求人には、募集要項や企業概要、事業内容などの様々な情報が記載されているため、「どこを確認すればいいのか分からない」「求人の見方が分からない」と悩んでいる方もいるようです。転職活動では、数多くの求人をチェックするため、求人の見方を知っておくと効率的に探すことができるでしょう。そこで、求人の見方について、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
募集要項に記載されている「仕事内容」とは?
一般的に、求人には仕事内容や雇用条件、待遇などが記載された「募集要項」と、募集している企業情報が記載されています。例として、リクルートエージェントの求人は、大きく分けて以下の構成となっています。求人の募集要項の中に、仕事内容が記載されています。
企業名 求人名 |
求人概要 ・想定年収 ・予定勤務地 |
募集要項 |
仕事の内容 |
必要な経験・能力等 |
配属先情報 |
企業情報 |
事業内容 |
仕事内容の見方
仕事内容には、企業概要や事業内容などの働く環境とともに、例えば「月次決算業務と請求管理業務を中心に行っていただく」「広告運用と顧客への提案、分析業務を行う」など、具体的な業務内容が記載されています。営業の場合は顧客の属性や営業スタイル、扱う商材など、経理の場合は具体的な作業内容や使用ソフトなどが記載されています。
また、仕事内容は募集背景によっても異なります。欠員募集などで、求める人材要件や仕事内容が明確に決まっている場合もあれば、オープンポジションとして応募者の経験・スキルや希望に合わせて仕事を任せる場合もあります。企業によっては、面接で経験・スキルを確認するうちに、求人に記載されていない仕事内容を打診される可能性もあります。仕事内容を詳しく知るには、求人に応募して面接で話を聞くのが確実です。
リクルートエージェントの職種一覧
仕事内容を比較する場合は、まず希望の職種で求人を絞り込んでから探すのが効率的です。転職サービスによって職種の分類は異なりますが、大きくは、営業・販売、事務、技術職、クリエイティブ職、専門職などに分かれています。
- 営業・販売・カスタマーサービス
- 企画・マーケティング・経営
- 事務・管理
- 物流・購買・貿易・店舗開発
- コンサルタント
- 金融専門職
- 不動産専門職
- クリエイティブ
- SE・ITエンジニア
- エンジニア(設計・生産技術・品質管理)
- 建築・土木・設備
- 医療・医薬・化粧品
- その他(講師・調理師・介護など)
求人に記載されている「事業内容」との違い
求人には、仕事内容以外に「事業内容」が記載されていることが一般的です。
事業内容には、募集している企業の企業概要と、展開している事業が説明されています。企業概要とは、企業の基本情報である設立年や代表者名、住所や決算期、従業員数や資本金などが記載されています。事業内容は、その企業が展開している事業について、例えば「○○領域に特化した人材紹介事業と人事コンサルティング」「インターネットを中心とした広告代理店事業と、アドテクノロジーを提供」などと、具体的に記載されています。
企業によっては複数の事業を展開し、様々なポジションで人材募集を行っているケースもあります。そのため、興味を持った企業がある場合は、求人に記載されている仕事内容だけでなく、他のポジションや事業などで募集をしていないか確認してみましょう。
職種別「仕事内容」例
仕事内容の例を職種別にご紹介します。
一般事務
お客様のライフスタイルに寄り添う住宅設備メーカーとして、製品開発だけでなく、アフターサポートにも力を入れている当社。定期点検や部品の交換サービスなどを行っているサポート部門の、事務業務全般をお任せいたします。インターネットやコールセンターが受け付けたお問い合わせの管理、顧客対応、書類作成業務、アフターサービスの事務管理業務など、お客様の満足度を高める仕事です。
営業
当社は、累計●社以上に導入されている□□向けの管理システム「○○○」を提供しています。提供開始からX年が経ち、知名度も上がってきましたが、我々はもっと多くのお客様にご利用いただきたいと考えています。そこで、営業として○○○の特徴やお客様に合わせた運用管理方法をご提案し、カスタマーサクセスと一緒に導入が成功するまで伴走していただきます。業績拡大中につき、業界未経験や第二新卒の中途入社の方が多く、手厚い研修体制が整っています。
エンジニア
自社およびグループ企業の業務系システムやクラウドサービスの導入・運用・管理を行っている情報システム部門にて、SEとしてシステムの設計から携わっていただきます。基幹業務システムだけでなく、人事や総務、広報など複数の部門で使用しているシステムをお任せいたします。また、○○に関するDX化を推進しているため、早期実現に向けて積極的にプロジェクトをリードしていただける方を歓迎しています。
未経験歓迎求人の場合の仕事内容は?
未経験歓迎の求人の場合は、即戦力を重視する求人に比べると、仕事内容に専門用語などを使わず、未経験者でも分かりやすい表現を使用しているという傾向があります。また、未経験者を積極的に受け入れるポジションでは、応募者の経験・スキルによって段階的に仕事を任せるため、求人に記載されている仕事内容を、入社後すぐに任せられるとは限りません。
そのため、未経験歓迎の求人の場合は、仕事内容にこだわり過ぎずに、まず応募して面接で企業の採用担当者に話を聞いてみましょう。求人に記載していなかった具体的な仕事内容を説明されたり、自分の経験・スキルにフィットした仕事内容を提案されたりする可能性があります。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。