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鹿島アントラーズ小泉社長が語る、会社が目指す未来と人材採用計画

J1リーグ所属のプロサッカークラブ・鹿島アントラーズは2024年10月、株式会社リクルートとクラブパートナーシップを締結。ビジネス人材採用における協業など、戦略的HRパートナーシップのもと、連携を強化しています。

このほど、鹿島アントラーズを運営する株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長の小泉文明氏にインタビュー。鹿島アントラーズで働く魅力ややりがい、求められる人物像などについて語っていただきました。

 

プロフィール
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー
代表取締役社長 小泉文明氏

2003年4月大和証券SMBC(現・大和証券)入社。2006年にミクシィに入社し、2008年同社取締役に。2013年にメルカリに入社し、取締役を経て2017年に取締役社長兼COOに就任。2019年8月、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長に就任。メルカリ取締役 President(会長)と兼任。

 

株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長の小泉文明氏

鹿島アントラーズの昨シーズン振り返りと、今シーズンの抱負

鹿島アントラーズは歴代では一番タイトルを獲得しているチームですが、2024年は残念ながらタイトルを取ることができず、リーグ5位という結果に終わりました。夏場までは好調で、かなり上位にいたにもかかわらず、後半にかけて失速してしまったという反省があります。
ただ、ホームゲームの来場者数は平均2万3千人を超え、過去最高となりました。その前のシーズンと比べると、1試合当たり千人以上増えている計算になります。2024年は「ホームゲームでは1試合も負けなし」という快挙を成し遂げましたが、たくさんのファンの皆様が現地で応援し、盛り上げてくださったから、いい空気が作れたのだと実感しています。

今シーズンは、かなりいい補強ができたと思うので、タイトル獲得に向けての準備は整っています。今まで以上に勝利にこだわり、ファンの皆様に結果でお返ししたいと考えています。

鹿島アントラーズの中途採用で重要視しているポイント

現在、鹿島アントラーズでは各ポジションでの人材採用を強化しています。職種ごとの専門知識や経験・スキルも重視していますが、最も重要だと考えているのは、クラブのミッション「すべては勝利のために」に、心から共感できるかどうかです。

鹿島アントラーズでは、選手だけでなくビジネス部門でも、全員が「勝つためにこの組織がある」と信じて働いています。フットボールはチームスポーツでもあるため、会社全体で一丸となって大きな目標を成し遂げるためには、ミッションへの共感が何より大切だと考えています。

また、難しい目標にも臆せずチャレンジしようとする姿勢も重視しています。チームとして、会社として成長するために、今後はより高く、難しい目標に挑戦していく計画です。その中で「自分も高い目標にチャレンジして成長したい」という熱量を持ち、目標達成のために努力し続けられる人に来てほしいと願っています。

入社後は、それぞれの専門スキルを活かしながら、より難しい目標に挑み続けることになると思います。さまざまなチャレンジを経てスキルを磨き、社内で評価される人材になってほしいのはもちろん、将来的に当社を出ていったとしても、社会の中で価値を生み出せるビジネスパーソンになってほしいとの思いもあります。

株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長の小泉文明氏_2

鹿島アントラーズの「チャレンジ」とは?

チームとして、企業として成長するために、各所でさまざま取り組みを行っていますが、特に力を入れているのはパートナーセールスです。
これまでのパートナーセールスは、ユニフォームやスタジアムで露出する広告のセールスがメインでしたが、当社では、パートナー企業の経営や事業内容を分析したうえで、各社が持っているアセットをうまく活用しながら、相手先のビジネスに寄与できるような提案を行っています。つまり、一方的にお金をいただくのではなく、協業の形が多いのが特徴的。ジョイトベンチャーやレベニューシェアなど、パートナーシップ型のモデルも今まで以上に柔軟に多様であるべきだと考えています。

パートナー企業にどれだけ貢献できるかを考え抜く努力をしないと、継続的なパートナーシップは難しいでしょう。パートナー企業をより深く分析して理解し、ディスカッションを重ねながらビジネスプランを練り上げ、伴走し続ける――非常に高度な取り組みになりますが、改めてこの方針を徹底していきたいと考えています。

さらに大きなチャレンジとして、アジアをはじめとするグローバル展開にも、本気で取り組む計画です。フットボール自体はグローバルなスポーツであり、今後はパートナー企業もどんどんグローバルに出ていくと予想されます。鹿島アントラーズは2018年にアジアチャンピオンになりましたが、アジアでのマーケティングを行い、アジアでのファン獲得やパートナー企業の支援の戦略を練るなど、ビジネス基盤作りに注力する考えです。これまでのビジネスフィールドとは大きく異なるため、アジア戦略を担える人材も新たに必要になると考えています。

鹿島アントラーズの人材採用の「課題」と「これから」

私が2019年に鹿島アントラーズの社長に就任したとき、一番驚いたのは、採用がオープンになっておらずクローズドで行われていたことです。なかなか人が集まらず、優秀な人材の確保に苦慮していました。
ブランディングのための材料はたくさんあるのに、あまりにもったいない。そこで、ネット企業の採用での知識や経験を生かし、人材採用を強化しようとしたのですが、その矢先にコロナが流行し、採用計画をストップせざるを得ませんでした。

ただ、その期間にサバイブするべく無駄なコストを削ったことで、チャレンジできる体制を整えることができました。自分たちでセルフブランディングを行い、独自に採用イベントを開催していましたが、今回リクルート様とパートナーシップ契約を締結したことで、よりさまざまな手法で優秀な人材を採用できるようになったと感じています。

フットボールビジネスというと特殊なもののように思われるかもしれませんが、扱う商材が異なるだけで、一般のビジネスと変わりはありません。ネット企業出身者やコンサルティングファーム、金融やメーカーなど、さまざまなバックグラウンドを持ち、いろいろなフィールドで活躍してきた人材が必要です。

当然ながら、他の優良企業と人材の取り合いになるでしょうが、親会社であるメルカリに競り勝てるぐらい魅力的な会社にならないと、次のステージには進めないと思っています。選ばれる会社になるためにも、これからもさまざまなチャレンジを行い、成長し続けたいと考えています。

求める人材像と、鹿島アントラーズで働く楽しさ・やりがい

先ほどもお伝えしたように、採用の際に重視しているのは、ミッションへの共感とチャレンジングな姿勢です。

鹿島アントラーズのホームタウンである茨城県鹿嶋市は、人口約6万5千人の小さな町です。今は、これまで鹿島アントラーズが築いてきた「伝統」に支えられている部分が大きいですが、人口はダウントレンドにあり、普通にビジネス展開していてはシュリンクしていくだけ。30年後、50年後もチームが存続するためには、ベンチャースピリットを持って、自分たちで変化を起こすべくチャレンジし続けることが何より重要です。

常に知恵を絞り工夫を凝らす姿勢も求められるため、「J1の有名クラブだから安泰」などと捉えている人には難しいでしょう。

株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長の小泉文明氏_3

ただ、我々が扱っているのは、フットボールという非常にエモーショナルなものです。そして、パートナー企業や行政、鹿嶋市を中心としたホームタウンの方々、そしてファンと、さまざまなステークホルダーがいますが、その全員が同じ夢や目標に向けて一致団結できるという仕事は、他にはあまりないのでは?皆が同じモチベーションで走り続けられる楽しさは、何物にも代えがたいと思います。

そして、これからグローバルにも本格的に進出しようとしています。鹿島アントラーズの伝統を守りつつ、進化させるフェーズにあり、変化の中で成長したい人にはやりがいと学びが多い環境だと自負しています。

求人広告の大規模展開で期待していること

リクルート様とも協業しながら、2025年2月10日~16日は東京駅での大々的な求人広告展開、2月22日はホーム戦のスタジアム内での求人広告掲出など、求人に関するさまざまなアプローチを行う計画です。多くの人の目に留まり、「スポーツ業界が人材を募集しているんだ」「こんなキャリアの可能性があるんだ」と気付きを提供したいと考えています。

そして、多くのビジネスパーソンのチャレンジを促せたら…とも考えています。どんなスポーツも、「チャレンジ」というメッセージを秘めています。高い目標に挑戦する、次の一歩を踏み出す、というような前向きな印象を持っている人が多いのではないでしょうか。たとえ当社への応募につながらなくても、今回の広告展開が次のキャリアを考えるきっかけになれば、非常に嬉しいですね。

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