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体調不良が退職理由の場合の面接での伝え方と回答例

中途採用の面接では、定着性を判断するために前職を退職した経緯を質問されることがあります。もし体調不良が原因で退職したことを伝えたい場合は、面接でどのように伝えればいいのでしょうか。企業が退職理由を確認する理由と、退職理由を聞かれた場合の答え方のポイントなどについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏がアドバイスします。

体調不良は退職理由になる?

体調不良による退職を応募企業に伝えるか迷ってしまう方もいるかもしれませんが、体調不良も退職理由になります。面接では、業務遂行上影響がある場合には、どのような制限があるのかを具体的に伝える必要があります。業務遂行には影響はないけれど、面接で体調不良が退職理由であることを伝えたい場合は、あとで解説する「面接で体調不良が退職理由であることを伝えたい場合のポイント」を参考にしてみてください。

退職を決める前に考えておきたいこと

まだ所属企業に退職を申し出ていない場合は、辞めるよりも療養して職場に復帰した方がいいケースもあります。体調や状況によっては、会社を休んで傷病手当金や労災補償を受けるという方法もあるため、本当に退職が最善の選択かどうかを冷静に判断しましょう。

傷病手当金とは

業務災害以外の傷病による体調不良は、療養のために会社を休んだ場合、傷病手当金を受給できる可能性があります。傷病手当金は支給条件が設けられているので、条件に当てはまっているか確認してみましょう。

参考:全国健康保険協会ホームページ「傷病手当金について」

労災保険制度とは

労災保険制度とは、労働者の業務災害、または通勤災害について、必要な保険給付を行う制度です。 労災保険給付には「休業(補償)給付」や治療が無料になる「療養(補償)給付」、「障害(補償)給付」「遺族(補償)給付」「介護(補償)給付」といった種類があります。

出典:「労災補償」(厚生労働省)

体調不良が退職理由の場合の上司への伝え方

体調不良により退職を希望する場合は、上司に業務の継続が難しいことを伝えましょう。体調に影響を及ぼす可能性があるので、引き継ぎ期間や最終出社日は無理のない範囲で設定することが重要です。上司との面談の際、体調不良で仕事を休んでいる場合は、オンラインでの面談を希望するという方法もあります。

退職のポイント

伝え方や職場の状況によっては、上司から引き留められる可能性があります。退職のポイントについて解説します。

退職の意思を明確に伝える

退職交渉が難航することを防ぐためには、退職の意思が固いことをきっぱりと伝えることが大切です。退職することに加えて、退職スケジュールを明確にするために、希望する退職日や最終出社日を伝えて手続きを進めましょう。

引き継ぎの準備を進める

事前に引き継ぎの準備を進めておくことも一案です。業務の一覧を作成し、業務内容を明らかにしておくと、上司が後任を見つけやすくなります。引き継ぎの準備ができていると、引き継ぎ期間も最短で進められる可能性が高くなるでしょう。

企業が面接で退職理由を確認する理由

企業によっても異なりますが、面接で退職理由を聞くのは、「同じ理由でまた辞めてしまわないか(入社後の定着性)」と「退職理由が解消されて活躍できるか(活躍可能性)」などを確認するためと考えられます。

例えば、退職理由が「人間関係の不満」だった場合、「パワーハラスメントを受けた」などの極端なケースを除けば、人との相性や小さな摩擦はどの職場でも生じる可能性があります。入社後にも起こり得る退職理由は、「同じ理由で退職してしまうのでは」と採用担当者が不安を抱くため、伝え方に気をつける必要があります。逆に、退職理由が前職特有のもので、転職によって解消できる場合は、採用担当者から懸念される可能性は低くなるかもしれません。

そのため、面接で体調不良が退職理由であることを伝えたい場合は、「同じ理由で辞める可能性が低い」と判断してもらえるような伝え方を意識しましょう。なお、体調不良が退職のきっかけのひとつではあるものの、転職を決めた理由が他にある場合や業務遂行上影響がない場合は、体調不良について特に伝える必要はありません。退職を決意した代表的な理由を説明しましょう。

面接で体調不良が退職理由であることを伝えたい場合のポイント

体調不良が退職理由の場合の、応募企業への伝え方のポイントをご紹介します。「選考に影響するかもしれない…」と不安な表情で伝えてしまうと、採用担当者も心配になってしまいます。面接では、働く意欲を伝えるために前向きな姿勢を意識することが重要です。

完治している場合は、その旨を伝える

採用担当者は、体調不良が入社後の業務に影響するかを確認したいと考えます。体調不良が解消し業務に影響がない場合は、前職での経緯の説明とともに「現在は回復しており、業務に支障はありません」と補足しましょう。

業務に影響がある場合は、具体的に伝える

体調が完全に回復しておらず業務への影響が想定される場合は、「2カ月に1度、検診のために半休をいただきたいです」など、具体的に伝えます。事前に影響範囲を伝えておくことで、採用担当者が配属部署と連携しフォロー体制を整えてもらえる可能性があります。また、伝えておくことで、入社後も無理をせず働きやすくなるでしょう。

前向きな姿勢で客観的に

深刻な面持ちで退職理由を伝えると、採用担当者が必要以上に深刻に受け止めてしまう可能性があります。また、「体調不良でとても辛いのに上司から仕事を押しつけられて…」など、前職の悪口や愚痴に捉えられるようなネガティブな表現は避け、退職理由を伝える際は前向きに話すことを心がけましょう。例えば、「腰を痛めて退職しましたが、療養したことで現在は回復しています」など、客観性を意識することが大切です。

接で体調不良が退職理由であることを伝えたい場合の回答例

面接で、採用担当者に体調不良が退職理由であることを伝えたい場合の回答例をご紹介します。

会社の健康診断で病気を患っていることが分かりました。休職するか上司と話し合ったのですが、初期段階では治療にどの程度の期間を要するか見通しが立たなかったため、ご迷惑をおかけしないために退職し、治療に専念することにしました。おかげさまで現在は治療が終了していますので、業務に支障なく働くことができます。

持病が悪化したため、手術とリハビリを行いながら症状の緩和を目指していました。休職するか迷ったのですが、日常的に腰に負担がかかる業務だったため、上司に相談して退職させていただくことにしました。リハビリは終了し、医師からも仕事復帰の許可は得ておりますが、再発防止を目的に、腰の状態確認やメンテナンスのために月に1度半休をいただきたいと考えております。業務を遂行する上で、問題になることはありません。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2022年03月2日 記事更新日:2024年10月02日

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