対面面接の場合、面接の日が近づいてきたら、確認しておきたいのが「面接会場での受付」についてです。受付がスムーズにできず面接の時間に遅れる、あるいは焦ってしまい、落ち着かない状態で面接担当者と対面するなどということは避けたいものです。
今回は対面面接の場合の、受付方法や応募先企業の印象を損ねないために気を付けたいことについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。
前日までに面接の受付方法と担当者を確認
これまでに採用担当者とやりとりしたメールを読み返し、面接の日時や場所、誰を訪問するかをチェックしておきましょう。最低限、担当者の所属部署や名前を把握しておくと、受付でスムーズに対応できるでしょう。
また、当日の面接担当者の呼び出し手順などが指示されている場合もあるので、現地で焦ることのないよう、事前に把握しておくことをおすすめします。
メールに受付方法や面接担当者の情報が記載されていないときは、事前に企業に問い合わせます。転職エージェントを利用している場合は、案内が来たらなるべく早く確認し、不明点があればキャリアアドバイザーに確認しましょう。
受付での対応方法
対面面接における受付での対応方法を4つのパターンに分けて解説します。
受付カウンターに案内係がいる場合
案内係のスタッフに挨拶し、面接担当者を呼んでもらいます。
「本日〇時から、〇〇部の〇〇様と面接の約束をしております〇〇です」と、あらかじめメールで確認しておいた面接担当者の所属部署・名前と自分の名前を簡潔に伝えましょう。
緊張すると早口になりがちですが、相手の目を見て、ゆっくりはっきり発語することを心がけましょう。
受付カウンターに内線電話が設置されている場合
最近では受付カウンターに案内係が常駐していない企業も多くあります。カウンター上に内線電話が置かれ、各部署の番号が示されていることが多いようです。
この場合、担当部署の内線番号を確認して電話をかけます。電話口で「本日〇時から、〇〇部の〇〇様と面接の約束をしております〇〇です」と伝え、担当者につないでもらいます。案内係のいる受付カウンターと同じように、丁寧かつ簡潔な対応を心がけましょう。
受付カウンターがなく、インターフォンが設置されている場合
受付カウンター自体を設けておらず、エントランスなどにインターフォンのみ設置している企業もあります。この場合はインターフォンを使って、面接の約束をしていることを伝え、担当者への取り次ぎをお願いするとよいでしょう。
受付システムの場合
エントランスに受付システムを導入している企業もあります。システムの操作手順に沿って、自分の名前や担当者の名前など入力を進めましょう。
受付時のマナーと注意点
対面面接における受付時のマナーと注意点を4つ紹介します。
受付は面接の5分前を目安に済ませる
面接当日は、10分前に面接会場に到着することをおすすめします。受付がある場合には15分前に到着して、5分前を目安に受付を済ませるのが望ましいでしょう。大きなオフィスビルの場合は、受付から面接会場まで時間がかかることもあるため、もう少し時間に余裕をもってもいいかもしれません。
帰りの挨拶も忘れない
面接が終わって受付を通るときも帰りの挨拶をしましょう。面接が終わったとはいえ、オフィスを出るまでの立ち居振る舞いも見られている可能性があります。帰りにすれ違った人には会釈をし、受付のスタッフには「ありがとうございました」と挨拶できると好印象を残せるでしょう。
面接担当者がエレベーターや出口まで見送ってくれた場合も、しっかりと挨拶をして別れることを意識しましょう。
受付は遅刻も早すぎるのも避ける
面接において遅刻は厳禁です。万が一遅れそうな場合は到着前に必ず連絡を入れ、遅刻の理由と謝罪の言葉を伝えましょう。メールだと担当者が見落としてしまうおそれがあるため、できれば電話で連絡するのがおすすめです。
一方で、早すぎる呼び出しも避けるのが無難です。30分以上前に担当者を呼んでしまうと「まだミーティング中で対応できない」ということもあるため、早く到着したら約束の時間まで待ってから受付に向かいましょう。
身だしなみチェックは受付をする前に
立ち振る舞いと同様に、印象を左右するのが身だしなみです。面接会場のある建物に入る前に、最寄駅のトイレなどで身だしなみチェックを済ませることをおすすめします。
ヘアスタイルの乱れやスーツ、シャツのしわ、ネクタイの結び目をチェックしたら、靴やカバンの汚れにも気を付けましょう。
受付前にしておくべきこと
面接当日は受付の流れだけでなく、受付前にしておくべきことも理解しておくとスムーズに面接に臨むことができます。受付前にしておくべきことを3つ紹介します。
トイレを済ませておく
面接は受付から面接終了まで1時間以上かかることもあるため、トイレは事前に済ませておきましょう。
提出書類をすぐ出せるようにしておく
受付で履歴書や職務経歴書を渡すケースもあるため、提出書類はカバンからすぐに出せるようにしておくのがおすすめです。
また、取り出した書類が折れ曲がったり汚れたりするのを防ぐために、クリアファイルと封筒に入れておくと綺麗な状態で渡すことが可能です。
スマートフォンの電源を切る
面接中に携帯電話が鳴ってしまうのを避けるために、受付前から電源は切っておきましょう。マナーモードでも音は鳴りませんが、カバンの中での振動が面接担当者にも聞こえてしまう可能性があるため、電源を切るのがおすすめです。
また、面接が終了したらすぐに電源を入れるのではなく、面接会場を出てから電源を入れ直しましょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。