転職エージェント トップ > 転職成功ガイド > 転職面接 > 面接で「気になる最近のニュースは?」と聞かれたら、どう答えれば良いか

面接で「気になる最近のニュースは?」と聞かれたら、どう答えれば良いか

面接 気になるニュース

採用面接では、「最近、気になったニュースを教えてください」と質問されることがあります。ある程度、会話が弾み、場が和んできたタイミングが多いようですが、そもそもこの問いかけには、どのような意図があるのでしょうか。
本記事では「気になる最近のニュースは?」と質問される理由や答え方を解説すると共に、回答例や気になるニュースの収集方法を、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

面接で「気になるニュース」を聞かれる本当の理由

「気になる最近のニュースは?」という質問をする背景には、情報感度と仕事に対する価値観を確認する目的があると考えられます。

〝情報感度〟を測る

面接では、情報感度を測るために、「気になるニュース」を聞かれることがあります。
情報感度とは、情報に対する関心や興味の度合いのことを言います。情報感度が高い人ほど、的確な情報を素早く多く収集できる、情報収集力に長けている傾向にあります。また集めた情報を適切に精査し取捨選択できる判断力や、情報をビジネス化できる行動力・先見性も備えていると期待できます。
つまり、「気になるニュース」を聞き情報感度を測ることで、下記のようなビジネス素養を備えているかを見極めていると言えるでしょう。

  • 情報収集力に長けているか
  • 主体的に情報を探す習慣が身に付いているか
  • 必要な情報を取捨選択できる判断軸を持っているか
  • ビジネスを先読みする先見性を兼ね備えているか

〝仕事に対する価値観〟を探る

また気になるニュースを聞く2つ目の理由として、採用担当者が応募者の仕事に対する価値観を探りたいと考えている可能性もあります。
価値観とは、物事を評価する際の判断基準や考え方を指します。たとえば、同じニュースに触れても、感想や分析の仕方は人によって異なるでしょう。
仕事に対する価値観を探る点においては、次の通り組織とのマッチ度を測るケースが多く、早期離職やミスマッチを防止する目的もあるでしょう。

  • 基本的な考え方が自社の理念や風土にマッチするか
  • 自社の業務・業界に関心を持っているか
  • 既存社員に馴染めるか

面接で答える「気になるニュース」を準備するには

面接準備に向けて「気になるニュース」を準備するポイントは、次の通りです。

  • 直近1~3ヶ月など数ヶ月以内のニュースから探す
  • 業界に関連する最新の研究情報やテクノロジーに関するニュースを探す
  • 広く認知されているニュースから探す

直近1~3ヶ月など数ヶ月以内のニュースから探す

面接で答える「気になるニュース」を準備する際は、直近1~3ヶ月など数ヶ月以内を目処に公開・公表された時事性の高いニュースから探しましょう。
面接当日から1週間以内などの極めて直近のニュースを選ぶ必要はないと考えられます。しかし、過去1年を超えるようなニュースは、情報が古くなり状況が現在と大きく変わっている可能性があります。また採用担当者に「情報に疎い」と思われてしまう恐れもあるため避けましょう。

ただし、数ヶ月以内のニュースであれば、何を選んでも良いというものでもないでしょう。採用担当者が「気になるニュース」を問う背景には、前述の通り情報感度と仕事に対する価値観を確認する目的があると考えられます。過去のニュースの中でも、自分なりの意見・考えを伝えられるニュースを選びましょう。

業界に関連する最新の研究情報やテクノロジーに関するニュースを探す

業界における最新の研究情報やテクノロジーに関するニュースを探してみるのも良いでしょう。最新の研究情報やテクノロジーは、次のような方法で探してみることもできます。

  • 論文検索エンジン・データベースを活用する
  • SNSを利用する
  • 展示会に参加する

論文検索エンジン・データベースには「Google Scholar」「ACM Digital Library」「CiNii Research」などがあり、キーワードや論文の種類などで検索できます。最新の研究情報を探したい時は、活用してみてください。
SNSを利用する際は、有識者や業界技術について発信している企業をフォローしておくと、新しいテクノロジーに関する情報や最新の業界情報、さらには新しく発表された研究情報について学べることもあるでしょう。
また展示会は、多くの同業界企業が参加するイベントです。業界の最新テクノロジーを知れたり、応募先企業はもちろん競合にあたる企業の情報を得られたりする可能性も期待できるでしょう。

特に技術職に応募する場合は、採用後のポジションに関連するニュースを探してみるのも1つの方法です。採用担当者に対して、自己成長や専門知識の拡充に関心を持っていることや、旬なニュースに対して感度高く反応している旨ことをアピールできるでしょう。
なお面接で伝える時は、最新の研究情報や発表だけではなく、数年前の情報や発表にまで遡って話せるようにしておきましょう。そうすることで「面接のためだけに調べてきた」と思われてしまう事態を防げる他、ニュースに対する自身の理解も一層深まります。自分の意見もより的確に伝えられるようになるでしょう。

広く認知されているニュースから探す

「気になるニュース」を準備する際は、広く認知されているニュースをチェックしてみるのも良いでしょう。たとえば、流行語大賞の中から話題を探してみるのも1つです。流行語大賞で取り上げられる言葉は、政治や社会に大きな影響を与えた言葉でもあります。多くの人が自分なりに考えを持っていると考えられるため、会話が弾み相互理解をより深められることも期待できるでしょう。
他にも広く認知されているニュースを探す方法としては、ニュースサイトのアクセスランキングやSNSの急上昇ワードをチェックする方法があります。
ただし、面接で話すからには、「なぜそのニュースを取り上げたのか」「ニュースに対してどう感じたのか」「そのニュースを見て自分はどうしていきたいのか」など、自分なりの意見を交え伝えることが肝要です。

面接での「気になるニュース」の答え方

面接での「気になるニュース」を答える時は、次の4つのSTEPに区切って伝えることを意識しましょう。

  1. ニュースの概要
  2. ニュースの詳細
  3. 気になるニュースとして選んだ理由
  4. 自分の意見

【STEP1】ニュースの概要

 【例文】
今興味を持っているニュースは「新型コロナウイルスが5類に移行したニュース」です。

ニュースの概要を伝える時は、ニュースのキーワードとなる言葉を用い、どのようなニュースについて伝えようとしているのか端的に説明しましょう。なお伝える時は、ニュース詳細と内容が重複しないよう、一行・短文で伝えることがポイントです。
採用担当者としても話の冒頭にニュースの概要を知れると、どのような話が展開されるのか想像しやすくなるでしょう。

【STEP2】ニュースの詳細

【例文】
2023年5月に「5類」に移行したことで、感染症法上、季節性インフルエンザと同じ位置づけとなりました。

続いてニュースの詳細を伝えます。
採用担当者によっては、ニュースを知らない人もいます。ニュースの全体像を掴める情報を交えて伝えられると、採用担当者もニュースについての理解を深められるでしょう。また専門性の高いニュースの場合は、信憑性あるニュースであることを伝えるためにどこからそのニュース情報を収集したのかも伝えられるようにしておきましょう。

【STEP3】気になるニュースとして選んだ理由

【例文】
新型コロナウイルスは、私たちの生活に大きな影響を及ぼした出来事でした。
私たちの生活に様々な変化をもたらした新型コロナウイルスだったからこそ、5類に移行することで、今後どのような新しい社会変化が生じるのか興味・関心を持ったため、気になるニュースとして選びました。

続いて、気になった理由を伝えます。
この時採用担当者は、ニュースを選んだ理由を聞くことで、どのようなことに興味・関心を示す人なのかを知ろうとしていると考えられます。「ただ興味惹かれた」と答えるだけではなく、「どの部分に興味を惹かれたのか」「なぜこのニュースを選んだのか」など、“なぜ”・“どうして”に触れながら伝えるようにしましょう。

【STEP4】自分の意見

【例文】
新型コロナウイルス蔓延時は、求められるサービス・商品が大きく変わり、経済そのものも大きく変化しました。それに伴い、ビジネスモデルが大きく変わった業界・企業もたくさんありました。変化に対応できない、変化に追いつけなかった企業は、厳しい状況になったと思います。

新型コロナウイルスが5類に移行したことで、再度求められるサービス・商品が変わり、経済もニーズに合わせて変化すると思っています。ビジネスモデルが変われば、対象となるユーザーや商品・サービスのPR方法など、再度様々な変化が生じることでしょう。

企業は、再度状況に応じた柔軟な対応や施策が求められると考えました。そのため、新型コロナウイルスが5類に移行したニュースを見てからは、経済やビジネスの変化をいち早くキャッチできるよう、以前よりもこまめに経済に関連するニュースを確認するようになりました。

最後に自分の意見を述べます。
上記のように事業に絡めたり、中長期計画や業界に紐づけたりするのも良いでしょう。人事担当者は、本フェーズでどのような考えを持つ人物なのか思考の深さや自社への関心、さらには人間性なども測っていると考えられます。
「すごいと思った」「大変だと感じた」などのように感想で終わることのないよう、ニュースに対して自分なりの考えや意見を述べるようにしましょう。また例文のように、逆質問に繋げるのも1つの方法です。

気になるニュースの回答例

本項目では、気になるニュースの回答例を紹介します。

回答例1:金融・経済関連のニュース

私が注目しているニュースは、おおよそ30年ぶりとも言われる円安に関するニュースです。
円安自体は2022年頃から始まりましたが、私たちの身の回りや業界によっては、今頃からその影響が顕著に表れ始めると思っています。その中でも御社は中長期計画に海外進出を掲げていらっしゃいます。実際にこの業界に属する○○会社もベトナムへの進出を軌道に乗せたというニュースも見ました。

私もグローバル化が進む社会において、国内のみならず世界で通用するビジネスパーソンへと成長していきたいと考えています。

【回答のポイント】
個人の所感と企業の事業を簡潔に結び付けている点から、身近なニュースをビジネス観点でもキャッチアップできる点は、評価できるポイントと言えるでしょう。
しかし一方で円安というニュースが応募先企業にどう影響するかについて、意見が乏しいように思われます。必要に応じて円安による事業や海外進出への影響を尋ねてみると良いでしょう。

回答例2:SDGs・流行語大賞に関連するニュース

私が最近気になったニュースは、国連のグテーレス事務総長が発言した「地球沸騰の時代が訪れた」とコメントしたニュースです。日本流行語大賞にも、『地球沸騰化』という言葉で選ばれたニュースです。

それほど危機感を持たなければならない事象になっていると、本ニュースを見て自分事としても考えるようになりました。また、いずれ日本経済はもちろん、世界経済を巻き込んだ問題に発展するのではないかとも思っています。
一方で最近では、SDGsが叫ばれ、国単位ではなく企業単位での取り組みも増えてきました。その中でも御社は、事業に絡めたクリーンエネルギーの推進をSDGsに掲げています。

私も御社の事業やSDGsの取り組みには深い興味を持っているため、ぜひメンバーの1人として地球沸騰化抑制に寄与していきたいと考えています。

【回答のポイント】
世界的ニュースと国内のトレンドニュース(日本流行語大賞)を絡めている点や、SDGsや企業の取り組みに繋げている点は、各トレンドを上手にまとめているように思いました。また入社後のビジョンや意見もしっかり伝えられているため、意欲のアピールにもなったでしょう。
どういった経緯で事業やSDGsの取り組みに興味を持ったのかまで伝えられると、さらに熱意を感じられるコメントに仕上がるでしょう。

気になるニュースの収集方法

最後に、気になるニュースの収集方法を紹介します。

経済ニュースプラットフォーム

ニュース情報を素早く集めたい場合は、経済ニュースプラットフォームを活用するのも1つです。注目の話題や喫緊の話題を取り上げていることが多いため、面接で話すニュースを探しやすい利点があります。
中には、各ニュースや各界に精通した有識者のコメント・解説が添えられているサービスもあります。ニュースを読み解く際の参考にもなるでしょう。

メリット 注意点
・無料で利用できるサービスもある
・注目の話題や喫緊の話題を見つけやすい
・アプリでチェックできる手軽さがある
・無料会員の場合、閲覧制限がかかる場合がある

新聞

新聞の大きなメリットは、正確性の高さと言えるでしょう。
情報の取捨選択や校正がしっかり行われているため、最新の情報を正確に把握しやすいという利点があります。
一方で紙媒体となるため、情報の管理や振り返りのしづらさが難点として挙げられるでしょう。また関連情報はネットのようにリンクで飛ぶことができないため、別途自分で調べなければなりません。
ただ、最近ではオンライン新聞・デジタル新聞なども利用できるため、必要に応じて活用しましょう。

メリット 注意点
・情報の正確性が高い
・時事情報の収集に長けている場合が多い
・1つの新聞社だけを参考にしていると情報に偏りが生じることがある
・情報の管理がしづらい
・関連情報を収集しづらい

ニュース番組

ニュース番組も、ニュース情報を収集する方法の1つです。
ニュース番組を活用するメリットとして、情報の正確性が比較的高い点が挙げられます。また有識者のコメンテーターがいる場合、専門的な意見を聞けるため、自分の意見を考える際の参考にもなるでしょう。
しかし、話題性が低いニュースの場合、情報が深掘りされず、簡易な情報しか放映されない場合もあります。その場合は、別途情報収集が必要になるでしょう。

メリット 注意点
・情報の正確性が高い
・トレンド情報を扱っている
・コメンテーターがいる場合、有識者の意見を聞ける
・情報が浅い場合がある
・情報の管理がしづらい
・関連情報を収集しづらい

電子新聞

電子新聞は、紙媒体の新聞とオンラインの利点を組み合わせたサービスであり、新聞で公開される信憑性の高い情報をアプリから手軽にチェックできます。さらにキーワード検索や記事をブックマークできるサービスもあるため、情報を集めたり、精査したりしやすいサービスと言えるでしょう。
また多くの場合、無料で閲覧できます。ただし、無料版の場合、閲覧できる記事が制限されることもあります。情報を幅広く収集したい場合は、有料会員へのアップグレードを検討しましょう。

メリット 注意点
・手軽にニュースをチェックできる
・キーワード検索できる
・気になる記事をブックマークできる
・紙面より早く情報が届く
・無料版の場合、閲覧できる記事が制限されることもある

指定キーワードに関する情報公開を通知してくれるサービス

指定キーワードに関する情報公開を通知してくれるサービスを利用する方法もあります。必要な情報を自動で知らせてくれるため、情報収集をする習慣がない人や現職や転職活動に忙しい人でも必要情報をキャッチできるでしょう。
ただし、設定キーワードによっては大事な情報を逃す可能性があります。気になる情報があれば、別途自分でも情報を集めるようにしましょう。また話題性の高いキーワードを設定した場合、ヒットする情報が多くなり情報の精査に時間がかかる可能性も考えられるため、注意が必要です。

メリット 注意点
・登録したキーワードにヒットするニュースを自動通知してくれる
・無料で利用できるサービスもある
・全てが必要な情報とは限らない
・設定キーワードによっては大事な情報を逃す可能性がある

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2018年12月17日 記事更新日:2024年11月29日

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。