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面接で失敗談を聞かれたらどう答える? 回答例文と質問の意図を解説

失敗談

転職の面接では、失敗談や失敗体験について質問された際、「マイナス印象を与えるのではないか」と考え、どう回答すればいいのか悩む人もいるでしょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が、失敗談を聞かれた時の答え方や、企業が失敗談を聞く理由と見ているポイントなどについて解説します。失敗談の回答例文も紹介するので参考にしてみましょう。

転職の面接で失敗談・失敗体験を聞かれた時の答え方

転職の面接では、前職での失敗談・失敗体験を聞かれるケースもあります。その際、「失敗した経験をそのまま伝えてもいいのか」「失敗の内容によってはマイナス印象につながるのではないか」と不安に思う人もいるでしょう。

しかし、面接では質問への回答を通じて、応募者の人柄や仕事やキャリアに対する価値観、仕事への向き合い方などを見ています。失敗談・失敗体験だけでなく、成功体験などを聞かれた場合にも、結果だけでなく、そのプロセスや自分の考え方などもしっかりと伝えることが大事です。

以降で失敗談の伝え方のポイントを紹介するので、把握していきましょう。

冒頭で「どのような失敗をしたのか」を端的に伝える

面接で質問に回答する時は、相手が理解しやすいように「結論」を先に伝えることが大事です。失敗談を聞かれた際にも、冒頭で「どのような失敗をしたのか」を端的に伝えましょう。

失敗した状況について、背景・要因まで説明する

失敗談を初めて聞く相手にも、どのような状況だったのかイメージできるようにすることがポイントです。失敗の背景・要因まで具体的かつ簡潔に説明しましょう。

失敗したことに対し「なぜ失敗したと思ったのか」を伝える

失敗したエピソードについては、状況を説明するだけでなく、「何を失敗だと思うのか」「なぜ失敗したと思ったのか」まで伝えることも重要です。失敗に対する考え方や、失敗した理由について自分なりに分析していることで、物事に対する着眼点や価値観、失敗に対する考え方を伝えることができます。

失敗にどう対処したのかを伝える

失敗した時、どのようにその状況を整理し、どういった行動をとったのか、どのように対処・改善することができたのかを具体的に伝えましょう。失敗にどう対処したのかを伝えることで、分析力や客観性、判断力、ストレス耐性などをアピールできます。

失敗から学んだことを伝える

失敗したこと自体より、「失敗によって何を学んだのか」を伝え、向上心や成長性をアピールしましょう。入社後に活躍・貢献ができる人材だと判断してもらうために、今後にどう活かせるのかまで伝えることがポイントです。

成功談を聞かれる可能性も踏まえておく

失敗談を聞かれた場合は、「反対に成功談はあるか」という質問をされる可能性があります。失敗談だけでなく、成功談も併せて整理しておくと良いでしょう。失敗から学んだことを活かして何らかの成功につなげたエピソードを話せば、失敗しても、次につなげることができることが伝わり、説得力をより高めることができます。

面接で失敗談・失敗体験を聞かれた時の回答例文

営業職、事務職の回答例文を紹介するので、参考にしてみましょう。

営業職の例文

入社4年目の頃、自分一人で大きな商談を進め、失注につながってしまったことがありました。先輩から大口顧客を引き継ぎ、年間契約額◯千万円の商談を進めた結果、競合他社に案件が決まりました。顧客に失注の理由を確認した結果、「課題の深掘りや企業理解が足りない」「提案内容が表面的だった」というフィードバックを受けました。

当時の自分は、営業目標を順調に達成できるようになり、上司からも評価されていたため、「自分の力なら一人で進めても問題ない」と考えていましたが、前任の先輩や上司、他部署の関係者などに相談や情報共有をしながら商談を進めるべきだったと思い、深く反省しました。
その後は、金額規模の大小に関わらず、商談を進める過程や提案を行う前段階で上司や同僚などからフィードバックを受け、アイディアももらうように心がけました。

提案の精度を高め、着眼点も広がったことで、入社5〜6年目には、年間の数字目標120%達成を維持しており、当時、競合他社に案件が決まった顧客とも良好な関係を築くことができています。御社に入社後も、自分一人の狭い観点にとらわれず、周囲の力を活かしながら大きな営業成果を出していきたいと考えております。

事務職の例文

前職で総務事務を担当する中、社内で使用するデスクや椅子などの什器発注で、商品を間違えるミスをしました。オフィス内の統一感を出す上で問題があったため、再度、発注し直すことになり、約◯万円の損失を出してしまいました。

当時は、もともと担当していた営業事務に加え、総務事務も兼務するようになった矢先で、発注業務の手順を細部まで把握できていなかったことや、部署内のチェック体制が構築されていなかったことが、商品名や商品番号の確認ミスを招いてしまったと思います。
この失敗を受け、社内外に影響が大きい業務においては、上司や同僚によるダブルチェックを行う仕組みを作り、ミスを防ぐようにしています。また、部署内の情報共有に役立つITツールの導入提案なども行い、業務改善に取り組んでいます。

御社に入社後も、正確な業務の遂行はもとより、新たな仕組みづくりの提案も続け、部署全体の業務改善ができるよう、働きかけていきたいと考えております。

面接でなぜ失敗談を聞かれるか

面接で失敗談を聞かれる理由について解説します。

「何を失敗と捉えるのか」を知りたい

面接で話す失敗談の内容は、人それぞれに違うものです。面接担当者は、「何を失敗と捉えるのか」を知り、どのような考え方や着眼点を持っているのかを確認したいと考えています。失敗談を通じて、応募者の価値観が自社にマッチしているのかを判断する材料としています。

「失敗にどう対処したのか」を知りたい

失敗した際に、どのように状況を判断し、どういった視点や考え方を持って解決・改善に向かったのか、具体的にどのようなアクションを起こしたのかを知りたいと考えています。
仕事における失敗は珍しいことではありませんし、自分自身の問題だけでなく、その時の状況や背景などが影響して失敗につながってしまうケースもあります。そのため、失敗にどう対処したのかを聞き、「入社後もさまざまな失敗に対処できる力を持っているのか」を確認しているでしょう。

「失敗から何を学んだのか」を知りたい

失敗に対処するだけでなく、そこから何を学んだのか、今後にどう活かすのかを知りたいと考えています。仕事においては、「失敗から学び、次の成長につなげていくこと」も求められます。失敗した経験をそのままにせず、自分自身で振り返って改善すべき点を考え、そこに取り組んでいける人材かどうかを確認しています。

失敗談の質問を通じて何を見られているか

失敗談の質問を通じて、面接担当者がどのような点を見ているのかを解説します。

客観性と状況判断力

失敗をどう捉えたかによって、「自分自身を客観視できているか」を見られているでしょう。
また、客観的に状況を判断し、事態の回収・改善・解決の行動に向かうことができるかどうかも確認されています。仕事では、自分の主観のみにとらわれず、全体を動かしていくことが必要なため、失敗談を通じて「客観性と状況判断力があるのか」を見極めているでしょう。

問題解決力

仕事では、予期していないトラブルが発生したり、イレギュラーな対応が必要となったりすることは少なくありません。そのため、どのような状況があっても臨機応変に解決していける力が求められます。「どのように問題を解決したか」を通じて、問題解決能力があるかどうかを見られているでしょう。

分析力

仕事上で発生した問題を解決するためには、「何が要因なのか」を冷静に振り返って分析することが必要になります。また、分析力は、チームや顧客などの課題を発見する力にもつながるものです。失敗談を聞かれた際には、「失敗したことの要因」を発見できる分析力があるかも見られているでしょう。

ストレス耐性

仕事にはうまくいかない時もあり、「失敗したこと」に対し、落ち込んだりイライラしてしまったりすることもあるものです。失敗談を通じて、そうしたストレスやプレッシャーを自ら乗り越え、現状を打破していく力があるかどうかも見られているでしょう。

仕事に役立つそのほかの能力

仕事においては、迅速に状況を共有・相談して協力を仰ぐ力や、周囲と連携して取り組んでいく力が求められるケースもあります。また、問題の要因を探るために各所の意見を聞いたり、全体を取りまとめるために調整したりする力が必要になることもあります。失敗談を聞く際には、問題解決に向かう中で発揮したさまざまな力についても見られていると考えましょう。

「転職で後悔したくない」と思ったら

転職で後悔したくないと思ったら、転職エージェントを活用するのも一つの方法です。転職準備に必要なさまざまなサポートを受けられるエージェントもあります。

例えば、自己分析で転職目的を洗い出したり、キャリアの棚卸しで強みを発見したりする際にも、プロの視点で客観的なアドバイスを受けられるでしょう。また、転職準備に必要なことを教えてもらえたり、応募書類の作成や面接対策のサポート、内定承諾するかどうかの相談などができたりするケースもあります。

「転職で後悔したくないけれど、一人で進めるのは不安」という場合には、転職エージェントを活用してみるのもおすすめです。