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転職が怖い…勇気が出ない…不安の理由と対処法を紹介

転職 怖い

初めての転職を検討している場合、「転職すること自体が漠然と怖い」「転職したいけれど、一歩踏み出す勇気が出ない」という人もいるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が、転職することが怖いと感じてしまう理由と、怖さや不安を解消するための対処法、勇気を出す方法などについて解説します。

初めての転職は「怖い・不安」と感じるのが当たり前

転職未経験の人が「転職するのが怖い」「転職できるか不安」と感じてしまうのは当たり前のことと言えるでしょう。経験がない未知の物事に取り組んだり、今ある環境を大きく変えたりすることに対しては、誰しも怖さや不安を感じるものです。まずは、転職について世の中の人々がどのように捉えているのかを解説していきます。

転職することが特別ではない時代になりつつある

近年の日本では終身雇用制度が根付いていたため、転職せずに一社で勤め上げる傾向がありましたが、昨今は転職も特別ではない時代になりつつあると言えます。
2022年に株式会社リクルートが13,240人の就業者を対象に行った「就業者の転職や価値観等に関する実態 調査2022」 によれば、転職経験者の割合は、20代は4割弱、30代では半数を超えており、さらに40代、50代では6割弱となっていました。

この結果から「日本における正社員は、40歳くらいまでに転職活動を終え、おおむね6割程度が転職を経験してきた」と分析できるため、転職は特別なものではないと考えられるでしょう。

転職経験状況

※出典:就業者の転職や価値観等に関する実態 調査2022(株式会社リクルート)

転職経験者は未経験者よりも転職に前向きな傾向がある

同調査では、「転職活動すらしたことがない人」の割合は、40代、50代でも3割台と根強くある一方、転職経験者は転職を重ねる傾向があることがわかりました。20代の転職経験者では「転職回数1回」が62.6%を占めていることに対して、50代では3回以上が約半数を占めています。

また、転職経験状況別に「今後の転職意向」を見ると、転職未経験者の転職意向が約5割であることに対し、転職経験者は約6割となっています。20~50代の正社員・正職員においては、半数以上が転職意向を持っており、転職経験有無で見ると「転職経験者の方が転職意向は高い」という結果になりました。

転職未経験者よりも、転職をしたことがある人の方が、その後の転職に対しても前向きな傾向があり、プラスに捉えている様子が窺えます。

不安や怖さが先立ち、動けないままでいるとどうなる?

漠然と「転職が怖い」「転職できるか不安」と感じ、動けないままでいることにはリスクも伴います。

例えば現職の職場環境に対して「人間関係が悪くてストレスを感じ続けている」「残業や休日出勤が多く、慢性的に疲労している」などの悩みを抱えている場合は、このままの状態を続けることで体調を崩してしまったり、うつ病などの心の病を患ったりする可能性もあり、それによって休職せざるを得なくなるケースなどもあります。

また、現職に対して「仕事にやりがいがない」「自分が思うような経験・スキルが身につけられない」「将来のキャリアの選択肢がない」などの悩んでいる場合は、そのまま歳月を重ねることで「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があります。転職を視野に入れない場合は、現職の会社の中でキャリアを積んでいくことになるため、今後のキャリアの可能性を狭めてしまうリスクもあるのです。

転職が怖いと感じている人は「転職することのリスク」のみを考える傾向がありますが、「転職しないリスク」もあることを理解しておきましょう。

よくある転職が怖い理由

「転職が怖い」と思うよくある理由と、怖さを軽減する考え方を紹介します。自分に当てはまるものがないか考えてみましょう。

転職先が見つからないことが怖い

「転職活動をしても転職先が見つからなかったらどうしようか」「内定が取れなかったら怖い」などの不安を感じ、転職することが怖いと思っているケースです。

転職活動を進めてみれば、新しい選択肢が見つかったり、相性のいい企業と出会えたりする可能性は十分にあります。また、転職活動を始めたからといって、必ず転職しないといけないわけではないため、現職に留まる選択もできるのです。実際、内定を得ても「今の職場の方が自分に合っている」と感じて転職しないケースも少なくはありません。まずは情報収集などの行動から始め、その上で転職について考えてみるのも良いでしょう。

転職活動そのものが怖い

「そもそも転職活動で何をすればいいのかわからず不安」「面接などで自分を評価されることが怖い」などと思っているケースです。

まずは転職活動の全体像を把握しましょう。「何をすればいいのか」を理解することで、不安も解消できるでしょう。一方、面接が怖いと感じている場合は、自分の経験・スキルに自信がないケースが少なくありません。こうした場合は、キャリアの棚卸しを行い、これまでの経験を振り返ることで、自分の強みを発見できるでしょう。

また、実際に転職活動を始めてみれば、自分を評価してくれる企業が見つかる可能性も十分にありますし、自分の市場価値や今後のキャリアの可能性を知ることもできます。転職活動を進める中で、将来に自分が目指したいキャリアを発見できたり、自分が仕事や職場に求めていることを再確認できたりするケースも少なくないので、ポジティブに捉えてみると良いでしょう。

転職活動が長引くことが怖い

「なかなか内定を得られずに転職活動が長引いたらどうしよう」「転職先が決まらないことが不安」と感じているケースです。

転職活動が長引いても、現職を辞めなければ収入に対する不安を感じることはないでしょう。長引くことにストレスを感じたり、マッチする企業が見つからなかったりした場合でも、在職中の転職活動であれば、自分のタイミングで転職活動を休止・再開することができます。
長引くことが怖い場合は、現職と転職活動を並行することで不安を解決できるでしょう。

新しい仕事や職場になじめないことが怖い

「転職後、新しい仕事についていけなかったら怖い」「新しい職場の人間関係になじめるのか不安」と感じているケースです。未経験の業界・職種への転職を考えている人に多い理由でしょう。

そもそも転職活動を始める前から転職後の環境に不安を抱くのは取り越し苦労になる可能性があります。転職するかどうかを決断するタイミングになったら、仕事内容や社風、人間関係を含めた職場の環境などが自分に合うかどうかをきちんと検討することでミスマッチを防げるでしょう。

また、転職先で仕事を覚えたり、人間関係になじんだりするまでには一定の時間がかかるものです。最初の数カ月を乗り切ればなんとかなるケースも多いので、転職した後は「この期間は頑張ろう」と決めて取り組んでみると良いでしょう。

転職を繰り返してしまうことが怖い

「転職先が合わず、何度も転職を繰り返すことになるのが怖い」というケースです。初めての転職を考えている人だけでなく、転職を一度経験し、「ミスマッチで後悔した」と感じている人にも多い理由と言えます。

こうした場合は、転職準備をしっかり行い、自分の希望にマッチした企業を選んでミスマッチを防げば、転職を繰り返さないで済むでしょう。また、「転職回数が多くなれば、その後の転職活動に不利になるのではないか」という不安を抱えている人もいますが、早期離職を懸念されるのは「短期間での転職を繰り返している」「キャリアに一貫性がない転職を繰り返している」というケースがほとんどでしょう。

1〜2回の転職経験が不利になるとは限らず、転職によってキャリアアップを実現していく人もいるので、自分にマッチした転職先で経験・スキルを積み重ねていくことが大事です。

転職してから後悔することが怖い

「転職した結果、やっぱり前の会社の方が良かったと後悔したらどうしよう」という不安を抱いているケースです。

先にも述べたように転職準備をしっかりと行い、自分にマッチした企業を選べばミスマッチを防ぐことができます。また、在職中に転職活動を進めれば、内定を得た後に「現職にとどまるか、転職するか」を検討することができます。今の職場と転職先について、さまざまな条件を比較検討することで、後悔しない選択ができるでしょう。

年収が下がることが怖い

「転職することで年収が下がるかもしれない」という不安を感じているケースです。未経験の職種・業界への転職を考えている人にも多い理由と言えるでしょう。

未経験の職種・業界に転職する場合は、経験・スキルが足りないために一時的に年収が下がるケースも少なくはありません。しかし、転職先で経験・スキルを積みながら年収をアップしていくことは可能です。転職先を決める際に年収のモデルケースなどを確認してみると良いでしょう。また、一時的に年収が下がる場合でも、自分にマッチする仕事で経験・スキルを身に付けていく方がプラスになる可能性があります。「将来、目指すキャリアビジョンを実現するための期間」と考えてみるのも良いでしょう。

転職への不安を解消し、勇気を出すための3つの対処法

「転職したいけれど、勇気が出ない」という人のために、不安を解消する3つの対処法を紹介します。

転職が怖いと思う理由を明確にする

まずは「転職が怖い」と思う理由を明確にし、何が不安なのかを把握することが大事です。紙に書き出すなど言語化することで、漠然と感じている不安や怖さの要因を客観的に理解できます。先に紹介した「よくある転職が怖い理由」に照らし合わせ、考え方を知ってみることで、不安の解消につなげていきましょう。

転職活動の進め方や転職先の可能性を調べる

転職活動の全体像を把握することで、「今後、何をするのか」を理解でき、「どのようなことが起きるのか」も想定しやすくなります。また、転職サイトなどで求人情報を調べることで、自分にどのような可能性があるかを把握することもできます。いきなり転職活動を始めるのではなく、気軽にできる情報収集からスタートしてみれば、「自分にもできそう」「こんな仕事に就けたらいいな」など、前向きな気持ちになれるでしょう。

周囲の転職経験者に話を聞く

転職を経験している友人・知人などに話を聞くことでも不安は解消できるでしょう。「どのように転職活動を進めたのか」「怖さや不安をどう解消したのか」「転職してみてどう思ったのか」などを聞いてみることがおすすめです。ただし、複数の人に聞いてみることが大事です。一人だけの経験では、ポジティブ・ネガティブな要素に偏る可能性があるので、さまざまな人の経験や視点から転職の実態を把握すると良いでしょう。

転職しない方がいい人、転職してはいけないタイミングとは?

転職に対する怖さを払拭できた場合でも、現時点では転職しない方がいいケースもあります。以下に紹介するケースの中で自分に当てはまるものがあったら、再度、しっかりと考えてみることが大事です。

「転職理由=転職することで何を実現したいのか」が明確でない

転職によって実現したいことが明確になっていない場合は、希望条件や転職の軸が定まっていないため、自分にマッチしている転職先を選ぶことが難しいと言えます。まずは自分自身のこれまでを振り返り、「なぜ転職したいのか、転職によって何を実現したいのか」をしっかりと考えてみることが大事です。

今の会社に対する不満だけが転職したい理由になっている

現職の会社に対する不満だけが転職したい理由となっている場合は、転職してもまた不満を感じてしまったり、短期間での転職を繰り返してしまったりする可能性があります。こうした場合は、今の職場や仕事のままで不満を解消できる方法はないか考えてみましょう。その上で、「今の会社では不満を解消できない」と感じたら、転職によって何を実現したいのか、どのような転職先なら納得できるのかを明確にしていくことが大事です。

現職の仕事で一定以上の成果を挙げていない

現職の仕事にしっかり取り組まず、課された目標などに対して一定以上の成果を挙げていない場合は、転職によって仕事内容や環境を変えても、評価されなかったり、活躍できなかったりする可能性があります。現在の業務について、自分なりに責務を果たし、やり切ることができているのかを振り返ってみましょう。

まだ課題があると感じたり、課された責務を果たせていないと思ったりした場合は、まずはそこに取り組むことが大事です。課題の克服や目標達成に取り組むことは、自分の経験・スキルに自信が持てるようになったり、実績を作れたりすることにつながり、転職活動でアピールできる要素を増やすことができるでしょう。

勇気を出せない場合は転職エージェントに相談する方法もある

転職が怖いと思う背景には、「何も知らないために怖いと感じている」というケースが多くあります。まずは「転職とはどのようなものなのか」を知ることが大事です。とはいえ、「勇気が出せない」「自分一人ではどうすればいいのかわからない」と感じる人もいるでしょう。こうした場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。

転職エージェントを利用しても、必ずしも転職しなくてはいけないわけではないので、転職活動全体に対する情報を収集し、不安の解消に役立ててみるのもおすすめです。また、転職エージェントでは、転職の目的を明確にする「自己分析」、自分の強みを発見できる「キャリアの棚卸し」などをサポートしてくれます。転職市場の状況や現在の自分の市場価値、転職の可能性などに対して客観的なアドバイスを受けることもできます。

転職活動の進め方を教えてもらうこともでき、実際に転職活動を始める場合には、マッチする求人の紹介や、応募書類作成、面接対策などのサポートを受けられますし、企業との面接日程の調整なども任せることができます。何から手をつければいいのかわからない人にとっても、安心できるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。