました。転職後もやりがいを感じられ、楽しみながら働いています。

20代の成功ポイント

転職成功のポイントは、社会人経験が浅くても、これまでの経験やスキルを洗い出してポータブルスキル(業種・業界を問わず持ち運びできるスキル)を見つけておくことが大切です。
20代前半であれば「第二新卒」と呼ばれることも多く、ポテンシャルを評価される傾向があるため、スキル不足を補うために熱意をアピールしましょう。

20代後半では、経験やスキルも徐々に重視されるようになります。ポータブルスキルを強みとしてアピールすることや、リーダーシップを求められるケースもあります。

求人を見て仕事内容にあまり興味を持てないと感じる企業であっても、実際に話を聞いてみたらイメージが大きく変わることはよくあります。先入観を持たず、求人の幅を絞り過ぎないで検討してみることが、転職成功へのポイントになります。

30代転職成功体験談

10年のキャリアが評価され憧れの化粧品メーカーへ内定が決まったBさん(32歳)

前職：ITメディア広告企画
現職：メーカーの商品PR

化粧品が好きで、いつしか化粧品メーカーで商品企画の仕事がしたいと考えていたBさん。これまで化粧品業界紙の編集兼ライターを8年、化粧品情報サイトの広告制作業務に2年携わっていました。自分の年齢を考えそろそろチャレンジの時期と捉え、転職エージェントに登録しますが、化粧品に関する商品企画そのものの求人がないという事実に落胆します。
しかし担当のキャリアアドバイザーは、Bさんの化粧品に対する情熱や、前職の経験を高く評価していたため、企業担当者へ熱心にアピールしてくれました。

なかなか内定が出ない日々に心が折れそうになりながらも、ついに憧れの老舗化粧品メーカーにポジションを用意されて入社が決定します。
希望の商品企画という仕事ではないものの、これまでのキャリアと専門性を認められ、商品PRの部署へ正社員として迎え入れられたのでした。

30代の成功ポイント

基本的に企業が30代に求めることは即戦力であるため、これまでの経験やスキルを活かした転職活動が成功のポイントとなるでしょう。また同業種・同職種への転職ではなく、未経験職種へのキャリアチェンジの場合には、ポータブルスキル(業種・業界を問わず持ち運びできるスキル)が重要となります。これまで身につけてきたスキルを応用できることがアピールできれば転職成功への可能性が高まるでしょう。

まずは希望する業界・職種の転職市場で求められているレベルを知り、現在の自分の市場価値を確認してみましょう。
そこで必要なスキルを洗い出し、自分に足りていないと感じるものがあれば、今の会社で高く評価される経験を積んでから転職活動を始めるなど対策を立てることもできます。

40代転職成功体験談

視野を広げることで、自分が必要とされる会社を見つけられたCさん(45歳)

前職：技術関連ベンチャー　事業企画
現職：機械メーカー　事業企画

大手メーカーの事業企画職に従事していたCさんは、ベンチャー企業の新規事業を立ち上げ、軌道に乗せたら次の会社への転職を繰り返していました。しかし会社の倒産が決まり次の転職先を探すことに。条件が当てはまらない求人でも、自分の経験が活かせると判断したら幅広く応募しましたが、転職回数の多さから計100社ほど書類選考で落ちてしまいます。

1人での転職活動に行き詰まり転職エージェントに相談。キャリアドバイザーと転職理由を振り返った結果、譲れない条件以外の優先順位を下げ、エリアを東北から九州までと幅広く求人を紹介してもらいました。すると地方の応募先企業の一つに、自分の身につけてきたノウハウとスキルを強く必要としてくれる会社に出会い、一度の面接で内定を獲得。大都市では当たり前と思われていた自分のスキルも、地方では高く評価され内定に至りました。

40代の成功ポイント

40代の転職成功ポイントは、マネジメント経験や、企画力、提案力、特定分野での深い知見と実績などの専門性などが求められます。これまでのキャリアを棚卸しして、自分の市場価値を客観的にとらえることを意識しましょう。
職務経歴に厚みがあるため、何が強みなのかわかりやすくアピールすることや、志望動機は志望理由と実現したいことを具体的にし、応募先企業が求めるニーズを踏まえて記載しましょう。
また経験豊富だからこそ、新しい環境になじむ柔軟性や新たなスキルを学ぶ姿勢も重視されます。

応募する求人では、新規事業の立ち上げに携わる人材を異業界・異業種から採用する動きもあることから、業界や職種にとらわれずに経験を活かせる転職先にも目を向けてみてください。

転職成功率をさらに上げるには転職エージェントに相談してみるのも手

一人で転職活動をしていると、自己分析に客観的な視点が持てず行き詰まったり、転職市場の動向がつかみにくかったりします。
転職活動に必要な情報を効率よく集め、面接に集中するためには転職エージェントを活用するのも一つの方法です。
また企業の面接調整に行き詰まった場合も、夜間の時間帯や土日に対応可能な場合があるため、転職エージェントに企業と調整してもらいながら進めることができます。
相談することで、転職成功率アップをサポートしてくれることでしょう。