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転職活動の進め方ガイド | 働きながらの転職を成功に導く「やることリスト」を紹介

転職 やること

転職活動を始める際に「どうやって進めればいいのかわからない」「働きながら転職活動を並行できるのか不安」「やることリストがあればいいのに…」と不安に思っている人もいるでしょう。そこで、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、転職活動の進め方、それぞれの段階における「やることリスト」や注意ポイントなどを伺いました。

転職活動の進め方スケジュール

まずは、転職活動の進め方やスケジュール感を把握しましょう。

転職活動に掛かる期間は平均3〜6カ月

<転職活動に掛かる期間>

事前準備〜応募書類の作成 約2週間
応募・面接 約2カ月
内定・退職・入社 約1カ月半

転職活動に掛かる一般的な期間は、準備から内定まで含めて3〜6カ月程度です。
転職活動全体の流れは「事前準備」「応募書類の作成」「応募・面接」「内定・退職・入社」というステップに分けられます。いつ何をすればいいのかを把握し、しっかり準備・対策をすることが転職成功の鍵になるでしょう。

転職活動を始めるなら「辞めてから」より「働きながら」がお勧め

転職活動を始めるにあたって「仕事を辞めてからのほうが集中できる」と考える人もいますが、働きながら転職活動をしたほうが定期的な収入があるため、より安心できるでしょう。納得のいく転職先が見つからなければ現職にとどまることができますし、転職活動が長期にわたってもブランクが発生しないため、じっくりと転職先を探せるメリットもあります。収入面や活動の長期化に不安を感じている人は、働きながら転職活動を進めてみるのもお勧めです。

ただし、現職の仕事と並行して転職活動を進めていくためには、全体の流れとやるべきことをまず把握することがポイントです。
以降で紹介する転職活動の進め方を参考に、計画的に活動することで転職を成功させましょう。

「仕事を辞めてから」転職活動をする場合

仕事を辞めてから転職活動をする場合は、収入への不安があることで焦ってしまうケースもあります。また、転職活動が長引き、離職期間が長期にわたってしまった場合は、応募企業から離職期間の長さを疑問視され、不利になってしまう可能性もあります。さらに、転職先を決めたい焦りから、ミスマッチな企業を選択して後悔するケースもあるので注意が必要です。

仕事を辞めて転職活動をする場合には、より計画性を持ち、スピーディに進めていくことが重要だと考えましょう。

いつから転職活動を始めればいい?

転職活動を始める時期は、希望の退職時期から逆算してスケジュールを立てると良いでしょう。先にも述べたように、一般的な転職活動の期間は3〜6カ月が目安です。自分が転職したい時期や退職しやすい時期を想定した上で、余裕を持ったスケジュールを立てることがポイントです。

また、現職の職場への退職交渉や引き継ぎに時間が掛かる可能性もあります。進行中のプロジェクトの終了時期を見据えたり、繁忙期を避けたりするなど、退職による影響がなるべく少ない時期を考え、そこから逆算してスタート時期を考えると良いでしょう。

転職活動の流れと「やることリスト」

「事前準備」「応募書類の作成」「応募・面接」「内定・退職・入社」のステップごとにやることリストと進め方のポイントを紹介します。

転職活動の「やることリスト」

事前準備 ・自己分析
・キャリアの棚卸
・情報収集
応募書類の作成 ・志望動機や自己PRなどの整理
・履歴書の作成
・職務経歴書の作成
応募・面接 ・面接日程の調整
・面接対策
・オンライン面接の準備
・筆記試験の対策
内定・退職・入社 ・内定承諾
・現職の会社への退職交渉
・入社・退職前の手続き

【事前準備】進め方のポイント

事前準備でやることとしては、自己分析、キャリアの棚卸し、情報収集が挙げられます。転職先に求める希望条件や、自分の強みとなる経験・スキルをしっかりと整理することで、よりマッチする企業を選ぶことができます。また、情報収集によってさまざまな選択肢を見つけることもできるでしょう。事前準備は転職活動のベースとなる部分なので、それぞれのポイントをしっかり把握しましょう。

自己分析で「転職の目的=転職先で実現したいこと」を明確にする

転職の目的を明確にすることで、転職先に希望する条件や企業選びの基準となる「転職の軸」も明確になります。目的なく転職することはミスマッチの要因となるため、入社後に後悔するケースも少なくありません。また、明確な志望動機がなくては選考に通過しにくくなるため、転職活動が長期化する可能性もあります。

きちんと自己分析を行い「転職先で何を実現したいのか」を明確にすることが成功のポイントです。仕事のやりがい、今後のキャリア形成、職場の人間関係や社風、収入、ワークライフバランスなどさまざまな面から、自分なりに転職することで何を実現したいのかを考え、優先順位も決めておくと良いでしょう。

キャリアの棚卸しで、自分の経験・スキルを整理する

転職活動の採用選考に通過するためには、応募企業が求めている人材像にマッチしていることが大事です。過去の経験・スキル・実績を振り返り、自分の強みや活躍・貢献できる領域について整理し、それにマッチする求人に応募することで採用の可能性をより高めることができます。

また、自分の強みを理解しておけば、応募書類や面接でもよりアピールできるでしょう。
これまで経験してきた業務を書き出し、上司や顧客などから評価されたことも振り返ってみることがポイントです。

情報収集で、どのような求人や企業があるのか理解を深める

情報収集をすることによって、自分に合う企業を探しやすくなります。転職サイトで求人情報をチェックしたり、転職イベントに参加したりすることで、実際にどのような求人・企業があるのかを知ることができるでしょう。さらに、興味を持った企業の経営理念や働き方などを調べてみることで、自分の価値観にマッチする企業を見つけやすくなります。

また、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。転職市場の状況や相場観、自分の市場価値や採用の可能性がある求人・企業なども教えてもらうことができるでしょう。

【応募書類の作成】進め方のポイント

転職活動の第一関門となるのが書類選考であり、まずは履歴書と職務経歴書を作成することが必要です。応募企業にアピールするためには、自分の経験・スキルに加え、志望動機や自己PRなどについてもきちんと整理しましょう。

作成した履歴書と職務経歴書は、応募企業ごとにアレンジして使うことができますが、選考の状況などに合わせてブラッシュアップしていくことも大事なポイントです。

志望動機は「その企業を志望する理由」、自己PRは「発揮できる強み」

自己分析で整理した内容をもとに、書類に書く内容を整理しましょう。志望動機と自己PRを混同しないことがポイントです。
志望動機では「なぜその企業を志望するのか」という理由や背景について、過去の経験なども交えて熱意をアピールすることが大事です。一方、自己PRは「その企業・職種でどのような強みを発揮し、どのような領域で活躍・貢献できるのか」をアピールするものだと考えましょう。

履歴書の作成にはテンプレートを使うと便利

履歴書を作成する際には、テンプレートをダウンロードして使うと便利です。テンプレートの書式は、職歴を多く記入できるものや、自己PRや志望動機にスペースを割いているものなどさまざまタイプがあるので、自分に合うものを選ぶと良いでしょう。記入漏れがないように全ての項目を埋め、誤字や脱字などにも注意することが大事です。

職務経歴書では自分の経験・スキルを伝える

職務経歴書も、履歴書と同様にテンプレートをダウンロードして使うことができます。書式は決まっていないため、時系列で書く「編年体」、職務内容別にまとめる「キャリア式」などから自由に書式を選ぶことができます。職務経歴が少ない若手世代などの場合は編年体を選ぶのが一般的でしょう。

職務経歴書では、これまでどのような仕事に携わり、どんな経験・スキルがあるのか、それらを応募企業や応募職種でどのように活かせるのかを伝えることがポイントです。
冒頭に数行の職務経歴の要約(サマリー)を入れた上で、職務経歴、志望動機、自己PRなどを記入します。枚数はA4サイズ1~2枚が目安なので、わかりやすく簡潔にまとめるように意識しましょう。

【応募・面接】進め方のポイント

複数の企業に応募し、選考を並行することがポイントです。興味のある企業に応募し、書類選考に通過したら面接選考に進みます。早い場合は書類選考通過の連絡から数日後に面接を実施するケースもあるので、応募に合わせて面接対策をスタートしておくと安心できるでしょう。

また、書類選考に通過しない可能性を踏まえ、複数企業の選考を並行することも重要なポイントです。選考を受ける中で、応募書類の内容や面接での回答などをブラッシュアップしていくことで、採用の確率を高めることができます。選考過程の中で複数企業を比較できるため、より自分の希望にマッチする企業を選択することに役立つでしょう。
書類選考に通過した後は、面接対策だけでなく、オンライン面接の準備や筆記試験の対策なども必要なので、並行して進めておくことが大事です。

面接日程の調整では、迅速なやりとりを心がける

書類選考に通過した場合、応募企業から面接の案内が送られてきます。応募後から1週間程度の間に連絡がくることが一般的なので、一つの目安としましょう。

面接調整は、メールや電話でやりとりすることが多いため、失礼にならないメールの書き方や電話の話し方をチェックしておくことも大事です。日程調整のメールが来たら、迅速に返信することを心掛けましょう。中途採用の場合は候補者ごとに選考を進め、良い人材が入れば順次採用していくため、選考を早めに進めることも大事です。

働きながら転職活動を行い、「平日の日中ではなかなか都合がつかない」という場合でも、企業によっては夜間や休日にも対応してくれるケースもあるので、背景を伝えた上で採用担当者に相談してみると良いでしょう。

面接対策では、よくある質問に簡潔に回答できるように準備する

よくある面接の質問を想定して回答する内容を整理し、簡潔に答えられるようにまとめておきましょう。自己紹介、退職・転職の理由、志望動機、自分の強み、自己PR、逆質問は、面接で必ず聞かれる質問だと考えて準備しておくことがポイントです。

一般的には、一次面接は人事担当者や現場の先輩社員が登場することが多く、二次面接以降では現場の管理職や役員などが登場するため、より掘り下げた質問をされるので注意しましょう。また、面接でスムーズに話せるよう、口に出して練習しておくことも大事です。当日になって慌てないためにも、身だしなみや面接会場での立ち居振る舞いなども把握しておきましょう。

転職エージェントを活用する場合は、面接での振る舞い方はもちろん、よりアピールにつながる回答や話し方の改善点などについてアドバイスをもらえるでしょう。

オンライン面接は対面の面接と準備することが違うので注意が必要

オンライン面接の場合は、パソコンやスマートフォン、イヤホンなど必要なものを準備し、通信環境が良い静かな場所や使用するオンラインツールなども確認しておくことが必要です。

また、オンライン面接は画面越しのコミュニケーションのため、対面の面接よりも表情などが伝わりにくいと考えましょう。より伝わりやすい話し方や身振り手振りを心掛けることが大事です。動画などで自分の姿を撮影して確認し、改善に役立てる方法もあります。

面接前や当日に筆記試験が行われる可能性を踏まえて対策する

面接選考に進む場合は、SPIや論述形式のテスト、専門知識についてのテストを行う可能性があるので、それぞれについて対策をすることが大事です。転職エージェントを活用する場合は、筆記試験の傾向を情報として持っている可能性も高いので、準備に役立つでしょう。
また、面接の当日にSPIや論述式の筆記試験が実施される可能性もあるので、筆記具などの準備もしておくとより安心できます。

【内定・退職・入社】進め方のポイント

企業から内定の連絡をもらったら、内定承諾や現職の会社への退職交渉や引き継ぎなどを行いましょう。入社前の各種手続きなどもあるので、事前に把握しておくと安心できます。

内定承諾の返事は迅速に連絡する

内定した際には、採用担当者からメールや電話などで連絡があります。多くの場合、企業から回答期限を指定されるので、そこまでにしっかりと検討することが重要です。内定を承諾するかどうかについては、選考を並行している企業と比較検討し、より自分の求める条件にマッチする企業かどうかを考えることがポイントです。また、現職にとどまるべきかどうかも検討した上で、後悔することがないように結論を出しましょう。

内定承諾については、自分の意思が固まったら迅速に採用担当者に連絡するように心掛けることが大事です。内定を承諾しない場合でも、相手に配慮し、なるべく早めに返事をして、これまでの選考に時間を割いてもらったことへの感謝を伝えましょう。

現職の会社への退職交渉や仕事の引き継ぎを行う

入社日を決定した後は、現職の就業規則に沿って退職願や退職届を提出し、退職時期の交渉を行います。引き継ぎなどの期間が想定外に長く、予定していた入社日までに退職することが難しい場合は、転職先に相談して入社日を再度調整してもらうように交渉しましょう。

退職日が決定したら、退職・入社に必要な手続きや仕事の引き継ぎを行います。転職エージェントを活用している場合は、各種手続きでやるべきことを教えてもらうことができるでしょう。

入社手続き・退職手続きに必要な書類を提出する

内定企業と雇用契約書を交わし、入社手続きに必要な書類を準備します。源泉徴収票、雇用保険被保険者証などの必要な書類を提出し、年金番号も伝えましょう。

現職を退職する際には、退職手続きに必要な書類を提出し、会社から貸与されていたものなどを返却します。退職してから転職活動をしていた場合は、健康保険、年金の切り替えや、住民税の支払い、確定申告が必要になるケースもあるので、確認しておくことが大事です。失業給付金をもらっていた場合は、ハローワークに報告することも忘れないようにしましょう。

現在の職場に転職活動がバレる?やってはいけないこととは?

転職活動が現在の職場にバレた場合、働きにくくなったり、転職活動をしにくくなったりする可能性があります。また、希望に合う転職先が見つからなかった場合、現職の職場にとどまることが難しくなってしまうケースもあるので注意しましょう。

仕事を辞めずに転職活動を進める際に、バレる要因となる「やってはいけないこと」を以下に紹介します。

【在職中の転職活動を進める際に、やってはいけないこと】

・業務時間内の面接のために有給休暇の取得や早退などを繰り返す
・面接予定日のみスーツを着用する
・同僚に転職活動の話をする
・SNSに転職活動に関連する情報をアップする
・転職活動に会社支給のパソコンやスマートフォンを使う

転職活動を始める前のよくあるQ&A

転職活動を始めるにあたって、よくあるQ&Aを紹介します。

内定を得たら、入社までどれくらい待ってくれる?

内定から入社までの期間は、1〜2カ月が一般的です。数カ月や半年先など、社員の情報管理や各種手続きの都合上、企業からは月初の入社を提示されるケースが多いでしょう。あまりにも長く入社を待ってもらおうとすることはお勧めできません。企業側の事業計画に合わせて人材配置の状況が変化するため、内定辞退の扱いで採用を見送られる可能性があるので注意しましょう。

20代のうちに転職したほうがいい?30代では遅い?

転職は年齢に合わせて行うものではなく、自分の目指すキャリアや働き方を実現するための方法と考えましょう。転職したほうがいい時期は人それぞれであり、30代以降でも採用を行う企業は多くあります。ただし、20代のうちからキャリアの方向性に合わせて経験・スキルを積んでおき、自分の市場価値を高めておくことが大事です。

大体、何社目で内定をもらえる?

内定を得るタイミングも内定するまでに選考を受けた社数も、人それぞれと言えます。10社など複数の企業に応募し、選考を並行する中で1社から内定を得るケースが多いため、なるべく多くの企業に応募しておくことをお勧めします。また、複数の選択肢から検討したほうが、自分によりマッチする企業を選択できるというメリットもあります。

転職活動はどのくらいで終わる?長く続けるのはしんどい…。

最も早いケースでは、応募から内定まで1〜2週間で終えることもあります。しかし、その一方で1〜2年など長期的に転職活動を続ける人もいるので、こちらもケースバイケースと言えるでしょう。転職活動を長引かせたくないと考えている場合は、転職エージェントに相談し、短期集中で臨む方法もあります。

働きながらの転職活動では、転職エージェントを活用するのがお勧め

転職エージェントに相談すれば「やることリスト」に出てくるほとんどのことをサポートしてもらえるので、応募企業の選択や面接対策など、自分自身でやらなくてはならないことに集中できます。効率的に転職活動を進めたい人や、自分1人では不安だと思う人には、まずは相談してみることをお勧めします。

「転職エージェントに相談したら、必ず転職しなくてはならない」と考えてしまう人もいますが、内定を得ても転職しない選択はできますし、費用も掛からないので、活用することにマイナス要素はないと考えて良いでしょう。現在の自分の市場価値や可能性を知るためにも、まずは相談してみるのも一つの方法です。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2022年02月03日 記事更新日:2023年03月22日

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