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転職したいけど悩んでいる…。転職が怖いと思う理由と迷ったときの判断基準を解説

転職 したい

転職したいと思っても「一歩踏み出すことが怖い」「経験・スキルに自信がないから不安…」「そもそも何がしたいのかわからないのに、転職できるのだろうか」などと悩んでいる人もいるでしょう。転職市場の傾向と転職実現の可能性、転職が怖いと思う理由と対処法、転職するかどうかを判断するポイントなどを組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

「転職したいけど悩んでいる…」スキルやキャリアに自信がなくても転職できる?

スキルやキャリアに自信がないことで転職への不安を感じているという人に向けて、転職市場の傾向を解説します。

転職したくても一歩を踏み出す勇気が出ない人は少なくない

株式会社リクルートが実施した調査によれば、今後の転職意向状況について、20代で転職したいと考えている人は6割を超えている一方、「現在、活動中」と回答する人は約3割にとどまっていました。

また、30代の場合も、転職意向がある人が約6割いるものの、「現在活動中」の人は2割強となっていました。さらに、40代の場合は転職したい人は5割以下で、「現在活動中」の人は1割強、50代の場合は転職したい人は4割程度で「現在活動中」は1割程度にとどまっています。

いずれの世代においても、実際に転職活動を始める人は半数にも満たないため、「転職したいと思っても、なかなか勇気が出ずに一歩を踏み出せない」という人は少なくないことがわかりました。

参考:「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」第1弾 両極化する転職経験。50代も約4割が転職を考えている。 転職先が決まる前に前職を退職している人は4割以上(株式会社リクルート)

未経験の業種・職種に転職する人は増加している

転職支援サービス『リクルートエージェント』の「転職決定者分析」によれば、2022年度の転職決定者の業種・職種の異同パターンを分析したところ、「異業種×異職種」に転職している割合は39.3%となっていました。また、「異業種×同職種」は32.0%、「同業種×異職種」は11.0%という結果に。
全体で見ると、未経験の業種や職種に転職を決定した人は、全体の約8割を占めていました。転職する際には「同業種×同職種」のスキルやキャリアが必ずしも求められているわけではないことがわかります。

転職時の業種・職種異同のパターン別割合推移グラフ

参考:「異業種×異職種」転職が全体のおよそ4割、過去最多に 業種や職種を越えた「越境転職」が加速(株式会社リクルート)

スキルやキャリアに自信がなくても転職できる?

転職の採用選考では、応募企業や応募職種の仕事に対して、自分の強みや経験・スキルをどのように活かせるのかが採用判断の一つのポイントとなります。

専門性の高い経験・スキルがない場合でも、さまざまな仕事で活かせるポータブルスキルなどをアピールすることができます。スキルやキャリアに自信がないと感じている人は、過去の業務経験を振り返り、ポータブルスキルや自分の強みなどを洗い出してみることが大事です。それらを活かし、応募企業や応募職種で活躍・貢献できそうなことを伝えれば、採用に結び付けることも可能と言えるでしょう。

「転職することが不安・怖い…」転職をためらう理由と対処法

ここでは、転職への漠然とした不安や怖さを感じる理由の一例と対処法を紹介していきます。

転職先が見つからないことが怖い

「転職活動を始めても転職先が見つからなかったらどうしよう」「どこからも内定をもらえないかもしれない」という不安や恐れを抱くケースもあるでしょう。

対処法

転職活動を始めてみることで、これまで知らなかった仕事や企業、キャリアの方向性などを発見できるかもしれません。これにより、転職先の選択肢が広がったり、自分では想定していなかった転職先が見つかったりすることもあるものです。

また、企業の選考に落ちてしまうことで「本当に転職できるのだろうか」「転職先が見つからなかったらどうしよう…」などの不安を抱えるケースもあるかもしれませんが、応募書類の改善や応募先企業の選定、面接対策のブラッシュアップなどをしっかりと行えば、内定をもらえる可能性を高められるでしょう。

転職後、新しい人間関係や仕事に馴染めるか不安

「転職先の職場の人間関係に馴染めるのか」「新しい仕事で自分の能力が通用するのか」などの不安を抱える人もいるようです。

対処法

転職活動を始める前から転職後の不安について考えても、取り越し苦労になるかもしれません。実際に転職活動を進めてみた結果、自分に合う環境が見つかる可能性もあるでしょう。また、新しい人間関係や仕事に慣れるまでは一定の期間がかかるため、「一時的につらい時期があっても、それを乗り越えれば楽になる」と考えることもできます。

転職活動を進める中で、面接などで職場の雰囲気や仕事について質問することも可能です。また、企業によっては、先輩社員などに直接話を聞ける面談の場を設けてくれたり、選考過程で職場見学などの対応をしてくれたりするケースもあります。リアルな情報を得て、自分が働くイメージを持てる企業を選択すると良いでしょう。

スキル・キャリアに自信がないため、選考に落ちる気がして怖い

スキルやキャリアに自信がないために、「自分の市場価値を知るのが怖い」「選考に落ち続けたらどうしよう」と感じてしまうケースもあります。

対処法

先に述べたように、専門性のあるスキル・キャリアが特に思い当たらないという場合でも、応募職種に活かせるポータブルスキルが評価されるケースはあります。また、内定をもらえなかった場合でも、自分の市場価値を冷静に見つめなおす機会と捉えることもできます。

むしろ、自分の市場価値を知ることは、今の自分に足りないものを身に付けるきっかけとなるでしょう。今後のキャリアをより良いものにするための機会と捉えてみることで「怖い」という気持ちも解消できるかもしれません。

今の仕事と転職活動を並行できるか不安

在職中に転職活動を進める場合は、現職の仕事と並行することが必要なために「多忙な中で転職活動を進めていけるのだろうか」「転職活動が長引いたらモチベーションを維持できないかもしれない」などの不安を感じる人もいるようです。

対処法

転職活動にかかる一般的な期間の目安は、準備から内定・退職まで含め、3カ月程度です。事前準備から応募までに2週間、面接から引継ぎや退職まで2カ月余り(9週間)の期間がかかることが一般的ですが、早ければ1カ月で内定を得るケースもあります。この期間を乗り切る意識を持てば、転職活動のモチベーションを維持できるかもしれません。

在職中の転職活動に不安を感じている場合は、転職エージェントを活用すると良いでしょう。応募書類の作成や面接対策などのサポートを受けることも可能ですし、応募企業との面接日程の調整などのサポートも任せられるので、負担を軽減できるはずです。

転職を何度も繰り返すことになるのが怖い

転職をすでに経験している人に多いケースと言えるでしょう。「転職しても、また転職することになるかもしれない」と不安を感じてしまうことがあるようです。

対処法

意図しない転職を繰り返さないためには、転職準備をしっかりと行い、自分にマッチする企業を選ぶことが重要です。転職の目的や転職先で実現したいことを明確にした上で、企業研究を進め、自分に合う企業かどうかを検討しましょう。

どんな仕事がしたいかわからないまま転職するのが不安

「どんな仕事がしたいかわからない」と感じながらも、今の仕事や職場に不満があり、「リセットするために転職したい」と考えるケースもあるでしょう。転職の目的を明確にできていないために、「次の転職先も合わなかったらどうしよう」と感じて漠然とした不安を感じてしまいやすいでしょう。

対処法

今の仕事や職場に対して、どのような不満があるのかを書き出すことから始めてみるのがおすすめです。不満に対し、「どのような仕事内容や職場環境があれば解消できるか」を考えてみることで、転職先に望むことや転職の目的などを明確にしやすくなるでしょう。

「転職するかどうか」迷ったときの4つの判断ポイント

転職するかどうかを判断するポイントとして、4つの例を紹介します。

1:転職することでしか今の不満を解消できない?

現在の職場への不満から「転職したい」と衝動的に思うケースもありますが、こうした場合は「何が不満なのか、それを解消できる方法はないか」を考えることがまず大事です。

例えば「人間関係が悪い」「やりたい仕事と違う」などの場合は、苦手な相手との関係性を構築するためにコミュニケーションを工夫したり、自ら部署異動を申し出たり、興味のあるプロジェクトに参加したりするなどの行動で不満や悩みを解消できる可能性もあります。

また「給与・待遇が不満」「ワーク・ライフ・バランスの環境が不満」などの場合は、現職の昇給制度でどの程度の給与アップが見込めるのか、自分がスキルアップすることで残業を減らせるのかなどを考えてみることも大事です。
一定の期間、現職のまま頑張ってみることで不満を解消できるケースもあるので、まずはその方法がないかを探してみましょう。場合によっては、現職のままで改善を試みるほうが有効なこともあります。

2:転職することで自分の希望を実現できる?

転職する目的を明確にせず、現職への不満のみを理由に転職した場合、ミスマッチな企業を選択して後悔するケースもあります。

現在の仕事や職場への不満が理由で転職したい場合でも、そこから「転職先で実現したいこと」「転職する目的」について考えてみることが大事です。これをもとに「転職先に望む希望条件」を明確にしていけば、今後の転職活動でより納得できる企業を探せるようになるでしょう。

転職で実現したいことの一例を以下で紹介するので、参考にしてみましょう。

【転職で実現したいことの一例】

  • やりたい仕事に挑戦したい
  • ワーク・ライフ・バランスを改善したい
  • 人間関係の良い職場で働きたい
  • 給与アップしたい
  • 正当な評価を受けたい
  • スキルを身に付けたい
  • ライフプランに合わせて柔軟な働き方がしたい
  • 目指すキャリアを実現したい

3:このまま働き続けた場合、ストレスはどのくらい?

「転職したいけど、今の安定した生活や収入を手放すことは不安」「転職活動そのものが大変そうだから、なかなか動けない」と感じる人もいるでしょう。

こうした場合は、「今の仕事の中で、日々、どのようなストレスを感じているのか」「今後も続けていく場合、そのストレスに耐え続けることができるのか」を考えてみることも大事です。その結果、「やっぱり耐えられない」と思った場合は、転職を検討してみることもおすすめです。

4:5年後、10年後の自分の姿は?

5年後、10年後などの将来に「なりたい姿」をイメージしてみましょう。中長期的なキャリアの目標や、理想のライフスタイル、実現したいライフプランなどを考えた上で、「今の会社ではその実現が難しい」と感じた場合は、転職を視野に入れることもできます。

また、「転職しないで現職を続けた場合の10年後の姿」もイメージし、今の会社でどのような働き方をしているのか、どのようなキャリアを築けるのかも考えてみましょう。経験やスキルを積み重ねていく中でやりたい仕事ができるようになったり、給与や待遇、ワーク・ライフ・バランスなどを納得いくものにできたりする可能性があります。

「転職したいけれど何がしたいかわからない」どうすればいい?

「転職先で実現したいこと」「転職の目的」を整理し、どのような職種・仕事ならそれを実現できそうか考えてみると良いでしょう。下記のポイントを参考にしてみましょう。

【転職先を考える際のポイント】

  • 自分が好きなこと、得意なことなどを考え、それに重なりそうな職種・仕事を探してみる
  • 自分の経験・スキルを活かして活躍・貢献できそうな仕事を考え、その中で興味を持てる領域を探してみる
  • 5年後、10年後にどのような自分になっていたいかを考え、それが実現できそうな職種・仕事を探してみる

「自分では整理できない」という場合には、転職エージェントで自己分析のサポートを受ければ、転職の目的を明確化できることもあります。また、転職の目的にマッチする仕事や職種についてアドバイスもしてくれるため、自分にはない視点の新しい選択肢が見つかるでしょう。

転職したくなったらまず何をするべき?

転職したいと思ったときにやっておきたいことを紹介します。

キャリアの棚卸し・自己分析を行う

まずは、キャリアの棚卸しで、これまでの業務内容から経験・スキルを洗い出し、自分の強みを明確にすることが大事です。また、自己分析を行い、自分が転職先に望むことや転職で実現したいことを明確にしておきましょう。

「どうやって進めればいいのかわからない」という場合は、キャリアの棚卸しのやり方や自己分析のやり方を紹介する記事を参考にしてみると良いでしょう。

情報収集・転職市場の相場観を把握する

転職サイトやハローワークなどで求人情報を調べてみましょう。どのような仕事があるのか、どういった条件で、どのような人材を求めているのかを知ることができます。転職市場の相場観がわかり、転職できる可能性があるかどうかも把握しやすくなるでしょう。

転職エージェントにキャリア相談をしてみる

何から始めればいいかわからない場合は、転職エージェントに登録してみるのもおすすめです。転職エージェントでは、キャリアアドバイザーとの面談で、転職先に求めることを明確にしたり、キャリアの棚卸しのサポートを受けたりすることもできます。また、希望に合う求人を紹介してくれるため、転職市場の相場観の把握や情報収集にも役立つでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2023年02月15日
記事更新日:2024年07月17日
記事更新日:2025年02月17日 リクルートエージェント編集部

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