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未経験者の自己PRの書き方のポイント【ITエンジニア・営業職・事務職の例文付き】

未経験 自己PR

未経験から転職を目指す際に「自己PRで何をアピールすればいいのかわからない」「自己PRに書くことが思いつかない」などの悩みを抱えている人もいるでしょう。組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント・粟野友樹氏が、未経験者の自己PRの書き方や意識したいポイント、自己PRで注意したいことなどを解説します。

未経験で転職を目指す自己PRの例文

ITエンジニア、営業職、事務職に未経験から転職する場合の自己PR例文を紹介します。

ITエンジニア職の例文

【販売・企画→ITエンジニア】

私の強みは、課題を整理し、解決していく論理的思考力だと考えております。

前職は洋菓子の製造・販売を手掛ける企業で販売職を務め、ECサイトの企画運営も担当していました。顧客はファミリー層が中心で日常的にご利用いただくことが多く、高齢者層も2割程度を占めていたため、現状のサイトではデザイン性が高過ぎ、UI/U Xなどもわかりにくいことに課題を感じました。そこで、社外のWebエンジニアやWebデザイナーと連携し、顧客の声や顧客特性に合わせたシンプルでわかりやすいUI/UXに変更したところ、EC経由の売上を昨対比115%まで増加させることができました。

未経験ではありますが、現在、ITエンジニアとなるための基礎を身につけるべく、独学でプログラミングを学んでおります。論理的に物事を整理・分析していく力を活かし、貴社のECサイトの拡充に貢献していければと考えております。

営業職の例文

【学習塾の教室長→ITサービスの営業職】

外部の環境変化が激しい中でも、目標達成していく意欲の高さを強みとしております。

前職は学習塾にて教室長を3年間務め、多数の競合が進出したエリアで業績不振に陥った教室を立て直す経験をしました。「1年間で生徒数を120%増とする」というミッションを課され、学生スタッフへのフォローや教育指導の徹底を行い、学生スタッフの紹介制度を設けて優秀な講師人材を獲得しました。また、夏期・冬期・春期講習に合わせて体験型の入塾説明会を企画・開催し、保護者向けの面談もより密な接点を作るものに変更するなど、さまざまな工夫を重ねていきました。着任当初は苦戦しましたが、翌年には目標生徒数を達成できました。

未経験ではありますが、変化の激しいIT業界にチャレンジし、外部環境の変化に負けず、多様な打ち手の企画と行動を続けていく達成意欲を活かして、貴社のサービス展開に貢献していきたいと思います。

事務職の例文

【フィットネスクラブの店長→保険会社の営業事務職】

私の強みは、多様な側面からチームワークを高める仕組みを構築していく力だと考えております。

前職はフィットネスクラブの店長を務めていましたが、人材の流動性が高い業界のため、業務の共有・引継ぎ漏れなどから顧客に迷惑をかける場面が多くありました。退職・入職が発生するたび、現場のスタッフに負荷が掛かり、モチベーションや業績に影響すると感じたため、スタッフ同士で情報共有をする場を定期的に設け、互いの仕事を理解する研修なども導入しました。これにより、前年は4割だった離職率を2割まで引き下げ、業績も向上させることができました。

未経験ではありますが、チームで協力して力を発揮できる環境を構築し、貴社の営業メンバーがより活躍できるようにバックアップしていきたいと考えております。

未経験で実績がない場合は、自己PRに何を書けばいい?

未経験で実績がない場合に、自己PRでアピールしたいポイントを紹介します。

入社意欲の高さを伝える

採用選考においては、経験・スキル・実績が豊富な経験者もライバルとなります。そのため、未経験者の場合は、入社意欲の高さをアピールすることが大事です。志望動機はもちろん、自己PRでも熱意を伝えましょう。企業研究をしっかり行って職種理解を深めておき、どのような領域で活躍・貢献したいのかを伝えることがポイントです。

自ら学ぶ姿勢を伝える

志望企業の業界・業種・職種に対し、経験・スキルを持っていない未経験者の場合は、「自ら学ぶ姿勢」を伝え、成長性をイメージしてもらうことも大事です。
応募企業の仕事内容に必要な専門知識やツールの使い方などを学んでいることや、関連資格の取得のために勉強を続けていること、すでに資格を取得していることなどを伝えれば説得力が増します。

前職の経験・スキルで活かせることを伝える

異業種・異業界でも役立つポータブルスキルをアピールし、入社後の活躍をイメージしてもらいましょう。また、前職の業種・職種における経験・スキルが、入社後の業務にどう役立ち、どのような活躍・貢献ができるのかを伝えることもポイントです。
企業研究と職種理解の成果をもとに、入社後の業務に役立ちそうな経験・スキルを伝え、活躍・貢献できる人材であることをアピールすると良いでしょう。

志望動機や転職理由との一貫性も大事

自己PRでは「応募企業のどのような領域に自分の強みを活かし、入社後にどういった活躍・貢献ができるのか」を伝えます。一方、志望動機では「応募企業を志望した理由・背景」、転職理由では「転職によって実現したいこと」「なぜ応募企業で実現できると考えたのか」を伝えます。

それぞれの内容には重なる部分があるため、矛盾している場合は「一貫性がない」と判断される可能性があります。説得力を持たせるためには、一貫性のある回答を意識することが重要です。

未経験者の自己PRの書き方【テンプレートあり】

未経験者が自己PRを書く際に準備したいことや、自己PRの構成、履歴書と職務経歴書の自己PRの書き方の違いを紹介します。

未経験でも説得力ある自己PRを書くための準備ポイント

説得力のある自己PRを書くために、まずは以降の準備ポイントを把握しましょう。

企業研究で「求める人物像」を確認

企業研究をしっかり行い、仕事内容や企業の求める人物像を理解しましょう。例えば、チームワークが重視される企業の場合は、チームワークで貢献したことのエピソードなどを書くとアピールにつながります。また、企業研究をしっかり行なっていることで、熱意を伝えることもできます。

職種や仕事内容をきちんと理解せず、応募企業が求める力と全く違う強みをアピールした場合、「ミスマッチ」と判断されたり、「企業研究をきちんとしていないため、入社意欲が低い」と思われたりする可能性があるので注意しましょう。

キャリアの棚卸しで、自分の経験・スキル・実績を振り返る

これまでの業務経験や身につけたスキル・実績などを振り返り、自分の強みや発揮できる力を明確にしておきましょう。異業種・異職種などでも役立つポータブルスキルを確認し、応募する企業・職種で発揮できそうな強みも探しておくことがポイントです。

また、根拠となるエピソードもしっかりと振り返っておきましょう。応募企業の仕事内容に重なるような内容を伝えることで、入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなり、よりアピールにつなげることができます。

自己PRを書く際の構成

自己PRの構成を以下に紹介します。

<自己PRの構成>

  1.  結論となる自分の強み
  2.  背景・根拠となるエピソード
  3.  入社後に活躍・貢献できること

自己PRでは、冒頭で「結論となる自分の強み」を簡潔に伝えます。
「背景・根拠となるエピソード」では、数字やキーワードなども交えて具体的にイメージできるようにすることが大事です。
また、客観的な成果・実績をアピールすれば、強みに説得力を持たせることができます。具体的な実績がない場合は、上司やチームメンバー、顧客、取引先などに評価されたことなどをアピールしても良いでしょう。
最後は「入社後に活躍・貢献できること」で締めくくり、意気込みや熱意を伝えることがポイントです。

履歴書・職務経歴書の自己PRはどう違う?

履歴書と職務経歴書の自己PRの違いは、「文字数の量=内容の濃さ」だと考えましょう。それぞれの回答に一貫性を持たせることが重要なので、強みやエピソードなどの内容は「基本的に同じもの」とします。

履歴書の自己PR欄は、書ける文字数が少ないので、要約した内容とすることがポイントです。職務経歴書には、より具体的なエピソードなどを書き、状況や行動、結果などをイメージしやすくしましょう。
また、複数の強みをアピールしたい場合は、履歴書には強みを箇条書きで記載の上、「詳細は職務経歴書に記載しております」と書き添える方法もあります。職務経歴書では、それぞれの強みについて詳細を伝えましょう。

履歴書・職務経歴書のテンプレート

未経験者の場合は、履歴書のテンプレートを選ぶ際、自己PRや志望動機の欄が大きなものを選んで、意欲や思いをよりアピールするのも良いでしょう。
職務経歴書については、決まった書式はなく、自由にフォーマットを作成できます。自己PRの欄を大きめに作ったり、それぞれの経歴を記載する際にアピールできる強みも合わせて伝える工夫をしたりすることがポイントです。

以下に、履歴書・職務経歴書のテンプレートを紹介するので、自分にマッチするものを選択しましょう。

【シチュエーション別】未経験転職の自己PRのポイント

「異業種転職」「パート・アルバイトから正社員」「ブランクがある」という、それぞれシチュエーション別に自己PRのポイントを紹介します。

異業種転職の場合

異業種への転職を目指す場合は、応募先企業の仕事の進め方や特徴を分析・把握することが重要です。例えば「異業種×同職種」にて転職する場合、業種は違っても、同じ職種で求められることや必要とされることを考え、自分との接点に焦点を当てた自己PRとしましょう。

例えば、銀行からITサービス企業への転職を目指す場合は、「規律を守る」「堅実に業務に取り組む」などの強みをアピールするよりも、「チャレンジ精神がある」「行動力がある」などの強みの方が評価につながる可能性があります。応募企業の業種に合わせて自分の強みを考えてみましょう。また、具体的に入社後の活躍をイメージしてもらうために数字やエピソードなどを効果的に使うこともポイントです。

パート・アルバイトから正社員を目指す場合

正社員の経験がない場合は、正社員の仕事に近いことで活躍したエピソードを盛り込むと良いでしょう。「リーダーを務めた」「後輩を指導した」などの経験があれば、より評価につながる可能性があります。

また、コミュニケーション力、改善力、計画性、分析力などのポータブルスキルや、取得した資格、PCスキル、仕事に取り組むスタンスなどもアピールすることが大事です。

ブランク(離職期間)がある場合

前職を退職後、長期に渡る離職期間がある場合には、「ブランクがある理由」と「その間に何をしていたのか」をきちんと伝えた方が、早期離職の懸念を払拭できます。なぜ未経験の仕事に転職しようと考えたのか、ブランク期間にどのようなことを学んでいたのかをしっかり伝えることが大事です。

資格取得、留学経験など、ブランク期間に取り組んだことを具体的に伝え、かつ、「身につけたものを今後にどう活かすのか」までアピールすることがポイントです。さらに、前職の経験・スキルの中から、業種・職種が変わっても活かせることもアピールしましょう。
また、ブランクがある場合は、就業意欲そのものに懸念を抱かれる可能性もあるので、働くことへの意欲の高さや、早期離職せずに働ける体制が整っていることも合わせて伝えることが大事です。

企業が未経験者を採用する理由とは?

企業が未経験者を採用する理由を知り、今後の可能性をイメージしましょう。

ポテンシャルがある人材を求め、間口を広げている

経験者のみでなく、未経験者も含めて募集することで、「より多くの人材に出会える」と考えている企業は少なくありません。特に、「経験者の応募が見込めない」「応募者の絶対数が少ない」などの企業には、積極的にポテンシャル採用を行い、入社後に教育・育成することを前提としているケースが多くあります。また、「営業職を定期的に一括採用している」
「慢性的な人材不足に陥っている」などの理由から未経験採用を行うケースも少なくないでしょう。

仕事の進め方や企業文化になじんで長く働ける人材を求めている

未経験者の場合は、同業他社や同職種などで働いた経験がないため、「先入観のないまっさらな状態で、仕事の進め方の吸収力や企業文化になじみやすい」と考えて採用するケースも少なくありません。また、長く定着して活躍してくれる人材を求めているために、企業文化になじみやすい未経験者を採用する企業も多くあります。
一方、新卒採用で予定していた採用人数を確保できなかったために、第二新卒や若手世代の未経験者を採用するケースもあります。

自己PRが思いつかない時の対処法

「未経験で実績がないため、自己PRできる強みが思いつかない」と考えてしまうケースは少なくないでしょう。しかし、キャリアの棚卸しや企業研究を行うことで、何らかのアピールできる強みは見つかるはずです。

また、応募企業の採用ページをチェックしたり、応募職種と同じ職種で活躍する先輩インタビューの記事などを読んだりすることもおすすめです。自分に重なりそうな部分がないか考えてみることで、応募企業にアピールできる強みを発見しやすくなるでしょう。
自分では見つけられないと感じた場合は、志望する業界・業種で働いている友人・知人などに相談し、自分の過去の経験の中で発揮できそうな強みについて客観的なアドバイスをもらう方法もあります。

未経験者の自己PRで注意したいこと

未経験者の自己PRで注意したいポイントとその理由を以下に紹介します。自己PRを作成する際には、こうした部分にも注意しましょう。

・憧れのみで志望し、企業研究や職種理解をせずにマッチしない強みを伝える
・転職の目的が明確でない=入社後に実現したいことがない
どちらもミスマッチや早期離職を懸念されてしまう可能性があるでしょう。企業研究をしっかり行うこと、転職によって実現したいことを明確にすることから始めましょう。

・自分で学ぶ努力をせず、「教えてもらいたい」という受身の姿勢のみを伝える
自ら学ぶ意欲が伝わらず、「入社しても仕事の習得が難しい」と判断される可能性があります。志望する業界・業種・職種に関連することを学び、自分自身で努力していることを伝えましょう。

・未経験だから何もアピールできることがないと思い込み、これまでの経験・スキルをアピールしない
ポータブルスキルや入社後に活かせる経験をアピールしなければ、企業も「どのようなポテンシャルがあるのか」を判断することができなくなります。これまでの経験を振り返り、アピールできることを探した上で、しっかりと伝えましょう。

未経験転職の自己PR作成は転職エージェントに相談することもできる

自己PRをどう作成すればいいのかわからない場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。キャリアの棚卸のサポートを受けられる上、業界・職種・企業の特徴や働き方などについても教えてもらうことができ、自分の強みの発見や企業研究に役立てることができます。

また、応募書類の作成や面接対策などもサポートしてくれるため、客観的なアドバイスを受けて、よりアピールできる自己PRにつなげることができます。「職務経歴書の書き方がわからない」という場合も、テンプレートの選び方や作成方法などを教えてもらえるため、安心できるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。