25歳はちょうど20代の折り返し。キャリア形成について考え始める方も増える頃です。「25歳で転職を検討しているが、転職成功できるのか?」「25歳でキャリアチェンジは可能?」など、転職活動を始めるか悩んでいる方向けに、25歳の転職活動を成功させるポイントをご紹介します。
25歳での転職は遅くない理由
25歳で転職することに対して、「遅いのではないだろうか」「難しいのでは」と不安に感じる方もいるようですが、25歳での転職は遅くはありません。25歳の転職の傾向をご紹介します。
ポテンシャルを期待してもらえる
25歳の場合、企業によってはポテンシャルを期待されて、経験・スキルを満たしていなくても採用される可能性があります。ポテンシャル以外にも、「課題解決力」「調整力」「交渉力」など、どのような環境でも活かすことができる「ポータブルスキル(持ち運びができるスキル)」をアピールするという方法もあります。これまでの経験で培われたポータブルスキルや強みを、自己分析などを通じて明らかにしてみましょう。
経験・スキルをアピールできる
ポテンシャルを期待されて採用される一方で、応募する業界・職種で勤務経験がある場合は、経験・スキルをアピールすることもできるのが25歳前後の転職の特徴です。経験を活かして転職する場合は、即戦力となることを応募書類や面接でアピールしましょう。職務経歴書でアピールする場合は、応募する仕事に共通する過去の経験を探り、職歴欄で強調しておいたり、【活かせる経験・スキル】欄を設けて具体的に記述したりする方法があります。
キャリアチェンジも可能
ポテンシャルを期待されることから、未経験の業界・職種にキャリアチェンジすることも可能です。年齢を重ねると即戦力や専門スキルを求められることが増え、未経験業界・職種への転職が難しくなっていきます。もし興味のある業界や職種があるのであれば、できるだけ早く転職にチャレンジすることで、転身の可能性は高まるでしょう。
なお、リクルートエージェントの発表※では、「異業種×異職種」のパターンで転職した人は全体で36.1%と、3人に1人はキャリアチェンジに成功しています。また、年代別で見ても25~29歳で「異業種×異職種」の転職を実現した人は38.7%と、20~24歳の次に多い結果となっています。このことからも、25歳でのキャリアチェンジは実現可能性が高いと言えそうです。
※『リクルートエージェント』転職決定者データ分析 10年間で起きた中途採用市場の構造変化 「異業種×異職種」転職が約10年間で11.9pt増加、最多に 業界や職種を越えた「越境転職」が加速
25歳が転職成功するためのポイント
では、25歳で転職成功するためにはどのような点を心がければいいのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。
転職理由を明確にする
25歳に限りませんが、転職する際は必ず転職理由を明らかにしておきましょう。例えば「上司が嫌で転職したい」「残業が多い」など、現職や前職の不満解消を理由に転職してしまうと、転職先で同じことが起こったときにまた不満を抱いて退職する可能性があります。転職理由とは、「転職で実現したいこと」です。「不満しか思いつかない…」という場合でも、例えば、「上司が嫌で転職したい」という不満の裏には、「組織として課題を解決したい」という思いがあるのかもしれません。転職活動を始める前に、自分が抱いている不満の裏にある思いや、転職で解決したいことを明らかにしておきましょう。
転職の優先順位をつける
「現職より給与を上げたい」「自分に合った仕事をしたい」「通勤が楽なところがいい」など、転職するにあたり様々な希望条件があるものです。ただ、条件を増やすと、その分マッチする求人は減ってしまいます。希望条件にマッチする求人を探しているうちに、いたずらに時間だけが過ぎてしまうかもしれません。「すべての希望を叶える求人はない」と割り切って、「絶対に譲れない条件」「できれば叶えたい条件」の2つに分けて、キャリアの選択肢をできるだけ広げるようにしましょう。
転職エージェントを活用する
転職エージェントは、求人の紹介から応募書類や面接へのアドバイス、面接日程の調整、条件交渉など、転職成功までサポートしてくれる心強い存在です。特に転職が初めての場合は、転職スケジュールの目安や転職市場の動向など、知らないことが多いものです。転職エージェントは無料で利用できるため、遠慮なく相談してみましょう。オンライン面談を行っている転職エージェントも多いため、足を運ぶことなく気軽にアドバイスを受けることができます。
転職サイトと転職エージェントの違いとは?メリットや活用法を比較
25歳が転職活動する場合の注意点
25歳で転職活動を始める場合の注意点もご紹介します。
勢いで行動しない
ポテンシャルを期待されキャリアチェンジも可能な25歳の転職ですが、だからと言って転職先が見つかる前に勢いで現職を退職してしまうのは避けましょう。もし転職先がなかなか見つからなかった場合、収入がないまま転職活動を続けることになります。自己都合での退職は、雇用保険の基本手当(失業保険)の受給に一定期間がかかるため、金銭面の不安を抱えてしまう可能性があります。お金だけでなく、空白期間が長くなってしまうことの不安から、「内定が出た」という理由だけで意に沿わない転職先を決めてしまう可能性もあります。できるだけ、転職活動は仕事を続けながら行うようにしましょう。
先入観にとらわれすぎない
業界・企業研究をしないまま「あの業界は残業が多いらしい」「あの仕事は華やかで楽しそう」などの先入観で仕事を選んでしまうケースがあります。しかし、業界や職種が同じでも、企業によって特徴や働き方などは大きく異なります。「最初は興味がなかったが、面接で話を聞いてみたら隠れた魅力に気づいて転職を決めた」というケースは多いものです。先入観にとらわれず、選択肢はできるだけ広くして、面接時に自分の目で確認するようにしましょう。
第二新卒扱いになる可能性を考慮する
第二新卒として採用された場合、丁寧に仕事を教えてもらったり、導入研修があったりするなどメリットもありますが、一定期間は責任のある仕事は任せてもらえないというデメリットもあります。すぐに実績を出して経験・スキルを身につけていきたいと考えているにも関わらず、入社後しばらくはサポートなどの仕事が中心になる可能性もあることを、あらかじめ考慮しておきましょう。
転職に迷っている場合はエージェントに相談してみよう
前述した通り、転職エージェントは転職活動をサポートする心強い存在です。キャリアで迷っていることや不安がある場合は、転職エージェントに相談してみましょう。25歳の転職支援実績も数多くあるため、自身と同じような経歴の人がどのようなキャリアを描いているのか聞いてみるのも得策です。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。