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ゲーム業界に転職するには?業界動向や求められる経験・スキルを解説

ゲーム業界 転職

「ゲーム関連の仕事に興味があるので、もっと業界の情報や仕事の内容を知りたい」「中途採用においては、どんな経験・スキルが求められている?」──そんな疑問に対し、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがお答えします。

ゲーム業界の採用ニーズが高まっている

ゲーム業界では現在、大手企業を中心に、さまざまな規模の企業が活発な採用を行っていまたずす。ゲームに関わる全ての職種においてニーズがあります。その背景としては、以下のようなゲーム業界のトレンドが挙げられます。

アクションゲームの活況

多くのゲームジャンルの中で、もっとも活況となっているのが「アクションゲーム」です。コロナ禍での外出自粛中、ゲームは外部とのコミュニケーションツールとしても活用されました。

インターネット上でさまざまな人とつながってプレイするゲームとして、アクションゲームの人気が高まっています。対戦・クエスト・キャラクター・アイテムなどがどんどんアップデートされるため、多くのファンを獲得。今後も市場が伸びていくと見込まれます。

VR・ARゲームの台頭

「VR(Virtual Reality/仮想現実)」「AR(Augmented Reality/拡張現実)」のスマートフォンゲームへの応用が進んでいます。また、VRヘッドセットの販売数も伸びています。今後も、VR/ARゲームの開発は拡大していくでしょう。

ブロックチェーンゲーム開発が加速

ブロックチェーンを活用したゲーム開発に意欲を見せる企業が増えてきました。技術の確立を目指し、ブロックチェーンゲーム開発のポジションの人材募集も行われています。しかし、ブロックチェーンゲームの開発経験者は転職市場にまだほとんどいないため、ゲーム開発やC言語での開発経験を持ち、ブロックチェーンに興味がある人が採用に至っています。

従来のゲーム開発は、ゲームをリリースするまでがゴールでした。しかし、昨今のゲーム業界では、人気ゲームシリーズのユーザーが離れていかないように施策を打つ企業が増えています。定期的に仕様変更し、付加価値をつけ、アップデートを続けています。一度リリースしたゲームの運営・改善を続けていくのに加え、新規開発も進めていきますので、人材ニーズが高まっているのです。

また、ゲーム業界経験者の「開発からゲームの企画側へ」「運用から新規プロジェクトの開発リーダーへ」など、ポジションを変える転職事例も増えています。ゲーム業界未経験の方々にも新たなチャンスが広がっています。

ゲーム業界に携わる仕事と求められるスキル

ゲーム業界の仕事は幅広く、プロデューサー、ディレクター、プランナー、プログラマ、デザイナー、デバッカーなど、多様な職種があります。それぞれの職種の役割と、中途採用において求められるスキルをご紹介します。

ゲームプロデューサー

ゲームプロデューサーは、ゲーム制作プロジェクトの総責任者。コンセプトメイクから携わり、予算・人員・スケジュールなどの計画、管理を統括します。

採用においては、基本的にはゲームプロデューサーとして企画から手がけた経験が求められます。大型のゲームであれば、ディレクションの経験者でも受け入れられます。

ゲームディレクター

プロデューサーが立てた企画に基づき、どのように開発に落とし込んでいくかを考え、実行します。チーム編成におけるスタッフのアサイン、プロジェクト開始後の工程管理など、プロジェクトの「現場」をリードする役割を担います。

中途採用においては、基本的にはゲーム開発のディレクション経験が望まれます。しかし、ゲーム業界未経験であっても、IT・Web関連のプロダクトやサービスなど、何らかの開発プロジェクトをとりまとめていた方であれば選考対象となります。プロジェクトマネジメント力が認められれば採用されるチャンスがあります。

ゲームプランナー

ディレクターの指示を受け、ゲームのキャラクターやルールを設定するなど、詳細なプランニングを手がけます。「この場面でこのレベルの敵を登場させる」など、ユーザーを惹きつけるゲームの仕様を設計します。

プランナーの仕事には 、シナリオ、仕様調整、ソーシャルゲームの運営管理などさまざまな種類があるため、企業が求める経験に合致していれば採用に至る可能性があります。

ゲームプログラマ

ディレクターが決めたゲームの大枠、プランナーが決めた仕様に従い、プログラミングを行います。募集要件は企業ごとに異なりますが、主にはC言語(C、C++、C#)のスキルが求められます。

これらの言語での開発経験があれば、ゲームの開発経験がなくても採用に至るケースもあります。また、ゲーム業界で働いた経験がなくても、独学でゲームプログラミングを学んでゲームアプリを開発している人も受け入れられます。

ゲームデザイナー

ゲームに登場するキャラクター、背景、装備品・武器といったアイテムなど、さまざまなビジュアルを制作。そのゲームの世界観を具現化します。このほか、公式サイトやプロモーションサイトなどのデザインを担当するデザイナーもいます。

採用においては、2D・3Dのデザイン、キャラクター・背景・アイテムといったゲームの要素のデザインを担当する場合は、ゲームのデザインの経験が求められます。一方、公式サイトやプロモーションサイトなどのデザインを担当する場合、ジャンルを問わずWebサイト制作経験があれば採用対象となります。

ゲームデバッカー

ゲームがある程度出来上がったタイミングでテストプレイを行い、バグ(不具合)がないかをチェックして報告します。プログラマが修正を行った後、再度検証を行います。

採用においては、ゲームをプレイすることが主な業務となるため、「ゲームが好きなであること」が求められます。ゲームをやり込んだ実績や好きなゲームに対する想いなどを伝えることで、採用に繋がることも少なくありません。また、ゲームの問題点や不具合などを見つけるための問題解決力や検証力なども求められます。

未経験からゲーム業界に転職できる?

20代~30代でゲーム業界未経験者の方々については、プログラマもしくはデザイナー、あるいは経験内容によってはディレクターとして転職を果たしている事例があります。

独学でゲームプログラミングを学び、アプリ開発やデザインを手がけた経験がある人であれば、作品をポートフォリオにまとめてプレゼンテーションすることで、プログラマやデザイナーとして採用されるチャンスがあります。また、何らかの製品・サービスの開発プロジェクトマネジメントを経験していれば、ゲーム開発の経験がなくてもディレクター職に就ける可能性もあるでしょう。

家庭用ゲームソフトの分野は大手企業が中心であり、経験豊富な人材が揃っています。つまり「指導できる人」が多数いるため、ゲーム業界未経験者でも「ポテンシャル」を評価して迎えることもあります。一方、この10年ほどで発展してきたオンラインゲームの分野は、ベンチャー企業が中心です。人員数も予算も限られていることが多く、即戦力の経験者を求める傾向が強いと言えます。

しかし、未経験者にチャンスがないわけではありません。「開発プロジェクト要員が欲しいが、完成後に雇用し続けるのが難しい」場合は、プログラミング知識がある人を契約社員や業務委託などの形式で一時的に迎えるケースもあります。雇用形態にこだわらず、そうした条件での求人に応募して経験を積み、次の転職に活かす道もあります。

ゲーム業界への転職を目指す場合の、自己PRのポイント

ゲーム業界への転職を図る場合、職務経歴書・面接では次のポイントを伝えられるようにしましょう。

役割・経験内容を具体的に伝える

職務経歴書で、自身が開発に携わってきたゲームのタイトルのみをただ羅列する方も少なくありません。しかし、非常に有名なタイトルでないかぎり、それだけでは書類選考を通過できません。

プロジェクトチームの中で、「どのような立場で」「どのような志向を持って」「どんな業務を行った」のかを明確に伝えましょう。それを具体的に記載していれば、経験してきた開発規模が小さかったとしても書類選考をクリアできる確率が高まります。

興味・関心の強さ、ゲームへの思いを伝える

志望動機として、ゲームあるいはエンターテインメントに対する興味・関心の強さ、思いの部分をしっかり伝えてください。これまでの自身のゲームとの関わり方にまつわるエピソード、ゲームのどのようなところが好きかなど、思いを込めて語れるように準備することが大切です。必ずしも、応募先企業のゲームに関するエピソードでなくても構いません。

実際、ゲーム業界で活躍されている方々は、ゲームがとても好きな方々なのです。ゲームが好きで、熱い思いを抱いている応募者であれば、「入社後、前向きに取り組んでもらえそう」「長く働いてもらえそう」と期待を寄せられるでしょう。

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リクルートエージェント リクルーティングアドバイザー  小野寺 良太
リクルートの転職エージェントサービス「リクルートエージェント」において、ゲーム業界の採用支援を行う。

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