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【川崎ブレイブサンダース×リクルートエージェント】ビジネスセミナー開催『川崎新!アリーナシティ・プロジェクト』とスポーツ×街づくりの構想

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川崎ブレイブサンダースとリクルートエージェントの協同で、2024年4月6日(土)に川崎市とどろきアリーナにてビジネスセミナー開催。2028年に開業を予定している「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」をテーマに、スポーツ×街づくりの構想を、株式会社DeNA川崎ブレイブサンダース代表取締役社長の川崎渉氏が講演しました。

セミナーの参加は「川崎ブレイブサンダースと新アリーナシティ・プロジェクトのビジネス戦略が知りたい」「スポーツビジネスに携わりたい」「『街づくり』を仕事にすることに興味がある」などの方を対象に、定員30名としている中、大変多数の方に応募いただきました。質疑応答の時間では、時間が足りないほど参加者から質問が上がり、大変盛り上がりました。今回はセミナーの様子をレポートいたします。

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(プロフィール)
株式会社DeNA川崎ブレイブサンダース
代表取締役社長 川崎 渉氏

1984年大阪府生まれ。大学卒業後、A.T.カーニー株式会社を経て、2012年に株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社。 新規事業をプロダクトオーナーとして立ち上げた後は新規サービス構築部署を統括。DeNAを退社後、東京ヴェルディ、名古屋グランパスを経て2019年からFC東京に参画し、マーケティング領域を統括。2023年にDeNAに戻ったのち、スポーツ・スマートシティ事業本部から川崎ブレイブサンダースに出向。アリーナコミュニケーション部長に着任。同年6月に代表取締役社長就任。

Bリーグをけん引する存在になるべく、魅力的なチーム作りに注力

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「スポーツ×街づくり」の構想についてご説明する前に、Bリーグ、そして川崎ブレイブサンダースについて簡単にご説明したいと思います。

Bリーグがスタートしたのは2016年。当時2つに分裂していたトップリーグに対してFIBA(国際バスケットボール連盟)から制裁が課されたのを機に、川淵三郎・初代チェアマンのもとで統一され、野球、サッカーに次ぐ3番目のプロスポーツとしてBリーグがスタートしました。現在、B1、B2、B3リーグに計56クラブが所属しています。

川崎ブレイブサンダースは、1950年の創部以来東芝が運営していましたが、DeNAに経営資源が譲渡され、2018年に現在のチーム名となりました。以来、順調に動員数を増やし、売り上げも拡大しています。そして川崎ブレイブサンダースが所属するB1リーグには24クラブが所属。B1リーグは売り上げ規模的には、サッカーのJ2リーグを超える規模にまで成長しています。

クラブ経営は、限られた原資の中でチームを運営し、競技成績を残す「スポーツビジネス」、観客に楽しさや喜びなどの感情を提供する「エンターテインメントビジネス」、そしてクラブとファンのコミュニティを拡大していく「コミュニティビジネス」という3つの側面で成り立っており、我々はこの3つのバランスを重要視しています。
Bリーグはまだ歴史が浅く、競技特性を考えるとエンターテインメントが入り込みやすいスポーツです。実際、バスケットボールのコアなファン以外の、ライトなファンの方々にも、週末の娯楽として気軽に楽しんでいただけています。一方で、コミュニティビジネスはまだまだこれからだと感じています。

我々は、「川崎をバスケの中心地に」というビジョンを持っていますが、強くて魅力的なチームであることは大前提として、そこから一般の方々の関心を引き、ファンを拡大し、増加した収益を再投資するというサイクルを回すことが、ビジョンの達成につながると考えています。

ミッションは「スポーツの力で“ひと”と“まち”を元気にする」

そんな“いちクラブチーム”である川崎ブレイブサンダースが、なぜ「街づくり」に取り組むのか?と疑問に思う方もいらっしゃると思います。

我々が所属するDeNA SPORTS GROUPには、プロ野球の横浜DeNAベイスターズ、J3所属のサッカーチームであるSC相模原、そして川崎ブレイブサンダースがあり、神奈川県下で約650万人の地域を本拠地としたスポーツクラブを運営しています。
当グループが大事にし、ミッションとして掲げているのは「スポーツの力で“ひと”と“まち”を元気にする」こと。スポーツクラブの運営だけではなく、各スタジアムやアリーナと一体運営をするとともに、周辺街区の街づくりにもコミットするという方針にあります。

まず街づくりに着手したのは、横浜です。2011年にDeNAが現・横浜DeNAベイスターズを買収する形でスポーツビジネスに参画し、2016年に横浜スタジアムの運営会社のTOB(株式公開買い付け)を行うことでホームスタジアムとの一体化経営を実現。以来、複合施設「THE BAYS」の運営や、「ボールパークファンタジア」などスタジアムを中心としたエリアを盛り上げる施策に取り組むなど、横浜スポーツタウン構想を進めてきました。

そして現在、横浜スタジアムに隣接する旧横浜市庁舎街区の再開発プロジェクトに参画しています。国内では類を見ない巨大なLEDビジョンを中心とした、300人以上を収容できるライブビューイングアリーナの建設などが予定されており、街区全体において集客力があり、横浜の新たな顔となるスポットが2026春に完成する予定です。横浜スタジアムだけでなく、周辺街区にどう人々を送り込んでいくかも視野に入れて、プロジェクトに取り組んでいます。

「川崎からバスケの未来を」「川崎をバスケの中心へ」

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そして、川崎ブレイブサンダースでも、街づくりに積極的に取り組んでいます。
我々は「MAKE THE FUTURE OF BASKETBALL~川崎からバスケの未来を」というミッションのもと、人々に勝利と感動を与え、バスケの力で街をつくるという思いを持って臨んでいます。また、Bリーグが発足するまではバスケで食べていくのは難しい世界だったので、さらにバスケを夢のあるビジネスにしたいとも考えています。これらは、今後ずっと我々が追い求めていくミッションだと捉えています。

一方で、2030年をゴールに置いたビジョン「MAKE THE CITY OF BASKETBALL~川崎をバスケの中心へ」も掲げています。その中核となるのが、「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」です。

京急川崎駅隣接地に、最大15,000人収容のアリーナを含む複合エンターテインメント施設を2028年10月に開業することを目指す「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」が始動していますが、この新アリーナが川崎ブレイブサンダースのホームアリーナとなります。このプロジェクトを推進しつつ、ビジョン実現のため「アジアを代表する常勝チームへ」「クラブを川崎のアイデンティティへ」「アリーナの熱狂を川崎の街中へ」「常にサプライズを提供できる組織へ」を目指し、さまざまな取り組みを行っています。

川崎は多様性のある街であり、すでにサッカーの川崎フロンターレが愛されている街ですが、我々もアジアを代表する常勝チームになり、川崎で愛されるアイデンティティの1つになりたいと願っています。川崎ブレイブサンダースのファンを増やすだけでなく、バスケに興味がない人からも「川崎と言えばブレイブサンダース」と言われるようなチームにしていきたいと考えています。
そして、アリーナを盛り上げるのは当然として、その熱を周辺にしみ出させていくことにも注力しようとしています。新アリーナの完成後は、川崎駅の周辺を歩いていると「川崎ブレイブサンダースのユニフォームを着ている人が多いな、今日は試合があるのだな」と皆が思うような環境を作っていきたいと考えています。

現在もすでに、川崎の街中でさまざまな施策に取り組んでいて、JR川崎駅前で2面のバスケットコート「川崎ブレイブサンダースコート」を運営していているほか、バスケットスクールも運営していて現在2,000名超の子どもが通うBリーグNo.1のスクールとなっています。また、京急川崎駅前では、バスケやスケートボード、ダンス、ダブルダッチ、eスポーツなどが体験・交流できる「カワサキ文化会館」を運営しています。

我々がこのような取り組みに注力しているのは、すべて街づくりのため。ビジョンでもある街づくりに貢献することで、バスケの魅力を知ってくれる人が増えれば、バスケのすそ野が広がり市場拡大につながります。その中で川崎ブレイブサンダースに注目してくれる人が増えれば、我々の経営インパクトにもつながります。したがって、「街づくり」はビジョンや思いの実現のためだけでなく、経営面でも非常に重要な取り組みだと捉えています。

日本最大級のアリーナ新設で、アリーナシティ全体を盛り上げたい

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2028年開業を目指して進めている「川崎新!アリーナシティ・プロジェクト」においては特に、街づくりをとても強く意識しています。「アリーナ・プロジェクト」ではなく「アリーナ“シティ”・プロジェクト」という名称にしたのもこのためです。

そもそも、この場所に15,000人収容規模の日本最大級のアリーナを作るのは、川崎市のポテンシャルを高く評価しているからです。
川崎市の人口は約154万人と年々増加しており、2019年には神戸市を抜いて政令市6位となりました。そして、2020年には全国に21ある政令市の中で、平均年齢が43.1歳と最も若い都市であり、出生率も1位となっています。品川や横浜、羽田空港よりそれぞれ約10分というアクセスの良さも魅力です。

この場所で、まずは世界に誇れるバスケアリーナというハードを作り、さまざまなイベントや施策などのソフトと組み合わせて地域の活性化に取り組みます。そして、アーバンスポーツの聖地として、若者がさまざまなチャレンジができる場にもする計画です。
川崎は工業の町として発展してきたため、今もCO2の排出量が問題視されていますが、新アリーナでは脱炭素など環境に配慮するほか、地域の方々のウェルビーイングにも取り組んでいきたいと考えています。

新アリーナは多摩川に隣接した場所に建設されますが、駅からアリーナに至るまでの導線についても川崎市などと連携を取りながら開発を進めています。公有地・民地も含め一体的な「アリーナシティ」をつくることで、第三者機関の試算によると、経済波及効果は年間約1270億円に上ると見られています。2028年10月の開業まで約4年半ありますが、その間にもさまざまなイベントやプロジェクトを推進し、地域を盛り上げていきたいと考えています。

プロバスケットボールのクラブチームとして、目の前の試合に一つひとつ真剣に向き合い、勝利を目指すのはもちろんですが、ここまでご説明したように、スポーツの力でひととまちを元気にするという思いを大事に、日々さまざまな活動に取り組んでいます。
スポーツビジネスに挑戦したいという思いをもって、今回のセミナーに参加してくださった方もいらっしゃると思いますが、我々のこの思いに賛同していただけたのであれば、ぜひ仲間になってほしいと思っています。いろいろなバックグラウンドを持った志の高い人に来ていただければ、スポーツを通して新しい常識を創り出すことができ、川崎ブレイブサンダースはもちろん、日本のスポーツももっと盛り上げることができると考えています。

試合後は納見選手がサプライズ登場、参加者との交流も

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川崎氏の講演後は質疑応答が行われ、セミナー参加者から「売り上げ拡大の一方、収益化のための取り組みは?」「ミッションやビジョンを社員や選手にどう浸透させているか」「試合を見に来た人をファン化するための取り組みは?」など、川崎ブレイブサンダースのビジネスや経営に関する鋭い質問が飛び交いました。
そして質疑応答の後は、セミナーへの参加者全員が「川崎ブレイブサンダースVS広島ドラゴンフライズ」の試合を観戦。白熱した試合内容に皆で大いに盛り上がりました。

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さらに試合後は、川崎ブレイブサンダースの納見悠仁選手がセミナー参加者の前に登場。思わぬサプライズに、参加者の皆さんの中には歓声を上げる方も。納見選手への質問タイムを経て、全員で記念撮影を行いこの日のセミナーを締めくくりました。

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「川崎ブレイブサンダースと川崎新!アリーナシティ・プロジェクトのビジネス戦略が知りたい」 「スポーツビジネスに携わりたい、スポーツビジネスを仕事にしたい」「街づくりを仕事にすることに興味がある」という方には、非常に有意義な時間になったのではないかと思います。
講演の中で川崎氏が何度も伝えていた「スポーツの力で“ひと”と“まち”を元気にする」という思いに共感された方は、ぜひスポーツを仕事にすることを検討してみてはいかがでしょうか。