時間をかけて作成した、魅力的な履歴書や職務経歴書。しかし、封筒の宛名などの書き方が正しくないと、採用担当者の印象を損ねてしまうかもしれません。このような失敗を防ぐためには、どのような配慮が求められるのでしょうか。封筒の書き方とマナーについて説明します。
履歴書を入れる封筒の書き方
まずは履歴書を入れる封筒の書き方を3パターン紹介します。
- 企業宛に送る場合
- 個人宛に送る場合
- 手渡しする場合
なお、文字を書くペンは油性をおすすめします。配達中に雨などで少々濡れても、にじんで宛先が判別できないというリスクを避けるためです。
企業宛に送る場合
会社などの組織に送るときは「〇〇御中」と記します。企業名の後に部署名がくる場合は
「〇〇株式会社▲▲部御中」と書きましょう。「御中」を重複させないように気をつけてください。
個人名が指定されておらず「採用担当」となっている場合は「採用担当御中」と記します。
個人宛に送る場合
特定の個人に送るときは「〇〇様」と敬称を付けます。個人名の前に企業名や部署名がある場合「御中」を併用せず、個人名にのみ「様」と記します。企業・部署名はやや小さく、個人名は大きめにとメリハリを付けると見た目が美しくなります。
手渡しする場合
手渡しする場合は当事者同士で受け渡しを行うため、表面に宛先を記入する必要はありません。ただし、裏面には自分の氏名と住所は必ず書くようにしましょう。応募先企業に、誰からの応募書類なのかを明確に示すためです。
このとき、表面の左下に赤いペンで「履歴書在中」と記入し、長方形で囲むことを忘れないようにしましょう。
送り方のマナー
次に、履歴書の送り方のマナーについて説明します。
送付状の書き方
履歴書や職務経歴書を送るときは、送付状も同封しましょう。送付状とは、あいさつ状の一つで、応募書類を郵送するときに添えるのがマナーとされています。基本的な記載する事項は次のとおりです。
- 送付年月日
- 宛名
- 自分の名前・住所・連絡先
- 頭語・時候のあいさつ
- 本文・自己PR(簡潔に)
- 面接へのお願い
- 結語
- 同封書類
- 終わり方(「以上」など)
なお送付状は、手渡しできないときにあいさつ状として同封するもののため、手渡しする場合は同封する必要がありません。
封筒への入れ方
上から順に「送付状→履歴書→職務経歴書→その他の書類(あれば)」と重ねます。見開きの履歴書はA3→A4またはB4→B5になるよう、記載面を表側にして中央で二つ折りにします。
そのまま封入してもOKですが、無色透明のクリアファイルに入れるのがおすすめです。雨や汚れ、折り傷からガードし、パリッと美しいまま担当者の手に届きます。
最終チェックが済んだら、封筒の表面と書類の向きを揃えて封入しましょう。しっかりと糊付けして封を綴じたら、中央に封字「〆」を黒色で記します。
応募〆切日の確認と投函
郵便物の重さとサイズをチェックして、郵送料金を確認します。料金が合っているか自信がないときは、郵便局に持ち込むのが無難です。料金が合っていても、たくさんの少額切手を貼るのは見栄えが悪いのでおすすめしません。
〆切日に間に合うように、投函のタイミングは余裕を持つことが大切です。〆切日が迫っているときは、速達や宅配便を利用して送付します。
送付後の連絡
基本的に、応募先企業へ「郵送が完了しました」とメールを送る必要はありません。しかし事前にやり取りをしていた場合や、担当者から指示があって郵送した場合は、報告のメールを送ったほうが丁寧な印象を与えられます。
書類が到着してからだと遅いので、報告メールは「〇月〇日付で送付しました」と当日中に送るようにしましょう。
手渡し時のマナー
履歴書を送らずに、手渡しするときにもマナーがあります。面接担当者に直接手渡しする場合と、受付で手渡しする場合に分けて説明します。
面接担当者に直接手渡しする場合
面接担当者に直接手渡しする場合は、履歴書を封筒から出してクリアファイルに入っている状態で、下に封筒を重ねて渡しましょう。面接担当者はその場で履歴書を確認するため、封筒に入れたまま渡すと手間をとらせてしまいます。
多くの場合、面接の冒頭に採用担当者から履歴書を提出するよう求められます。もし履歴書を出すように求められなければ「履歴書をお持ちしましたが、いかがいたしましょうか」と尋ねてみましょう。
渡すときは相手が読みやすい向きで渡すことも、大切なポイントです。
受付で手渡しする場合
受付など面接担当者以外の人に手渡しする場合は、その場で読むわけではないので、封筒に入れたまま渡しましょう。面接担当者に渡すときと同様に、封筒を受け取る人が読める向きで渡すのがマナーです。
面接担当者でないからといって、マナーを気にせずに渡すことは避けましょう。受付の人も応募先企業に属しているので、社会人としての礼儀を守れる人か見られているケースや、後から担当者に報告されるケースも考えられます。常に丁寧な振る舞いを意識しましょう。