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転職したい理由の本音は? 好印象を与える本音の伝え方や例文まとめ

転職 したい 理由

転職したい…と思った時、「こんな理由で転職していいのだろうか」「甘えではないのか」などと悩む人もいるのではないでしょうか。でも、転職したい理由はまさに人それぞれ。どのような理由であれ、自分の本音としっかり向き合い、ポジティブな気持ちへと転換していくことが大切です。この記事では、世の転職経験者がどのようなきっかけで転職を考えたのか、そして、転職したい理由を転職活動でどのように伝えれば良いのかを、人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。

転職したい理由の本音はどんなことが多い?

多くの人が転職を考える「本音の理由」にはどのようなものがあるか、また転職したい理由との向き合い方について解説します。

転職したい理由ランキング

ビジネスパーソンが、転職を考える理由にはどのようなものがあるでしょうか。多くの調査において、転職経験者が「転職を考えたきっかけ」として上位にランクインしている10個の理由を以下にご紹介しましょう。

1.労働条件への不満 ・長時間残業が定着している
・休日出勤が多い
・リモートワークなどの体制がない
2.仕事内容が希望と異なる、合わない ・やりがいがない
・ノルマやプレッシャーがきつい
・キャリアチェンジを希望している
3.年収が低い、上がらない ・労働時間と報酬が見合わない
・成果を出しても昇給がほとんど望めない
4.会社や業界の将来性、成長性に不安 ・現職の業界の成長が頭打ちである
・商品に魅力がない
・他社に追随するのみで独自性がない
5.人間関係の不満、社風に合わない ・上司の厳しいマネジメントがストレス
・若手の意見を汲まない
・和気あいあいとし過ぎて刺激がない
6.将来のキャリアが描けない ・スキルアップできない
・育成体制がない
・希望するキャリアパスがない
7.評価に不満 ・昇進の基準が勤続年数のみ
・プロセスを見ない評価制度で納得できない
・不本意な転勤がある
8.会社の理念や方向性に違和感がある ・売上至上主義で顧客は二の次
・会社の方針がコロコロ変わってついて行けない
9. 会社の雰囲気が悪い、ハラスメントがあった ・できる人を蹴落とす空気が蔓延していて辛い
・パワハラが常態化している
10.ライフステージの変化や家族の事情 ・結婚、出産、育児、介護、配偶者の転勤

転職の理由は人によってさまざまであり、特にネガティブな感情が最初のきっかけとなるケースは多いようです。従って、「自分の理由は適切だろうか」などと不安になったり、自分を責めたりする必要はないでしょう。

転職したい理由は明確であると良い

1つ言えるのは、どのようなものであれ、転職したい理由は明確な方が良いということです。「こんな理由でも良いの?」というネガティブなものであっても、それによって今の仕事に抱えている不満や不安、疑問をひもとくことが、今後の自分のキャリアについて深く考えるきっかけになるからです。

そうではなく、ただ漠然と「知人が転職に成功しているから」「会社が嫌になったから」という気持ちで転職活動をしても、成功にはつながらないでしょう。まず、なぜ今の職場を離れ、新たな職場に移ることを考えているのかという「転職したい理由」をしっかり整理・具体化し、その上で応募企業に明確に伝えられることが大切です。

転職すべきかどうかは理由から考える

実際に転職に踏み切るかどうかは、最終的には自分自身の決断に従うことが望ましいでしょう。ただ、転職したい理由によっては、一度冷静に考えた方が良い場合もあります。

1つの基準となるのは、その理由が自分の努力や工夫で改善できる問題かどうかです。
例えば人間関係の問題は、どのような職場に行っても起こり得ることであり、転職してもまた同じように人間関係に悩むことになるかもしれません。まずは、今の会社で問題を解決できないか探ってみることをお勧めします。
また、仕事内容に不満があったとしても、今の仕事に取り組むことで身につくスキルや築けるキャリアもあるはずです。今後のキャリアパスについて会社に相談したり、独自に目標を設定して挑戦したりすることで、新たな発見が得られ、仕事が楽しくなるかもしれません。

改善策を探ることなく、ただ「今の状況から脱したい」と転職自体を目的化してしまうと、新しい会社でまた不満を抱いて、再び転職を繰り返すことになりかねません。まずは自分の本音としっかり向き合っていきましょう。

転職したい理由は本音ベースで伝えるのがおすすめ

「転職したい理由」は、転職の面接でもよく質問されます。きっかけがネガティブな理由である場合「本音で答えて良いのだろうか」と迷う人が多いでしょう。ここでは、転職したい理由を伝える場合の考え方と、伝え方のポイントをご紹介します。

「うそ」や「建前」は双方ともにプラスにならない

企業が面接で応募者に「転職理由」を聞く目的は、大きく分けて以下の2つです。

  • 入社後の「定着」…入社しても、また同じ理由ですぐに辞めてしまわないかを判断する
  • 入社後の「活躍」…転職する理由となった不満を解消し、自社で希望通りの活躍ができるかを判断する

今回の転職で、応募者がこれまでの不満を解消し、希望の働き方を実現できれば、モチベーションを高く維持し、長く活躍できる可能性が高くなります。逆に、それが叶わなければ、また同じ理由で退職してしまうかもしれません。そのため、転職理由は企業にとって重要な質問とされています。

もし、応募者が本音を隠して建前のみで答えてしまうと、採用担当者には定着や活躍の可能性を判断することができないため、面接が良い結果に結びつかない可能性があります。また、うそや取り繕った転職理由で内定を得たとしても、応募者自身が入社後にミスマッチを感じてしまうかもしれません。

そのため、企業と応募者双方にとって、「本音で」転職理由を伝えることが重要であるといえるでしょう。

本音を裏返せばポジティブな理由になる

「残業が多い」「上司と合わない」など、本音の理由がネガティブな内容であった場合、そのままストレートに伝えてしまうと、採用担当者は入社後の前向きなイメージを持つことができず、マイナス印象となる可能性もあります。

しかしネガティブな理由であっても、伝え方次第ではマイナスではなくなります。
秘訣は「今の不満を解消すれば、どのような働き方が実現できるか」という視点から、転職したい理由をポジティブに言い換えることです。以下に変換例を紹介するので、自分の場合はどのような伝え方ができるかを考えてみましょう。

上司のパワハラ 「風通しの良い職場で、能力を最大限に発揮して働きたい」
仕事が単調でつまらない 「これまでの○○の経験をベースに仕事の幅を広げたい」
休みがなくて辛い 「メリハリのある働き方によってパフォーマンスを上げたい」
ノルマがきつすぎる 「自分が納得できる課題解決を提案し、顧客満足度を上げたい」

やむを得ない理由も正直に話して良い

自分自身の体調不良や、家族の介護、家族の転勤などがメインの理由である場合、応募企業にはどのように伝えれば良いでしょうか。結論から言うと、プライバシー的に問題のない範囲で正直に伝えるのが適切でしょう。ただし、応募する仕事に影響が少なく、「また同じ理由で辞める可能性が低い」と判断してもらえるような伝え方を意識することが大切です。

採用担当者は、応募者の事情が入社後の働き方に影響することを気にします。そのため、業務に影響がない場合は、前職での経緯と共に「現在は業務に支障はありません」と付け加えるようにしましょう。逆に、まだ影響が続きそうな場合は、隠さず正直に伝えることが大切です。例えば「○カ月に一度は検診のために半休をいただきたいです」など、どういった状況でどのような対応が必要になるか、具体的に希望を伝えると良いでしょう。

【ケース別】転職したい理由を答える時のポイントと回答例

面接で「転職したい理由」を質問された時に、ネガティブな理由をポジティブに変換する際のポイントと回答例をご紹介します。

上司との人間関係が悪い

人間関係の問題はどのような組織でも起きうるため、あまりストレートに伝えるのはお勧めできません。個人攻撃にならないよう、組織風土や慣習の問題に置き換えて話しましょう。また、自分の置かれた状況を説明する場合は、客観的な数字を交えて伝えると、感情的な印象にならず、説得力があるでしょう。

回答例

「公平な評価をされる環境で、力を発揮したいと考えました」
「新しい仕事を任してもらえる職場に行きたいと考え、転職を決意しました」
「現職は上司の評価基準が不明瞭で、直近の○年間で部署上位〇%の実績・成果を出しても反映されないという事情があります」

給与が安すぎる

「うちでも給与が上がらなかったら辞めてしまうのではないか?」という不安を採用担当者に抱かせないよう、「給与アップが実現すれば、こんな活躍ができる」という内容にフォーカスしましょう。また、現職の給与が安い事実を説明する場合は、根拠となる具体的な数字を交えることが大切です。

回答例

「家族が増える予定があり、家族に対して責任を果たせる収入を得て、仕事も家庭も充実した中でモチベーション高く成果を出していきたいと考えました」
「入社以来の○年間、毎年A評価を獲得していますが、年収で〇万円上がっただけでした」

労働時間が長すぎる

多くの企業には多かれ少なかれ残業があるので、ストレートに「なるべく早く帰りたい」などと主張するのは避けた方が良いでしょう。前向きな転職理由に変換する際も、プライベートの充実よりは「効率的に成果を挙げたい」といった仕事寄りの内容である方が、採用担当者の納得度は高いかもしれません。

回答例

「重要な業務に集中できる環境で、生産性高くメリハリを持って働き、成果を出したいと考えています」
「現職は、サービス残業をすることを暗によしとする風土で、実質月○時間の残業が常態化しています」

昇進・キャリアアップが望めない

単に「評価制度に納得できない」と言っても、採用担当者は「それは働きが不十分だからでは?」と受け取るかもしれません。評価制度が不満であれば、その現状と、自分なりに結果を残してきたことも事実として伝え、「昇進やキャリアアップで何を実現したいか」というポジティブな言い方に置き換えましょう。

回答例

「○○の実績を残してきましたが、現職は年功序列で、在籍年数によってしか昇進昇格できません。責任ある仕事を早く担当して成長したいと考えました」
「現職では実現できない○○領域の業務を経験し、より専門性を高めたいと思いました」

職場の雰囲気が悪い

人間関係が理由の場合と同様に、個人攻撃は控えたいもの。組織風土の問題として、現状をできるだけ冷静かつ客観的に伝えたうえで、自分がどのような環境で働きたいかをポジティブな表現で語るようにしましょう。

回答例

「現職は、仕事のノウハウを共有して互いに助け合う雰囲気や、建設的なアイディアを汲み取る雰囲気がないため、もっとチームワークで仕事を進めたいと考えています」
「今の会社は年功序列型で、上司や先輩に対して意見や提案をしにくい雰囲気です。年次に関わらずフラットに意見を交換できる環境で働きたいと考えました」

業界・企業に将来性がない

将来性のなさが退職理由である場合、特に同じ業界に応募していると「うちでも同じ理由で早期退職するのでは?」と見られてしまう可能性もあります。「将来性のある会社」に入社したあと、「何を実現したいのか」を主軸に置き換えるようにすると良いでしょう。

回答例

「現職は直近〇年で社員数が〇%減、売上減少、事業所閉鎖等が続いており、守りの仕事がほとんどです。もっと新たな事業に挑戦できる企業でスキルアップしたいと考えました」
「経営方針の変更により担当の○○事業が撤退となりましたが、当該事業の将来性を実感しているため、引き続き携わりたいと考えて転職を決意しました」

転勤が多い

転勤が転職理由である場合は、応募企業に率直に答えて構いません。ただ、転勤だけを理由とせず、キャリアについての考え方や、今後の目標も併せて伝えることが大切です。住居や環境が変わることだけを不満とするのではなく、今の仕事に対する思いやキャリアの継続へのこだわりを伝えましょう。

回答例

「現職は○年ごとに全国○拠点への定期的な転勤があり、従事する仕事も大きく変わります。今は○○業務に集中して取り組み、会社への改善提案で貢献していきたいと考えました」

介護や結婚など家庭の事情

家庭の事情による転職理由も、開示できる範囲で伝えて構いません。その場合は仕事やキャリアに対する自分の考えと、どのように貢献していきたいかも併せて語ることが大切です。また上述のように、業務への影響があるかないか、ある場合はどのような影響があるかを付け加える必要があるでしょう。

回答例

「親の介護をする中で海外赴任の辞令を受けました。会社に相談しましたが、特別扱いは難しいということで、転職を決意しました。○○職に○年間従事しており、介護と両立しながらその専門性を発揮して御社に貢献していきたいと考えています」

転職したいと思ったら、まずは転職エージェントに相談してみる

「転職したいけど、自分も転職して良いのだろうか」と迷ったら、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか?

転職エージェントのカウンセリングでは、第三者であるプロの目を通して相談者の不満や悩みを紐解き、本当の「転職理由」を明らかにしていきます。また、転職市場の相場感から実際に応募することができる求人のアドバイスを受けられるほか、相談者と似た理由で転職した人の事例も聞けるかもしれません。
その結果、転職活動に一歩踏み出す人もいますが、現職に留まって頑張る決心をする人も少なくありません。自分にとってより良い選択をするために、ぜひプロのアドバイスを役立ててみてはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。