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自己PRの書き方は? 通過する自己PRをテンプレートと例文ですぐ作成できる!

職務経歴書 英語

転職活動の自己PRを応募書類に書く際「そもそも自己PRの書き方がわからない」「なかなか選考に通過しない理由がわからない」などの悩みを抱えている人もいるでしょう。今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、自己PRの目的や評価される点、書類選考に通過するために意識したい自己PRの書き方などを伺いました。自己PRのテンプレートと例文を使えばすぐ作成できるので、応募書類の作成に役立てましょう。

企業に評価される自己PRとは?

まずは自己PRの目的や企業に評価されるポイントを解説します。

自己PRの目的を理解しよう

自己PRは企業に自分をアピールするためにあるものです。そのため、自分の長所や強みをそのまま伝えるのではなく、応募企業が求める人材像にマッチする内容を伝え、入社後、どのように活躍・貢献できるのかまでアピールすることが大事です。

応募企業、応募職種、入社後の職場で発揮できる自分の経験・スキルを簡潔にアピールし、「採用のメリットがある人材」であることをしっかりと伝えるように意識しましょう。

採用担当者が自己PRを評価するポイント

自己PRのどのような点を見られているのかを把握しましょう。

「経験・スキル」が募集要件にマッチしている

書類選考では、応募者の経験・スキルが募集要件の水準を満たしているかを見られています。これまでの業務でどのような経験をしてきたのか、どのようなスキルを身に付けているのかを確認し、業務を遂行できる能力があるかどうかを判断しているでしょう。また、応募企業が求めている人物像にマッチしているかどうかも確認し、選考通過の判断材料としています。

「企業文化や職場との相性」で定着性も評価する

長く定着・活躍してくれそうな人材であることも採用のポイントになります。そのため、自己PRのエピソードを通じて、応募者の人間性や価値観、仕事に取り組む姿勢、仕事の進め方なども見られています。自社の企業文化や、入社後に働く職場との相性などとマッチしている点をアピールすることで選考通過の確率を高めることができるでしょう。

自己PRの書き方がわかるテンプレート

以下のテンプレートの「○○」に、自分の強みやエピソードを当てはめてみましょう。

<自己PRのテンプレート>
(1)結論となる「強み」
私の強みは〇〇だと考えております。

(2)根拠となる「具体的なエピソード」
現職(前職)では○○の業務において、○○に取り組む経験をしました。その際、○○が課題であると考え、自ら○○や○○を進めていく中、○○という壁にぶつかり、○○や○○などの工夫をしました。
その結果、○○を達成でき、周囲から○○という評価を受けることもできました。

3)強みを活かして「貢献・活躍できること」
この経験を強みとし、貴社に入社後は○○領域で○○に役立つ力を発揮し、○○に貢献していきたいと考えております。

テンプレートを使った自己PRの例文

テンプレートを使った自己PR例文を「職種別」「アピールポイント別」「シチュエーション別」に紹介します。自分に重なる例文を確認し、どのような書き方をしているか参考にしてみましょう。

職種別の自己PR例文・強みを「信頼を得る力」とする場合

営業職、マーケティング職の自己PR例文を紹介します。どちらも強みを「信頼を得る力」としています。信頼を得るための誠実さや責任感、課題解決力、やりぬく力、行動力、改善・成長意欲、実行力、主体性などから考えてみると良いでしょう。

例えば、「信頼を勝ち取る課題解決力」「信頼を早期に得られる行動力」「社内外の信頼を得る実行力」「顧客の信頼を勝ち取る誠実さ」「役職者の信頼を得る責任感」「強い信頼関係を築くための改善力と実行力」などの表現ができます。

例文【営業職・信頼を得る力】

私の強みは、戦略的な営業で信頼を獲得する力だと考えております。

現職では大手企業に向けた基幹システムの提案営業を担当し、技術部門やサポート部門なども巻き込んだ部門横断型の受注プロジェクトでリーダーも務めました。注力顧客の大規模案件を受注するため、現状のみならず、将来の事業成長にも寄与できる未来図を先回りして提案しようと考え、各部門と連携して提案内容を練り、技術者や部課長、役員にも提案に同行してもらう体制を構築。自社内組織の力を結集して他社と差別化した提案を行い、顧客先の多様な層にアプローチして信頼を獲得したことにより、○円規模の大型案件の受注に成功しました。

この経験を強みとし、大手企業を顧客とする貴社に入社後も、戦略的アプローチと顧客の信頼を獲得する営業力を活かし、事業成長に貢献していきたいと考えております。

ポイント解説

大企業向け営業として、中長期的な時間的展望を持っている点、顧客ニーズを深く把握してアプローチできる戦略性や計画性、社内外をプロジェクトに巻き込めるリーダーシップがある、といったことが伝わります。環境が変わっても社内外から信頼され、仕事を進めていけるビジネスパーソンとして評価されるでしょう。

例文【マーケティング職・信頼を得る力】

私の強みは、現場との連携を通じた課題解決で信頼を得る力だと考えております。

前職では、流通系企業のマーケティング担当として販売促進アプリの改善やデジタルとリアル店舗マーケティング活動の連携に取り組みました。
当時、販売促進アプリは売上貢献にもユーザー評価にもつながっておらず、現場からも苦情を受けました。そこで、自らアプリ利用の定量データ分析やユーザー調査を行い、店舗現場と直接議論して課題を抽出・可視化した結果、アプリの操作性の改善が課題だと判明。アプリの全面刷新プロジェクトを提案し、実現に漕ぎ着けました。これにより、ユーザー利用率は○%増、満足度も向上。本社と現場の信頼関係も深まり、連携プロジェクトなども推進するようになりました。

この経験を強みとし、貴社に入社後は、データ分析力と共に現場からの信頼を得る力を活かし、消費者ニーズに応える施策の企画・実行に貢献していきたいです。

ポイント解説

2次情報・3次情報に頼るのではなく、現場の1次情報を得る行動力や、現場からの苦情に対しても真摯に向き合う人間性があることが伝わります。現場と信頼関係を構築することを通じて課題解決しただけでなく、組織全体の連携強化による成果も生んでいるため、より評価されるでしょう。

アピールポイント別の自己PR例文

アピールポイントを「協調性」「コミュニケーション力」とするそれぞれの例文を紹介します。

仕事において「協調性」を発揮できる人材とは「他者と良好・適切な関係性を構築し、協働する力を発揮して成果に結びつけられる力」を持っていると言えます。社内外でかかわるさまざまな立場の人と信頼関係や協力関係を築くだけでなく、その力を発揮して物事をスムーズに進めたり、目的達成などの成果を挙げたりした経験を伝えることで「協調性を発揮して、仕事で活躍できる人」として評価されるでしょう。

「コミュニケーション力」とは、おおまかには「人と意思疎通できる能力」であり、「人と関係性を築く能力」とも言えます。具体的には「聞く力」「伝える力」「連携する力」という3つの力に分類されます。相手の話に耳を傾けて理解するための「聞く力」、自分の考えを相手に理解してもらうための「伝える力」、そして、説得・交渉して協力を仰ぐための「連携する力」により、円滑にビジネスを進められる人材として評価されるでしょう。

例文【営業職・協調性】

私の強みは、チーム全体の営業力を底上げする協調性だと考えております。

現職では、営業職6名のチームに在籍していますが、若手メンバーが多く、チームの営業成績に波がありました。各メンバーがバラバラに活動し、情報共有・成功事例も共有されず、相互サポートができていない点が課題だと考えました。そこで、マネジャーに提案し、チーム内の勉強会や研修を週次で開催し、2名ずつのペア営業の導入を通じて、チーム全体の営業力強化を図ることにしました。意欲の低いメンバーにも意図やメリットを説明して理解を深め、率先して勉強会をリードしていくうち、チームの営業成績も安定向上し、年間の達成率が○%アップし、メンバー全員も目標達成できました。

この経験を強みとし、貴社に入社後は、個人の営業成績を伸ばすことはもちろん、チーム全体に働きかけて営業力の向上や成果を出すことに貢献していきたいと考えております。

ポイント解説

個人の成果を追求する傾向のある営業職において、チームの底上げを自発的に行う行動力を発揮したことにより、将来的な管理職候補としての素養や適性があることがイメージできます。また、営業力強化を図る取り組みの中で、営業ノウハウを言語化しつつ、向上を図った点も営業としてプラスに評価されるでしょう。単に周囲と関係性を構築したではなく、売上達成などの目標に向けて動いたことまで伝えている点がポイントです。

例文【営業職・コミュニケーション力】

私の強みは、顧客の課題を深く捉え、効果的な解決策を伝える力だと考えております。

前職では、ITサービスの新規開拓営業を担当し、中長期的な課題解決に向かう提案なども経験しました。製造業のお客さまに向け、業務効率化システムを導入した案件では、自社サービスの機能面は充実していても、競合他社より価格が約○%高い点が導入のネックになっていました。そこで顧客に課題のヒアリングを行い、それをもとに3年後・5年後の中長期的な導入効果を可視化。顧客の現場でどういった生産性改善や働き方改革・離職率の改善などが起こるかをストーリーで訴求し「システム導入によって、顧客が抱えている課題を解決できる」と具体的に伝えたことで、受注に成功しました。

この経験を強みとし、価格や機能などのスペック面での営業ではなく、顧客目線で潜在的な課題を捉えて解決策を伝える力を活かし、貴社の営業利益向上に貢献したいと考えております。

ポイント解説

機能やコストなどから商品を訴求するのではなく、顧客の課題に対して的確な解決提案を行っている点がポイントです。さらに、顧客の立場になって、どのように伝えたら納得・共感を得られるかを考える創意工夫で、提案内容をよりブラッシュアップした点が高評価につながるでしょう。「聞く」「伝える」「連携する」の3つの力を意識し、得意とすること・成果につながったことをわかりやすく伝えています。

シチュエーション別の自己PR例文

「未経験者」「経験者」「リーダーポジション」というシチュエーション別に、職種を「ITエンジニア」、強みは「向上心」とした例文を紹介します。

向上心とは「現状に満足せず、より高いものを目指して努力するスタンス」のことを意味します。また、成長意欲の高さや、自ら目標を設定し、達成に向かう努力ができる姿勢などを表現する際にも使われます。自己PRでは、個人の目標だけでなく、組織全体に貢献して高みを目指すスタンスを示すことでより高い評価につなげることができます。

ただし、向上心について、姿勢や意欲のみを示すだけでは説得力に欠けるため、エピソードを通じて、具体的な行動と成果・実績を伝えることがポイントです。また、自己成長のみを目的としていたり、個人のミッション達成のみに注力していたりする様子が全面に出ている場合は、組織全体とのバランスが取れなくなることを懸念される可能性もあるので注意しましょう。
同じ職種、同じ強みを自己PRする場合でも、シチュエーションに合わせてアピールする内容を変えていくことがポイントです。

例文【ITエンジニア・未経験・向上心】

私の強みは、目標に向かって新しい物事を学び、行動する向上心だと考えております。

前職で、SIerの営業職を勤める中、提案したシステムの導入で顧客の業務がより良く改善されていく喜びを実感しました。営業ではなくエンジニアとして、自分の技術で顧客の課題を解決したいと考え、新たなキャリアを構築していきたいと考えるようになりました。そこで、社内のエンジニアから技術面の知識を積極的に学び続け、個人的にもプログラミングスクールに1年通いました。その後、副業で簡単な開発案件を請けながら、自らの技術力を向上させる努力を続けています。

貴社に入社後は、自ら学んで行動していく向上心を活かし、技術力を磨いていきたいと考えております。営業職で身に付けたコミュニケーション力や顧客目線、業界知識、業務理解力、システム知識も活かし、顧客が求めるシステムの実現に貢献していきたいです。

ポイント解説

実務経験に基づく志望動機と結びつけてアピールすることで、未経験でも説得力のある自己PRができています。また、自主的に学んできたことを具体的に書いているため、意欲の高さや行動力があることも伝わります。未経験からでも学んで成長していける人材としての根拠があるため、評価されるでしょう。

例文【ITエンジニア・経験者・向上心】

私の強みは、全社システム変革プロジェクトに挑戦した向上心だと考えております。

現職では、ITサービスの開発エンジニアを務め、複数サービスのシステムを全社的に変革・平準化するプロジェクトを経験しました。ミッションは、サービスごとに異なる顧客特性、技術戦略、アーキテクチャ、組織体制を平準化し、コスト増や組織の縦割り化などの問題を解決すること。未知の領域に取り組む不安はありましたが、自身の成長のためと前向きに捉えて挑戦しました。
各プロダクトマネジャーにシステムのリアーキテクト、技術負債の解消、組織体制の見直しおけるメリットを伝えて理解を深め、現在、プロジェクトの進捗率は80%を超えています。システム運用コストは大幅に削減し、エンジニアのスキルやエンゲージメントも向上しています。

身の丈を越えるプロジェクトも成長の機会と捉えて挑戦する向上心を活かし、貴社の開発部門の成長に貢献していきたいと考えております。

ポイント解説

向上心・成長意欲・学ぶ意欲の高さだけではなく、経験者としての具体的な実績・事実を伝えている点が評価のポイントになります。難易度が高いミッション、経験のない仕事に対しても、自身を成長させることができる機会と捉えて向上心高く取り組み、ITエンジニアとして成長していることが伝わります。現状よりさらに高みを目指す向上心の強さは、専門性を追求するキャリアにおいても、マネジメントの道に進むにしても、素養・適性があると判断されるでしょう。また具体的なエピソードでは、別の環境でも再現性がある成功体験を伝えているため、入社後にも活躍するイメージができます。

例文【ITエンジニア・リーダー・向上心】

私の強みは、目の前の課題解決をするだけではなく、より良い状態を実現する向上心だと考えております。

前職ではITエンジニアを務め、社内ITチームのリーダーとして全社のITツール管理プロジェクトも経験しました。DX化推進により、各現場では多様なITツールが導入されていましたが、ツールの多さが混乱を招き、業務効率が低下している点が課題となっていました。
社内IT部門で一元管理するために、個別で導入されていたツールの整理や、今後の選定・導入・運用ルールの決定などに携わり、より効率的かつコストパフォーマンスを高めるIT基本計画の立案・実行を行いました。これにより、全社で年間●時間の業務効率化を実現。ツールの取捨選択によりコストも年間●万円削減できました。

複雑に絡み合った社内状況の分析と課題解決にとどまらず、組織が目指す姿を描いて実現していく向上心を、貴社の開発チームの体制構築にも活かしていきたいと考えております。

ポイント解説

リーダーポジションへの転職を目指す際には、個人の業務における観点だけではなく、組織全体に対する観点で行動したことまで示すことが大事です。
現状の混乱状態を解決することに終始するのではなく、リーダーの目線で「組織としての将来の姿」を想定している点がポイントです。描いたゴールに到達するための計画立案や実行を行ってきた経験がある点、組織としての観点を持って仕事に取り組んできた向上心は評価されるでしょう。

一言PRの例文

応募書類で一言PRを求められることはほぼありません。しかし、面接で聞かれることも想定し、自己PRを作成する際に一言PRも合わせて考えておくと良いでしょう。

面接で一言PRを求めるパターンはおおまかに2つあります。
1つ目は、自己PRに回答した後に「あなたを一言で自己PRしてください」と、一言で表す自己PRを求められるケースです。背景としては、簡潔に自分の強みをアピールできていない可能性があります。こうした場合は、自己PRで話した内容がより明確に伝わるよう「見出し」のようなイメージで端的に伝えることが大事です。

2つ目は、面接を終了する直前に「最後に自己PRを一言どうぞ」と言われるケースです。こうした場合は「何か伝え残したことはないか」を聞かれているので、入社への意欲とアピールしたい強みを結びつけて伝えましょう。

「あなたを一言で自己PRしてください」と言われた際の回答例文

「達成困難な目標でも絶対に諦めない責任感があります。この強みを活かし、行動力と実行力を発揮して常に目標達成に向かうことができます」
「ゼロベースで課題解決を行う強みがあります。分析力、探求心、広い視野、論理的思考力を大切に、貴社の課題解決に貢献していきたいです」

「最後に自己PRを一言どうぞ」と言われた際の回答例文

「面接の中で伺った○○という企業理念に強く共感しました。困難な目標でも絶対に諦めない責任感を活かし、御社のビジョンを一緒に実現していきたいと思っております」
「今回の面接を通じて、ますます御社の事業に魅力を感じました。○○事業の次の課題を解決するために、ゼロベースで課題解決を行う強みを活かすことができればと考えております」

受かるための自己PRの書き方

ここでは、自己PRを書くために準備しておきたいことと、それをもとにした自己PRの書き方を4つのステップで紹介します。

ステップ1:自分のキャリアを棚卸しする

過去の経験・スキル・実績を時系列で振り返り、棚卸ししましょう。上司や顧客、取引先、チームのメンバーなどから客観的に評価されたことや、自分が得意とすることを洗い出し、強みを探します。その際、強みの根拠となる経験・実績なども具体的に書き出し、自分なりに工夫して成果を挙げたエピソードも振り返っておきましょう。

ステップ2:応募企業の「求める人物像」を把握する

応募先のホームページや採用ページなどの情報を確認し、企業研究を進めて「求める人物像」を把握しましょう。企業理念やミッション・ビジョン・バリューや業務における仕事の進め方などへの理解を深めることもポイントです。その上で、求める人物像にマッチする自分の強みや、応募企業の考え方に共感すること、仕事の進め方において自分が力を発揮できそうなことを考えましょう。

ステップ3:応募企業にマッチする強みを一言で表す

応募企業にマッチする強みを簡潔に伝えるために、一言でどう表すのかを考えましょう。また、応募企業に入社後、その強みを活かしてどのような領域や事柄で活躍・貢献できるのかを考えることも大事です。さらに、強みを発揮できる根拠として、過去の経験から成果を挙げた具体的なエピソードを探しましょう。

ステップ4:自己PRの目安となる文字数に強みをまとめる

自己PRの文字数は200~300文字程度、最大でも400文字以内に収めることを目安とします。採用担当者に簡潔に伝わる内容とするためには、長く書き過ぎないことが大事です。反対に、あまりにも短過ぎて空白が目立つ場合は、入社意欲が低いと判断される可能性があるので注意しましょう。

自己PRを書く際の注意点

自己PRを書く際に注意したいことを解説します。

アピールする強みは1つに絞る

基本的には、アピールする強みは一つに絞った方が良いでしょう。複数のアピールポイントを盛り込むと、一つひとつの情報量が少なくなり、根拠が伝わりにくくなります。企業の求める人物像と自分の強みを照らし合わせ、最も活躍・貢献できるイメージが伝わるものに絞ることがポイントです。

企業にマッチする複数のアピールポイントがあり、それを全て伝えたい場合は、箇条書きなどで書き、詳細を職務経歴書で説明すると良いでしょう。

「強み」の表現では差別化を意識する

強みを表現する際には、より自分らしさが伝わるように意識しましょう。「リーダーシップがある」「粘り強さがある」などの曖昧な表現ではほかの応募者との差別化しにくくなります。例えば「チームのメンバーから意見を引き出し、まとめていくリーダーシップがある」「関係各所と調整を重ねてやり遂げる粘り強さがある」など、より具体的かつ端的に発揮できる力を表現すると良いでしょう。

客観的な根拠となる数字や成果を盛り込む

強みの根拠を示すエピソードでは、具体的な数字や成果を盛り込むことが重要です。キャリアの棚卸しの際に書き出したことの中から探してみましょう。また、携わったプロジェクトの規模感や数字の実績、周囲から評価されたことなど、主観ではなく、客観的な事実を書くことで説得力を増すことができます。

企業理念や仕事の進め方とマッチする内容も盛り込む

企業文化との相性の良さや、入社後の職場の風土などにマッチしていることが伝わる内容も盛り込むよう、意識することもポイントです。企業のミッション・ビジョン・バリューへの共感や、仕事の進め方などに重なるようなエピソードを盛り込むと、なお良いでしょう。
入社後、職場に馴染んで働くイメージなどを想像してもらいやすくすることが大事です。

履歴書・職務経歴書に自己PRを書く際に意識すること

履歴書や職務経歴書に自己PRを書く際、よりアピールにつなげる内容とするため、意識したいことを紹介します。

見やすさ、読みやすさを意識する

履歴書に自己PRを書く場合は、記入欄の7~8割程度の文章量に収めることが目安です。見やすさ、読みやすさを意識し、多少の空白スペースを作ると良いでしょう。文字数の目安は200~300文字程度とし、文字の大きさにも気をつけることが大事です。また、アピールポイントは一つに絞ったほうが、内容が散漫にならず、根拠を伝えるエピソードなどにボリュームを割くことができます。アピールポイントを複数書く場合は、箇条書きにした上、職務経歴書に詳細を書くと良いでしょう。

一方、職務経歴書の場合は書式を自由に選択できるため、自己PRにも決められた記入欄はありません。2〜3点のアピールポイントを書く場合は、小見出しのようにテーマを立てて書くと良いでしょう。一つのテーマの文字数は、1行40文字×5〜6行程度、文字数は200~300文字程度とし、長くても400文字以内に収めることが目安です。職務経歴書における全体のバランスを考え、相手の読みやすさを意識したボリュームにすることが重要です。

誤字・脱字・文章表現の正しさをチェックする

応募書類では、ビジネスマナーや基本的な国語能力もチェックしているケースがあります。
誤字・脱字はもちろん、文章表現に違和感がある場合なども、社会人としての基本能力やビジネススキルを疑われる可能性もあるので、きちんとチェックしながら書類を作成しましょう。

履歴書と職務経歴書に書く自己PRの違いとは?

履歴書にも職務経歴書にも自己PRを書くことは可能です。履歴書の場合は記入欄のスペースに限りがあり、記入できる文字数も制限されるので、職務経歴書用に考えた自己PRを要約し、特にアピールしたい箇所を記入すると良いでしょう。また、自己PRの記入欄がない履歴書もあるので、その場合は職務経歴書に自己PRを記載しましょう。

履歴書・職務経歴書と面接で話す自己PRの違いとは?

面接で自己PRを求められたら、履歴書・職務経歴書に記載した内容を話しましょう。
面接では、基本的には職務経歴書や履歴書に書いた内容を掘り下げられるものです。応募書類の内容と全く違う強みを話せば、面接担当者が戸惑う可能性があります。面接では一貫性のある回答ができることも評価のポイントとなるので、そのほかのアピールしたいことは会話をやりとりする中で話すと良いでしょう。

また、履歴書や職務経歴書に書いた内容を丸暗記するのではなく、要点をわかりやすく伝えられるよう口に出して練習することが大事です。文章のみではイメージしにくい状況や背景・意図、応募書類には書き切れなかった成果や数値、具体名なども伝えると良いでしょう。

例えば応募書類に「大手顧客を担当」と記載した場合は「東証プライム市場上場の年商○億円規模の飲食業界の会社を担当していた」など、より詳しく伝えることができるはずです。また、前職で所属していた部署のメンバー構成や、担当したプロジェクトにかかわった人数、自分の立ち位置、取り組んだ内容の詳細などを伝えることで、どの程度の規模感の仕事を任せられるのか、イメージしてもらいやすくなります。

自己PRと長所の違いとは?

自己PRは「経験・スキル」を評価してもらうことが大事です。応募企業・応募職種で発揮できる強みとして自分の経験・スキルを伝え、業務において活躍・貢献できることをアピールします。
長所については「自分の価値観・人物タイプ」をメインに伝えると良いでしょう。人柄や性格・性質、仕事における価値観、周囲に対する姿勢などから、企業文化や職場との相性の良さを評価してもらうことがポイントです。
例えば、「信頼を得る力」をアピールする場合、自己PRでは、信頼を獲得することで、どのような成果につなげてきたのかを説明し、そこで得た経験やスキルを入社後、どのように発揮し、どんなことに貢献できるのかを伝えることが大事です。

一方、長所では、信頼を得るためにどう仕事に取り組んでいるのか、その姿勢や考え方などを説明し、周囲に評価されたり、良い影響を及ぼしたりしたエピソードも伝え、日ごろの働きぶりや人間関係を構築する際に大事にしていることを伝えると良いでしょう。このように、面接ではそれぞれの質問の意図を理解し、それぞれの回答時間の中で最大限に自分をアピールすることが重要です。

自己PRで書くことが見つからない場合は?

自己PRできる内容は、誰にでも必ずあるものです。高い成果を挙げたり、表彰を受けたりしたことがなくても、日ごろの仕事の中で大事にしていること、実行していることなどを振り返ってみれば、ポータブルスキル(業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行のスキル)が見つかります。

まずは、これまでに経験してきた業務を時間軸に沿って書き出していきましょう。それにより、印象的な仕事を思い返すこともできます。また「情報収集」「分析」「計画立案」「実行力」「改善」「社内・社外」などのキーワードから自分の経験を振り返り、自分なりに努力したことを探してみるのもいいでしょう。

自己PRの書き方を転職エージェントに相談するのも一つの手

「自己分析が苦手」「キャリアの棚卸しのやり方がわからない」などで、何を自己PRすればいいのかわからない場合は、転職エージェントを活用するのも一つの方法です。キャリアの棚卸しや企業研究をサポートしてくれますし、応募企業にアピールできる強みや自己PRに書くことなどに対するアドバイスももらえます。書類作成や面接対策などのサポートもしてくれるので、書類選考から面接まで、よりアピールできる自己PRを完成させるために役立てることができるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2018年10月12日 記事更新日:2023年3月9日

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