「仕事に対してやる気が出ない」「仕事をやるモチベーションが上がらない」。そのような気分になるときは誰しもありますよね。やる気が出ないと仕事が進まなかったり、思わぬミスをしたりなど、仕事の成果に影響が出てしまうこともあります。そのような仕事のやる気が出ない理由と対処法を、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。
仕事でやる気が出ない原因とは
なぜ、仕事でやる気が出ないのか、まずはその理由を明確にすることから始めましょう。よくある理由をご紹介するので、自身に当てはまるものがあるか確認してみてください。
忙しすぎて心身が疲れている
仕事が忙しすぎて残業や休日出勤などが続き、心身ともに疲労が溜まっていることからモチベーションが下がっているケースです。仕事量が多い場合、管理職やリーダーポジションなどに就いて管理業務を任されるようになった場合、新卒入社や中途入社、部署異動などで慣れない職場で気をつかいながら、仕事をこなそうとしている場合などがあります。
仕事にやりがいを感じていない
現状の仕事に興味を見いだせず、やりがいが感じられない場合もやる気が出ない状態になりがちです。自身が担当する製品やサービスに魅かれていなかったり、自分が担当したい業務に就けていなかったりといったことで、やりがいを感じられていないこともあるでしょう。
企業・事業戦略に共感できない
自社が掲げる企業理念・ミッション・ビジョンや、所属する部署の事業戦略に対して共感できず、違和感を持っている場合も仕事に対するモチベーションが上がらない要因となるようです。
職場の人間関係が良くない
職場の上司や同僚、顧客、取引先の担当者などと相性が合わず、人間関係で悩んでいる場合も、やる気が出ない原因となることがあります。コミュニケーションがうまく取れない、会話が合わない、仕事に対する考え方・やり方が合わないなどといったことから、ストレスが溜まるケースも多いようです。
給与や待遇が希望に見合っていない
給与や賞与が自身の仕事量や成果に見合っていない場合も、仕事に対するやる気を失ってしまう理由となるでしょう。また、自身の仕事成果に対する評価が上がらず、待遇が低い場合も、モチベーションが上がらず、不満がたまってしまう原因といえるでしょう。
労働環境が合わない
通勤ラッシュや勤務先への通勤時間が長いため、リモートワークをしたいのに出社を求められる、労働時間が長い、仕事用のパソコンやスマートフォンで使う業務用ツールが使いにくいなど、自分にとって働きにくい環境で仕事をするのはストレスが溜まります。また、職場環境が騒がしかったり、逆に静かすぎたりして集中できないというケースもあります。
将来のキャリア形成が考えられない
現在の仕事を続けても、将来のキャリア形成につながる経験やスキルが得られないと感じている場合も、仕事のやる気が起きない理由として挙げられます。自身の成長機会を得て、仕事へのモチベーションを上げるためにはどのような仕事をしたらいいのか、悩む人も少なくありません。
仕事でやる気が出ないときの対処法を紹介
仕事でやる気が出ない理由があきらかになってきたら、理由別にやる気を出すための対処法をご紹介します。ぜひ、参考にしながら試してみてください。
自分が仕事でやる気が出ない理由を明確にする
まずは、自分がなぜ仕事でやる気が出ないのか、その理由を明確にすることから始めましょう。その際は不満や悩みだけでなく、自分がやりたいと思っていること、将来目指していることなども合わせて考えることで、今後どのようにしていけばいいのか対処法も考えやすくなるでしょう。
リフレッシュする時間を作る
仕事が忙しすぎて疲れていたり、ストレスが溜まっていたりなどで仕事のやる気がでない場合は、思い切って休んでみるのも一つの対処法です。例えば有給休暇を取ってゆっくり休むなど、心身ともに疲れを取るようにしましょう。
休むことで疲れやストレスが軽減し、モチベーションが高まることもあります。丸一日休むことが難しい場合は、午前休や午後休、定時で帰るようにするなど、休息時間を作ってリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。また、睡眠時間をしっかり取ることで、仕事の活力が上がることもあるようです。疲れが取れにくいときは、睡眠時間もしっかり取るようにしましょう。
趣味などのプライベートを充実させる
仕事にやる気が出ない場合、趣味などのプライベートの時間を充実させる方法もあります。趣味のコミュニティで好きなことの会話を楽しんだり、家族や友人・知人と過ごす時間を増やしたりすることで、仕事に対して前向きに取り組む気持ちが生まれてくるかもしれません。
仕事帰りに友人と美味しい食事をしたり、ショッピングを楽しんだりする予定を入れて、友人との会話を楽しむことで気持ちを高めてみるのはいかがでしょうか。
運動して体を動かす
ランニングやウォーキング、筋トレ・ストレッチなど、運動して体を動かし、汗をかくことで気持ちをすっきりさせる方法もあります。適度な運動をすることは体調を整える効果もあるので、おすすめします。
仕事の効率化など、問題改善の方法を考える
仕事量の多さや仕事のやり方などに原因がある場合は、業務内容を効率化する方法を考えてみましょう。無駄な工程をなくし、適切な進め方で仕事がスムーズにできるようになれば、やる気も出てくるのではないでしょうか。
また、仕事の効率化は残業時間や休日出勤を減らすことにも繋がるので、プライベートを楽しむ時間も増えてモチベーションも上がるでしょう。
上司やリーダーに相談する
通勤の負荷や労働環境、職場の人間関係などにストレスを感じている場合や、仕事に関して悩みを抱えている場合は、上司やチームリーダーに相談してみるのもいいでしょう。現在の仕事内容・仕事量に対する改善、リモートワークで仕事ができないか、所属するチームの変更・異動、担当業務の軽減など、対応を検討してくれる可能性があります。
同僚や友人に相談する
やる気が出ないストレスは一人で抱え込まず、信頼できる同僚や友人に相談してみましょう。悩みや不安を話したり、仕事の愚痴を聞いてもらったりすることで、ストレス解消につながりますし、気持ちが楽になることがあります。アドバイスや励ましを得られることもありますし、人に話すことで自分の考えが整理できるケースもあるでしょう。
新たなスキルを身につける
明確に将来目指すキャリア領域がある場合は、社内のキャリア研修やセミナー、社外のビジネススクール、書籍やインターネット講座などで新たなスキルを身につけるために動いてみる方法もあります。
モチベーションアップや気分転換にもなりますし、新しい知識を得ることで仕事の改善や効率化などのヒントが得られるかもしれません。また、将来のキャリアに役立つスキルとしても期待できるでしょう。
将来のキャリアに対して目標を立てる
会社から与えられた仕事をこなすだけではなく、将来目指すキャリア目標を立てて、そこに向かって仕事に取り組むようにしましょう。明確な目標を設定することで、やる気が出てくるでしょうし、そのためにできることを考えるようになるでしょう。
それでも仕事のやる気が出ない時の対処法
仕事のやる気を出すためにいろいろ試してみたものの、やはり今の仕事に対してモチベーションが出ない場合の対処法をご紹介します。
社内異動や転職を検討する
どうしても今の仕事にやる気が出ない場合、社内異動や転職を検討するのも一つの方法です。社内での部署異動を希望する場合は、上司に相談を持ちかけ、なぜ異動したいのか、どのような仕事をしたいのかなど、明確な理由を伝えましょう。
社内に自分がやりたいと思う仕事が見つからない場合は、転職の可能性も探ってみましょう。転職活動を通じて、「この仕事をやってみたい」「この会社ならやる気が出そう」という企業を探しながら、将来目指すキャリア実現に向けて動いてみるのもいいでしょう。
ただし、一時的な感情で会社を辞めてしまっても、すぐに希望通りの転職先が見つかるとは限りません。勢いだけで退職を決めるのは避けたいところです。
心身不調が続く場合は、医療機関を受診する
疲労がたまったことで、集中力や思考力の低下が続いたり、頭痛や微熱などの体調不良が見られたりする場合、ストレスが抜けず気になる場合などは、医療機関を受診するようにしましょう。
特に仕事に対して、心身に強い拒否反応がある場合は、産業医やメンタルヘルスの専門家医などに相談してみることをおすすめします。
やる気が出る仕事を見つけたいときは、転職エージェントに相談してみよう
仕事にやる気が感じられない状況が改善しない場合は、転職エージェントに相談するというのも一つの方法です。キャリアの棚卸しのサポートを通じて、仕事でやる気を出すためのヒントが得られるでしょう。
キャリア・転職支援のプロの視点からアドバイスを受けることで、自身の経験・スキルを活かせる仕事や、自分では気付かなかった強みを発見できるかもしれません。
悩んでいるのであれば、まずはサービスを申し込んで相談してみてはいかがでしょうか。
【参考記事】
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。