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「社風が合わない」を理由に転職してもいい?転職理由や自分に合った企業の見つけ方

社風が合わない

今の会社の仕事内容や待遇などに不満がなくても、「社風が合わない」と感じてストレスを抱えている人は少なくないようです。そもそもなぜ社風が合わないと感じるのか、どのように対処すればいいのか、社風が合わないことを理由に転職するのはアリなのか、転職活動でどのようなポイントを意識すればいいのか、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

「社風が合わない」と感じるのはなぜ?考えられる理由

そもそも、なぜ「社風が合わない」と感じてしまうのでしょうか。社風の違いの一例を以下に挙げますので、ご自身と照らし合わせて理由を分析してみてください。

仕事の進め方・やり方が合わない

職場が推奨する仕事の進め方・やり方が合わなければ、やりにくさを感じるほか、自分の強みを活かしてパフォ―マンスを発揮しづらいことがあります。一例を挙げてみましょう。

  • 個人で活動する/チームメンバーと連携しながら進める
  • 進捗状況を細かくマネジメントされる/目標を決めたら、ゴールまで個人の裁量に任される
  • 議論を重ねて慎重に検討する/スピードを重視し、まず行動を起こす
  • これまでの慣習を守り、前例にならう/常に改善・変革を図る
  • ウォーターフォール型(上流工程から下流工程へ順序立てて進める)/アジャイル型(工程を細分化し、小さなサイクルを繰り返しながら進める)

社内の雰囲気・コミュニケーションスタイルが合わない

社内の雰囲気や環境、メンバー同士の距離感やコミュニケーションスタイルになじめないと、居心地の悪さを感じるものです。例えば、同じ業種・職種の組織であっても、以下のような違いが見られます。

  • 個々が黙々と集中している静かな環境/会話が多く、賑やかな環境
  • メンバー同士が競い合う/メンバー同士が助け合う
  • メンバー同士の距離が近く、プライベートも共有する/メンバー同士が一定の距離を置いている
  • 対話によるコミュニケーションを重視する/チャットなどで効率的にコミュニケーションをとる
  • 理論的に対話する/感情を重視した対話をする

人事評価・人材育成の方針が合わない

人事評価において重視される指標(結果かプロセスか、など)、人材育成の方針(OFF-JTとOJTのバランスなど)などに納得感を持てないと、社風が合わないと感じることもあります。

社風が合わないと感じた場合の対処法

社風が合わないと感じたとき、どのように対処すればよいのでしょうか。次のステップを試してみてください。

なぜ合わないか原因を分析する

「何となく違和感がある」という漠然とした状態では、適切な対処ができませんし、転職活動をするにしても応募先企業をどのような基準で選べばよいかが分からないでしょう。

まずは、なぜ社風が合わないと感じるのか、どの部分が合わないと感じるのかを自己分析してみてください。先ほど挙げた「考えられる理由」の例も参考に、違和感を抱く場面を思い出して言語化してみましょう。

合わせられる部分を探し、対応を工夫する

合わないと感じている社風にも、別の観点で捉え直してみると、メリットや面白さを見出せる可能性があります。納得して合わせられる部分を探し、対応できるように心がけてみてはいかがでしょうか。

人事に異動を相談する

職場への違和感を分析してみると、会社全体の「社風」というより、所属している組織の上長の考え方や方針が合わないことに気付くケースもあります。他部署を見てみると、自分が合わないと思う環境や習慣は現在の所属部署独自のものだった……ということもあり得ます。

合わないと感じる社風が一部の組織のものである場合は、人事に相談して部署異動の道を探る手もあります。

転職を検討する

上記の手段を試しながら転職を検討する方法もありますが、上記の手段を試してみた結果、やはり会社と自身の志向性や価値観にギャップがあると判断した場合、そしてこの先も変わることが期待できない場合、転職を検討してみてもいいでしょう。

「社風が合わない」は転職理由になる?

「社風が合わないことを理由に転職してもいいのだろうか」と迷う方もいらっしゃるようです。社風への違和感や抵抗感がストレスとなり、業務遂行の支障となっていたりパフォーマンスを十分に発揮できなかったりする場合、改善する手段の一つとして転職を考えてもいいでしょう。

ただし、面接での伝え方には注意が必要です。転職理由を聞かれて「社風が合わなかった」としか答えられないと、面接担当者は「他責にする傾向があるのではないか」「入社して合わないと感じたら、また辞めてしまうのではないか」といった懸念を抱く可能性もあります。

先ほどの自己分析によって合わない部分を言語化しておき、それをベースに「このようなスタイルで仕事に取り組みたい」という意欲・目的を具体的に伝えられるように準備しましょう。

社風が合わないことを理由に転職する際のポイント

社風が合わないことを理由に転職するのであれば、次は社風が合う企業を見極めて選びたいものです。社風が合う企業に出会うための転職活動のポイントをご紹介します。

企業の採用サイトなどで情報収集する

企業の社風を知るため、まず公式サイトに目を通しましょう。多くの企業では「企業理念」「Mission(ミッション)/Vision(ビジョン)/Value(バリュー)」「パーパス(企業の存在意義)」「クレド(社員が心がける信条や行動指針)」といったものを定めて発信しています。

これらは、その企業がどのように社会に貢献したいか、どのような組織にしたいかなど、大切にしたい価値観が言語化されたものです。社風にも反映されているはずですので、自身が共感できるかどうかを確認してみるといいでしょう。

また、企業の採用ページでは、従業員のインタビューなどを通じ、日々の働き方や職場の雰囲気、一緒に働くメンバーのキャラクターなどをつかめることもあります。企業のSNSでは、公式サイトには載っていない日常の仕事・職場の様子が垣間見えることもあるため、チェックしてみてはいかがでしょうか。

Webサイトで「企業名」「経営者名」などで検索すると、経営層やキーパーソンのインタビュー記事などが見つかることもあります。その談話からも社風がつかめる可能性があります。

気になる企業の社員に話を聞いてみる

友人・知人・SNSなどのネットワークを活用して、興味がある企業に勤務する人にアプローチし、話を聞いてみる方法もあります。ただし、その人の主観で語られたことを鵜呑みにすると、情報が偏り、社風の全体像をつかみにくいこともありますので注意が必要です。

また、求人に応募する前に、「カジュアル面談」を受けられる企業もあります。カジュアル面談は「選考」ではなく、ざっくばらんにお互いのことを語り合える場ですので、申し込んでみてもいいでしょう。

転職エージェントに相談してみる

転職エージェントは求人企業の経営者や社員との対話を通じ、社風をつかんでいることもあります。興味がある企業の社風を聞いてみる、あるいは自身が希望する社風を伝え、それに合致する企業を紹介してもらってもいいでしょう。転職エージェントを通じ、「カジュアル面談」を申し込むことも可能です。

面接で率直に聞いてみる

応募・面接に至った場合、採用担当者にストレートに聞いてみてもいいでしょう。その際には「御社の社風をお聞かせください」といった曖昧な聞き方は避け、具体的な例を挙げながら聞くことをお勧めします。

例えば、「現職は○○を重視する風土なのですが、御社ではいかがでしょうか」「ホームページやSNSの情報から、御社は○○を大切にする社風であると感じたのですが、実際はいかがでしょうか」といったように投げかけると、採用担当者も答えやすいでしょう。

職場見学をする・現場のメンバーと対話する

面接で対話するだけでは、職場の雰囲気まではつかみにくいこともあるかもしれません。実際に働くオフィスを見学させてもらう、あるいは一緒に働くメンバーと話す機会をセッティングしてもらうなどすれば、現場の雰囲気を感じられるかもしれません。選考過程で採用担当者に交渉してみてはいかがでしょうか。

社風が合う企業に出会うには、転職エージェントに相談してみよう

転職エージェントは、企業の経営者や人事担当者とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、採用の背景、社風やカルチャーなどを把握しているケースがあります。転職エージェントだからこそ入手が可能な情報を、ぜひ活用してください。

転職エージェントとの面談では、自身の志向や価値観についても伝えておくと、それらがマッチする=社風が合う企業の求人を紹介してもらえる可能性があります。社風が合う企業に出会うために、サポートを受けてみてはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。