「面接本番は緊張してうまく話せないかもしれない」「書類選考は通過するのに面接を受けると不採用ばかり。面接でのプレゼン力を高めたい」など、これから面接に臨む方や面接対策にお悩みの方のために、面接練習のやり方・上手くなる方法について、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏がアドバイスします。
目次
面接練習が必要な理由
営業・販売・コンサルタントなど、普段の仕事では顧客に商品や企画のプレゼンをすることに慣れている方々であっても、いざ面接の場となると緊張したり、自分のことをうまく伝えられなかったりしてしまうことは少なくありません。これまでの経験・スキル、自己PR、志望動機など、頭の中では整理できていても、いざ口に出して話すとなると、思うように言葉が出てこないこともあります。
面接で質疑応答の途中で頭が真っ白になってしまい、伝えたいことが話せなかった……という事態は避けたいもの。面接での緊張を軽減し、落ち着いて臨むためには、事前に練習をしておくことが重要です。面接現場でのやりとりを想定して、自己紹介や受け答えの練習をしておくことで不安や緊張が和らぎ、リラックスして臨めれば、本来の力を発揮しやすくなります。
面接練習の方法
面接練習のやり方について、いくつか方法をご紹介します。
練習法1.パソコンやスマホを使って録画する
一人でも手軽にできる練習法として、パソコンやスマホを使って録画する方法があります。まず、自己紹介や質問への受け答えをする自分の姿や話し方を、パソコンやスマホで録画します。その動画を見て、自分が面接担当者の目にどう映っているか、どんな印象を与えているかチェックしましょう。
練習法2.友人や家族を相手に練習する
友人や家族に面接の相手役になってもらい、自己紹介や質問への受け答えをしてみましょう。ただし、気心が知れているだけに気が緩みがちになります。緊張感を持って行い、遠慮なく、率直な感想や意見を述べてもらいましょう。
練習法3.転職エージェントを活用する
転職エージェントを介して転職活動をする場合、模擬面接のサービスも受けられます。キャリアアドバイザーが面接担当者の視点に立ち、気になる点をチェックしてアドバイスをしてくれます。場合によっては、応募先企業の面接の特徴(面接の流れ、必ず聞かれる質問など)をふまえて練習することができます。
本番で役立つ!効果的な面接練習の進め方
面接日程が決まったらさっそく練習を始めましょう。「どのくらいやれば上手くなる」といった明確な目安はありませんので、自信を持てるようになるまで反復して練習しておくといいでしょう。面接の練習をする場合は、次のように進めます。
1.想定質問と回答を用意する
面接の場で一般的に聞かれるのは、主に下記の項目です。どんなことを伝えるかを整理しておきましょう。
- 自己紹介(簡単な職務経歴・強みとする経験やスキルなど)
- 転職を決意した理由
- その会社を志望した理由
- 自己PR(自身の経験・スキル・意欲など)
最低限、上記の項目についてはスムーズに話せるようにしておきたいものです。このほか、面接でよく聞かれる項目について、自分ならどう答えるかを考えておくといいでしょう。
2.用意した回答を話してみて、チェックする
一人で練習する場合は、自分が話している姿を録画し、再生してチェックします。練習相手になってくれる面接担当者役がいれば、その人に向かって話をし、感想や意見を聞きます。
3.問題点を改善しながら、繰り返し練習する
セルフチェック、あるいは練習相手からの指摘によって気付いたポイントを改善し、再度話してみます。自信を持てるようになるまで、これを繰り返します。
面接練習する時のチェックポイントを解説
面接練習でチェックするポイント、練習相手にチェックを依頼するポイントは次のとおりです。
時間
自己紹介や質問への受け答えをする場合は、1項目につき1~2分程度に収めることを意識しましょう。自分では簡潔に話したつもりでも、実は5分以上経っていることもあります。ダラダラ話し続けると、面接相手の印象が悪くなってしまうので注意が必要です。
話し方・話すスピード
緊張していると、つい早口になってしまうことがあります。話すスピードが速すぎないか、ハキハキと話せているかなど、相手が聞き取りやすいかどうかをチェックしてください。「えー」「あのー」などを連発するクセがある人もよく見られます。自身のクセをつかんで、意識しておきましょう。
表情・目線・しぐさ・姿勢
話す内容を思い出そうとすると、うつむきがちになったり、斜めの方向を見たりと、目線が定まらなくなることがあります。自信なさげに見えてしまう可能性があるので、チェックしておきましょう。身体が傾いたり、微妙に揺れていたり、髪や鼻などを触ったりと、無意識のしぐさがマイナス印象を与えることもありますので注意してください。
話す内容
長く話すものの、ポイントがつかめない、結論が見えないという人もいます。筋道立てて話せているかどうかを確認しましょう。
また、話の内容の「一貫性」にも注目してみてください。転職理由・志望動機・入社後にやりたい仕事・自己PRが、ちぐはぐな内容になっていないかをチェックしておきましょう。これらの項目は別々に回答を考えるのではなく、一連の流れで考え、一貫したストーリーに仕上げることをおすすめします。
面接練習におけるNGポイント、注意点
面接の練習をする際にしてはいけないこと。それは「話す内容を丸暗記する」ことです。どんなに整理された文章でも、暗記した文章をそのまま話したのでは、思いや熱意が伝わりづらくなります。
伝えたい内容を整理したら、細かな文章にまで落とし込むことはせず、ポイントを頭の中にとどめておきましょう。あらかじめ作った文章を思い出しながら話すよりも、話の流れの中で自然に出てくる「自分の言葉」のほうがずっと説得力があります。
また、暗記してしまうと、途中で想定外の質問がされたときに戸惑い、パニックに陥ることもあります。面接で大切なのは、会話のキャッチボールです。自然ななりゆきでコミュニケーションをとる中で、伝えたいポイントを盛り込んでいくことを心がけてください。
面接が上手くなる練習のコツは?
面接を上手くこなすことができるかどうかは、「場数」によるところも大きいものです。緊張しなくなるためには、練習を何度も繰り返すのが効果的です。
また、「用意したことをすべて話さなくてはならない」「完璧な受け答えをしなくてはならない」と思わないことです。ある程度、自然な会話の流れに任せ、すぐに答えられないときには「少し考える時間をください」、知識の有無を問われるような質問をされて知らない場合には、正直に「勉強不足で申し訳ございません。わかりません」でいいのです。「完璧」を目指さず、肩の力を抜いた状態で臨みましょう。
本番に近い面接練習ができるエージェント活用のメリット
転職したい気持ちはあるが、面接を受けることを考えると気が重いという方は、転職エージェントを活用してみてはいかがでしょうか、転職エージェントでは、キャリアに関する相談対応や求人の紹介だけでなく、面接へのアドバイスも行っています。
応募先の企業がどのようなポイントに注目して選考をしているかなどの情報を得られることもあります。適切な対策ができることで、安心感を持って臨めるでしょう。
また、キャリアアドバイザーは採用担当者の視点を理解しています。面接の練習相手になってもらえば、「そのように答えた場合、相手はこの部分をさらに突っ込んで聞いてくる可能性が高い」など、本場を想定したアドバイスを受けられます。
リクルートエージェントのサポートサービスもフルに活用してみてください。
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。