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ジェネラリストとスペシャリストの違いは?適性・役割・人材ニーズを解説

ジェネラリスト スペシャリスト 違い

幅広い知識と経験を持つジェネラリスト、専門的な知識・スキルを有するスペシャリスト。どちらも企業の中では欠かせません。ビジネスにおいても、両方の存在が不可欠と言えるでしょう。ジェネラリストとスペシャリストの違い、適性・役割・人材ニーズについて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

ジェネラリストとスペシャリストの違い

対比的に語られることの多い「ジェネラリスト」と「スペシャリスト」。まずはそれぞれの特徴や役割、ジェネラリストとスペシャリストの違いについてご紹介します。

ジェネラリストとは

ジェネラリストとは、幅広い分野での経験・知識や多角的な視点などを活かし、企業の中で組織や事業を仕組み化したり、マネジメントしたりする役割を持つ人のことを意味します。

スペシャリストとは

スペシャリストとは、ある特定分野において高度な専門知識やスキルを持つ人材を指します。ビジネスの場では、特化した業務などでの高い成果や先進的な貢献をしている人が、スペシャリストと呼ばれています。

ジェネラリストとスペシャリストの違いとは

ジェネラリストは、幅広い領域で多様な知識と経験を活かした業務やマネジメントなどに取り組むことを強みとします。一方、スペシャリストは専門知識を活かし、特定業務に特化してスキルを高めていく人が多いことが特徴です。ジェネラリストは総合職、スペシャリストは専門職と言えるでしょう。

ジェネラリストに必要なスキル

粟野氏のご経験をもとにすると、ジェネラリストは幅広い領域において、様々な領域の業務や担当者と携わることが多くあるそうです。必要とされるスキルの一例を紹介します。

コミュニケーションスキル

ジェネラリストは、社内の様々な部署や協力企業などとやりとりして、コミュニケーションを取りながら業務を進め、プロジェクトを成功に導く役割を持つことが多くあります。そのため、コミュニケーションスキルは必須スキルと言えるでしょう。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトにおいては、ジェネラリストのプロジェクト管理やチームメンバーとの円滑なコミュニケーション、リスクマネジメントなど、プロジェクトを成功に導くためのプロジェクトマネジメントスキルが求められます。

問題解決力

問題が発生した際に、迅速に原因を特定して適切に対応する問題解決能力もジェネラリストに必要な重要なスキルです。多様な知識とスキル、経験に基づいた解決策の提案・対応が求められるのです。

リーダーシップスキル

部署やプロジェクトチームのリーダーやマネージャーを務めることの多いジェネラリストには、メンバーの意見を柔軟に聞き、チームをまとめるリーダーシップも重要なスキルの一つです。

プレゼンテーションスキル

プレゼンテーションスキルは、幅広い技術や知識を活かしてプロジェクトを成功に導くために、新しいプロジェクトのプレゼンテーションや業務改善の提案など、ジェネラリストが身に付けておきたいスキルです。

スペシャリストに必要なスキル

スペシャリストは、特定分野における高度な専門知識やスキル、経験を持つことが求められます。例えば、IT知識、プログラミングスキル、データ分析・統計、医療、語学、法的な知識やスキル、経験を持つ人が、スペシャリストと言えるでしょう。

ジェネラリストの主な職種・ポジション

ジェネラリストとスペシャリストの考えは企業によって異なりますが、粟野氏のご経験から、ジェネラリストとされることの多い職種の一例を、そのポジションと合わせてご紹介します。

管理職・マネジャー・リーダー

管理職・マネジャー・リーダーなど、企業内の部門をまとめるマネジメント業務ポジションです。幅広い技術や知識を現場で活かしながら、部門事業やサービスの戦略から実践までマネジメントする役割は、まさにジェネラリストに適しているでしょう。

総務・人事など

総務や人事の企業のバックオフィスを支える業務も、ジェネラリストに適しています。豊富な経験と知識ですぐ行わなければならない業務の判断や、問題発生時の臨機応変な対応力など、様々なヒューマンスキルが求められます。

プロダクトやプロジェクトのPM・PL

IT企業のインターネットサービスのプロジェクトやデジタルプロダクトなどにおいても、全体をまとめるプロダクトマネジャーもジェネラリストが向いています。

プロダクトマネジャーはITやデジタル知識は必要ですが、自身がプログラミングをするわけではなく、チームをまとめてプロジェクトやプロダクトを成功に導くポジションなのです。

企画職(商品企画・サービス企画、事業企画など)

幅広い知識や経験を活かして、企業の商品企画・サービス企画、事業企画などを担当する企画職もジェネラリストが向いています。顧客や社内・社外関係者と綿密で適切なコミュニケーションを取りながら、新たなアイデアを生み出したり、経験を学びにしたりする自己学習能力なども求められるでしょう。

コンサルタント

コンサルタントは、担当領域やポジションなどによって異なりますが、顧客となる様々な企業の事業モデルや業界情報などについて、幅広い知識と経験が持つコンサルタントやプロジェクト全体の戦略や管理を支えるコンサルタントはジェネラリストと言えるでしょう。

ただし、特定の分野・領域について詳しくスペシャリストに区分されるコンサルタントも少なくありません。

スペシャリストの主な職種・ポジション

続いては、スペシャリストと呼ばれることの多い代表的な職種、主な業務内容をご紹介します。

エンジニア

エンジニアは高い技術知識やスキルが求められるスペシャリストです。IT知識やプログラミングスキルなどで活躍するソフトウェアエンジニア、電気・機械・化学などのハードウェアエンジニアの求人ニーズは高く、IT企業や製造業企業などから常に求められています。

ITエンジニアには、システムエンジニア、インフラエンジニアなど多様な専門分野のエンジニア職種があります。IT知識やプログラミングスキルなどで活躍するITエンジニアのニーズは高く、IT業界以外の一般企業でも必要とされています。

近年では、インターネットと製品をつなぐIoT(Internet of Things)技術を使って開発するIoTエンジニア、AIを活用したソフトウェアや、データの分析などに用いる技術開発などに携わるAIエンジニアなどの求人ニーズが高まっています。

研究職

業界のニーズを読み取り、新たな市場を開拓する技術や製品を研究し、開発するのが研究・開発職の役割、ミッションです。医療・食品・化学などの領域の研究開発、自動車の自動運転技術、テキスト生成・画像生成・動画生成などの生成AI、量子コンピューティングなどが注目されています。

経理・財務、法務など

企業の経理・財務、法務部門においても、金融や財務、法務などの高度な知識を持つ人材もスペシャリストと言えるでしょう。

経理財務であれば、IPO準備などのIPO関連業務経験、J-SOX対応などの内部統制体制構築経験、IR業務、M&Aや事業投資経験などが求められています。法務業務であれば、ガバナンス・コンプライアンス体制構築、M&Aや事業提携等に関わる契約法務などが挙げられます。

上記以外にも、デザイナー、マーケティング、金融専門職(アクチュアリー、アナリスト、ファンドマネージャーなど)、不動産専門職(アセットマネージャー、不動産デューデリジェンスなど)、施工管理、公認会計士、税理士、弁護士などの士業などが、スペシャリスト職種と言えるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。