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「尊敬する人」を転職の面接で伝える場合のポイントや例文

尊敬する人

自分が目指しているキャリアの将来像を伝える際に、実在する人物を伝えることによって、採用担当者がイメージしやすくなる可能性があります。そこで、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏に、面接で「尊敬する人」を伝える場合のポイントや例文についてお伺いしました。

「尊敬する人」を聞かれるケースは少ない

厚生労働省が発表した「公正な採用選考の基本」というガイドラインに、「尊敬する人物に関すること」は就職差別につながる恐れがあるため、適切でないとされています。そのため人材採用の面接で、「あなたが尊敬する人は誰ですか?」という質問をされるケースは少なくなっています。ただし、自己PRなどで自分の価値観や大切にしていることを伝えるために、自ら尊敬する人物を伝えることについては問題ありません。例えば「応募企業の経営者を尊敬している」と志望動機で伝えたり、「応募する仕事に関する有名人を尊敬している」と自己PRで伝えたりなど、人柄や想いが伝わりやすくなるのであれば、「尊敬する人」を活用してみましょう。

「尊敬する人」に類似する質問で採用担当者が確認していること

「尊敬する人」は聞かれなくても、それに近しい質問はあります。質問と答え方の例をご紹介します。

キャリアの方向性・なりたい姿を知りたいケース

応募者のキャリアの方向性を知りたい場合に、目指している人物名を聞いて推し量ろうとするケースです。将来像を確認するための質問に対して答える場合は、転職理由の「入社後に実現したいこと」との一貫性を意識しましょう。

質問例:「目指したい人物はいますか?」「キャリアのロールモデルはありますか?」

<回答例>
御社のCTOのように、開発現場でプロジェクトを指揮しながら、30代までに技術力とプロジェクトマネジメント力を身につけたいと考えています。いずれは新規サービスに携わり、技術面で事業成長を牽引する役割を担うのが理想です。

価値観や志向性を知りたいケース

応募者がどのような価値観を持ち、どのような志向性があるのかを確認したいケースです。採用担当者が知らない人物を答える場合は、具体的な人物像がイメージできるような説明を意識しましょう。

質問例:「良きライバルと位置付けている方は現職や前職でいましたか?それはどのような方ですか?」

<回答例>

現職で同じグループに配属されている営業メンバーです。新卒入社の私と同い年ですが、彼はIT業界からの中途入社なので、ITの知識を活かしてクライアントが抱える課題に対して提案やアドバイスも行っているようです。クライアントに深く入り込む関係構築力や洞察力などを尊敬していますし、自分も負けていられないとライバル心も抱いています。もちろん、普段は何でも話し合える同僚でもあります。こうした良きライバルの存在によって、成長できていると実感しています。

「尊敬する人」を自分から伝える場合のポイント

尊敬する人を通じて、自分の価値観や志向などを伝えたい場合のポイントをご紹介します。

採用担当者がイメージしやすい人物を答える

自ら尊敬する人を伝える場合は、できれば知名度があり採用担当者がイメージできる人物を挙げましょう。面接で尊敬できる人を伝えるのは、その人物を通じて価値観やこだわり、大切にしたいことなどを伝えるためです。採用担当者が知らない人物を挙げてしまい、その人物の説明に時間を割いてしまうと、本来伝えたかったことが十分に伝わらなくなり、逆効果になってしまう可能性があります。もし、採用担当者が知らない人物を挙げる場合は、端的に人柄や姿勢を伝えられるように準備をしておきましょう。

「人物名」「その理由」で答える

面接で伝える際は、「人物名」「その理由」の順に答えましょう。先に人物が分かった方が、理由が理解しやすくなります。回答例をご紹介します。

<回答例>著名人を挙げる場合

私はAppleの共同設立者であるスティーブ・ウォズニアック氏を尊敬しています。開発は時として障害の発生などで困難が訪れることもありますが、彼のように開発を楽しみ、「新しいものを生み出したい」という強い思いで乗り越えていきたいと考えています。また、アイデアを形にするために考え抜き、実行する姿勢も大切にしていきたいです。

<回答例>前職の上司を挙げる場合

私が尊敬する人物は前職の上司です。家庭の事情でUターン転職をすることになったときに、真っ先にキャリアのアドバイスをしてくれました。私が気づかなかった強みや志向、向いている仕事などを親身に伝えてもらった結果、〇〇職でキャリアを切り拓くことを決めました。御社の求人に出会い応募したのも、上司のアドバイスのおかげです。元上司のように、相手の身になって考えることができる人物になりたいと考えております。

面接対策は転職エージェントを活用しよう

転職エージェントは、求人紹介や応募書類の添削だけでなく、面接のアドバイスや模擬面接も行っています。書類選考が通過して、面接が決まったものの回答や伝え方に不安がある場合は、転職エージェントに相談してみましょう。特にオンライン面接は、対面での面接よりも雰囲気やタイミングが掴みにくくなる傾向があります。転職エージェントのキャリアアドバイザーに、話し方や表情などを含めて、面接の答え方へのアドバイスを受けるとより安心です。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。