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退職挨拶の上手な伝え方と一言スピーチ【例文あり】

退職 挨拶

会社を退職する時は、一緒に働いていたメンバーや取引先など、社内外の人にスピーチやメールなどで挨拶する機会があります。好印象を残し、気持ちよく送り出してもらうために、退職挨拶では何を心がければいいのでしょうか。そこで、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏に、退職の挨拶の伝え方やポイントなどについてアドバイスを伺いました。

退職の挨拶の基本構成

退職の挨拶の基本構成と、社内スピーチでの伝え方例をご紹介します。相手との関係性や挨拶のシーンなどによって内容を調整すると良いでしょう。

お礼と退職日

社内向けの場合は最終出社日に挨拶することが一般的ですが、そうでないケースもあります。まず、挨拶の機会をもらったことへのお礼と、退職日や最終出社日を伝えましょう。

 【例】
「お忙しい中、挨拶の時間を設けていただき、ありがとうございます。この度、○月○日を持って退職することになりました。本日が最終出社日です」

仕事でのエピソード

相手との接点となるエピソードや、業務経験などを伝えます。「○○を企画開発できた」など、実績や成果を伝えるという方法もありますが、できれば「○○が軌道に乗るまで大変お世話になりました」など、挫折や苦労した経験を通じて感謝を伝えると、より心のこもった内容になります。

 【例】
「入社して○年。最初は右も左もわからず業績も伸び悩みましたが、みなさまのご指導と丁寧なアドバイスのお陰で成長することできました」
「特に印象的なのが○○プロジェクトです。多くの壁にぶつかりましたが、メンバー全員の尽力のお陰で、目標を達成することができました」

今後について

今後については、伝えても伝えなくても構いませんが、相手と退職後も関係性を続けたい場合は、どのような道を歩むのかにも触れておくといいでしょう。ただ詳細な退職理由や、転職先企業名などには触れないこと。なお、社外向けの場合は、引き継ぎの流れや後任についてしっかり説明しておきましょう。

【例】
「今後は○○業界で○○領域に取り組む予定です。この会社で学んだことを活かして頑張りたいと思います」

結びの挨拶

「みなさまのご健康とご活躍を心よりお祈りしております」など、お礼とともに結びの挨拶を入れます。メールで挨拶する場合は、結びの前に、「本来であれば直接ご挨拶に伺うべきですが、メールでのご挨拶となりましたことをお詫び申し上げます」など、一言添えてもいいでしょう。

 【例】
「○年間、大変お世話になりました。みなさまの健康とご活躍を心よりお祈りしております。本当にありがとうございました」

社内向け退職挨拶スピーチのポイントと例文

退職挨拶の方法には大きく「対面」「オンライン」「メール」の3つがあり、相手との関係性や状況によってポイントが異なります。ここからは、「社内向け」「社外向け」とそれぞれの手段別に、知っておきたいポイントと例文をご紹介します。

社内向けスピーチのポイント

ミーティングやフロアなどで社内に向けて挨拶する機会が設けられた場合は、3分程度で感謝の意を伝えます。所属チームのメンバーに向けた挨拶であれば、仕事でのエピソードや当時の気持ちなどを交えると、温かみのあるスピーチになるでしょう。全体向けのミーティングなど、参加者に別部署も含まれている場合は、限られた人にしか分からない内容は避け、これまで携わっていた仕事や意識していたこと、感謝と今後の抱負を伝えましょう。

社内向けオンラインスピーチのポイント

オンラインは相手の反応が見えにくいので早口になってしまう傾向があります。間を置きながら、少しだけゆっくり話すようにしましょう。なお、対面でメモを見ながら挨拶すると、よそよそしい印象を与えてしまいがちですが、オンラインの場合はカメラの近くにメモを配置すれば違和感がありません。スピーチが苦手な方は、あらかじめ原稿をパソコンでメモしておき、自分の画面に映しておくと安心です。

社内向けスピーチの例文

社内向けに対面やオンラインで退職の挨拶をする場合は、自身のエピソードを交えて、心のこもった内容を意識しましょう。

本日はお忙しい中、ご挨拶の時間を設けていただき、本当にありがとうございます。
○月○日をもって退職することとなりました。本日が最終出社日です。
7年前に未経験で入社した私は、社内で使っている用語を全く理解できず、
まるで違う国に来たのかと思うくらい戸惑いました。

要領を得ない私の話を、△△部のみなさまは根気よく聞いてくださり、
丁寧なアドバイスによって業界知識を身につけることができました。
あの時に受けた優しさは、7年経った今でも忘れることができません。

今後は、父が代表を務める会社で働く予定です。
異業界の転職になるので、入社当時の気持ちを思い出して、
心機一転、頑張っていきたいと考えております。

7年間、お世話になりました。
みなさまのご健康とご活躍を心よりお祈りしております。
本当にありがとうございました。

社内向け「一言スピーチ」の例文

ミーティングなどで「一言挨拶を」と求められた場合は、「退職する」という報告と、感謝の気持ち、これからの抱負と結びの言葉を1分以内で簡潔に済ませるようにしましょう。

私事になりますが、本日をもって退職することになりました。

入社して○年、みなさまには多くのご指導をいただき、心より感謝しております。
ここでの経験や学んだことを大切にしながら、今後も頑張っていきたいと考えております。

最後になりますが、みなさまのますますのご活躍をお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。

社内向け退職挨拶メールのポイントと例文

社内向けにメールで退職挨拶をする際のポイントと例文をご紹介します。

社内向けメールのポイント

社内に向けたメールでの挨拶は、2つの送付方法があります。
「所属しているチームのみに送りたい」など、接点のある人のみに限定して送信したい場合は、アドレスを「To」で指定しますが、「これまで携わってきた複数の事業部に送りたい」など、接点のない人も含めて一斉に送る場合は、アドレスを組織宛などにして「Bcc」を指定します。また、メールの場合は、今後の連絡先を書くことができます。関係性を維持したい人への挨拶文には、私用の電話番号やメールアドレスを記載しておくことで、「今後もよろしくお願いいたします」という姿勢が伝わるでしょう。

社内向けメールの例文

件名:退職のご挨拶【△△部 名前○○】

お世話になったみなさまへ

△△部の○○です。
私事で恐縮ですが、○月○日をもって退職することとなりました。
本日が最終出社日です。

20xx年に中途入社し、△△部や○○部で開発に携わってきました。
時にはみなさまにご迷惑をおかけすることもありましたが、
温かく見守っていただいたことに感謝の気持ちしかありません。

今後ですが、地元である□□県に帰る予定です。
同級生に誘われて、NPOで地域の産業を盛り上げることになりました。
□□県にお越しの際は、遠慮なくお声がけください。
地元の観光地や美味しいものをご紹介させていただきます。

それでは、みなさまのご健康とご活躍を心よりお祈りしております。
今まで長い間、本当にありがとうございました。

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署名
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社外の方に対面で退職挨拶するポイントと例文

社外の関係者に対面で退職挨拶をする際のポイントと、伝える内容をご紹介します。

社外向け対面での挨拶のポイント

社外の関係者に退職の挨拶をする場合は、しっかりと引き継ぎを行い、自分が退職しても支障がないことを伝える必要があります。相手に感謝の意を伝え、後任の略歴や得意分野、人柄などを紹介し、取引先に安心感を与えることを優先しましょう。その上で自身について尋ねられたら、具体的な企業名は避け、差し支えのない範囲で答えれば良いでしょう。
オンラインで挨拶する場合も、引き継ぎを兼ねて後任の紹介をしっかりと行います。理解を深めてもらうために、後任の略歴や人柄、意欲などを1枚の資料にまとめ、投影しながら紹介するのもおすすめです。

社外向け対面での挨拶の例文

社外の担当者に対面で挨拶をする場合は、次のような内容を伝えると良いでしょう。

本日はお忙しい中、時間を設けていただき本当にありがとうございます。
勝手ながら○月○日をもって退職することとなりました。

△△様には大変お世話になりました。
ようやく成果をお返しできるようになってきたところで退職となり、正直に申し上げて、後ろ髪を引かれるような思いです。

後任につきましては、隣におります□□が担当させていただきます。
別のグループでずっと営業をしており、××の経験は私より長いくらいです。
私も○月○日までは社内におりますので、何かありましたら遠慮なくご連絡ください。
(詳細な引き継ぎを行う)

これまで本当にありがとうございました。
残りわずかではございますが、引き続きよろしくお願いいたします。

社外向け退職挨拶メールのポイントと例文

社外向けにメールで退職挨拶をする際のポイントと例文をご紹介します。

社外向けメールのポイント

社外への挨拶メールも対面と同様に、感謝の気持ちや引き継ぎに重点を置くようにします。また社外へメールする場合、私用の電話番号やメールアドレスを記載してはいけません。自身は会社を代表して取引をしているため、退職する場合はすべて後任に引き継ぐ必要があります。取引先との私用のやり取りは、トラブルの原因にもなるため控えておきましょう。

社外向けメールの例文

件名:退職のご挨拶【株式会社△△ 名前○○】

株式会社××
▲▲様

いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の○○です。

私事で恐縮ですが、一身上の都合により○月○日をもって退職することとなりました。
最終出社日は○月○日を予定しております。

これまで▲▲様には何かとお力添えをいただき、心より感謝しております。
後任は、Ccに入っております□□が担当させていただきます。

□□は同じチームで働いており、最終出社までに引き継ぎを行ないますので、
変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

本来であれば、直接お伺いしてご挨拶すべきところですが、
メールでのご連絡となりましたことをお詫び致します。

末筆ながら、貴社のさらなるご発展と▲▲様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。

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署名
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退職の挨拶をするタイミングや方法について

退職の挨拶をするタイミングや方法について解説します。

社内への退職挨拶の場合

社内向けの挨拶は、退職の報告というより「最後の挨拶」というニュアンスのものになるので、対面・メールとも、最終出社日に行うのが一般的です。それ以外の場合でも、人事発令がされていて、引き継ぎもひと段落しているタイミングが多いようです。
対面やオンラインでの挨拶の機会がある場合は、上司から「○日のミーティングで挨拶してください」などと指示があるので、それに従いましょう。もし引き継ぎなどの関係で、人事発令前に退職を伝えたい場合は、事前に上司に確認しておきましょう。

社外への退職挨拶の場合

社外への挨拶は、件数や引き継ぎ事項が多い場合、人事発令よりも前にする可能性もあります。事前に挨拶が必要な場合は、上司に確認しましょう。その際は「A社には直接足を運ぶか」「メールのみでOKか」といった判断も含め、上司と相談しながら決めていくことをおすすめします。場合により「人事発令前で後任者と上司しか事情を知らないため、○月○日までは弊社内の他メンバーへは開示しないようにお願いいたします」など、自身の退職について取引先にフォローが必要になるかもしれません。

退職の挨拶は、関係者にこれまでの感謝の気持ちを伝え、気持ちよく退職するためのもの。実際は不満が原因だとしても、退職の挨拶では感謝と前向きな気持ちを伝えるようにしましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2022年06月06日 記事更新日:2023年06月21日

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