履歴書の志望動機を書く際に「何を書けばいいのかわからない」「アピールできる書き方を知りたい」と悩む人は多いかと思います。
本記事では、志望動機の書き方に悩む人に向けて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が志望動機の書き方や評価のポイントを解説いたします。
また職種別、シチュエーション別の志望動機の例文も紹介しているため、ぜひ志望動機を作成する際の参考にしてみてください。
【全55種】志望動機の例文集
本項目では、志望動機の例文集を職種別・ニーズ別に紹介します。
職種別:志望動機の例文
ここでは、職種別に志望動機の例文を紹介しています。
志望動機の例文や書き方のポイントを参考にしてみましょう。
【営業・販売・カスタマーサービス】志望動機例文一覧
営業(有形商材)/営業(無形商材)/広告営業/派遣コーディネーター/リクルーティングアドバイザー/販売職
【企画・マーケティング・経営】志望動機例文一覧
マーケティング(経験者)/マーケティング(未経験者)/マーケティング(商品企画)/広報/Webマーケティング
【人事・総務・経理・事務】志望動機例文一覧
人事職/総務職/経理職/総務事務/経理事務/医療事務/一般事務/貿易事務/人事事務/金融事務/学校事務/営業事務(経験者)/営業事務(未経験者)/秘書
【コンサルタント】志望動機例文一覧
コンサルタント/採用コンサルタント
【IT技術職】志望動機例文一覧
IT業界全般(未経験も含む)/SE・ITエンジニア/サービスエンジニア(経験者)/サービスエンジニア(未経験者)/インフラエンジニア(経験者)/インフラエンジニア(未経験者)/社内SE/プログラマー(経験者)/プログラマー(未経験者)/Webデザイナー/Webディレクター
【建築・土木・設備】志望動機例文一覧
研究・設計職/生産・品質管理職/サポートエンジニア(経験者)/サービスエンジニア(未経験者)/製造業(経験者)/製造業(未経験者)
【その他(講師・調理師・介護など)】志望動機例文一覧
大学職員/介護職(経験者)/介護職(未経験者)
ニーズ別:志望動機の例文
志望動機を作成する際は、応募するポジションや企業の特性、志望目的や理由などを踏まえることも大切です。自分のニーズに合わせ、下記より参考となる記事を確認しておきましょう。
マネジメントポジションに応募する場合の志望動機例文
外資系企業に応募する場合の志望動機例文
第二新卒転職する場合の志望動機例文
未経験職種・未経験業界に転職する場合の志望動機例文
未経験業界×経験職種/経験業界×未経験職種/未経験業界×未経験職種
目的・理由別の志望動機例文
志望動機の書き方で大切な3つのポイント
志望動機の書き方で重視したい大切なポイントは、次の3点です。
- 志望動機の書き出し
- 志望動機の文字数・構成
- 志望動機の締めくくり
1つずつポイントを押さえるとともに、まとまりのある文章に仕上げましょう。
ポイント1:志望動機の書き出し
志望動機の冒頭には、志望動機の結論となる「なぜこの会社を選んだのか」を書きましょう。「貴社を志望する理由は◯◯だからです」のように、明瞭かつ簡潔な一文になるよう意識することがポイントです。
冒頭となる「書き出しの一文」が曖昧・抽象的な内容になってしまうと、採用担当者は「なぜ自社を志望するのか」を把握しにくくなってしまいます。もし応募者が多い場合、採用担当者の興味・関心が他の応募者に移ってしまう懸念も考えられるでしょう。
志望動機の書き出しは、採用担当者の視点を意識し、志望理由をすぐに把握できる一文を一考しましょう。
なお、志望動機の書き出しの例として、次の3つのパターンがあります。自分が伝えたい内容に重なる項目を参考にしてみてください。
【パターン1】志望理由をシンプルに伝える
「貴社を志望する理由は◯◯だからです」
<パターン1の志望動機書き出し例>
「私が貴社を志望したのは、幅広い業界のお客様に向けた提案営業にチャレンジしたいと考えたためです」
「貴社を志望した理由は、社会に大きな影響を与えるサービスに携わりたいと考えたからです」
【パターン2】これまでの経験をもとに入社後に取り組みたいことを伝える
「前職(現職)の○○の経験を活かし、△△に挑戦したいと考えました」
<パターン2の志望動機書き出し例>
「現職の中小企業向け法人営業の経験を活かし、今後は大手企業のお客様にも提案力を発揮していきたいと考えております」
「これまでエンジニアとして磨いたスキルをもとに、プロダクトマネジメントに挑戦していきたいと考え、貴社を志望いたしました」
【パターン3】応募企業に感じた魅力を伝える
「貴社の〇〇に魅力を感じて志望いたしました」
<パターン3の志望動機書き出し例>
「貴社の○○事業における〇〇の商品力の強さと今後の成長性に大きな魅力を感じました」
「貴社のビジョンである○○を次々と実現していく事業展開に強く惹かれました」
ポイント2:志望動機の文字数・構成
履歴書に記載する志望動機の長さは、200〜300文字程度を目安にしましょう。
多くの場合、採用担当者はたくさんの応募書類に目を通しています。結論が見えず文字数の多い志望動機は、読みにくさや理解しにくさなどの観点から採用を見送られてしまう恐れがあります。採用担当者の関心を惹けるよう、伝えたいことを簡潔にまとめることが大事です。
しかし、反対に志望動機が記入欄の半分にも満たない場合は、志望度が低いと捉えられてしまうかもしれません。記入欄の7割以上を目安に文字数を調整しましょう。
また志望動機を作成する際には、以下の構成を参考にしましょう。
(1)結論となる志望動機
(2)背景・理由と、根拠となるエピソード
(3)入社後の活躍・貢献イメージ
(1)なぜこの会社を選んだのか」という結論を冒頭に記載することを念頭に置き、これまでの経験・スキル・実績と重なるような接点と想いを簡潔に伝えます。応募企業や募集要項をしっかりと調べることで様々な接点が見えてくるでしょう。
(2)(1)で伝えた結論の背景と根拠となるソードを伝えます。数字や募集要項にリンクするキーワードを交えると具体性が増すでしょう。
(3)最後に入社後に成し遂げたいことを書き添えます。理由や今後のキャリアプランと合致している内容であることはもちろん、会社の事業計画やビジョンに沿った内容に書き上げることもポイントです。
ポイント3:志望動機の締めくくり
志望動機の締めくくりには、入社後どのような活躍や成果の創出が期待できるのかを採用担当者がイメージできる一文を記載します。
下記は、志望動機の締めくくりの例文です。
貴社に入社後は、現職の経験を活かして管理職向け研修領域で成果を出しながら、より上級管理職や経営陣向けのサービス提案をできる力を身につけて貢献していきたいと考えております。
会社は自己実現のみのためにある場ではないため、自分が入社することで組織や事業にどう貢献できるかを書きましょう。
なお志望動機の締めくくりを書く際は、下記ポイントにも留意しましょう。
- 自分の強みや経験を活かせる内容になっているか
- キャリアに対する価値観・姿勢に合致しているか
- 求める人材像にマッチしたビジョンになっているか
志望動機のまとめ方のポイント3選
志望動機を書きまとめる際は、次の3つのポイントを意識することが大切です。
- 「その企業だからこそ実現できること、実現したいこと」を書く
- 避けたほうがよい志望動機になっていないか確認する
- 募集要項の内容と関連度の高い内容にする
ポイント1:「その企業だからこそ実現できること、実現したいこと」を書く
志望動機では「その企業だからこそ実現できること、実現したいこと」を書くことが大事です。どの企業にも該当するような志望動機は「他社でもいいのでは?」と思われてしまう場合もあります。
商品(サービス)やビジョン、創業者や経営者の想いなど、応募企業の独自性に着目し、志望動機に絡めて書き上げるようにしましょう。
ポイント2:避けたほうがよい志望動機になっていないか確認する
避けたほうがよい志望動機は、次の通りです。
- 退職理由と志望動機に一貫性がない
- 志望動機が条件面だけに偏っている
- 自分が実現したいことだけの内容になっている
- 前職(現職)で感じていた不満を書いている
退職理由と志望動機に一貫性がない志望動機は「その場しのぎの動機」「志望理由が曖昧」などの判断につながる恐れがあります。再度、転職に向けた自分の考えを整理してみましょう。
また福利厚生や給与など、条件面だけに惹かれた内容に偏っている場合や自分が実現したいことだけの動機に留まり、企業に貢献できることに対して言及していない志望動機は、定着性や入社後の貢献度を疑われるかもしれません。
その企業だからこそ実現したいことや、自分が発揮できる力や貢献できることなどを掘り下げていくと良いでしょう。
前職(現職)で感じていた不満をそのまま志望動機にしている場合、ネガティブな印象を与えかねません。言い回しを変えるだけもポジティブな印象を与える内容に作り替えることができるでしょう。
例えば「前職の個人で成果を挙げる働き方が合わないと感じ、チームで仕事を進める貴社を志望した」という志望動機は、「チームで連携してお客様により良い提案をしていきたいと考えた」と書き換えられるでしょう。
入社後に実現したいことにつながる書き方を意識してみてください。
ポイント3:募集要項の内容と関連度の高い内容にする
募集要項の詳細を確認し、関連度の高い志望動機に仕上げることも重要です。
どんなに経験豊富な優秀な人材であっても、新しく採用したい人材の要項や条件と、応募者が貢献したい・活躍したい方向性が違えば、採用を見送られてしまうでしょう。
志望動機を書く際は、企業が今回募集する人材に対しどのような期待を抱いているのか募集要項から読み解くことがポイントです。募集要項から求める人物像を読み解き、志望動機を通じてターゲット像に近い人材である旨をアピールしましょう。
履歴書に書く志望動機のよくあるQ&A
履歴書に書く志望動機のよくあるQ&Aを紹介します。
志望動機を書く前に一読しておくと書き方の理解が深まり、スムーズに書き進められるようになるでしょう。
Q.自己PRと志望動機の違いは?
A.自己PRは、自分の強みや長所をアピールする項目です。一方の志望動機は、なぜ応募したのかという理由を明瞭に伝える項目です。自己PRでは、募集要項に合致している旨を伝えたり、他の応募者と差別化を図れる強みや長所を訴求したりすることを目的に置き内容を考えてみましょう。志望動機は、企業研究の成果をベースに「いかにその企業に興味があるか」を伝えることが大事です。
Q.面接で話す志望動機は履歴書と同じでもいい?
A.面接で話す志望動機は、履歴書と同じ内容が好ましいでしょう。
反対に面接で話す志望動機と履歴書に記載の内容が異なる場合、「一貫性がない」と判断され、面接での印象もネガティブな評価になってしまう懸念が考えられるでしょう。面接では履歴書に記載した内容をベースにより詳細な志望動機を伝えられるよう、練習しておきましょう。
Q.志望動機を書ききれない場合はどうする?
A.伝えたいことに優先順位をつけ、削れる要素がないか見直してみましょう。
履歴書に書ききれない場合は、面接の場で補足したり、職務経歴書に記載したりする方法もあります。
Q.志望動機が見つからない場合はどうする?
A.一人で志望動機を考えられない時は、転職エージェントを活用するのも1つの方法です。転職支援のプロならではの客観的なアドバイスを期待できるでしょう。
またキャリアの棚卸しや企業研究をしても志望動機が見つからない場合は、応募企業そのものがマッチしていない可能性もあります。応募先を再検討することも考えておきましょう。
Q. 転職活動で書く志望動機は、新卒の就職活動と何が違う?
A.中途採用の場合は、即戦力となる人材を採用する傾向が強いため、志望動機もこれまで培ったスキル・経験を以てどのように貢献できるのかという点が重視されます。一方、新卒採用では、社会人として働いた経験がない人材が大半を占めます。そのため採用担当者は経験やスキルを活かした貢献・活躍よりも志望度の高さや価値観・仕事観のマッチ度を判断しています。
転職活動では、ポテンシャルよりも実務経験やスキルをベースに入社後どう活躍・貢献できるのかをアピールすることを意識しましょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事更新日:2022年11月18日
記事更新日:2023年09月29日
記事更新日:2024年12月02日 リクルートエージェント編集部